フェルディナント・ヤマグチ氏がベストカー連載で本領発揮!!



 

  これはヒドイ・・・
ベストカー2/26号、3/26号のフェルディナント・ヤマグチさんの連載コーナーにスープラを作ったトヨタの多田哲哉さんが登場しました。前編・後編に分かれているんですけど、もう可哀想なくらいに、完全にこの『極悪』インタビュアーのおもちゃにされてます・・・。まあ読者にとってはヤマグチさんはあまりに有能過ぎる!!気分良く喋ってもらうための「術」を心得ている。



これまでも傑作インタビュー多数
大手自動車メーカーの社員。ずっと真面目が取り柄でやってきた人ばかりだろうし、腹の中で色々な「想い」を抱えつつもそれを押し殺して巨大メーカーの出世競争を勝ち残るべく全てを犠牲にしてきた・・・そんなエリート企業戦士に「信じられないこと」をベラベラと喋らせてしまうのが凄い。このヤマグチさんの傑作インタビュー集が2つある。1作目は日産を取材した「英語だけではダメなのよ。」で、ゴーン、水野さん他、開発主査やテストドライバーなどにも広くインタビューを敢行している。


人間関係の勉強にもなる
日産が世界に誇る栃木工場(上三川)の開発者(何人も顔&プロフィール付きで登場)は、ほぼ全員が「元ヤン」とか勝手に断定しちゃうくらいにコミュニケーションが取れていて、完全に懐に飛び込んで核心的な話を引き出していて非常に面白かったですねー。クルマに関する知識はもちろんのこと、人間関係で人生がほぼ決まってしまう日本人にとってのコミュニケーションに関する有益なスキルがわかる本になっていてとても勉強になる。


MAZDA藤原さんはさすがにヤバい・・・
2作目はMAZDAを取材した「仕事がうまくいく7つの鉄則」。あの藤原さんを散々に喋らせます。・・・立場上どうしても言えないMAZDAに関することだけでなく、最高に面白かったのが、「ポルシェ・ボクスターもBMW・Z3/Z4もメルセデスSLKもロードスターにインスパイアされているようだけど、全然スポーツカーになってないよね!!ドイツ人は何もわかってない!!」みたいなこと言っちゃってます。これコンプラ的に完全にアウトじゃねーか!? 現役の自動車会社の役員が絶対に言っちゃダメだろ!!ってレベルの発言が続出。これはヤマグチさんの「術」もありますけど、藤原さんのオツムがあまりにもガバガバ過ぎだ・・・。


多田さんも壊れる・・・
そんなヤマグチさんがベストカーで昨年くらいから月1の連載をやっているのですが、正直言って最初は期待ハズレな内容だったな。そりゃ毎月のように水野さんや藤原さんのような面白いオッサンにインタビューができる訳ではない。今回は連載が始まっておそらく初めてだと思いますが、86とスープラの企画/監修を担当した多田哲哉さんという大物が登場、スバルとの折衝にも耐えられる非常に有能で、とても真面目そうな人が、まさか藤原さん以上にヤバい人だったとは・・・。



ど素人のフリをする
前編ではヤマグチさんもやや控えめに話を聞いていて、多田さんが誰でも知っている「直6エンジンの振動特性」について語ります。多田さんもPRの仕事として来てるでしょうから、何よりもスープラの商品性について語らなければならない。それを察したヤマグチさんが「直6よりV6の方が振動面で優れていると思ってましたよ」とワザとらしい素人臭い演技を入れてくる。水野さんとのインタビューでその辺の説明が載っていたから間違いなく知っているはず。とりあえず教えてもらうという関係を構築するわけですね。なるほど・・・勉強になるなー。


トヨタだけには言われたくない・・・
しつこいくらいに「直6」を語った多田さんが、いい気分のままおもむろに某日本メーカーをディスり出す!!匿名じゃないです!!ハッキリ社名が出てます。そして「あのメーカーは言ってることとやってる事が矛盾している!!」みたいなことを言い出す始末・・・ピーピーピーーーーアウトーー!!言われた側のメーカー関係者は「トヨタにだけは言われたくない!!」と思ったのでは!? 天下のTOYOTAさんもコンプライアンスがガタガタ!?そんなわけはない、完全にヤマグチさんの「術」に落ちただけだ。何も知らない素人インタビュアーだと信じ込ませることで、自分に対する警戒感を解きものの見事に「問題発言」を引き出す。トヨタの社内で多田さんが絞られようがどーでもいいけどさ、やはりこういう発言があるとインタビュー記事は面白いですねー。


立場をわきまえてー
さらにインタビュアーは何もわかってないと思ったのか、さらに脇の甘い発言が・・・そのまま抜粋させてもらうと
「ポルシェ911も水平対向4気筒になってからは『えっ?』っていうエンジン音になったでしょ。」
いやいやこっちが「え?」だよ・・・色々な意味で。ボクスター/ケイマンの間違いじゃね!?「他人の褌」でスポーツカーを作っちゃうクルマ屋が、半世紀以上もスポーツカーを作り続けている伝統を大事にする一流メーカーをイジるってのはどーなんだろうか!?ちょこっとデジカメなど作っているソニーやパナソニックの幹部が、「ライカって高いだけでしょ!!」とか言っちゃう感じに近いのかも・・・。



爆弾発言を誘発する
さて後編に入り、すっかり饒舌モードになった多田さんに対してヤマグチさんが仕掛け始める。MAZDAやポルシェに対して「信じられない」発言をすでにしちゃっているのだから、提携先のBMWに関してもヤバい話が聞けるはず!!と考えたのか、一気に誘導モードに・・・本当にこの人は「火を付ける」のが上手い!! BMWとの信頼関係を築くのが大変だったとコボす多田さんに対して・・・「トヨタから学ぶことは何もないよ、とか言われたのですか?」と手裏剣を投げる。「ええ、ハッキリそう言われましたよ。」さらにエグい話が続く。スゲーこのインタビュアーは天才過ぎる!!


BMWってクズですよーとはさすがに言えない・・・
BMWから散々にバカにされた話がひとしきり終わると、多田さん&トヨタのプライドをズタズタにしておいてから、BMWの悪口を言う場面へ誘導・・・もう最初から作戦通りなのか!?そして「BMWって威張っているけど、結構当たり前のことができないですよ」みたいな発言を引き出してしまいましたー。あとは86時代のスバルとの最悪の関係についても・・・。また面白いインタビューを期待します!!単行本も!!


「Fヤマグチ氏が・・・いよいよマツダ本を出した〜!!」


↓河口さんも結構引き出すの上手いかも・・・



最新投稿まとめブログ




コメント