河口まなぶ と 五味康隆 ユーチューバー対決!!




ユーチューバーは自動車メディアの落ちこぼれを救う!?

プロも素人も入り乱れて自動車レビューのユーチューバーが増えている。プロ(AJAJ会員)の中で最も早くユーチューブでの活動を本格化させた河口まなぶさんの動画シリーズは、おしゃれなサムネイルなので、ブログのページを飾るのにしばしば使わせてもらっている。失礼な話だけど、活字レビューだと全くこの人の良さは伝わってこなかったので、ユーチューブに進出して大正解だったんじゃないだろうか。



活字で勝負できるライターは片手くらい!?

河口さんに限った話ではないけど、活字レビューでは実力を発揮しきれていない人がカーメディアには多い気がする。どっかの媒体で書いたコラムやレビューをまとめた単行本を活字ファンに買わせるだけの「腕力」がある人は今ではどれくらいいるだろうか!?川上さんや徳大寺さんが亡くなられて以降では、牧野茂雄、渡辺敏史、下野康史、福野礼一郎、沢村慎太朗の5人だけは、とりあえず新刊出たらほぼ確実に買うだろうなー。他にも出版のステージまで登りつめるライターはいるけども、森慶太、清水草一、小沢コージは、もはや文語体でレビューが書けない病気みたいなので、そこそこ面白いけど、彼らがどこまで本気で真面目な話をしているのかよくわからないので、ちょっと白けて読んでてすぐ飽きる。


動画レビューは・・・

本末転倒な話をするけども、動画のレビューってどーなんですかね。レビューする人は「突き上げがある。固い。」とか思ったことをほぼそのまま言っているケースが多いようですけど、そんな表面的な話を聴くためにパソコンの前に数分から十数分も張り付いていなければならないのはあまりにナンセンス過ぎる。水野和敏、福野礼一郎が動画レビューをやったとしても、それ自体の語彙や表現のレベルは彼らの本来のレトリック能力から見れば非常に低い水準でしかないだろう。この二人の「活字」は、それこそ凡人にはとても真似できないようなユニークな話が次々と出てくるのが魅力なんだけど、それらと比べてしまえばプロ・アマ問わずだけど、動画レビューで簡単に発信されるクルマの情報なんてたかが知れている。


他人の五感・・・どーでもいい

本当に失礼極まりないけど、活字レビューの中で構築された「仮説」や「考察」からなる思考のフィールドの広がりを考えれば、動画で荒々しく切り取った他人の五感フィルター越しの「現実」がもたらす情報価値なんて極めて低いと言い切ってしまおう!!河口さんがたまたまコンディションが整わなかったのか、「フィールはクラス最良ではない!!」などと断じていたホンダ・インサイトの動画を見てこのクルマの価値を見切るのはあまりにもナンセンスじゃない!?



動画見てわかった気になってんじゃねー

しかし活字で定評があるライター(沢村さんとか)が言葉を尽くして論じた「結論」は、そのクルマに乗って感じる経験的な事実とは全く違う次元でそびえ立っている。読者はその思考を能動的に辿って読み取ることで、そのクルマに突きつけられたタイトな現実を自分の頭で考察するようになる。あえて断言するけど、「活字」と「動画」では表現できるコンテンツが全く違う!!活字の読者と動画の視聴者では思考の深さが全く違う!!両者が同じクルマを語り合ったらどーなるか!?ってことですよ。「動画レビュー」を有難がって見るくらいの知性の連中にはクルマなんてわかるはずがない。クルマ動画レビューにコメントしてる奴ってなんなの・・・ハッキリ言おう!!ガチな意見をコメントする奴はバカだ。


動画レビューのスタイルについて

誰が作り出したのだろうか・・・ハンドルを握ってどーでもいい独り言を淡々と収録するスタイル。失礼だけど、全然面白くないわー。まだジャパネットとか見てる方がいいんじゃねーか!?一人くらいジャパネット方式で自動車レビューを演るヤツがいても良さそうだが・・・。

「えー今日ご紹介しますのはー、BMW3シリーズの最新モデルですよー!!そーですシャシー変わりました!!フロントの剛性感高い!!ディーゼルはいよいよツインターボになりました。シーケンシャル方式ってマツダでもメルセデスでもすでにやってますけど、いよいよBMWが最先端に追いついてきた!!もうこれだけで私は嬉しくなっちゃいますよ!!MAZDAやメルセデスのようなユニットが、BMWのシャシーで楽しめちゃう!!まだ日本で新世代ディーゼルが出てきて10年足らずなんですけど、これはディーゼルサルーンのある種の完成形ですねー!!しかもどーですこのインテリア!!オシャレになりました!!これがBMWですよ信じられますか!?」



動画レビューの技法

これになんだか近い喋り口調のプロのライターが今年からユーチューブに自分のブランドで参入してきた。五味康隆さんなんですけど、寝ながら聞いてるとふとジャパネットに聞こえてくる!!この人はカーメディアの動画媒体に以前から出演していて、10年以上前からスタイルはマシンガンでほぼジャパネットになっていた。これが今では週に2〜3本くらいのペースで聞ける。・・・ちょっと残念なのは、以前の動画はおそらく原稿ベースのトークであり、淀みがない怒涛のマシンガントークだったのだけど、最近のブッつけ本番のアドリブトークになると、段取りがやや悪くそれほどリズミカルでもないかもしれない。ぜひ編集でも撮り直しでもアフレコでもいいから完成度を高めてほしいかも。



爆弾発言って武器もあるが・・・

イケメンで喋りが上手い五味さんの参戦で、ちょっと困っていそうな先駆者の河口さんは・・・あくまで個人的意見ですけど、この人の動画シリーズは油断して聞き流していると、たまーに面白いことをボソっと言う。特定のメーカーだと何かを起こすんじゃないか!?と言う期待感すらある。自動車ライターとして特定のメーカーに喧嘩を売るような行為は少々リスクも大きいとは思いますが、それにしても結構「え!?」って感じになるツッコミどころが満載のコメントがポロっと出ますね。特にMAZDA車、HONDA車の時によく事故っている印象。


活字の爆発力は凄まじい

しかし動画で突発的に誰かが言ってしまった地雷発言より、某有名ライターがごくごく最近の雑誌連載レビューで披露した、名門メルセデスに対する決別のストーリーの方が何百倍も破壊力はある。動画の方が視聴者へ強いインパクトを与えることができそうだが、「読む」という苦労を厭わずにページをめくった果てに出てきた「なんだかもう本当に真剣に終わってきた。気がついていないのはセールスとユーザーだけ。」という身も蓋もない一言に痺れる。呆気らかんに時代が音を立てて変わった歴史的瞬間を今まさに「読んだ」のじゃないか!?・・・変な身震いすら起こる。


動画は何も残らない・・・

河口さんの動画には「おや!?」っと思う不思議な発言に遭遇できるし、五味さんの「ジャパネット・トーク」もいいコンテンツだとは思うけども、自動車レビュー動画が活字の帝王が放つ衝撃波と同じくらいのインパクトを持つのはちょっと難しいだろう。キューブリックのような映像の鬼才監督が動画の中に「完璧で美しい世界観と完璧なストーリー」でも仕込まない限りは無理かも。・・・河口、五味クラス(動画組では安定感もあってトップレベルの実力)でもまだまだ物足りなさが拭えないのだから、クルマ好きなだけの素人が動画であれこれ喋っても無理だろ(成立しない)、清水和夫とかいうオッサンが動画媒体で喋っているけど、なんか1つでも覚えているフレーズありますか!?(ステマ・捏造疑惑に関連する発言以外で・・・)


「スイフト・スポーツ 『MINIに乗った後はスズキに行ってみよう』」


 


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↓単行本があってそれが文庫化!!というカーメディアにおける快挙!!

コメント

  1. ジャパネット風自動車レビュー良いですねw あの社長の声で再生されました。確かに動画やるならもっとエンタメ性上げないと誰も見ないですよね。滑舌悪くて何言ってんのかわからないオタクがボソボソ喋ってるの見るなんて時間の無駄!そういう意味では五味さんは上手かも。しかしF氏のAクラス評は痛快でした!まさに活字だからこその醍醐味ですね。

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    1. コメントありがとうございます。
      あー!!!「A」とか「F」とか言っちゃダメっすよー!!!あのモデルのユーザーは何もわかってないヤバい人が多くで先代も250を酷評したら、わけわかんない苦情コメントが結構たくさん来て面倒だったですね・・・。

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