2022年5月20日金曜日

国沢さんはなぜMAZDAの「トップダウン体制」に反対するのか!?


なぜ執拗に藤原さんに粘着するのか!?

もうタイトルに言いたいことは全て込めた。いつ頃から始まったのだろうか?MAZDAがFRシャシーと直6エンジンの新開発を発表して、低調な自動車産業の中で気を吐いているのに、突然に国沢さんが名指しで「藤原(MAZDA役員)は疫病神」だとか主張し始める。2012年以降にMAZDA関連の出版物が増えたが、その中で堂々たる「独裁宣言」が活字となってファンに「MAZDAの大改革」を訴えていた時期だった。



「トップダウン」が必要では!?

2010年前後にフォード陣営から離脱し、自力で世界シェアを確保する道を選ぶ。底が抜けたような株価低迷の中で「倒産」が現実味を帯びる。技術をたくさん持っているから最期はどこかが買ってくれる・・・くらいの保険はあったようだが、桁違いの販売台数だったり、ブランド力を発揮する伝統あるメーカーに対峙するためには、強烈な指導力が必要だった。



安定企業なら・・・

経営学のど素人が勝手なことを書くことをお断りしておくが、トヨタのようなリーディング企業はトップシェアを得るためのノウハウがすでに構築されているので「ボトムアップ」型による経営が、さらなる安定をもたらす。通常運転で上手くいっているのだから、トップ主導でリスクのある変革を強行する意味はあまりない。



HONDAの変遷

それに対して、2番手以下の企業は、更なる躍進だったり、経常利益を確保する体制を構築するために、しばしば「ギャンブル」とも思える決断を「トップダウン」で行う必要がある。最後発の四輪メーカー・ホンダの創業からの奇跡的な成長はオーナー経営者・本田宗一郎の破天荒な「トップダウン」でこそ実現可能だった。北米や欧州で確固たる地位を築いたのちは、サラリーマン経営者を据えて「ボトムアップ」へとシフトした。



HONDAの世界制覇

今のホンダには80年代、90年代に見せつけた極端な設計が少ない。e:HEVなど技術水準の高さは折り紙つきだけど、燃費が良くてトルクフルで走りやすいユニットは、どこのメーカーでも目指しそうなコンセプトである。どこよりも上手く開発していることが素晴らしいのだけど、かつての「Vテック」のように、フェラーリの手組みより高回転で爆速ピストンのエンジンを、200万円そこそこの乗用車に載せてしまうようなクレイジーさはない。



日産の断絶

日産もカルロス=ゴーンの「トップダウン」によってBEVのリーディング企業となった。「901運動」の熱狂から10年足らずで、全く違うタイプのユーザーに訴求するブランドへ生まれ変わった。S13シルビアやP10プリメーラの面影は、現在の日産ラインナップのどこに引き継がれているだろうか!?外野の素人が物申す立場ではないけど、カルロス=ゴーン失脚後の日産は「ボトムアップ」企業のようなスピード感の無さで、施策も後手後手の印象だ。



スズキのカリスマ

本田宗一郎のようなオーナー経営者・鈴木修が指導力を発揮してきたスズキは、やはり「トップダウン」で北米市場&中国市場からの撤退を決めた。冷戦終結と共にハンガリーに進出し、他の日本メーカーが決断できなかった早いタイミング(1981年)でインド市場にも進出した。日本市場&ASEAN市場でのトヨタの小型車は完全子会社のダイハツから供給を受けるが、インド市場ではスズキから供給を受ける。



トヨタとMAZDA

トヨタも創業家出身のカリスマ社長が辣腕を振るっている。まだまだ「ボトムアップ」の社風は残っているだろうけど、より刺激あるメーカーを演出するために「トップダウン」体制を強調している。トヨタは変わったという好意的な声も多い(どーですかね?)。現在の日本メーカーのうち「ボトムアップ」型を感じるのは日産、ホンダ、スバル、三菱の4社。ダイハツ、スズキは判断が難しい。そして「トップダウン」型を志向しているのがトヨタとMAZDA。



民主主義の終焉!?

「独裁」と「民主主義」はどっちが正しいのか!?冷戦終結直後は「民主主義」への支持が圧倒的だったけど、リーマンショックやコロナを経験する中で「独裁」体制を維持する国家の躍進を見た。どちらが優れているか?ではなく、外的&内的な要因から厳しい状況にさらされた場合には「民主主義」による意思決定の遅さに不満が高まる。「独裁国家」ではない日本なのに、政府の対応が遅すぎる!!と批判が殺到する。



困難な時代には・・・

トヨタとMAZDAはここ数年の国内市場をリードしてきた2大メーカーだと言える。半導体不足で生産調整が行われる前までは、3ナンバー車の販売ではMAZDAがホンダや日産を上回ることもしばしばあった。思うようにクルマが売れない状況では、「トップダウン」型の2社が上手く立ち回れたとも思えるのだが・・・。



苦境の連続

直近の経営だけでなく、オイルショック以降に何度となく経営危機を迎えてきたMAZDAだけど、それを乗り越える度にさらに会社スケールが大きくなっていった感すらある。東洋工業として四輪車に乗り出すことになった、二代目社長の松田恒次もまた本田宗一郎を彷彿とさせるワンマン型のオーナー経営者だったらしい。NSUライセンスのロータリーエンジンに強い情熱を持った社長として知られる。



「トップダウン」から始まる

海軍航空廠の出身である開発者でありのちに社長にもなる山本健一は、ロータリーエンジンの技術的な脆弱性をボロクソに批判し、社長に自重を求めたらしい。社内の空気も「ロータリーなんてとんでもない」というものだったとか。それでも松田恒次は勝手に契約を済ましてきた。さらに山本はロータリーの開発主任にされる。踏んだり蹴ったり展開に呆れ返るばかりだったらしいが、苦心惨憺の末にロータリーを実用化させる。



連鎖

結果的にロータリー開発は、山本健一の名前を自動車産業史の中にハッキリ残すものになった。異例なまでの「トップダウン」の決断がなければ絶対に起こり得なかった出来事だし、ロータリー開発の実績によって、東洋工業はMAZDAとして現在まで残る。1984年に社長になった山本も就任当初から「トップダウン」宣言をしている。



やっちまった・・・

「トップダウン」はオーナー経営者の専売特許とか言われるが、サラリーマン経営陣であってもMAZDAのような社歴&社風では、実行可能なのかもしれない。山本MAZDAの拡大路線は、よく知られているようにバブル崩壊とともに大きな頓挫を経験する。北米工場と作り、販売5チャンネル体制を構築するも、車種の開発が追いつかず、販売台数が最盛期(140万台)の半分まで落ち込む、絵に描いたような破綻劇だった。



あれ!?

その後にフォード陣営に入った再生MAZDAにおいて、外国人社長(マーク=フィールズなど)による「トップダウン」を経験してきたのが、藤原清志さんなどの現体制の経営陣だった。リーマンショックで全てが吹っ飛ぶまでの2000年代に過去最高益を記録するなど、想定外の成功を見てきた。そしてフォード支配から脱却するとともに、再びサラリーマン経営者による「トップダウン」が構築された。



予言者か!?

山本MAZDAも1990年代の前半までは好調だった。藤原MAZDAも2012年からのおよそ10年にかなり理想的な成長を遂げた。歴史は繰り返す・・・国沢さんは独特の嗅覚で数年前から、この奇妙な一致に気がついたのかもしれない。10年ほど続く成功は、経営の難しい局面を招きかねない危険な状況とも言える。「藤原大魔神」批判は、MAZDAにとって転ばぬ先の杖になるかもしれない。10年後にMAZDAが苦境であっても大成功を収めていても「国沢さんの慧眼」は評価されることになりそうだ・・・。



2022年4月27日水曜日

「CX-60報道」 本質が語れないカーメディアの限界。



 

CX-60特需は続く

小沢コージさんの主催するユーチューブ案件チャンネル「Kozzi TV」が毎日のように渡辺陽一郎さんを使った漫談を繰り広げている。CX-60の判明した価格が、完全にトヨタ・ハリアーを意識したものになっている。そんな初心者でもすぐ気づくレベルの話を、ライター歴30年近い二人が分かりやすく伝えてくれる企画は、とても親切ではあるけど視聴者像がボヤけてしまう。たまに渡辺陽一郎さんがポロっとこぼすレアな内部情報が知りたい熱心なMAZDAファンはゲームでもしながら聴いているんだろうけど・・・。



全然ダメじゃん

2000年代のリッターカー&ミニバンブーム以来、日本メーカーの作るクルマなんて真面目に評論する価値もない・・・くらいのテンションだったAJAJライター(特に小沢コージさん)だけど、MAZDAがかなり制約を外して本気でクルマを作ってきたら、今度はまともなコメントが全然出てこない。彼らはどんなクルマだったらベストなレビューができるのだろう。まあAJAJは「案件」レビューが原則であるから、特定のクルマに対するあからさまな批判はできない。



乗り換えスペシャル

CX-5からCX-60へ、横置きと縦置きの違いこそあれど、同じ2.5Lガソリンエンジン同士で乗り換えたら、グレードの差こそあれボトム価格は328万円から299万円に下がる。MAZDAが用意したCX-60「乗り換え」の舞台装置はなかなかうまくできている。次もCX-5を買おうと思っていた人の多くがCX-60を選択していくことだろう。ガソリン派もディーゼル派もうまくステップアップできる価格設定になっている。エンジンがたとえ2.5Lガソリンのままだったとしても足回りが違うというだけで価値がある。



CX-5は世界一のヒットモデルなんだが・・・

いずれにせよ世界の主力市場で売れに売れたCX-5は、MAZDAの歴史に刻まれた名車となった。欧州、北米、中国、日本、オーストラリア、ロシアなどなど、世界中のCX-5ユーザーにその受け皿となるCX-60(CX-70)を用意するのは、当たり前と言えば当たり前なんだけど、そもそも日本のカーメディアにおいてはCX-5が世界で年40万台も売れているという認識がない。日本でも世界でもMAZDAは「苦戦している」という報道を続けてきた。



FRは高価という先入観

今更になってCX-5は世界的な大ヒットを遂げていました!!CX-60はそのユーザーの受け皿としてMAZDAが確信を持って作ったクルマです!!・・・なんて言うわけにはいかないのだろう。とりあえず299万円なんてバーゲンプレイスです!!と大騒ぎするしか能がない。3万ドル程度でFRの6気筒モデルなんて北米で当たり前に売られていて、別に騒ぐほどの価格設定ではない。しかしレクサス、メルセデス、BMWなどのプレミアムブランドの日本でのマーケティング(FRぼったくり)の邪魔になるからだろうか、世界でのFR車の適正価格などが報じることはなかったと思う。



MAZDAのルーツ

熱心なMAZDAファンにとっては、CX-60からの一連のモデルは、FRシャシーというよりも、足回りにおけるMAZDAフラッグシップの「原点回帰」に価値があった。個人的にはFRでもFFでもどちらでもいいけど、足回りだけは第五世代以前のクオリティに戻してほしいと思っていた。BMWのE46(3シリーズ)がロードカーの頂点に立った時に、FFシャシーを使うホンダ、アルファロメオ、MAZDA、プジョーが「足回り」を武器に真正面から戦いを挑んだ。リーマンショックと共に全ては終わりを迎えたけど、MAZDAはピュアスポーツモデル以外で世界最高レベルのロードカーを作れる事を示した。



幾多の困難を越えて

その当時のMAZDAの開発者達は豪華な足回りを「第四世代のリベンジ」だと言って退けたらしい。第四世代ではバブルな日本メーカーだけあって、前後マルチリンクという重厚なサス設計が採用された。しかしバブル崩壊によってフォード傘下入りする事態になった。景気の変化に押し潰されてしまったが、この設計の素晴らしさを世の中に知らしめたい。そんな思いでGGアテンザが完成したらしい。そんなGG&GHアテンザもリーマンショックによって幕引きを余儀なくされた。



わかってない

経営再建の第六世代を経て、CX-5という新しいエースモデルも誕生し、よっぽどの事態が起きなければ確実に稼げる状況にはなった。その上で第七世代で再び「第四&第五世代のリベンジ」をしようとしている。MAZDAのクルマ作りに注がれるスピリッツはロータリーエンジンやライトウエイトスポーツなど様々な要素があるけど、「サスペンション」から理論的に走りを創造するMAZDAの拘りにファンは喜んでカネを払っているのだ。そんな気持ちをまるで理解していないAJAJユーチューバーへの嫌悪感は募るばかりだ。



MAZDAで乗り味悪いクルマなんてある!?

「乗り味良いですね」・・・当たり前だろ。MAZDAだぞ。トヨタの社長も第六世代の乗り味に感激したって話だ。福野礼一郎さんも第六世代のアクセラに感心していた。この乗り味に勝てるのはゴルフ7とアウディA3だけだってさ。この頃からレクサスCT、メルセデスAクラス、BMW1シリーズといったそれぞれ決して悪い出来ではないプレミアムブランドのモデルと比べても抜きん出た存在だった。



最悪の偽善者

MAZDAとしては必然の設計であるCX-60だし、ファンも歴代のMAZDAの流れを汲んだ存在だと認識しているんだが、AJAJの奴らだけ「突然変異」でびっくりなことが起こった!!と騒いでいる。ブランド伝統など何も理解せずに、とりあえずドイツのどっかのブランドのモデルと「ライバル」とか言ってるだけのアホは、評論家だとは思わない。ユーチューバーではないけど、I田N渡なんかが偉そうなことをレビューで書いていながら、まるでMAZDAの伝統を理解していない様子だから笑える。本物のMAZDAファンなら彼の偽善に気が付くはずだ。





2022年4月20日水曜日

水野和敏さんとI田N渡さんの「キャスター角」論が真逆の食い違い!?

 

 


プジョー508

ちょっと前の投稿で水野さんがベストカーのレビュー動画で「軽口」を叩いたことに反発した。プジョー508のハンドリングが素晴らしいとの説明に異論はないけどさ、キャスター角を大胆に取った設計は「誤魔化して作っている日本車とは全然違う」みたいな表現は勘弁してほしい。308と共通のシャシーを使うようになって2代目となる508だけど、同じくCセグのアクセラ(先代)と共通シャシーだったGJアテンザも、FFにしては異例のキャスター角を付けているのだから、看過出来ない言い方だと思う。水野さんはMAZDAが嫌いなんだろうけどさ・・・。



MAZDAと同じ!?


結局のところCセグシャシーを使うDセグの508やGJアテンザ(MAZDA6)は、308やアクセラと同じくらいのところに重心点を持ってくる必要があるので、キャスター角でジオメトリーを稼ぎだす設計になっていると考えられる。重心点が前後に大きくズレてしまうと、加速時や制動時に予想外のピッチングが発生して最悪の場合はクルマがひっくり返ってしまう。初代プリメーラを設計し、FFのスポーツサルーンの時代を切り開いた水野さんでもあるので、その言葉は非常に重みがあるのだけど、今回のレビューは頂けない。



先代とは異なる方向性

Cセグとは別のシャシーを使っていたGHアテンザ(2代目)は、キャスター角は少なめだった。高速域だとちょっとフラつく挙動が見え、事故防止のために一気に重くなる電制パワステが採用されていた。それがGJアテンザとなり7度のキャスター角が付けられると、BMW3シリーズ(F30)と比べても楽勝できるレベルの直進安定性を確保していた(清水和夫さんがテストしている)。



色々理由はありそうだが・・・

FRシャシーとなったCX-60はSUVだけども、再びキャスター角をほとんど取っていないとMAZDAは説明している。ラージサイズのシャシーを使うモデルとしては最小のボデーサイズだから、サスペンションを立てている可能性など考えられる。2002年からの第五世代ではアクセラと異なるシャシーを使っていたGG&GHアテンザはキャスター角が小さかった。2012年からの第六世代ではアクセラと共通シャシーとなったGJアテンザのキャスター角は大きく取られている。



奇妙な一致

第七世代で再びMAZDA3と別のシャシーになったCX-60では再びキャスター角が小さくなる。意図的に乗り味を変えている可能性もあるが、第五世代アテンザと第七世代CX-60はフロントサスがダブルウィッシュボーンになっている。このサスの性能を生かすための判断とも考えられる。プジョー508も先代では一部のグレードにフロント・ダブルウィッシュボーンが採用されていてキャスター角はそれほど取られていなかったが、現行モデルになって水野さんが目を見張るくらいに大きく取る方向に変わったようだ。



どっちが正論!?

さてI田N渡さんのCX-60のレビューにおいてもキャスター角について触れられていた。ちょっと乱暴に感じたが「こんなものはない方がいい」と断定しておられる。「全ては直進安定性のための必要悪」といい切る説明が全く的外れとは思わないけども、「悪」なんですかね!?。これではキャスター角を付けたプジョーの設計を絶賛していた水野さんの立場がない。(角の大きい)GJアテンザと、(角の小さい)GHアテンザでは、かなり明確に「直進安定性」に差がある。しかしそれはボデーサイズや車重の違いにも起因するだろう。トータルの設計ではGHアテンザの方が好みだけど、ハンドリングだけを切り取って比較すれば甲乙つけ難い。



好きなMAZDAって!?

I田N渡さんはどういうつもりで書いているか定かではないが、「CX-60やマイナーチェンジしたロードスターからもMAZDAのハンドリングの方向性が変わってきた」「僕らが好きだったあのハンドリングは・・・」みたいなことが並んでいる。MAZDAファンとしてちょっと何言ってるのかよくわからない。第六世代MAZDAのハンドリングがI田N渡さんにとってはベスト!?という意味でしか受け取れない。



キャスター角が生み出す違い

福野礼一郎さんが、現役エンジニアを集めてまとめた「クルマの学校」にもキャスター角についての説明はあまり書かれていないので、はっきりとしたことはわからない。しかし自転車(サイクル)を複数台所有している人なら、キャスター角が生み出すニュアンスはわかる。私もキャスター角が大きいロードバイクと、角が小さいミニベロの両方を普段から愛用している。ロードバイクなら30km/hで走っていても両手を離して補給食を食べることができるが、ミニベロではハンドルがクイック過ぎて離すのは難しい。



どっちもいい味がある(MAZDAなら・・・)

100kmかそれ以上の距離(4時間コース)を乗る時はロードバイク、せいぜい50km程度(2時間コース)の時はミニベロを使うことが多い。乗っていてどちらも楽しい。トップスピードやエネルギー消費ではロードバイクに分があるけど、ファントゥサイクリングにおいては優劣を付けるのは難しい。2LショートストロークのMZRエンジンを搭載したGHアテンザと、2.2LディーゼルのGJアテンザを両方持っていて、ドライブコースによって使い分けるカーライフも良いかもしれない。



カーメディアなんてこんなものだ・・・

水野さんにしろ、I田N渡さんにしろ、角の大小をそのままクルマの評価に直結させるのは得策ではなかったと思う。この2人がそこそこカーメディアで幅を利かせている状況では、各メーカーが創意工夫を凝らして作ったジオメトリーが、「キャスター角」が大きくても小さくても批判の対象になってしまう。水野さんは「キャスターを立ててパワステで誤魔化す日本メーカーがある」と嗤っていたし、I田N渡さんは「キャスター角なんてない方がいいが、角を付けてもパワステで厚化粧できる」と書いている。全くもって矛盾だらけだ・・・。




2022年4月9日土曜日

K沢さんの「MAZDA経営批判」に横槍


20年前のMAZDAは・・・

 2002年に第五世代のMAZDAフラッグシップに位置するGGアテンザが登場した。当時の「日本の」カーメディアの受け止め方は「カペラから名称が変わっただけ?」くらいの低調なものだった。キラ星のフォードブランド群の中で「個性」が強調され、非常に意欲的なシャシー&エンジンを採用していたが、「日本の」カーメディアに変化を察知する能力などあるはずもなく、評価はそれほど高くない。小沢コージさんの当時の本を読んでも「ゴミ」扱いでしかない。



武士道!?

しかし、作っている側のMAZDAは全く違うテンションだったようだ。GGアテンザは「世界一」でなくてはならない。我々にはもうチャンスが残されていない。最後に「最高のクルマ」を作ってそれでダメなら本望だ!!という気持ちだけで突っ走った設計をしたと、金井誠太主査の回顧録にハッキリ書かれている。そう言い切っても違和感がないくらいに洗練された「特別」なクルマだった。当然世界ではバカ売れし、100以上の受賞を果たし、2005年にMAZDAの当時の最高益に貢献した。しかし日本COTYは受賞していない。全く評価されていない。これは「日本の」カーメディアにおける最大の黒歴史だろう。



10年前のMAZDAは・・・

2012年に第六世代のMAZDAフラッグシップに位置するCX-5が発売される。フォード時代の遺産である2.2Lディーゼルを独自に改良した結果、横置きエンジン車では最高の飛び道具になり、汎用性の高いSUVボデーと、強烈にエモーショナルな日本人チーフデザイナーに主導された王道デザインが組み合わされ、MAZDAらしいSUV離れしたハンドリングが追加された。ここまで説得力があれば日本でも異常なレベルで売れるし、日本COTYも受賞した。



ついていけないカーメディア

それでも「日本の」カーメディアにはどこか割り切れない部分があったようだ。CX-5を殊更に取り上げることもなかった。結果として歴史的なペースで世界40万台クラスへと駆け上がった「モンスター級」モデルにはなったけど、「日本の」カーメディアにとっては「MAZDAはこれでいいのか!?」が素直な感想だったのだろう。スポーツカーやセダン&ワゴンが放棄され、SUVばかりに開発資源を集中させていくMAZDAの姿は「裏切り」と捉えられても仕方が無かったかもしれない。しかしMAZDAも「遊び」でやっているわけでは・・・。



カーメディアはバカか!?

私は、第五世代の最晩年(2012年)に熟成の後期GHアテンザを購入し、その完成度にぶったまげてブログを書き始めた。クルマってこんなにストレスなく高速道路をずっと巡行できるんだ!!旧道ワインディングもリズミカルに抜けていける!!これが本物のロードカーってやつか!?・・・まあそんな感じだった。こんなにすごいクルマを作るMAZDAに対して辛辣なカーメディアに対する、かなり「一方的」な怒りや不満から生まれたのがこのブログだった。



10年経てば変わる

ブログ歴も10年ほどになり、以前よりは「全体」が見えてきたように思う。初期の頃のようにただただ思い込みのままに突っ走っていた方が面白い記事がたくさん書けていた気もするけど、今ではどうしても「心のブレーキ」がかかってしまう。「それを書く必要があるのか」という自問自答は常にある。10年以上前の小沢コージさんの本でGGアテンザが「ゴミ」扱いされていた。この評論家に対しての「軽蔑」の気持ちだけで2015年くらいまではボロクソに批判を展開したけど、今改めて考えてみると別の意見も出てくる。



MAZDAの変遷

第四世代まではMAZDAは良くも悪くもロータリースポーツとロードスターが象徴する「スポーツカーブランド」だった。第五世代でもスポーツカー2台体制こそ維持したものの、「スポーツカーブランド」からアテンザやアクセラが欧州市場で無双する「ロードカーブランド」へと移行した。2000年頃に親会社のフォードが欧州でゴルフを倒したけども、MAZDAはその戦略の中核となるエンジニアリング・カンパニーになっていたわけだから、相手がBMWだろうがアルファロメオだろうが互角以上に戦える自信があったのだろう。実際にE46や156を照準に「金井アテンザ」が発射され、あらゆる賞を勝ち取った。



立場の違い

第五世代になってから免許を取り、クルマを買った自分にとってはMAZDAとは最強の「ロードカーブランド」である。世界最強かどうかは不明だけど、カナダやオーストラリアでのカルト的人気を考えると「環太平洋地域」では最強と言っていい。年配のカーメディアの人々にとってはこの素晴らしい第五世代のMAZDAに強烈な違和感があるのだろう。「MAZDAならば2ドアだろ!!」といったところか。



第六世代への違和感

第五世代のMAZDAにインスパイアされた自分も、同様に第六世代に違和感があった。この世代で登場したGJアテンザもBMアクセラも「ディーゼルありき」な設計であったし、GHアテンザのショートストロークエンジンとは真逆のフィールがあまり好きになれなかった。シャシーもCX-5に照準が合っていたような感じだ。あれ?ロードカーの開発はやめちゃうの!?第五世代で声高に叫んだ「足回りのMAZDA」はどこへ行ったんだ!?これじゃ乗り換えのクルマがない。たまたまハマったサイクリング趣味(アウトドア趣味)のおかげでCX-5に辿り着いたが・・・。



すべての世代へ訴求!?

2022年の今年、第七世代のMAZDAフラッグシップとなるCX-60が発表された。「10年ごとに出す」と決めているのだろうか。2ドアにこそならなかったが、スーパースポーツを予感させる強烈な加速を実現させるために「トルコンレス」という大胆な選択。確かに自社製ミッションであることを殊更にアピールすることが「ブランド力」の源泉ではある。それでいて突き抜けた静粛性とフラット感を備えロードカーとしての性能も間違いなく高そう。そしてMAZDAが第六世代で取り組んできたSUVの衝突安全設計もフォローされているのだろう。



これまでの歩みの集大成

3つの世代を足して3で割った平凡なクルマでなく、それぞれの突き抜けた長所を共存させたクルマに仕上がったようだ。K沢さんのようにMAZDAにトヨタのような「全方向の開発」をしっかり考えろ!!という意見が絶対に間違っているとは思わないが、第五世代、第六世代でそれぞれ与えられた環境の中で、後先考えずにただただ世界最高の「ロードカー」、「SUV」を全力で作ってきたことがMAZDAの強みであり、その確かな結実がCX-60なのではないか!?



MAZDAの世界制覇

「GGアテンザ」と「CX-5」は登場時こそ地味だったけど、結果的に実力で世界制覇した。K沢さんがCX-60の48V直6ディーゼルエンジンを評して、「これ10年前に出てたら、世界制覇していた!!」とか仰っていたが、いやそのエンジンじゃなくても・・・MAZDAはすでにやっている。100万台かそれ以下の規模で主要市場でくまなく大暴れ(カテゴリー制覇)しているブランドってMAZDAとポルシェだけだ(スバルは8割北米なので・・・)。



歴史は繰り返す

第五世代・第六世代と同じように、第七世代でも「縦置きシャシー」というマニアックなジャンルに集中して、当たり前のように世界制覇するフラッグシップを作ってきた。全方位戦略を採るトヨタのクラウンやレクサスLSでは真似できないだろうけど、MAZDAには極めて高い「再現性」がある。的外れな「日本の」カーメディアや、ヤフコメでアホなことを書いている連中はこの「歴史」が理解できていないのだろう。



いろいろな企業がある

トヨタは常に「30万人の社員の将来」を最優先にすることが社是であり、リストラに対しても否定的だ。これはこれで素晴らしい方針だと思う。そしてMAZDAは「最高のクルマをユーザーに届ける」ことが社是となっている。クルマ作りに人生を捧げられない人は去れ!!みたいな空気があるらしい。デザイナーもモデラーも間違いなく業界で最も長時間労働しているとインタビューで語っていた。四季報を見てもトヨタとの待遇差は明らか・・・。


変態的

BMWやスバルとはなんとか協業できるけど、MAZDAと共同開発するのは「相当にハードルが高い」と豊田章男社長も語っていた。もちろんトヨタもBMWもスバルもそれぞれにプライドを持ってクルマ作りをして成功しているわけだけど、MAZDAのストイックさは完全に異常だそうだ。役員に「30万人の社員とその家族を考えろ!!」と言われ続けてきたし、それは非常に大事なことだけど、立場を超えて言えば「MAZDAのクルマ作り」に強烈に憧れるそうだ。



ちょうど良い

K沢さんはCX-60レビューの中で「MAZDAのようなメーカーが元気じゃないと面白くない」と言っていた。MAZDAがトヨタのように左うちわで稼げるようになったら、だんだん「トヨタ化」してしまう気がする。第五世代も第六世代も「倒産」が現実にチラつく中での幕開けだった。鬼畜な話だが、そんな環境こそがトヨタ社長をして「限界を超えている設計」を産み出すのではないかと思う。この極限状態のMAZDAをさらに続けるためにも、(経営圧迫が危惧される)「ラージプラットフォーム」ってのは実に見事な舞台装置じゃないだろうか。



MAZDAが好きな理由

自分だけじゃないだろうけど、氷河期世代に生まれた人々は、親の世代にバカにされたり憐れみを受けたりされながら、自分の生きる「方法」をあれこれ試行錯誤してきただろう。雇用先に利益をもたらすことでしか明日に繋がらない日々を生きるために、礼儀正しく、身だしなみを整え、すべての悔しさを押し殺して精一杯やれることをやってきた。MAZDAの清潔感溢れるデザインや、理想を追求する仕事ぶりには、ごくごく親近感が湧く。



最悪だけど最高の環境

不安定な雇用に多くの人が苦しんできたことはよくわかっている。決して良い時代ではない。しかしもう一度同じ時代に生まれ変わってもいいと思う。努力が強制される「環境」があったからこそ、自分自身をクズとしか思えなかった20歳そこそこの自分では想像もできなかった、さまざまな能力を身につけられたと実感する人も多いのではないか!?親世代のような豊かな暮らしはとっくに諦めていると呟き合っていた同志が、気が付けば両親より経済的に豊かになってる。そんな自分が生きてきたリアルな感覚と「MAZDA」は見事なまでにシンクロする。必死に苦労を続けた結果、MAZDAも気が付いたら「世界最高のクルマ作り」になっていたのだろう。



2022年4月8日金曜日

全カーメディアお手上げ状態のMAZDA・CX-60

 

これを待っていた

2022年の日本COTYは開催不可能かもしれない。日産アリア、bz4X / ソルテラ、フェアレディZ、GRカローラ、シビックtypeR、スバルWRXといった近年稀に見るメンバーが揃っているけど、たった1台のニューモデルが世界の自動車産業の現実を浮き彫りにさせてしまったようだ。輸入ブランド&日本メーカーが新型車を投入するたびに日本市場でデタラメな価格を付けてきたが、MAZDA・CX-60はいよいよ「北米価格」で日本市場を席巻しようとしている。30年以上前の初代セルシオの再来と言っていいかもしれない。



異常事態

圧倒的な「開発の質的な高さ」と「ロマンへの熱量」が伝わってくるスペック&パッケージの前に、総動員されたAJAJ軍団も、アホの一つ覚えのようにただただ肯定するしかない状況だ。クラウン、レクサスLS、レヴォーグ、WRXなど近年の日本メーカーの縦おきエンジンモデルの試乗レビューはここまで全面的に肯定だっただろうか!?ボデー剛性やシャシーは非常に良くなったけども、「走って楽しい」と軍団が叫んでいただろうか!?



喜び過ぎ

4月7日に情報解禁になってユーチューブで活動するAJAJが一斉に動画をアップした。Gさん「変速ショックが気になるけど、直6DもPHEVもただただ素晴らしい」S(Y)さん「これは良い!良い!すごいいい!」Oさん「すっごく滑らか!!トルコン無いのに全然段付き(変速ショック)ないな〜」S(K)さん「これいい今乗ってるランドローバーの次はこれにしよっかな」Kさん「私はMAZDA嫌いではありません(藤原が嫌いなだけです)!!クルマすっごくいいです!!けど売れないかもな、だって経営陣がバカなんだもん(ゴチャゴチャ・・・)」



全員が素人同然

エンジニアに聞いた技術的なウンチクこそ挟みつつも、やはりガチでいいクルマに乗ってしまったらクルマ好きの素人と同じリアクションしかできなくなっている。ロードスター以外は2002年以降のMAZDAしか乗ったことないけどさ、GG&GHアテンザ、GJアテンザ2.2D、歴代ロードスター、プレマシー、MSアクセラ、アクセラ2.2ディーゼル、CX-5、MAZDA3スカイXどれ乗っても同じような興奮は味わえると思うが・・・。Kさんは動画に残るアクセラ2.2ディーゼルではしゃぐレビューと同じテンションになってる。



ステマに見える!?

もしかしたら、MAZDAがプーチン並みの情報統制を図っていて、招待したAJAJ軍団に目一杯の演技指導を施したのかもしれない。「子供のようにはしゃいで楽しさを表現してください」「できるまで何度でも録り直し可能です」・・・みたいな試乗会だったのかも。確かにOさんの表情にはうっすらと「疲れ」が見える。何回やり直しを喰らったのだろうか!?相変わらずの棒読みコメントで淡々と褒めている。動画コメント欄には「Gさんはショックあるって述べてますけど・・・」と突っ込まれて、本人が「オッサンなんで感度鈍くてごめんなさい」とかレスしていて微笑ましい。



つまりは・・・

エンジンだけで300万円以上したという日産GT-Rは、栃木工場のスカイラインやフーガを生産するラインに混流させて、発売時の価格を777万円まで抑え込んだ。CX-60も防府工場でFF車ラインに混流させて作ることで同じように価格を下げることが可能らしい。メルセデスだろうがレクサスだろうがイチャモンを付けたがる上記のAJAJ「五大老」が、全てに目を瞑って全面肯定した背景には、「MAZDAの生産ライン」への大喝采があるはず。とにかく日本市場の高性能車の自動車価格をどーにかしてくれ!!という切実な想いが宿っている。



買いたくなる

1000万円くらいするマセラティみたいに「ピカピカ」じゃないし、800万円くらいするポルシェみたいにサーキット向けのストイックさはない。直6ディーゼルに48Vが付いて500万円くらいらしいが、BMW・X3・M40d(日本価格902万円)と同等のスペックに加えて、実用に耐えうるモード燃費が付いてくるらしい。X3は北米市場ではディーゼルの販売はない(タブー)が、直6ガソリンターボのX3・M40i(382ps)が57,800ドル、X3・M(473ps)が70,100ドルなので、北米価格をそのまま日本に持ち込めばCX-60とほぼ同等の価格になる。



勝算

無茶な期待はできないけど、CX-60によって日本市場が大きく刷新されそうな予感だ。ユーチューブでレビューが行われるようになって以降で、ここまでカーメディアが一斉に動いたのは今回が初めてではないだろうか!?K沢さんは「まず売れないでしょうね」と仰るが、CX-60のターゲットは大して日本で売れていないBMW、メルセデス、アウディ、ボルボの類似のSUVなどではなくて、より大きな枠組を狙っている。具体的にはこれまで相当数が売れてきた、アルファード、レクサスLS、クラウン、フーガといった日本の高級車のシェアだろう。



日本車初の・・・

RAV4PHEVやアウトランダーでは動かなかった「プライドが高い」ユーザーに十分に訴える設計になっている。クオリティを重視するユーザーにとって、1000万円以下で収まる高級SUVは「ランドローバー」「ポルシェ」「マセラティ」の3つしか選択肢は無かった。S(K)さんが何気なく呟いた「ランドローバーの後継になる」という一言は、MAZDAがやり遂げたことの大きさを表している。その言葉の裏には「レクサス、メルセデス、BMW、アウディのSUVでは全然話にならないんだよ!!」との怒りにも似た想いが滲んでいる。

2022年3月2日水曜日

「MAZDAのハンドリングはゴミ」だと・・・水野和敏さんが仰る

 

MAZDA無関係のレビューにて

「非常識な・・・」というタイトルで本を書いていたこともあった、元日産の開発者の水野和敏さんだから発言も非常識なのかもしれないが、またまたまたまたMAZDA叩きですか・・・。全くMAZDAと関係のない輸入車の比較レビューだったのだが、FFのスポーツセダン・プジョー508をジャッジするにはMAZDA車を引き合いに出すしかないのかもしれない。



ベストカー読者にはレベルが高すぎる!?

「ベストカー」のくせにやたらと小難しい事を言ってる(読者のレベルわかってます!?)。水野さんにとっては、どうせ視聴者の99%は意味すらまともにわかってないから適当に理屈をこねておこうという、完全なる手抜き仕事なのだろう。聞き手になっているベストカーのベテラン担当者も、いつもなら食い気味に聞き返すところを、今回のレビューは最初から意味がわかってない様子だ。




MAZDAだろうな・・・

水野さんが、何を基準に仰っているのか少々不明確な部分があるのだけど、現行508のPHEVの出来にとても感心したらしい。そしてついつい口走ってしまう「某日本メーカー車への痛烈な批判」。508のハンドリングは全く遊びがなく非常にナチュラルで、日本車との大きな違いは・・・「キャスター角をしっかりとっている事」だってさ。日本メーカーはハンドルが重くなってしまうからキャスター角を付けるのを嫌がる。パワステの味付けだけでごまかしているメーカーばかりだってさ・・・まあMAZDAをイメージしてるんだろう。



キャスター角とは!?

ここで言うキャスター角とは前輪に対してサスペンションが後方にいくらか倒れている角度のこと。だいたいどんなクルマも2〜4度くらいに設定されている。一般的に浅い2度だとフニャフニャのハンドリングになり、ステアリングを軽くすることができる。日本車の得意技!?それに対して4度くらいまで倒すと、今度は直進安定性に優れハンドルにもしっかりと反力が付くらしい。水野さんが言うにはこの領域でこそニュートラルなハンドリングなんだってさ。



508を見事に説明!!

水野さんは身振り手振りで、日本車はやたらとキャスターを立ててしまって、これではもう話にならないと言いたそうだ。小出力ステアリングモーターでも軽いハンドルが実現してとても省エネで、速度域も低い日本向けモデルならそれでも仕方ないよね・・・って論調らしい。それにしてもカーメディアが「かっこいい」以外は1ミリも持ち上げることができなかったプジョー508の美点をさらりと語ってしまうところは、本当に凄いオッサンだと素直に感心する。カーメディアとはこうあるべきだ!!



MAZDA6しか該当しない!?

この動画見てプジョー508が気になる人はたくさん出てくるだろう。実際に水野さんが仰るような特徴を備えた素晴らしいクルマなのだろう。その点に関しては全く異論はない。問題は「咬ませ犬」になったキャンターの立った素性をパワステで必死にごまかしている日本車の方だ。まさか軽自動車ではあるまい。508と同等の設計となるDセグのFFサルーンの比較ではMAZDA6くらいしか候補が出てこない。



解せない

ここで一つの疑問が浮かぶ。水野さんともあろう批評家が、全くジャンルが異なる日本車を引き合いに出して508を褒めたのだろうか!?それともたった1台の該当車であるMAZDA6を念頭に置いているのか!?前者でも後者でも少々腑に落ちないところがある。万に一つもフニャフニャハンドリングの女性向け軽自動車を指しているとは考えにくいが、508の下位モデルになるCセグ辺りをイメージしているのか!?



同じ立場

MAZDA6を指しての表現だとすれば、これは納得しかねる。このクルマはセダンタイプのグランドツアラーとしてMAZDAがかなり思い切った設計を施している。現行のMAZDA6は先代とは異なりMAZDA3と基本設計を共通化している。プジョー508に関しても先代508からすでに308と基本設計は同じだ。どちらもGHアテンザや407の時代には独自のシャシーを使ってスポーツサルーンを作っていた。



上位モデルの走りを演出

シャシーが統合されると、当然ながら下位モデルとの明確な違いを示す必要が出てくる。MAZDA6はホイールベースが長く先代よりもゆったりとした乗り味になったため、MAZDA3よりもずっしりしたドライビングフィールを演出している。BMWのFRモデルを全く相手にしないレベルの直進安定性も某メディアのテストで証明されている。その秘密はキャスター角にあるらしい。2〜4度が当たり前の中で、MAZDA6では7度のキャスター角が付けられているのだ。



パクったのはどっちだ!?

先代の508はどこか貫禄が不足していたが、現行508は静粛性やドライビングフィールがかなり変わった。全く証拠はないけども、どこかのメーカーの真似をしてCセグ派生のDセグサルーンの味付けに「キャスター角」を使ったと考えるのが自然だ。発売年代から考えても説明が付く。MAZDAからしてみたら、はっきりと名指しされたわけではないけども、水野さんの「言い掛かり」によって視聴者が勘違いを起こしてしまう状況には腹が立って仕方がないだろう。



2022年1月12日水曜日

「CX-5は平凡な出来」・・・とRIDE NOW島下泰久さんが言ってる

 

クルマ系ユーチューブが多過ぎる

「RIDE NOW」って何?って人もいるかもしれないが、AJAJで一番仕事が多い島下泰久さんと相方の難波賢二さんによる自動車を紹介するユーチューブ・チャンネルである。AJAJユーチューバーがどんどん増えているけど、編集者がいない自己メディアということもあって「独り相撲」で「やっつけ仕事」になっている感じだ。毎日のように動画を投稿するのはなかなか大変ではあるだろうけど、そんな忙しさから「アラ」が目立つ感じが、ブログ書いてる自分の事のように思えてしまい、気になってあまり内容が入ってこない。そんな中で「RIDE NOW」や「kozzi TV」は一人レビューだけでなく、対談形式の動画も多く、それらは展開が読めない分だけ面白いことが多く、割と見ている。



いつの間にか日本車のエース格

MAZDAのCX-5は、別にカーメディアがゴリ押ししたわけでもないけど、気がついたら日本車の代表格にまで出世していた。多様な市場で受け入れられているという意味ではCR-VやRV4を上回る「世界最強」モデルだ。今回のマイナーチェンジの注目度も高く、カーメディアの手のひら返しにはもう笑うしかない。ある程度はクルマに詳しい人は察していると思うが、現行のMAZDA車でトヨタを本気で怒らせた唯一のモデルだ。2013年頃の「THSブレーキ事件」でトヨタの技術を完全にコケにしたMAZDAに、セールス面でもマウントを取られた「トラウマ」級のビッグセールスモデルである。当のMAZDAも初代の規格外の大ヒットで自信を持ったようで、現行発売時には「日本のSUVはMAZDAが作る」みたいな力強いPRをしていた。



感動しやすい体質!?

2代目デビューの頃(2017年)はまだまだ「SUV懐疑派」だったが、ロードバイクに乗るようになり実用性を重視して3年後にはCX-5を買っていた。2代目アテンザもそうだったけど、世界の様々な市場で支持されたクリティカルヒットモデルだけあって、買った後にさらに期待以上のポジティブな印象を得ている。2代目アテンザも非常に運転が楽しく、朝から晩までドライブしていても飽きないし、高速道路での長距離移動もかなり楽にこなせるクルマだった。レクサス、メルセデス、BMW、アウディ、ジャガー、ボルボなど他のブランドもいろいろ試したけど、2代目アテンザを超えるクルマは日本市場にもほとんどないだろうって思った。



気が利いてる

そして今はCX-5に乗っているが、これまた現行車では日本市場で最強と言っても過言ではない完成度だ。どこのメーカーでも用意しているC/Dセグの汎用SUVに過ぎないのに何が違う!?おそらくMAZDAが頭一つ以上抜けているのは、ユーザーの求める世界観の実現に、可能な限り努力を惜しまないことだろう。「クルマ買ったら日本海や富士山を見に行こう」そんなユーザーのワクワク感をイメージ通りに現実にするためにあらゆる面で考えぬいてクルマを作っているのがわかる。富士山や日本海は東京から往復で200〜400kmくらいの距離を走る。燃費も大事だけど、往復で5時間乗っていても飽きないドライブフィールを作る。CVTではフィーリング的にロングドライブには不向きだ。そして静粛性が高く長時間乗っていても快適に過ごせる車内。




クルマではなくカーライフを売る

目的地に着いたら富士山なり日本海なりをバックにして、思わず微笑んでしまいそうな映えるエクステリアデザイン。エンジンのスペックやクルマのサイズも、ロングレンジドライブを想定して最適化して作り込んでいる。その反面、トヨタ車には必ず着いているようなラゲッジのフックや、ネットなどのお買い物車としての機能はびっくりするくらい付いていない。もちろんホンダや日産のようなシート下の収納スペースなんてあるわけない。このクルマはCVTではなくトルコンATを選ぶ人のために作られている。CX-5より大きめのボデーを使うもCVT車なので車重はCX-5と同等に抑えていて、カツカツのトルク容量で走る某メーカーのSUVとは同じジャンルだけど全く別のクルマと言っていい。



スペックから一目瞭然

CX-5に乗り始めてから、ブログで「これは最高の長距離ツアラーだ」などと書いていたけど、今回RIDE NOWで同じようなサムネタイトルを見て思わず15分全編を見てしまった。どうやら難波賢二さんの持論らしい。動画では2.2Lディーゼルターボ車で試乗が行われているが、ディーゼルにしろ2.5L自然吸気ガソリンにしろトルコンATを組み合わせた設計は、お買い物の車として毎回のように渋滞にハマるような使い方だとデメリットが多くなる。ゆえにMAZDA以外の日本メーカーは敬遠する傾向にある。しかしロングツアラー用途となれば状況は変わる。日本市場よりも3〜4倍くらいクルマを運転しているアメリカ市場では、トヨタも日産もホンダも2.5L自然吸気が定番スペックだ。



カーメディアの闇!?

「CVTは短距離」「トルコンATは長距離」はクルマ選びの基本だと思っていたが、カーメディアではこの手のセオリーな説明すらほとんど行われてこなかった。CVTを売っている他の全ての日本メーカーを敵にするわけにはいかないのだろう。そんな業界のタブー(?)をあっさりと超えてしまった難波さんに対し、島下さんが非常に言葉を選んで対応している。「私はそこまでだとは思いませんが・・・」とやや否定混じりに相槌をうっている。カメラが回っていて編集もされているのだろうけど、島下さんが煮え切らない感じだ。何を言いたいのかよくわからない。伝わってくるのが「この会話」がコンプラのギリギリだってことくらいか・・・。



著書との整合性か!?

「間違いだらけのクルマ選び」を書いているくらいだから、主要メーカーの動向については詳しいだろうと思っていたが、MAZDAのシャシーの変遷についても少々腑に落ちない説明をしていた。まだまだ島下さんにとってはMAZDAは日本メーカーの「4番目か5番目くらい」のあまり重要ではない存在のようだ。「間違いだらけ2022年版」の採点表で驚いたのは、CX-5がカローラクロスに全面的に負けていたことだ。「快適性」とは「渋滞にハマった時の快適性」であり、「走りの楽しさ」も「信号ダッシュの際の走りの楽しさ」だと解釈すれば、理解できないこともないが・・・。



RIDE NOWの今後に期待

動画でいつも以上にチグハグしていた島下さんだが、難波さんの確信めいた「CX-5最強ツアラー論」を聴きながら、昨年暮に発売したこの本でのCX-5の評価をいくらか後悔していたのかもしれない。あの本を読んでカローラクロスやRAV4を買いました!!という純粋な読者の顔が脳裏にチラついていたのではなかろうか!?この動画で不用意なことを言って読者のカーライフを踏みにじりたくない気持ちはよくわかる。売れっ子評論家はいろいろ悩みがあるんだろうな。難波さんが「長距離で走っているクルマのCX-5率は明らかに高い」との真顔の主張を「そんなことないよ・・・」と軽くかわそうとする島下さんの心情が様々に読み取れて興味深い。2023年版におけるCX-5の評価がどう変わっているか楽しみに待ちたい。





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