島下泰久『間違いだらけのクルマ選び』(2017/12月発売)



  2017年版では前任者の徳大寺さんの雰囲気を意図的に受け継ごうと、かなりの「毒舌」キャラだったのですが、2018年版では去年とはうって変わって「島下」色が全開で、なんだかスゲー真面目になりました。

  まるで学校の先生みたいな口調(徳大寺さんもそういう要素あったけど)で、クソ真面目に語られると、クルマに対して面白おかしくって気持ちでいるテキトー人間には、ちょっとばかり退屈な部分もあります。 12月から頑張って読んでいるんですけども、あまりに真面目過ぎて1分もしないうちにちょっと飽きる。

  誤解を恐れずに言ってしまうと、ここまでつまらなくクルマの話ができるってのはある意味で才能だよな。トイレの前とかに置いておいて、用を足す時に少しでもページをめくってみるも、それでも全く話が頭に入ってこない。ちょっと訂正すると、決してつまらなくはないです・・・が結論がなんともクルマ好きが普段から肌感覚で感じている各クルマへの評価に、それほど違わないところにほぼ的確に着地するんですよ。島下さんは率直に感じたことをそのまま文章にしているようで、ちょっとばかり心にもないことを書いてみよう!!とかそんなツンデレな要素など全くない!!

  素直でいい本ですよ。実家の母親にクルマを選んでもらうときの参考にするにはちょうどいいかも。つまり特にクルマが好きではない人が、最新のクルマ事情を知るためには本当にちょうどいい本だと思います。ただし、クルマが好きで、暇さえあればクルマのことを考えているような人種には、ちょっとハネないんじゃないかなー。・・・で結局この本を買うのはクルマ好きばかりなんですよ。まあ島下さんが悪いわけではないです。買ったおいらが悪いわけです。

  後からフォローするわけではないのですが、クルマ好きがざっと1回読むと、「ちょっとヌルいなー」って感想になります。しかし島下さんの文章は2回目読むと、ちょっと表情が変わります。結構為になることが書いてある。やっぱりこのシリーズは島下さんが今後も長く続けていくべきだと思います。真面目で誠実なカーメディアのライターってなかなかいないですから・・・。他の有名ライターが担当したらどうなっちゃうかちょっと想像してみました。


国沢光宏の「間違いだらけのクルマ選び」
案外しっくりといきそうだが・・・、とにかくコメントがクドイ。わかりやすい部分もあるけどね。

小沢コージの「間違いだらけのクルマ選び」
とにかくチャラい。「これ1台持ってればとりあえずオールオッケー!!もう何人でもいけます!!」(メルセデスEクラスクーペ)
「今時のおしゃれな男だったら、自分のイメージに合ったクルマを真剣に選ぶべきだ。まずは何より小さい奴だと思われにように」(メルセデスSクラス)


沢村慎太朗の「間違いだらけのクルマ選び」
とにかく内容が難しすぎる。しかも全車が落第評価を喰らう。そしてその理由はほぼこじつけ。シートの中心とステアリングコラムがちょっとズレているだけでジ・エンド。各メーカーの開発担当者だけ読んでればいいんじゃねーの!?

福野礼一郎の「間違いだらけのクルマ選び」
日本メーカーの担当者が悲鳴。ラダーフレームか、プルマンハイエンドサルーン以外は徹底無視という大ナタを振るって業界全体に揺さぶりをかけてくる。そうかと思いきや、意外にもアルファードに高評価だったり・・・。

清水草一の「間違いだらけのクルマ選び」
とにかく全車を『フェラーリ』で例える。もはやクルマ版の「ね○っち」と同じ。

清水和夫の「間違いだらけのクルマ選び」
BMW320dを5400rpmまでブン回した!!と書き立てるも、読者から「BMWのタコはダミー機能がついてますよー」と指摘されると、「だから間違いだらけなんだよ!!」とまさかの逆ギレ。なぜかVWグループのクルマだけが全項目で満点を取る。また別の読者が指摘すると、さっきと同じ逆ギレのくだりが繰り返される。

河口まなぶの「間違いだらけのクルマ選び」
語り口調が穏やか過ぎて、中身がザル過ぎて、何も内容が入ってこない(入っていない)。やっぱりこの人は動画が合っているんじゃないかと再認識。

クリス=ハリスの「間違いだらけのクルマ選び」
「日本人のクリエイティビティは無限だな(スズキソリオ)」
「全世界のSM好きのためのクルマ(日産GT-R)」


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