水野和敏氏 「MAZDAだけは絶対に許さん!! CX-30もスカイXも無価値!!」みたいなレビュー・・・

相変わらずのベストカー?

水野さんがドイツで根強い人気のMAZDAと三菱のモデルを並べて「ボロクソ評価をしている」とかわざわざタレ込んでくる人がいた。もういいじゃんベストカーなんて誰も信用してないんだからさ・・・。カーメディアやヤフコメの素人が何を騒ごうが、この5年余りの間にトヨタとVWが広島メーカーをお手本にグループ全体の方針を大きく変えたことは否定できない事であるし。しかし読んでみて「なるほど」と唸らされた。コアなMAZDAファンなら水野氏のレビューの意味がわかるはず。


孤高のMAZDA

MAZDAファンとしてトヨタやVW の方針に影響を与えたことを「誇らしい」なんて思ったことは一度もない。トヨタやVWがMAZDAをお手本にしようがしまいが、クルマ好きのカーライフには特段に何も関係がないことだ。おそらくMAZDAの真似をしたプラットフォームやライト・サイジング・エンジンを設計しようとも、MAZDAフラッグシップ群の「世界の頂点」を自負する領域には近づけないだろう。トヨタやVWのクルマが決して悪い訳ではない(むしろ良くできている方だ)。メル◯デス、B◯W、ボ◯ボなどの最近のモデルに顕著な理解不能なレベルのシャクリに比べれば見事なクラフトマンシップを見せているとすら思う。しかしこの両者がMAZDAの領域には辿りつけない理由はいくつもある。


まさかの弱点発覚・・・

MAZDAが全モデルに残している自然吸気エンジンにトルコンATを組み合わせたユニットは、仕上げの完成度において他社モデルを圧倒するのに貢献している。ちょっと乱暴かもしれないけど「ユニットの選択」ですでに勝負ありだ。レクサスISの3種類のユニットを比べれば自然吸気の圧倒的なマナーの良さはわかる。しかしそんなMAZDAに冷や水を浴びせるように、水野さんのレビューの中では、ツインチャージャーのスカイXゆえに動き出しに見られる「MAZDAらしくない」ちょっとした隙を、見逃されずズバっと突かれている。自然吸気&6ATならば・・・MAZDAアンチがグウの音も出ないくらいに上品な挙動と重量バランスの良さが際立っているし、2.2Lのディーゼルターボとの組み合わせもかなり洗練されている。それに対してまだまだスカイXと6ATのマッチングには課題があるのだろうけど、それでもクリープ無しにはまともにゼロ発進できないZF社のATを使っている某プレミアムブランドよりはずっとマシかと思うが・・・。


MAZDAの武器

グローバルで年産150万台ほどのMAZDAは、大手に対抗するためにフラッグシップ群を中心に「精度」を高く維持するクルマ作りを第5世代から継続して行っている。もちろん生産方式もトヨタやVWとは全く異なる。日産の上三川工場と並んで「クラフト&混流」の熟練工を必要とする特殊ライン生産になっている。かつて水野さんが「常識はずれの〜」とかいう著書で自画自賛していたGT-Rをラインで作ってしまう荒技がこれだ。おそらく大手のトヨタやVWがこの方式を全面的に取り入れることは不可能だと思われる。レクサスやポルシェではやるだろうけどさ。


上三川がお手本!? 

カルロス=ゴーンによって東京・武蔵村山から高級車の生産ラインだけを移管された栃木・上三川工場は、水野さんのクルマ作りにおいては欠かせない場所だっただろうし、日本でもオンリーワンの設備であり、GT-Rのようなスーパースポーツを日本で開発・生産してしまう常人離れしたバイタリティも疑問の余地なく素晴らしいことだ。それに影響を受けたであろうMAZDAが防府工場で「日本でのみ可能なハイクオリティなクルマ作り」をしているのだから、水野さんにはもっと温かいレビューを期待したいけども・・・。


AJAJの「的外れ批判」とは違う!!

それにしても切れ味が鋭い。現在のMAZDAが抱える「ダークサイド」を見事に暗示している。MAZDAに対する厳しいレビューはAJAJのライターがいくらでも書いているのだけども、水野さんの「偽りのない」レビューには一面の真実が浮き出てくる。国沢光宏や渡辺陽一郎といったAJAJのレビューには残念ながら「偽りしかない」。AJAJの連中はMAZDAを指名買いする人が当たり前にわかっているMAZDA車の長所すら全く理解できていないようなレビューを平気で書く。


地雷

「日米欧のNCAPでトップ」「自社設計かつ世界最高のミッション」「自然吸気の美点」「世界最高の静粛性」「世界最高の直進安定性」など他社との差別化はあちらこちらに仕掛けられているのがMAZDA車だけど、そんな地雷を次々を起爆させガタガタでスカスカで全く的外れなMAZDA批判を展開するAJAJレビューに昨年はウンザリさせられた。余談だけど、ちょっと前に渡辺陽一郎がウェブメディアのレビューでホンダ・アコードの安全性に疑問を呈しているのには笑っちまった。そもそもアコードの安全性がダメだったら日本で走っているクルマのほぼ全てがダメってことになるだろうに・・・。


水野レビューの真意

しかし今回の水野さんの「MAZDA批判レビュー」は見事なまでに地雷を回避している。そもそもCX-30はフラッグシップ群ではない。言い方は悪いけど、MAZDAがトヨタやVWに近い感覚で原価・工程をギリギリまで絞っている「利益改善モデル」だ。もちろん世代による理由もあるだろうけど、スカイXはなぜ非フラッグシップから先に搭載されたのだろう!?もしかしたら、水野さんがさらっと指摘したスカイXにおけるクラッチとのマッチング不足から、MAZDA陣営はフラッグシップ群への搭載を意図的に見送っているのかもしれない。「練度不足のものはフラッグシップには使わない」確かにそんなコダワリこそがトヨタやVWとの大きな違いだと思うが、水野さんが本当に言いたいのは、(自身が日産で最後に関わった)上三川のHV用ミッションは最初から完成度が高かった!!ってことなのかもしれない。「MAZDAよ!!もっと頑張れ!!」って意味もあるのだろう。


水野さんに言われなくても・・・

CX-5は日本以外の市場では自然吸気エンジン一本にも関わらず、グローバルで年産40万台を積み上げた。クルマの価値がよくわかっているアメリカや中国でシェアを奪った。「日本車はスゴイ」「ホンダはスゴイ」ってのは、そもそもアメリカ人が言い出したこと。リーマンショック後のMAZDAの再びの奇跡は、クルマ好きが諸手を挙げて歓迎すべき快挙だったけども、その先に待っていた新世代の「非フラッグシップモデル」に対して水野さんは苦言を呈したかったのかもしれない。これは国沢や渡辺のような完全に論点がズレていて的外れだった「ネガティブキャンペーン」とは意味合いが全く違う。MAZDA首脳陣もさぞかし耳が痛かっただろう。MAZDA3&CX-30とスカイXには、水野さんに言われるまでもなく、コアなMAZDA好きでも安易には手を出さない難点が健在している。やはりMAZDAを買うならフラッグシップ群・・・。







最新投稿まとめブログ 


コメント

人気の投稿