国沢光宏さんが福野礼一郎さんに「勝つ」こともある・・・

 

やっちまった・・・国沢さん

今月の頭ぐらいに国沢光宏さんがベストカーの記事で「CX-50はトヨタOEMだ」と書いていたが、意外に早くMAZDAが全貌を明らかにしてくれた。注目度が高い中でさらに期待を上回ってきたCX-50のエクステリアの完成度は高い。搭載エンジン、使用されるミッション、全車AWDとの情報が公開されており、1つもカローラクロスと被らない「潔癖」な展開をみせている。MAZDAらしい「国沢外し」発表内容になっている。カーメディアに対してはつくづくムカついていたのだろう。



真逆の対決

MAZDAに関する記事は非常に後味が悪いものにはなったけど、それと前後して出されていた「スイフト・スポーツ」(ベストカーWEB・2021/11/7)のレビューはなかなか良かったんじゃないでしょうか。しばしばこのブログで国沢さんの真逆の存在として高く評価している福野礼一郎さんが、モーターファン・イラストレーティッドの最近の連載で同じスズキの「ワゴンRスマイル」のレビューを書いていた。「国沢光宏さんと福野礼一郎さん」が「ベストかーとモーターファンイラストレーティッド」の連載でスズキ車のレビュー。この珍妙な構図に笑いを禁じ得ない。



やればできるじゃん

ライターの評判、媒体の評判といった個人的な偏見を取っ払って読んでみた。どっちがスズキ車を上手にオススメできているか!? 2人がどんなスタンスでスズキ車に向き合ったかは知る由もないけど、そこそこ有名な媒体のレビューとして対象となるクルマの魅力をより多く引き出せているか!?MAZDAの記事は徹底してトンチンカンだけど、スズキは国沢さんの得意ゾーンでもあるようで、まるで別人のような切れ味を見せている。スイフト・スポーツのレビューはこれまでに数限りなくあるけども、その中でも出色の内容だと思うのだが・・・。



カリスマライターの素顔

一方で「完全アウェー」の福野さんは、初々しさすら滲み出る場当たり的なエッセイになっている。完全に趣味のクルマばかりを語ってきたライターさんが、ゴリゴリの「地方インフラカー」をレビューするのだから、何か新しい気づきでも提示して欲しいところだが、今回はやや期待外れだった。電動スライドドアを両サイドに備えた「軽自動車のアルファード」ゆえに、軽自動車では最重量クラスの870kgで、これにNAエンジンが組み合わされていて、還暦を過ぎたライターが、その辺の兄ちゃんのように「なにこれ!?遅過ぎじゃね!?」とはしゃいでいるところがシュールだ。



どっちがカリスマ!?

国沢さんのスイスポレビューでは、序盤に「スズキにとってスイスポはGT-Rだ」みたいな軽い冗談が放り込まれヤレヤレだが、そこから一気にテンポが上がっていく、凄いレトリックが炸裂している・・・これを読み終えた人の一定割合は「スイスポはいいかも!?」と思わされたことだろう。失礼だが、国沢さんのレビューを読んでクルマが欲しくなることなんて未来永劫も絶対にないだろうと思っていたから、この予想外の展開に、非常に感銘を受けてしまった。これまではホンダやMAZDAに対してほとんど敬意が示せない凡庸なライターという最悪のレッテルを貼ってしまっていた。このレビュー1つでこの人のポテンシャルはかなり高いとわかる。



なぜホンダとMAZDAが嫌いなのか!?

長く自動車ライターをやっていると「しがらみ」ってのがあるのだろう。あの徳大寺有恒さんも、かつて本田宗一郎さん(HONDA創業者)に「あなたは所詮は自動車ライターでしょ!!」みたいな軽蔑の言葉を浴びせられたことがあるらしい。自動車の開発者がそんなに偉いのか!?MAZDAが好きでたまらないファンも、MAZDAの開発担当者に「あなたは所詮はファンでしょ!!」とか言われたら、二度とMAZDAなんて買いたいとは思わないだろう。国沢さんの頑なな姿勢から察するに、過去にホンダやMAZDAとの間に何らかの「信頼関係を失う」ようなやり取りがあったのかもしれない。



寝ぼけたレビューを書いてんじゃねー

国沢さんの最高のレビューと、福野さんの最低のレビューが、同じタイミングで出てしまった。スズキに限った話ではないけども、「EV化」という現実に直面して、10年後の仕事がどうなっているかも不透明な中で、精一杯に良い自動車を届けよう!!クルマの未来を切り開こう!!としている開発者の情熱を彼方此方のメーカーから感じている。今回の福野さんの「ワゴンRスマイル」レビューは、そんな緊迫した空気をまるで理解しないような呑気な書きっぷりだ。もう還暦過ぎたライターにとっては10年後のクルマなんてどーでもいいのだろうけど、福野さんに期待して今回のレビューを読んだ若い読者(ほとんどいない説もあるが)は少なからず苛立ちを感じたのでは!?



そのネタは賞味期限切れ

決して福野さんの今回のレビューが、スズキや軽自動車への敬意を欠いていたとは思わない。取って付けたように、ハンドリングは「一部のおかしな『ヨーロッパ製』Bセグなんかよりずっとセンスがある」とか書いてある。イギリスやドイツのカーメディアでも高い評価を得ているスズキのハンドリングなのだから当然だろうに。比べる相手が悪すぎる。スズキに失礼だ。さらに「日本の軽はおかしなヨーロッパ車なんかよりもずっといい道具である」とダメ押し。テキトーに欧州車と比較しておけば、読者に好印象を与えられるという安ぽい算段に反吐が出る。時代錯誤も甚だしい・・・。(おそらく『ヨーロッパ製Bセグ』はカリスマ渾身のジョークだろう。そんな現行モデルはスズキにしか存在しないというオチ。)




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