2016年9月15日木曜日

ルボラン10月号・恒例のドイツ車特集に大きな異変が・・・。

  毎年10月号は「ドイツ車の◯と×」というタイトルを掲げるルボランの名物企画ですが、何やら今年は様子がオカシイです。例年は「ドイツ車の◯と△」くらいのお手盛り企画な感があったんですけども、今年はタイトルに偽りなしの「ドイツ車の△と×」になってました!!! というか、これを読んで誰がドイツ車を欲しくなるのかー?ってくらいにビックリな内容になっています(やめとこう!ってなるよ)。長年のルボラン読者からしてみれば、いきなりの『暴挙』によってあっさりと掌返しをされた!?みたいな大混乱かもしれないですね。

  ルボランといえば、モーターマガジンとならんで長い歴史を誇る名門雑誌。どちらも自由きままな自動車趣味な人間がよってたかって妄想を広げる「同人誌」的な立ち位置で50年以上歩んできました。失礼ですが日本経済全体にとっては、ルボランもMMもあってもなくてもいい雑誌です。自動車産業からみれば、ルボランの記事なんて採るに足らない失笑ものの連発ですから、当然にクルマ作りに与える影響力なんてのはほぼゼロ(おそらく)。でもそれでいいと思うんですよ。なんだか的外れなコトばっかり書いてあっても、その雑誌を毎月読むことで、ドイツ、イギリス、イタリアの自動車産業に想いを巡らす時間が、忙しい日常の中に供給される。それだけで十分に多くの人が「憩える雑誌」になっていると思うのです。

  確かにお世辞にも島下泰久氏や河口まなぶ氏の文章でお腹一杯になるなんてことはないですし、厳しいですがもはや『評論』という次元のものでもないです(島下氏の『上から目線な物言い』と、河口氏のごくたまに出る『正論』は悪くないが!)。業界への影響力はほぼゼロなんですけども、それでも広告主様に逆らうような記事は絶対に書けません・・・その結果当たり前ですが、牙を抜かれた言論では雑誌が面白くなるはずもなく、存在意義が問われるジレンマに悩まされ続けています(いるはずです)。内容がどうあれ最新モデルを紹介して当たり障りの無いどーでもいいことを綴っておけば「憩い」くらいにはなるけど、それ以上でもそれ以下でもないポジションに落ち着いている・・・そこが残された存在意義なんじゃないかと・・・。(だからブログで目一杯いじってあげよう!)

  余談ですが、広告主から独立したカーメディアを目指した「クルマの神様」という雑誌が以前にありました。そのコンセプトを実現するために広告を一切貼らずに展開しましたが、主筆の福野礼一郎氏がこの期に及んでまさかの及び腰で、なんとも中途半端な内容に終始し、たった2号で打ち切られてしまいました。これからはネットでそういう試みが行われるとは思いますが、流通時における課金が出来ないウェブコンテンツでは、収益源はやはり広告頼みになってしまうという問題が横たわります(パチンコ、サラ金など他の業種から広告主を募る?)。有料メルマガを運営し続けて、単行本まで出している沢村慎太朗氏だけがこの『宿痾』を抜け出しつつあるようですが・・・。

  要するにルボランもMMも余計なコトしないで、ノホホンとドイツ車オーナーが気持ち良くなるような甘ったるいこと書いておけばいい!本気でそう思うんですけどね。いくら週刊文春が注目されているからといって、いきなり「まとも」な指摘を繰り出し始めるのはどうかと・・・。「ドイツ車オワコン論」は一部の過激な評論家によって2000年代中頃から密かに囁かれていましたけども、それらの言論を徹底的に封殺して、骨っぽい評論家を出禁にして、事なかれ主義・平和主義なライターに安定して仕事を与え続けたルボランさんが、なにをいまさらに方針転換しているんだろうかと・・・。

  ルボラン、モーターマガジン、カーグラフィックに加えて、自ら下劣路線を標榜してコンビニの成人誌コーナー近くに週刊SPA!と並んで置かれる、男性雑誌風情のベストカーやニューモデルマガジンXまでもが、異口同音でひたすらに「ドイツ車>>>日本車」を唱え続けてくれたおかげで、単なるドンガラなドイツ車をドヤ顔で乗りこなす、景気の担い手が東京のど真ん中でたくさん培養されていたのになー。やっぱり日本経済の為にもドイツ車もそこそこ売れた方がいいですから・・・。ドイツ車があるからそれを尺度に日本車も性能が上がっていいクルマがいい値段で売れるようになる。

  それに白金とかの住人がメルセデスやBMWをやめて、アストンマーティンやベントレーに乗り出しだら・・・もう可愛げもなくなりますね。この街にはマフィアしか住んでないのか?って。別にドイツ車だからダメ、英国車だからいいという単純な話でもないですけどね。「英国車乗っている」っていう変なステータスを公言するヤツに聞くとほぼ100%MINIだったりするわけで・・・。それはそれで英国車オワコン論の始まりではあります。

  やっぱり日本のクルマユーザーはメルセデスやBMWにうっすら憧れを持っているくらいが丁度いいのかもしれません。Aクラスや3erをブログで散々にディスっておいてこんなこと言うのも筋が通ってないかもしれないですが、2016年のルボランの大きな転機を目の当たりにして、なんか「えらいことになったなー」と状況の変化に戸惑っている次第です。いつから日本のメディアはドイツ車を上から目線で見下すようになったのか・・・。2025年に自動運転の最終形態がラウンチされて、ドライブフィールなどクルマの購入に全く関係なくなる日が近づいています。果たしてその時(2025年)にルボラン、MM、CGの3冊は紙媒体で生き残っているのか? このルボラン10月号はいよいよカーメディアの生き残る道を狭める結果になるのではないかと・・・。

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