日本COTY CVT車に「10点」入れてしまった33人の審査員・・・


日本COTY決定
今年の日本COTYは「トヨタ・RAV4」だそうです。受賞の報道に使われた写真を見て、あれこのクルマこんなにダサいデザインだっけ!?と思った人もいるだろう。デザインのパクリ元のプジョー3008はこんなにまで酷くはないぞ!?時の経過は残酷だ。すべてのトヨタ車のデザインがダメとは言いません。アクアや3代目ソアラ、先代スープラ、最終形セリカ、初代マークX、ヴェロッサなどのデザインには時空を超えた普遍的な美があった。


BMW3シリーズ
今回の日本COTYはBMW3シリーズが受賞すべきだったと思う。色々と難点があることはわかっているけども、N-BOXのフォロワーみたいな軽自動車ばかりが売れてる日本市場でとてつもない「コンサバ」で出てきた3シリーズは間違いなく異彩を放っている。これだけ自動車メーカーが右往左往していて、かつてのヒット車であるカローラやファミリアの後継となる新型モデルには過去の面影は限りなく薄くなっている。あまりの変貌ぶりにシリーズへの愛着が保ちにくい状況でもある。いっそのことラングラーと3シリーズの「コンサバ対決」で盛り上がればよかったんじゃないかとすら思う。


日本車の悲惨な現状
MAZDA3以外の日本車5台は主力ミッションがCVTだ。この5台に「10点」を入れた人は審査員60人中33人もいた。どんな事情で10点を入れたのか知らないけど、CVTに熱効率重視の回転固定型エンジンを配した基本設計は、クルマ好きならば、いわゆる「軽自動車&ミニバンの相似形」に過ぎないクルマと「一括り」で片付けてしまう。とりあえずユーザーに「走りの良さで選んでください!!」とは全く思ってもいないクルマだ。ミッションの選択だけでも、マツダ以外の日本メーカーはごくごく一部の上級モデルを除いて「走りの良さ」なんて考えていない事はわかる。そしてマツダのように一部のユーザーの想いに応えるべくブランド全体にわたってこだわりを加えているメーカーは、なぜだか全くわからないけど「経営陣の自己満足」とか叩かれたりする。


CVTを否定するわけではないけど・・・
CVTのクルマを試したことは何度もあるけど、スバルWRX・S4といった期待のモデルでもミッションがボトルネックになって輝きを失っていると感じた。トヨタ、ホンダ、日産、スバルは高性能なスポーツモデルも用意されているけど、それらのモデルでCVTを採用する事はない。スバルは300psまで対応させているのでトルク容量が言い訳にもならない。わざわざ少量の高性能モデルのために特製ミッションを用意するのは、ドライビングを主眼に置いたクルマにおいてはCVTでは商品性が成立しないと判断しているからだろう。上級モデルから下位モデルまで同じようにトルコンATとMTを配備するマツダは、全てのクラスのモデルに最高のクオリティを提供する主張している。これに対して評論家の多くが「いまいちメッセージがわかりにくい」などとレビューで苦言を呈しているけど、CVTに「10点」入れちゃう輩にはマツダの取り組みの「全体構造」すら見えていないのだろう・・・。


1度欧州車に乗った人はCVTを買わないだろう・・・
あまりメチャクチャなことを言ってはいけないが、「CVT&熱効率低回転エンジン」を組み合わせたユニットを配備するクルマにはお金を払う気がサラサラ起こらない。CVT車同士を比べればそれなりの優劣があるのはわかるけども、最初からメーカーが「良いクルマ」を作ろうと意識していないのだから話にならない。ほとんどの日本向けモデルをCVT及びHV用のDCTでカバーするホンダが、本当にそのミッションが素晴らしいと思っているならば、シビックtypeR、NSX、アメリカ市場向けのアキュラ版アコードやレジェンドにも同じものを採用するべきだけど、わざわざコストをかけて別のミッションを用意している。ホンダ自身がCVTではホンダの理想にはならないとさじを投げているのだ。実家のクルマがこのCVTタイプのトヨタ車だけど絶対に運転はしない。アクセルを踏んだ瞬間にとても気分が悪くなるから。


絶対に選ばないクルマに「10点」を入れる意味とは!?
クルマの評価基準はいくらでもある。ユーティリティや経済性を最大限に評価するならば、軽自動車3台はもっと評価されるべきだった。おそらく多くの審査員の判断基準として日本COTYは「どこに出しても恥ずかしくない」優れたドライバビリティの持ち主が選ばれるべき賞だという考えがあるのだろう。それならば軽自動車3台の相似形に過ぎないカローラとRAV4も排除されるべきだったのでは? 本当にクルマが好きな人ならとっくに排除しているのだから。33人の「カス審査員」のせいで日本COTYの本来の意義は失われてしまった。全面的にCVTが採用される前のトヨタは思い入れがあるモデルも少なからずあったけど、2000年以降のモデルは・・・。審査員を務めている自動車評論家のほとんどが「CVT」を避けていて、マツダもしくは欧州車を買っているってことは周知の事実だ。60人の中に一人でもホンダ・インサイトを買った人がいるのか!?


金子浩久は偉い!!
今回の60人の審査員の投票はCVT派と非CVT派が33対27で分かれた。失礼ながらこれまであまりイメージの良くなかった評論家である金子浩久氏は、得点を入れた5台が全て「非CVT車」だった!!ちょっと見直した。トヨタ、ホンダ、日産、スバル、スズキ、ダイハツ、三菱に遠慮することなく「CVTはクソだ!!乗ってるヤツは(クルマ好きだとしたら)カスだ!!」と大声で主張する権利を持ったたった一人の審査員だ!!


部門を分けるしかない!?
来年からはCVT車と非CVT車に部門分けするってのはどーだろうか!?CVT車も平気で選べる連中にマツダや欧州車の価値なんて理解不能だろうし、CVT車は運転したくもない!!という人々にとっては、33人の理解不能なカス評論家の投票結果に苛立ちを感じる必要もない。それくらいに決別した存在になりつつある。クラウンやスカイラインは両方にノミネートすりゃいいさ。


非CVT部門は良い勝負だった!?
今年の結果も、CVT部門はRAV4の独走で、非CVT部門はMAZDA3と3シリーズが接戦だと考えれば、とても納得がいく結果だと思う。掲示板やヤフコメでトヨタ派とマツダ派が不毛な言い争いなどしなくていい。お互いに価値観が全く違うのに、相手に対してやたら攻撃的で過度にいがみ合う両者は失礼だけど・・・ただのバカだ。そもそもクルマの前提が大きく違うのだから。トヨタがCVTで日本のインフラをがっちりカバーしているから、マツダはそれとは違う路線で理想のクルマ作りを追求できている。CVT車を作りたいトヨタと非CVT車にこだわりたいマツダの「社是」は、選ぶ側のリテラシーがそれなりのレベルに達していれば無駄に競合などはしない。ごちゃ混ぜにしてむやみに議論を煽るベストカー4人衆(国沢、鈴木、渡辺、岡本)は、おそらくわざとやっているんだろう。


クルマ選びと知性
非CVT車しか所有したことないし、これからもCVTは買わない立場から言わせてもらえば、CVTに「10点」入れている審査員のレビューに共通して感じられるのは、クルマをジャッジする「根拠が希薄」なこと。33人の「やっちゃった」審査員を列挙すれば・・・思わず笑ってしまうかもしれない。

青山なおき
飯田裕子
石川真禧照
石川芳雄
今井優杏

岡本幸一郎
片岡英明
桂伸一
川島茂雄
河村康彦

木下隆之
日下部保雄
九島達也
工藤貴宏
国沢光宏

五味康隆
佐藤久実
塩見智
島崎七生人
島下泰久

清水和夫
鈴木直也
竹岡圭
西村直人
橋本洋平

藤島知子
まるも亜希子
御堀直嗣
三好秀昌
諸星陽一

山田弘樹
山本シンヤ
渡辺陽一郎


悔しいが「金持ち」は余裕でジャッジできている・・・
ほぼ順当なメンバーじゃないだろうか。33人揃ってレビューに「知性」が足りない。片岡、河村、五味、島下などは各種メディアでよく活躍しているけど、レビューを入れ替えてもわからないくらいの「薄味」です。一般に「濃い」レビューを好き勝手に書くのは、好きなクルマを自由に買えるレベルのお金持ちな審査員に多い(決して良いレビューだとは思わないけど)、例えば山内一典、松任谷正隆、西川淳、テリー伊藤、松田秀士、ピーター=ライオン、ピストン西沢といった面々だけども、日本COTYに寄せているコメントも個性的だし、好きなクルマを好きなだけ乗っている連中はさすがというべきか、全員揃ってCVT車に「10点」を入れてはいない・・・。


クルマを語るマナー
人は誰しも間違いを犯すことがある。33人の評論家も今頃は何らかの後悔をしているかもしれない。マイカーにマツダや欧州車を選ぶのは「余裕がある」人々であり、クルマ文化における「エリート」だと思う。だからこそネット上でトヨタ車が好きな人を頭ごなしに批判するのではなく、CVT&熱効率エンジンを備える「軽自動車&ミニバンの相似形」を選ぶ人々に対しても温かい対応ができて然るべきだ。マツダファンのネットでの評判が芳しくないようだけども、「クルマがわかっている」のであれば、掲示板やヤフコメでは「エリート」にふさわしい振る舞いをしてほしいものだ・・・。





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