2016年1月31日日曜日

日産を批判するジジイどもを焼きつくす!「NISSANのすべて」

  ちょっと不謹慎で支離滅裂なタイトルでほんとに申し訳ないです。沢村ファンなら誰もが楽しみにしているシリーズの最新作である「NISSANのすべて」(三栄書房)が届きました!恐る恐るページをめくると「原稿・◯◯◯◯ / 沢村慎太朗」のクレジットが!!!これは期待できるぞ!と最初からページを飛ばしてコラムのページを探しました〜!!!。(◯◯◯◯さんはドライバーで日産をボコボコに批判していた提灯野郎です!どの面下げて書いているんだろう・・・という別の興味も)

  ちなみにこのシリーズの既刊ですが、「メルセデス」は沢村さんが不参加の駄作で、絶対に買ってはいけないレベルのクソです(小沢コージ氏のファンならば・・・)。
「スバル」と「MAZDA」の2作では、故人となった川上完さんが主筆を務めていて、そこに沢村さんがコラムで花を添える豪華な競演が実現しています。さすがに「日本のクルマ文化の良心」である川上さんがメインのムックで、物議を醸すような大暴れすることは憚られたようで、沢村節はやや控えめです(それでもどちらもいいこと書いてます!)。
「ポルシェ」と「ジャガー」にも参加。ポルシェでは主筆級の大活躍ですが、沢村さんにとってポルシェは最も得意なブランドであり、テキストもたくさんあるので、なんだかどっかの沢村作品で読んだことがある話の詰め合わせ感があります。ジャガーは全編で内容がショボい駄作ですけど、その中でも沢村さんのデザイン論は一筋の光明です。

  そして最大の問題作が「BMW」でしょうか。あまりの衝撃的な展開に大興奮のまま読み終えて、その15分後にはブログ記事を1本書き上げていました(「BMWのすべて」で沢村慎太朗氏が大暴れ!これはヤバい!)。内容に関してはそちらを読んでみてください。

  さて今回発売された「NISSAN」ですが、これはもう沢村三部作として「ポルシェ」「BMW」「NISSAN」を並び讃えられることが出来そうなほどに素晴らしい!非常に強烈なメッセージのコラムが収録されています。この三部作を通じて沢村さんは何を発信したかったのか?・・・それこそが冒頭のタイトルにあるような「殺戮」的なメッセージだと思うのです。

(1)日本では神話化してしまった感がある「ポルシェ」を「スズキ」か「ダイハツ」のように身近に感じることができるテキストはさすが!この人にしか書けないのでは?

(2)2000年代以降の「BMW」の実像(駄作ぞろい!)を冷徹に開示し、虚構に生きている悲しいBMWファンを容赦なく虐殺!

(3)2000年代以降の「日産」を認めようとしないスカイラインGT-R世代を墓場に葬る・・・「バカにはR35の良さはわからない!」「スポーツカーとしては、997ターボに完全勝利!」と断言。さらに返す刀で、日本車を小バカにする輸入車ユーザーに強烈な一撃。「オマエのBMWは完全に日産のパクリだ!」という持論を展開。これ読んだら恥ずかしくなってBMWを売りに行く人が出てきそうだ。

  沢村さんは著書で、「私怨か?」と思うほどにメインストリームで仕事を続けるライターをディスります。今や大手のカーメディアは、単行本も出せないくらいの「能無し」ライターが下らない提灯記事を書いてメーカーからお小遣いをもらう場所に成り果てています。連載で読者を連れて来れて、単行本も出している「自分の世界を持つ」ライターなんて、川上さん・徳大寺さんが亡くなってから、福野・下野・森・沢村といった面々が残るだけです。メーカーや雑誌のコネで本出している人もいるようですが・・・。

  確かに福野・下野(かばた)・森・沢村の「四天王」の文章は断然に面白い!それ以外の連中(国沢・島下・石井など)と何が違うのか? 分析してみると、一般的なユーザーの視点(世論)とはだいぶ立ち位置が違っているけど、そんな自分が正しいと信じる名車の定義をブレないで適用してテキストを書いている印象です。国沢・島下・石井の3名(ほか多数)は自分の価値基準を完全に想定している読者に合わせている印象が・・・。その結果、ヤフーニュースのコメント欄からネタを集めた?かのようなテキストが、カートップ、ベストカー、ドライバー、ニューモデルマガジンXなどの廉価雑誌には満載されてます(お金の無駄)。

  BMWやポルシェは日本メーカーにとって永遠の憧れ・・・といった狂ったイメージが、クルマに興味が無い人にまでも共有されています。そんなマヌケな世論を形成してしまったのは、彼ら無能ライターの仕事ではなくて、それ以前のバブルの価値観なんだと思いますけど、そんな25年も前の感覚がそのまま!という恐るべき次元のライターが多いんですよ。日本メーカーがBMWやポルシェを追ったら、ことごとく潰れてしまうでしょう。

  沢村さんは「NISSANのすべて」でR35は完全に997ターボを超越したと断言しました。その後ポルシェは目を覚まして再び速いクルマを作ろうとしましたが、後継となった現行の991ターボは発売直後にどういうことになったか?ご存知の人も多いでしょう。もはやポルシェには日産に追従する実力なんて無いのかもしれません。日産がポルシェを追い越した?いやいや25年前から日産はポルシェの前を走っていました・・・。今も昔もポルシェは日産には勝てません!だから・・・カイエンやマカンは街中で決してエクストレイルの前に割り込んではいけません(笑)!

  BMWはどうか? 2001年頃までは「BMW M5」といえば特別なオーラを放っていました。けれどもそれももう15年前の話です。日産がフーガを作ってからというもの、5シリーズの「高級車」としての存在意義はすっかり無くなりました。フーガの発売から10年が経過・・・今では5シリーズは直4ターボでフーガよりも燃費を稼ぐクルマに堕ちました。ドライバビリティに関してはフーガも5シリーズもそれぞれに良さがあって互角なんですけど、静音性・快適性をシビアに査定するとことごとくフーガに軍配が・・・。

  実際にユーザーレベルでの評価を見ても、フーガと5シリーズでは、フーガがやや優勢なのは動かないですね。もちろん5シリーズが好き!っていう意見もよくわかります(車高とか)。沢村さんは近年のBMW車に対して手厳しいですけど、決してBMWが悪いというわけではなくて、日産があまりにも優秀すぎるのだと思います。アメリカでは5シリーズもフーガも50000ドル〜でほぼ同じ価格設定なんですけど、日本では日産が安く買えるという点が大きいです。

  ちょっと話がヘンな方向になりましたが、沢村三部作に話を戻すと、日本人(ジジイ)の「ドイツ車偏重主義」に冷や水を浴びさせるだけのパンチ力(説得力)を持った、沢村プロパガンダの中核的な作品になったと思いますね。多くの人に沢村さんのテキストが読まれれば、日本にはもっと良いクルマ文化が到来する!なんて「頭の中がお花畑」なことを言うつもりはないですけども、自らの感覚を信じて日産車を選んだ人が「ならず者」によって無用な中傷を受けることが減ればいいですね・・・。

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↓おすすめの沢村・三部作(BMWユーザーは読まないのが無難です・・・)

2016年1月7日木曜日

沢村慎太朗「午前零時の自動車評論10」

  シリーズ10作目となる沢村評論シリーズが年末に発売されましたので、今回はその「感想」を書いてみたいと思います。なにより初心者にはなかなか近付き難い沢村ワールド全開の評論ですから、これまでの9冊は手に入れるとまずは目次を一瞥して、興味深い車種を取り上げている項から読みはじめるのが常でした。それでもあまりの難解さに頭がクラクラしてきて3編くらいを読んだら休憩。そしてそのまま残りは翌日以降へ・・・がこれまでの過去9作だったのですが、今回は初めてノンストップで始めから終わりまで一気に読み終えました。冒頭からとりあえず読みたくなる「VW問題」だったこともありますが、その後も「ルーテシアRS」「300km/hのスーパーカーの真実」「NDロードスター」「映画とポルシェ」「ケータハム」「ジャガーFタイプ」と今回はやたらとコンテンポラリーなテーマが続いています。

  沢村さんの本で一番キツいのが、ゼネレーションギャップがもろに出て意味がわからない1970年代80年代の回顧談ですが、それに出くわすこともなく終盤まで進みます、気がつけば残り2章だけ。そしてここで珠玉の傑作ストーリーが登場して「1700円払った甲斐があった」「最高傑作か?」と率直に思える非常に巧みな構成になっています。しかしここまで「読みやすい」ということは、沢村さんの評論が本来持ち合わせている「灰汁」的な要素が少ないのかなということかもしれません。しかし素人がチンプンカンプンになるような技術論が抜け落ちているということでもなく、また安易に結論が見抜かれてしまうような捻り不足な不始末なども一切ありません・・・相変わらずの「芸術的評論」っぷりが炸裂しています。何がいつもと違うのか?

  とりあえずちょっぴり気になったのが、何が気に入らないのか・・・庶民が嗜むスポーツモデルであるはずのルーテシアRSとNDロードスターを容赦なく「抉り」ます。200万円台の良心的なモデルに牙を剥くことには、沢村さんもさすがに躊躇いがあったでしょうけども、世間で言われているような「傑作車」には程遠いですよ!と大衆の目を覚まさせたいという意図が強かったようです。しっかし、間違えてこの本を読んじゃった人はどちらも買わなくなるよな・・・。「911とロードスター以外は邪道!」と言い放っている人ですから、これにはマツダ関係者も困惑するでしょうね。全面的にターボ化する911に今後どういう評価が下るのかわかりませんけども、間違いなく沢村理論による「ピュアスポーツの絶滅」に近づいているのだと思われます。

  そうかと思えば、ケータハム・スーパーセブンとジャガーFタイプの2台を立て続けに紛れもない「本物」だと絶賛します・・・なんだこのエゲツナイ展開は。相手がフェラーリだろうがBMWだろうが容赦ない切り口で一刀両断にしてきた「明快」な沢村評論が、予想外の「二枚腰」を見せてくるとは。しかし「明快」さと同時に、他の凡百の評論家には絶対に書けないようなマイナー車の隠れた良さを最大限に褒め上げたり、逆に大絶賛されているモデルを完膚なきまでに叩きのめす「カウンター」こそが沢村さんの真骨頂ですからね・・・。NDロードスターを絶賛する企画が相次いだ2015年の自動車雑誌への当てこすりなようです(マツダよ!広告費使い過ぎだ!)。

  しかし一通り読み終えてみて、読む前から漫然とNDロードスターにもルーテシアRSにも関心が低かった自分の内面が見透かされたような気がして薄ら寒い感覚になりましたね。結局は自分のクルマ観も「カウンター」的な要素に大きく影響を受けていて、ロードスターの特集記事をどこか冷めた目で眺めてきたこの1年間をふと思い出しました。マツダのディーラーに顔を出しても、展示スペースの目の前を素通り出来てしまう程度の引きの弱さ・・・。フェラーリの傑作デザインといえる現行カルフォルニアTに似せたようなテールの作りなんかいいと思いますけど、どう逆立ちしてもロードスターはカルフォルニアTにはなれません。

  さてこのシリーズ10作目ですが、最初の「VW問題」と最後の「トヨタ燃料電池」の話以外はすべてスポーツモデルの話ばかりです。VWやトヨタの話もそうですが、全編にわたって「クルマと付き合うのはなかなか厄介」というリアリティだけがひたすらに通り抜けていきます。この本を読んだからといってどの特定のクルマが欲しい!という気分にはならないでしょうし、みんなでロードスターを日本COTYに選んで「世界に誇れるクルマ」と自己満足するだけの過渡期といえる時期に慌ててクルマを買う必要なんてないんだよ・・・という沢村さんの偽りの無いメッセージが非常に親切に感じました。

  それとラストの一つ前に収録されている「六匹目の毒蝮」という話がとっても楽しいです。大物ジャズピアニストのハービー=ハンコックのストーリーですが、マイルス=デイビス自叙伝にも一切触れられていない、ジャズメンとクルマに関する非常に心温まるいい話でした!!! クルマだけをストイックに紐解いていると、突如として虚しい気分になったりするわけですが、映画であれ、ジャズであれ、ある種のカルチャーと見事にシンクロしたクルマを見つけて、その世界観を楽しむことがクルマと上手く付き合うコツですよ・・・とでも言いたげなシリーズ10作目でした。オススメです!

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