トヨタの横置トルコン6ATが何だって!?

  トヨタ傘下のサプライヤの一つであるアイシンAWのトルコンATが世界中で人気らしい。トヨタと盟友関係にあるBMWやPSAだけでなく、世界ナンバー1の座をかけて争っているライバルである、VWグループやルノー日産グループにまで広く供給されるようになっている。VW車は日本向けは自社製のDCTを使うが、中国市場では中国当局からの批判を避けるために主力のゴルフなどにアイシン6ATが採用されています。ポルシェカイエンもアイシンAW製を使います。ルノーも日本向けはゲトラグ製DCTを使うが、本国向けのモデルはやはりアイシン製6ATです

  日本市場にもアイシン6AT/8ATのままで入ってくるのは、BMW/MINI、PSA、ボルボの3グループ/ブランドです。世界最先端のトルコンATを得て商品力を上げて素晴らしいと素直に思うのですが、カーメディアってのはそうは考えないみたいですね。この世のどこかにアイシンAWを圧倒するミッションメーカーがあると思っているのか!?毎度毎度レビューには、ある種の定型文がついてきます。
『トヨタ向けと外販用とでは設計が違います。外販仕様は変速スピード重視です。』

  実際にボルボ用に特別に設計された『AWF6F45』という型式のハイトルク対応版はあるのですが、トヨタが横置き6ATとして製品化しているのはベースの『AWF6F25』とボルボ用の2種のみです。BMWもPSAも『F25』を使っている。他には横置きで8速化された『AWF8F45』があって、BMW、ボルボの上級車種に使われています。

  ニューモデルマガジンX。1月号の覆面座談会では、シトロエンC3が5つ星を獲得する快挙を成し遂げていましたが、そのレビューの中でやはり先ほどの定型文が登場しました。書いている人に聞いてみたいのは、一体どのトヨタの6ATと比べているのかな!?ってこと。乗っていてCVTだかATだかもわからない爺さん相手の雑誌に目くじらをたてるのはどうかと思いますけども、ちょっと釈然としない。(このコーナーはほぼ毎回釈然としないが・・・)

  詳しい人はもうわかっていると思いますが、レクサス&トヨタで横置6ATを使うのは上級SUVに設定される2Lターボ車と上級ミニバンの上級グレードを占める3.5L自然吸気エンジン車のみです。この内でターボのSUVは海外向けなので、BMWなどと制御もあまり変わらないものが使われています。もし問題があるとしたら大トルクでフルサイズミニバンを動かす方のミッションだと思われます。アルファード、ヴェルファイア、エスティマのミッションと、欧州の小型車のミッションでは味付けが違うのは極めて自然なこと。同じだったら怖いです。

  常々、非常識なレビューを掲げ続ける雑誌だなーと思ってましたが、今回の書き方はえげつないですわ。トヨタが真面目にクルマを作っているかどうかは、また別の話ですが、トヨタがミニバン用に仕立てた「マイルド」な乗り味を出すミッションを、『のたっとゆっくり』とか『気持ちの悪い制御』とかこき下ろすのは筋違いだろ。

  オーリスかC-HR辺りが、アイシンAWの6ATを採用していて、これらと輸入ブランド向けのミッションが全然違うっていうなら納得できますけども。そんな事実は全くないです。下手したら書いてるオッサン達はオーリスやC-HRのミッション(CVT)が、トルコンATだと思っているのかも!? クルマに限った話ではないですが、謙虚さをとっくに失ったオッサンライターってのは、ろくに調べもせずに「都合のいいこと」を書く傾向にあるんだとか。

  クルマのプロフェッショナルが5〜6人集まって座談会しているのに、こんな初歩的なミスに全員が気がつかないなんてあり得ないわけです。・・・おそらくゴーストライターが一人で5、6人のキャラを演じ分けているんだろうな。ギャラだって絶対に足りないだろうし、どこのカーメディアが白黒の数ページのためにプロフェッショナルを6人も用意できるってんだろうか!?読者を馬鹿にすんなよ。



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コメント

  1. 正体はモローなコーナーさんですかね?

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  2. 笑い転げながら拝読いたしました。
    仰るとおりですね。

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  3. 笑い転げながら拝読いたしました。
    仰るとおりですね。

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