2016年12月24日土曜日

九島辰也氏 の意外な魅力が炸裂の「GQ-CARS2」

  毎度毎度上から目線で、有名自動車ライター様のささいな「揚げ足取り」をしてきましたが、どーせカーメディアの報じる内容なんてデタラメだらけですし、いちいちツッコミ入れるのもなんだかなー。そろそろ同じパターンの展開は書いていて少々飽きてきたので、来年からはもうちょっと「謙虚」にライターの魅力を伝えていきたいと思う次第でございます。

  突然というわけでもないですが、そんな心境の変化が起こったのは、個人的に2016年下半期で最高の自動車関連著作物だと思われる「GQ-CARS2」というムック(雑誌の増刊号)を読んでからですねー。アラフィフから還暦までの脂の乗り切った中年の自動車ライター(そもそも若手はいない)が大挙動員されていて、日頃の仕事のストレスを晴らすように伸び伸びと対談しています。多くの自動車雑誌で絶対的に要求される新型モデルの「技術面での説明」などは割愛OK!!(スペック表見ればいい!)。ひたすらにクルマ好きな素人が飲み屋で話すかのように語ってます。つまり自動車専門誌とは全く別の顔を見せているわけですよ。

  たくさんの連載を持っていて、そこで毎回赤裸裸に何書いても読者が許してくれる福野礼一郎さんみたいにリラックスした仕事ぶりです。やはり環境が変われば仕事ぶりもだいぶ変わるようで、毎月読者(熱狂ファン)を力強く自動車への関心へと巻き込む、あの福野礼一郎さんの文章を読んでいるかのような興奮がありましたよ。ただし清水和夫氏&国沢光宏氏の還暦コンビはどうもこの企画のノリが解ってないようで、四角四面な説明を垂れ流すなどやや浮いていました。他の皆様の中には単体でのレビューを読んでコイツつまんねーな!!と能力を疑問視していた方々(失礼)もおられましたが、やはりクルマについて書く仕事をしているだけあって、やっぱり「SOUL」があるんだ!!書き手の良さを引き出す編集部のレベルが専門誌とは違うんでしょうね・・・。

  普段のレビューでも割とぶっちゃけキャラでグイグイ来る感じの「カリスマ」ライター・小沢コージさんに関しては、そんな小細工は通用しなかったようで、なんだか地味でしたねー。単体のレビューはいろいろな意味で面白いんですけども、対談形式などの他のライターとコラボする企画だと、なぜか不思議と大人しくなりますね。たぶん周囲に気が使える「いい人」なんだと思います。やっぱり「カリスマ」はひと味違うなー(他人と一緒に仕事するのが苦手なのか?)。

  これだけライターを集めて好き勝手に対談させていると、中には話が被ってしまう人も。いまやスポーツカーか?SUVか?ってくらいにオッサン向けクルマ雑誌のコンテンツで重要なのがSUVなんですけども、沢村慎太朗氏と九島辰也氏がSUVの現状に関してほぼ同じようなこと言っちゃってます(恥ずかしー)。編集ももう何がなんだかよくわからないから、とりあえず手を加えないで載せちゃえ!!って感じなんでしょうけども、せっかくのハレの舞台でモロ被りした両者はちょっと可哀相ですね。言っていることはなかなか至言なんですけども・・・。

  正直言って動画などにも積極的に出ている九島氏は、てっきりレビューと文章力に自信がない「河口まなぶ系」のライターさんだと思ってましたが(動画のコメントがチャラい)、あの沢村さんの話の内容が被るとは、なかなかどうしていろいろと考えていらっしゃる方なんですねー・・・失礼しました。チェロキーやマスタングの年式にもとてもお詳しいようです(アラフィフなら常識なのか?)。森慶太さんというこれまたかなり個性的なライターと対談しているんですけど、一部に熱狂ファンを持つ熱いライターとして知られる爆弾オトコの森氏を相手に「熱さ」で完全勝利するとは!!!(知らない人には全く何言ってるかわからないですよね・・・)

  やっぱりトップギア(日本版)とか見てると、イギリスのライターは読者のクルマへの情熱を確かめるかかのように、「待ったなし」であれこれ放り込んできます。日本ではほとんど知られていないモデルによるたとえ話なんかは、「はぁ!?なんだよそれ!?」ってなりますけど、ネットがあるわけだからいくらでも調べればいい!! 知らないクルマが出て来るだけで、なんだかとっても得した気分で嬉しいんですよ。日本で言えば「オートメカニック」の専門用語オンパレードな連載。読んでいてやっぱりわけわかんなくなりますけど、「熱さ」だけは確かに伝わってきて、趣味の本を読んでいるなーって実感します。それに引き換え「ニューモデルマガジンX」や「ルボラン」なんて、まるで全国紙みたいな「報道ごっこ」ばかりで、スペック表をそのまま文章にしたような内容は読むのが苦痛だったり・・・。

  GQ-CARS第2号はとてもトップギアに近い「趣味の雑誌」へと上手く仕上げたと思います。昨年の第1号は単なる「寄せ集め」の駄作でしたけど、そこから猛烈に反省して、動員するライター連中を次々と対談させて「本音」(どうかわからんけど)を上手く引き出しいます。「清水草一VS大谷達也」なんて最高に面白かった!!NSXと488GTBを意味不明に否定する清水草さんに対して、大谷さんが真っ向から反論していて、挙げ句の果てには「NSXはデザインがキモくないからダメ!!」とか言い出す始末・・・そんなオチありかよ。清水草さんはほぼいつも通りだけど、やっぱり大谷さんは「熱い」ですね!!(BMWディーゼルに対してマツダディーゼルの完全勝利をカーグラフィックで断言したとっても熱い人です)。

  沢村さんはさすがに気心が知れている?森慶太さんが相手です。他のライターがみんなNG出したのかなー。それとも編集部が気を使ったのかなー。来年はギャラを奮発してでも、あえて他のライターとコラボさせてほしーですね!!もう想像するだけで笑えて来ます。
「VS清水草一」清水の愛車の458を以前に著書で完全否定したこともある!!スーパーカーといえば沢村ってくらいですから草さんは何も喋れなくなっちゃうかも。
「VS九島辰也」アメ車もガンガン語れる沢村さんですから、かなり良い対談になりそうな予感も。日本のカーメディアはとっても歪で、クライスラーとジープを語れるライターさんがほとんどいないんじゃ・・・。
「VS河口学」これはアカンですね。河口氏の新たな魅力が発見されればいいですが。




  

2016年12月14日水曜日

清水和夫氏 と テスラ のあまりにも不幸過ぎる関係。

  10月の終わりくらいに発売された「GQ・CARS・2」という男性雑誌GQの増刊号がなかなか面白いです。定価880円でものすごい数の自動車ライターを動員していて、自動車専門メディアが唖然とするほど内容が濃い!!個人的には沢村慎太朗さんの対談記事が読めるだけで大満足なんですが、それに加えて小沢さん、西川さん、清水(草)さん、島下さん、大谷さん、五朗さん、渡辺(敏)さん、森口さんといった割とまともで良識派の皆様が勢揃いしています。それとは別に石井さん、河口さんといったチャラい連中も充実してます(笑)。

  そんな中でも最も「?」だったのが100あるコーナーの中で3番目に置かれた清水和夫氏の問答です。これはもうGQ編集部の確信犯的ないたずらとしか思えないっす!!何が面白いのか?というと、冒頭に持ってくるには一見あまりに冴えない内容で、テスラ・モデルXというガルウイングを備えた新型SUVについて問答形式で清水さんが答えるってコーナーなんです。しかもとっても短くて情報としての内容は全くないです!!そんな存在意義が不明な1ページなんですけども、面倒臭がらずに読むとアホみたいにツッコミどころが満載なんですよ!!これは酷い!!

  清水(和)さんほどの大ベテラン・ジャーナリストでもこんな事言います???(これはゴーストライターの仕事じゃないかと・・・)。「Q1:モデルXの第一印象は?」と訊かれて、「本格SUVと比べるといかにもシティボーイ的」ってなんとも素人のオッサンが言いそうな冴えない言い回しですね・・・。高級SUVの代名詞であるランドローバーやジープに比べてシティボーイ的という意味だと思われますが、このクルマどう見てもテスラ版のハリアーじゃないっすか?まあ昭和からクルマ乗っておられる大御所ライターですし、最近出て来たSUVなんて全く興味が無いでしょうから、これが無難な言い方なのかもしれません。しかし・・・その後に「航続距離が気になる」とかまたまた素人の投稿みたいなことを言い出します(笑)。

  つづいて「Q2:テスラの良い点は?」への返答がいかにもジジイな言い分です。「100年続いた自動車の常識を覆したことは評価できる。」うーん。もう何言っているかわからない!!プリウスもリーフも存在を否定されてしまっているのは間違いなさそう。続いて「テスラのようなベンチャーでないと新しい価値は生まれない。」とか仰ります。テスラから「新しいっぽい」モノは生まれたかもしれないですけど、「新しい価値」というよりは旧来のセダンやスポーツカー的な価値の延長でEV作っているようにしか見えません。はて?何か生まれたのかな?ド素人には全く何を指しているのかわかりません。

  さらに「今後はエッジテクノロジーに酔いしれるだけでなく、普及へのロードマップを描けるかどうか。」とお続けになります。そんなこと言われなくてもテスラは十分に解っていて、徹底的に普及に向けたシュミレーションを繰り返した結果として約1000万円という車両価格が設定されていると思うんですが。さらに「自動車は社会公益性が高いので、株価や利益だけを追求するようなら自動車をつくってほしくない。」いい歳してキレイ事ばかり言ってますねー・・・。

  「Q3;テスラの悪い点は?」に対しては、「自動運転で死亡事故が発生した。誇大広告に走ったテスラにも倫理的責任があると思う。」この人から「倫理的責任」という言葉が出るなんてビックリですよ!!テスラを責める前にご自身の動画で行っていた悪質なステマを繰り返した挙げ句、視聴者に向けてまったく意図を説明をしないことに、「倫理的責任」はない!と言い切れるのでしょうか!? 

  それよりももっとヤベーーー!!と思うのが「イーロン・マスクCEOが水素燃料に対して批判的な姿勢を見せるのは納得できない!(もっと勉強するべきだ?)」ってところです。どうやら清水さんはイーロン・マスクの経歴をあまりご存知ではないらしい。本田宗一郎氏や鈴木修氏のように自伝も大人気になるほどのカリスマ経営者だなんて露にも思っていない様子。

  アメリカのカリスマ・キャピタリストであるベン=ホロビッツの名著「HARD THINGS」にもマーク・ザッカーバーグやジェフ・ベゾスらとともに登場する当代一流の敏腕経営者に対して「バカたれ!!」とは・・・。たぶんホリエモンみたいなヤツくらいにしか思ってないのでしょうね。若くして巨万の富を稼ぎ、リタイアして悠々自適な生活をしていてもいいのに、使命感に突き動かされて私財を投じて斜陽な自動車業界に挑む!!もうこれだけでも十分立派!!清水さんのようなステマ請負人に批判される言われは、これっぽっちもないっすよ・・・。

  もうすでに「ボケ多過ぎ!!」でツッコムのに疲れてしまったんですけども、終盤にもとんでもない一撃をかましてきます。このオッサンの話はしばしば「目がテン」になるほど的外れだったりするんですけども、これもまた強烈です。「およそ100年前、馬車のスピンオフとしてガソリン自動車が考案され、やがて普及した。そして今度はEVがガソリン自動車のスピンオフとして登場した。」えーーーーー!!!!!!EVってターボエンジンが出来る遥か昔から日本でも市販されてましたけどね・・・。

  1947年に日産の前身となる東京電気自動車が「たま電気乗用車」を発売。1950年には「たまセニア」という航続距離200kmを誇るモデルもすでに登場してます。その後米軍によって格安の石油が供給されるようになって、電気自動車の需要は無くなってしまったそうですが、その後の大量消費の時代を経過して化石燃料の使用を削減する風潮の中でテスラが躍進するタームになったってだけじゃないの?何がスピンオフだって?

  テスラとイーロン・マスクは、アマゾンとベゾスのような、IoTによる次世代型ビジネスモデルを、広く世界に知ってもらうための素晴らしいお手本だと思うのですが、オッサンライターの手に掛かればその「輝き」は一気に「怪しさ」に変わり、そのビジネス規模はまるで「おままごと」の域を出ないのか?とすら誤認させてくれます。テスラやアマゾンは日本メーカーの仲介もなく、アメリカ企業がBtoCビジネスで日本のカスタマーと直接取引するようになった!!という恐るべき事実を見ても、そのスケールはもう日本のポンコツ自動車ライターが安易に語れる次元じゃねーな・・・って思うんですけどね。

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2016年12月8日木曜日

森口将之さんが言うインプとゴルフに圧勝するCセグとは?(ティーポ1月号)

  あのVWゴルフが!!なんと「噛ませ犬」になるレビューが読めるなんて!!海外のカーメディアではもはや当たり前のことですけども、日本のカーメディアでは絶対というくらいに「禁忌・タブー視」されていたことを、森口将之さんというフランス車に詳しいライターがティーポ1月号でやらかしてくれました。VWゴルフにもはや優位性はほとんど無いというのは周知の事実なのですが、それでもカーメディアは「ゴルフこそがCセグの頂点」だと頑なに言い続けます。日本においては「ゴルフは絶対のベスト」と自信を持って報じられる媒体こそが「カーメディア」の定義に適う存在なのだと思います(たぶん)。

  新型インプレッサがゴルフ・ハイラインを圧倒してますよ!!という今回の内容。最近ではスバルもカーグラフィックなどに相当の「注射」をしているようで、いよいよ風向きが変わってきたのかもしれません。それにしてもこのレビューは雑誌媒体のカーメディアとしては2013年のゴルフⅦ発売以来の快挙じゃないでしょうか。森口さんが3年くらい前にゴルフⅦについて書いたレビューはとりあえず思い出せないです。それほど肯定的にも批判的にも書くライターでもないですけども、自らフランス車への愛情を示す方ですから、ドイツ車ながらもフランス車的なフォーマットでデカい顔しているゴルフを元よりそれほど快く思っていなかった可能性もあります。

  さてそのレビューの中のある一節が「インプ>>>ゴルフ」よりも過激な内容になっています。カーメディアにとってアンタッチャブルな存在のゴルフと、スバル自慢の新型プラットフォームで一気にクラスの頂点へ進化したハッキリと宣言するインプレッサの2台に対して、「この分野では2台のさらに上を行くクルマがあるのも事実」という爆弾発言が飛び出します。しかもわざと車名を明かさない手法!!!もうそれ以降のレビューの内容など全く頭に入ってこないですよ!!脳が勝手に候補車をさがしちゃいます。アクセラ?ボルボV40?フォーカス?プジョー308?それともプリウスなのかー?

  以前にCセグの番付を著書の中で発表した福野礼一郎さんは、圧倒的なゴルフ推しなので、それとは評価基準が根本的に違うんでしょうね。とりあえずAクラス、1シリーズ、ジュリエッタといった右ハンドル仕様が酷くてゴミな3台は出る幕では無さそうです。この3台はエンジンもシャシーもアシもハンドリングもとことんメーカーにやる気無いのが伝わってきて、残念ながら全く印象が悪いです。取り柄といったらAクラス=内装、1シリーズ=無し、ジュリエッタ=無し。設計基準が古いというのもあると思いますが・・・。

  欧州の感覚だと「Cセグにクオリティを求めるのが間違い」みたいで、ドイツの雑誌を見てもチェックするポイントが全然違っていて、重要度が高いのはなんといっても「燃費」。これマジです。よく「日本車は燃費ばかりでつまらない!!」とかバ◯の一つ覚えのように言っている人いますけど、そんなコメントがやって来たらもう「ウンザリ」ですね・・・特別に一つ例をお見せしましょう
コメントが実際にやってきたページのリンクです。
あんまりウンザリだったのでちょっとからかってしまいました・・・。

  森口さんのレビューによるとインプレッサに比べてゴルフはエンジンのレスポンスなどに大きな瑕疵があるとのことです。実際にVWの1.4Lは回転を低く抑えて燃費出すタイプですから、気持ち良いとはどう考えても形容できない部類のユニットです。最新のディーゼルではマツダなど4500rpmくらいに出力ピークになっていますが、VWのガソリンターボもだいたい同じ回転域を使います。BMW1シリーズもモジュラーの1.5L直3ターボになってから4500rpmがピークでやはり低回転方向へ進んでいて、以前の1.6L直4ターボ(プリンスエンジン)の方が走る分には気持ちよかったという意見も。しかし欧州のトレンドではやはり燃費の魅力が勝るみたいです。

  森口さんに言わせればBMWと共同開発したプリンスエンジンを今も大切につかっているPSAの方が乗っていて断然に楽しいのかもしれません。プジョー308の主力になっている1.2L直3ターボは5500rpmがピークで、単純にVWやBMWよりも1000rpm高くなっています。もちろんアクセラやインプレッサは自然吸気なのでもっともっと上の回転が使えます。

  ちなみにアルファロメオ・ジュリエッタの1.4L直4ターボはマルチエアで5500rpmがピークです。現行モデルのボルボV40T3の1.5L直3ターボは5000rpmくらいですが、2013年のラウンチ時に使われていて、そこそこのヒットを飛ばしたフォード設計の1.6L直4エコブーストは、6350rpmをピークに設定した高回転型のターボで、ゴルフを全く真逆のエンジンながらも、このボルボのユニットを福野さんが「クルマ論評2014」という著書で大絶賛していました。どうやら森口さんの落とし所もこの辺にありそうな気が?

  現行のCセグのターボで最高なのは、残念ながら日本撤退が決まっているフォード・フォーカスの1.5L直3エコブーストで6000rpmです。森口さんはこういうクルマこそ!日本に残すべきだ!とレビューで静かに訴えているのかもしれません。それくらいにゴルフのユーザーはあまり読まない方がいい内容で、インプレッサを予約した人にもやや不満の残る内容になってますね・・・。興味がある人はぜひ読んでみてください。そしてこの森口さんの込めた「主旨」と「隠されたナンバー1のCセグ車」を解読できた人は、ぜひご一報頂ければ幸いです。




  

  


2016年12月5日月曜日

最凶の自動車保守論客・渡辺慎太郎氏に敬礼!!(カーグラフィック編集長)

  カーメディアとは本来は「自動車産業の寄生虫」などではないんだ!!どの自動車メーカーとも一定の距離を採り、新しく出て来るモデルに対しても、周囲の期待や批判の一切を徹底して遮断して、自らの内面奥深くから滲み出て来る、カーキチのストイックな感情に忠実に従って淡々とレビューを書く!!これが出来ないヘッポコが少々多過ぎるかも(そんなヤツばっかりだよ)。真のカーメディアこそが本物のクルマ文化を作る!!・・・やっぱり自動車ジャーナリストに求められるのは人としての「器」の大きさだな。メーカーのご機嫌を伺ったり、大手雑誌から仕事を貰えるように大人しくて素人じみた記事を書く「小粒」ばかりが氾濫している。なんとも嘆かわしいことです。

  すごい影響力があって、それこそ「国士」とか言われるくらいのスケールの大きな豪傑ライターが出てくれば業界もだいぶ変わると思うんだけどな〜・・・と思っていたら、居ましたよ!!久々にもの凄く「ドス」の効いたレビューを見かけました。「カーグラフィック1月号」に掲載された「日産ノートe-POWER X」のレビューは、渡辺慎太郎編集長自らが書いてます。ついこの前までこの人はチャラい奴だなー(分別のある小沢コージさん)とか思っていたんですが、今回はまるで別人のような書きっぷりにたまげましたよ。日産が相当な期待を込めて投入したモデル。新しい機構が乗った次世代型ながらも、すでにリーフによって従来ユーザーとの親和性もある程度まで担保されていて、どう考えても大ヒット間違い無しのスーパーな1台なんですけども、渡辺さんは何の躊躇いもなく日産の鼻面にストレートに「鋭い拳」をねじ込んでます。もちろんとても印象に残るレビューだと思います。

  このライターのスタンスは国沢光宏さんや斉藤慎輔さんのようないわゆる「上から目線のオッサン」的ですし、国産車に対してやたらと手厳しくてそのバイアスに辟易させられることもしばしばですし、結構内容も破綻していていろいろとツッコミどころ満載ですよ。しかし単に国産車をケチョンケチョンに貶していい気になっているというわけでもなく、その裏にはそれなりの主張もハッキリと存在していて「みなさん!くれぐれも日産の小手先には騙されないでね!!」といった主旨のことが言いたかったんだろなーと思います。

  テレビのCMで矢沢永吉に「これって発明じゃない?」と言わせるだけの日産のみなぎる自信。そこからはスカイラインの時もそうでしたけど、「このクルマがダメならば日本市場の全ての市販車はダメだろ?」くらいの圧倒的な自負を感じます。ちょうどTBSの火曜日の新垣結衣主演のドラマがヒットしていて、メインスポンサーの日産のCMもいろいろと話題を振りまいていて、お茶の間にも着実に浸透してます。ドラマと徹底的にタイアップしてスポンサー特権を振りかざしたような「ジューク」のCMの方がインパクトはありますけども・・・。女性幹部が多いという日産らしいプロモーションだなーと思いますね。

  もしかしたら渡辺慎太郎氏はそういうところもひっくるめて「今の日産」が少々気に入らないのかもしれません(ガッキーのファンなのか?)。国沢さんや斉藤さんのような泡沫ライターはチンピラみたいなものですが、渡辺さんは名門老舗雑誌「カーグラフィック」の編集長です。いわば日本最大派閥のヤクザの大親分みたいなものですね。「おいこら!日産!そういうチャラいのはガマンできねぇ性分なんだぁー」くらいのことはさらりと言いそうな強面の人相はカーグラフィックで毎月拝めます。ゼニアのブランドスーツに身を包みかなり怪しい目つきのセルフフォトです。

  この渡辺親分が「あるクルマ」にメロメロになったというレビューを半年くらい前に見ました。そのクルマとは2017年に日本でもいよいよ発売になるアルファロメオ・ジュリアです。この親分の脳みそが完全に溶けてるかのような、甘い!甘過ぎる!読んでられねーって感じのゆるーいバイブ出してましたね。今回とは別の意味で記憶に残る記事だったと思います。「ボクはこのクルマに恋をした」と赤裸裸に書くプロライターなんて今どき居ますか?(村上春樹か!!) 斉藤さんがそんなこと書くのは想像できないし、国沢さんなら冗談半分で書くかもしれないけど、そんなことやったら気持ち悪さMAXなのはご本人が一番よくわかっていると思われます。

  ジュリアって名前のホステスに置き換えてもそのまま通用するような文体。これはもう大親分にしかできないですよ!!構成員(編集部員)はみんなキモいと思いつつも誰もツッコミすら入れられなかったんだろなー。もうどう表現していいかわからないから「好き過ぎてクレイジーになりそうだー!!」とか書いてしまえー!!って気持ちも分らないでもないですよ。「待望」って言葉がピッタリのクルマだと思いますし。BMWやメルセデスなら読者にオーナーも多いからいくらでも、そのクルマの価値を表現するフレーズはあるのだけど、この新生アルファロメオなんてまるでどこのユーザー層を狙ってるんだかまるで分らない!!けどこの「やっちまった感」はとっても好きだから全面的に肯定したい!!

  アルファロメオ・ジュリアは誰が見たってルックスもスペックも「ド派手」過ぎ。日本のインポーターだってまるでどう売っていいかわからないと思います。還暦近いオッサンがレクサスRC-F、AMGC63あるいはM3から乗り換えるにはちょっとアバンギャルド過ぎる気が!!さらに廉価なベースモデルなんてもっと売りにくいでしょうね。500万円じゃ苦戦は必死。ガチで売るならトヨタ86にリアルに憧れるくらいのマトモな経済感覚を持つ30歳代クルマ好きをどうやって巻き込んでいくべきか?でしょうね。いいクルマなのは間違いないでしょうし、日本でも親しまれるクルマになってほしい!!そのためにも大親分は自らのイメージをかなぐり捨ててでも必死で「あっためて」いるのかな!?(それとも素でやってんのか?)

  そんなジュリアとは全く対極のクルマがノートe-POWER X。このクルマはメディアが何と言っても5年以上は余裕で売れ続けるくらいだろう!くらいの確信を日産は持っているはずです。「俺達(カーメディア)をコケにするようなクルマには相応の制裁を!」ヒットマンを送るでもなく、自らが手を下しておられます。「弱きを助け強きを挫く」これこそが日本の伝統的な任侠の処世なんでしょうね・・・いや見事です。

  ノートe-POWER Xのレビューで引き合いに出されたモデルがレンジエクステンダー付きのBMW-i3です。どちらも小型エンジンで発電して航続距離を延ばすタイプのEVなんですが、BMW二輪のエンジンを転用したと思われる600cc程度の2気筒エンジンを積み、淡々と発電する「i3」に対して、加速時には1.2L用の3気筒をブンブン回す「ノートe-POWER X」。親分は一言「クソうるせーな・・・」だってさ。えー!!ジュリアの510psの爆音に惚れた人が「うるせー」ってのは何だよ!!と思った貴方はまだ修行が足りないみたいですよ。

  フェラーリのような咆哮をするであろう3LのV6ツインターボは「マシンの音」として素直に受け入れられるけど、日産の汎用3気筒を目一杯回したブサイクな音なんて「工業製品のノイズ」に過ぎないわけです。大親分には通すべき「筋」ってものがあるんでしょうね。「EVだったら静かに走れ!!」「エンジン回すんだったら、ちゃんと躾けろ!」・・・うおぉーこれはかっけーな。

↓親分!!私もガッキー好きです!!