「マツダはATを多段化しろ!!」と書くAJAJライターのレビューなんて読む必要がない


不思議な提言

「マツダは早くATを多段化しろ!!」とレビューに書くライターは非常に多い。マツダの技術者の本だったり、モーターファンイラストレーティッドをよく読んでみると、ATの多段化に伴うメリットとデメリットがあれこれ論じられていて、多段化するべきか6速のままでOKかの結論は難しい。要はフェラーリ、ホンダ、ポルシェといった高性能エンジンを市販車に乗せるブランドではさぞかし多段化が進んでいてとっくに10速や20速くらいになっているか!?っていうとそうでもない。6速、7速が中心だ。


MTモードを使う人ならわかるだろう

今時の良さげな2ペダル車は「マニュアルモード」ってのが付いていて、使ったことは一度もないって人もいるかもしれないけど、中部地方の内陸県境を越えるような峠道を走るときはエンジンやブレーキに無駄な負荷をかけないためにもマニュアルモードは積極利用したい。ひと昔前のマツダ車なら2、3速はクライマーギアで、トップの5速が滑走用。4速を積極的にチョイスすることはない。これが第六、七世代のマツダ(2012以降)では6速化されたが、やはりクライマーギアの2、3速とトップの6速以外は積極利用はしない。これが8速化されたらどうなるか!?なんのことはない4〜7速を積極利用しないだけだ。要するにトップからクライマーギアあるいはその逆をマニュアルモードで選択するのが面倒になる。


多段ATを組んだエンジンフィールは「砂を噛んだ味」

マツダに平然と「多段化しろ!!」って言ってくるライターが無意識のうちに「多段化モデルの典型」として選んでいるのがBMW、ボルボ、ジャガー、アルファロメオなんだろうけどさ。2010年代に8速化が進んだこれらのブランドのモデルが、マツダよりのナイスな駆動系のフィールを出せているか?と言われれば疑問でしかない。そりゃ全部乗りに行きましたよ。カッコいいもん。2Lターボに8速AT、そりゃ自然吸気で6AT/6MTのマツダよりも数段良いんだろうな・・・期待は高かったんですけど、180〜200psくらいのモデルに関しては、見た目とは裏腹に全然ダメなんですよ。平坦路を巡行するなら特に問題はないですけど、マツダ車なら、いや素人がフルームやキンタナの気分になって乗るロードバイクでも、余裕で超えていける程度の登り(5〜8%くらい)でも、エンジンやミッションの挙動がおかしくなる。なるほどこれが「多段化」ってやつか!?ハッキリ言ってしまいますけどトヨタやホンダのCVT車で登る時のあの「しらける」フィールですよ(このクルマはダメだな・・・ってモロに感じるやつ)!!



AJAJ会員のレビューってさ・・・

日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)の会員やってるライターってのは非常にマジメなのかなんなのかわからないけど、マツダ車を語るときは必ず「人馬一体」がどーのこーの書いてます。そもそも騎乗して疾走したことがあるのか!?あるいは、トヨタやビーエムとはどこがどう違って「人馬一体」なんだ!?・・・と色々とツッコミたくなる。魔法の絨毯のトヨタや、動き出しが軽くて「エアリアル」なビーエムと違って、マツダのエンジンは良い意味で抑揚がハッキリしていて、アクセルを踏んでから緩めるまでの時間軸の中にクライマックスといえるタイミングが顔を出す、エンジンやミッションとの絶妙なコミュニケーションこそがマツダ車が誇る美点じゃないのか!?他社はHVやターボ車ばかりになっているけど、マツダが自然吸気やそれに近いフィールを持つスカイXにこだわる理由だ。これが「多段化」され途中がスッカスカの変速だらけになったら最悪だ。マツダはFR化しても8速化しないんじゃないか!?それともメルセデスのように電動多段ミッションを組んでフィールの劣化を防ぐ!?


「みんな書いてる」

間違っていたらごめんだけど、カーメディアで活発に活動するAJAJ会員の中で、「マツダはATを多段化しろ!!」と書いてない人を見つけるのは極めて難しい。牧野茂雄氏くらいだろうか。いまではすっかり「マツダのことは俺に訊け!!」みたいな感じになっている河口まなぶ氏も数年前は、コメントが他に見つからないからか、マツダ車レビューでは毎回のように言及していた(最近の動画でも言っているのだろうか!?コイツにはマツダファンとしてぜひ言いたいことがある次回に書きます)。島下泰久氏、岡崎五朗氏といった比較的に若いライターも・・・若気の至りかもしれないが、動画やレビューで何度も言及しているのを目にしてきた。


ライターの資質

世の中には、AJAJ会員などではなくても、そのネームバリューや才能によって自動車ライターとして存分に活動できている人もたくさんいる。当然に日本COTYの審査員などの役割は回ってこないのだけど、そんな有能なライターはことごとく「多段化なんて無意味」というスタンスをとっている。「マツダは多段化すべき」と書くライターはAJAJ、書かないライターは非AJAJ(牧野茂雄は除く)と区別できるくらいにハッキリと分かれている。例えば次のライターで誰が非AJAJかお分かりだろうか!?

石川芳雄、西川淳、渡辺敏史、福野礼一郎、吉田匠、沢村慎太朗、木下隆之、片岡英明



カーメディアの黒歴史

「マツダは多段化すべき」だけでなく「マツダはHVを作れ」「マツダはターボ化しろ」「マツダはDCTにしろ」とか、過去には何度もAJAJ主導!?の同様な大合唱が行われてきた。どっかのドイツメーカーが小排気量ターボで失態して方針転換し、DCTも中国当局に名指しで怒られ面目丸つぶれになった途端に、大合唱は止み、何事もなかったかのように全く違った価値観を語るカーメディアには呆れた。ベストカーやニューモデルマガジンXだけでなく、カートップ、モーターマガジン、カーグラフィック、カーアンドドライバーどれも全く主体性などなく(これがジャーナリスムなのか!?)同じように方針を変更した。


非AJAJ会員の実力

上記の8人の中でそんな安易なことを絶対に書かないであろうライターは福野、沢村、渡辺の3人だ。この3人の非AJAJ会員は実に思慮深い。3人とも著書があり膨大な数のレビューをいつでもチェック可能だけど、「マツダは多段化すべき!!」とは書いていない。この3人では一番ヤバそうな福野氏の過去5年ほどのマツダレビューをチェックしたがやはり1度も書いていない。ちょっと前までは「8HP(ZF製8AT)は神!!」みたいなカスいことを書いてた時期もあったけど、最近ではすっかり「自社製ミッションが最強!!」みたいな持論に変わった。


E46系3シリーズのカタルシス

2000年頃のBMWはトルコンATの性能で全くメルセデスに歯が立たなかった(欧州はまだまだMT全盛だったので日本市場でのお話に過ぎないが)。変速がもたつく5ATながらもアルファロメオ、アウディ、ホンダと激しい高回転自然吸気ユニットの開発競争を繰り広げていたBMWにファンは熱狂した。当時はメルセデスがCクラスをマルチリンク化してビーエムのシェアを奪おうとしたけど、ユーザーは3シリーズ(E46)を全面支持だった。8速化されたF30系(先代3シリーズ)は日本でもグローバルでもとうとうCクラスに敗北した。ミッション以外は素晴らしかったE46と、ミッションだけが取り柄となったF30・・・これだけの栄枯盛衰を見せられながらも、「多段化せよ!!」と書いてしまうライターは普段からどんなことを考えて仕事しているのだろうか!?・・・K沢みたいなバ○なAJAJ連中のレビューをカネ払って読むなんて実に愚かだ。


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コメント

  1. 少し前は皆4AT だったのよー6ATは充分多段式です

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  2. 結局のところ一部の層には多段化自体がプレミアムに見えているんですかね。
    要は美味しい回転数を使いたいのとトップギアでの巡航回転数を下げたいという効率の話ですよね。
    確かにCVTよりダイレクト感はあるんでしょうが、重量増を賄える程の走りに繋がっているのかというとそんな感じは伝わってこないような…
    パドルシフトの件も仰る通りで、よく考えれば5、6MTというのはこれが操作性を含め人間が効率的にギアを選択出来る範囲なんだと思いましたね。
    私事ですが4ATから6ATのGJアテンザに乗り換えたら2、3速に落とすのが思ったより大変なのを実感しました(笑)
    その上で思ったのですが、確かメガーヌGTの記事で見たと思いますが「ダウンパドルを長押しするとそのタイミングで使える一番低いギアまで下がる」という仕組みであれば、その点においては7速以上でも許容できるんでしょうかね。
    MAZDAが8ATの特許をいくつも取っているのを見ると、フィールの問題も解決してFRモデルに載せてくるのではと期待はしてしまいます。
    そうなったらなったでカーメディアはSKY-Dのときのように日常域ではギアが上がらない!と言いそうですが。

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