国沢光宏氏がザックス!!を連日のように熱弁しておられ・・・。

  とりあえず「ザックス ダンパー」で検索すれば国沢さんのブログがヒットする状況になってます。なんだか「ザックスを使ってないクルマは認めねー!!!」みたいな強権的でオラオラな姿勢が相変わらずですね。ザックスだってコストに応じて様々なレベルのダンパーがあるのに。ひたすらにブランド名だけでゴリ押ししてます。まったくうるせーなー文章読んでいるだけなのに、デカい声が聞こえてきそうな文体。文章書けないから口語レビューを文字に起こしているみたいです。動画のコメントと文章がまるで同じ。

  遡るとレクサスIS-Fが仕様変更で「ザックス製」が標準装備になり、トヨタ86/BRZでもビッグマイナーで「ザックス製」になり、今度発売されるC-HRも「ザックス製」になるよーってトヨタをひたすらにアゲる記事が続いています。さすがに毎回のように「ザックス最高!!」だと飽きられるので、今回はちょっとひねりが入っています。「86用の韓国製ザックスは、欧州車にくらべると乗り味が酷いけど、C-HR用のトルコ製ザックスは欧州車とほとんど変わらないよ!」って、調子の良いこといってますね。

  確かに86の乗り味は路面入力がコツコツと座面にまで伝わってくるので、決して高品質な乗り味ではないです。しかし入力を抑えるのがダンパーの働きですから、フラットさを保つ意味での機能性は十分に発揮されています。コツコツの原因はサスペンション形状が大きなディメンジョン変化に耐えられないキツキツの設計になっているからですから韓国製ザックスが悪いというのはちょっと気の毒な気がします。車高が低い専用設計スポーツカー86と汎用シャシーのドイツ車(メルセデス、BMW)を比べることに無理があるのでは?

  10年前だと欧州車のダンパーは5万キロも走るとだいぶヘタると言われていて、過走行のドイツ車は結構キツいです。友人が乗っているE46も10万キロを越えていてダンパー未交換なので、ダンパーだけが原因ではないかもしれないですが、走らせればクルマがユルくバウンドしたり、足回りからギシギシと音がしたりで、なかなかのポンコツになってます。ビルシュタインといういかにも欧州車っぽいダンパーを特別グレードに用意するスバルでは、ダンパー交換キャンペーンなんてやってますね。スバルユーザーの間では定期的なダンパー交換は当たり前のようです。いよいよトヨタもダンパー交換ビジネスに参入するのか?

  日本車は耐久性を重視しているから10万キロ余裕。ドイツ車は5万キロでダメ。しかしダンパーもさらに進化して日本車仕様とドイツ車仕様の良いところ取りができそーなものですけどね。もちろんあらゆる機能性もコスト次第なんでしょうね。4輪に合計4本付けられるダンパーのハイパフォーマンスタイプは4本で10万円とかそれ以上しますが、市販車に組み込まれるものは1本数百円レベルまで削られるのだとか。これに関しては日本メーカーのショーワやKYBも、ザックスも状況はほぼ同じみたいです。

  ハイパフォーマンスタイプだけを作るダンパーメーカーならわかりますけど、量販メーカーにせっせと売り込みをかけるレベルのサプライヤーである「ザックス」を堂々と「機能性」で「世界ナンバー1」だと断言する国沢氏の記事にはいささか呆れますね。とてもプロのライターとは思えない危うさ・・・いやいやこの人は別のプロでしたね。いやー見事な仕事ぶりです!!!

  なんでこんな人がカーメディアでデカい顔してんだろう? 彼に限らず同じ様な仕事ぶりのライターはたくさんいます。いやむしろ国沢さんとは明らかに違う!!と断じられるようなライターなんてまず生きていけない業界なのかもしれません。カーメディアが供給する情報を受容するのはオッサンばっかり。しかも熱心に情報収集するのは輸入車が好きでたまらない「信者」ばっかり。2016年の段階でのカーメディアの主な仕事は、欧州車が日本車よりもハッキリと優位を示すポイントを探してきて大々的に提示することになってるんですね・・・。

  三菱のライセンスエンジン(直噴ターボ)が欧州で猛威を奮ってからは、フェラーリ以外のブランドは一切エンジンの話はタブー。さらに欧州のほとんどのメーカーが横置きエンジン車にはアイシンAWのステップATを使い始めたのでミッションに関するネタもタブー。もはや欧州車の優位を語る唯一のポイントになってしまったのがショックアブソーバーなんですねー。GT-RやWRX・STIがビルシュタインを採用してトヨタがザックスを採用し始めたという事実だけで勝手に格付けされちゃってるだけですが・・・。

  日産やマツダが使う国産ショックアブソーバーが、BMWやメルセデスに負けているとは全く思わないのですけどねー。それにしても真面目にダンパーを作って世界中の自動車メーカーに供給して、世界の自動車生産を支えているショーワやKYBにしたら、この方には怒り心頭でしょうね。「テキトーなことほざいてんじゃねーぞド素人が!!!」くらいに思ってるんじゃないですか?本当にお気の毒としか・・・。

↓これみたいな、開発者が赤裸裸に本質を語る本がもっと増えればカーメディアは崩壊するのになー。

  

  

  

コメント

  1. いつも楽しく読ませてもらっています。
    自動車メーカーがすべての雑誌広告から撤退してしまえばいいのにといつも思っています。高い広告費払っても、どうせ読者は舶来かぶれで、聞く耳を持たないんですから・・・・

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  2. コメントありがとうございます
    ほんとにカーメディアってのは「違和感」の塊なんで、
    ムズムズしてツッコミを入れずにはいられないです。

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  3. 大笑いしながら読みました。お説の通りですね。

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    1. コメントありがとうございます。
      国沢さんは愛されてますねー。

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