マツダ整備士ユーチューバーは、他社案件に転んだのか?





大人のガチ喧嘩発生!?

この1〜2年で MAZDAのファンに広く知られる存在となったユーチューバーの「ひでぽん」さんですが、短期間で登録者数を大きく伸ばし、AJAJライターでも名前が知られている島下泰久さんの「RIDE NOW」や小沢コージさんの「cozzi TV」を軽く追い抜かしてしまった。マツダの内部事情がわかるコネがあるようで、他のチャンネルでは得られない情報が満載されていて、数あるMAZDAユーチューブチャンネルの中でトップを取るのは時間の問題だった。


これだけ登録者が増えれば、単なる趣味でなく、ユーチューバーとしての実益を追い求めたくもなるわけで、さらに登録者を増やすにはMAZDAユーザーだけでなく、トヨタやレクサスのユーザーを巻き込んでいくしかない。既存の登録者の多くがMAZDAのファンだとしても、なんの未練もなく「トヨタ最高です!!」「レクサス最高です!!」といった動画を展開し始めた。これまではMAZDAファンの溜飲を下げるものが多かったが、さらに多くのユーザーを抱えるトヨタファンにスリスリする内容の動画が多くなって、予想通りアンチコメントが殺到したらしい。


動画の危険性

顔出しで堂々と喋るだけあって肝は据わっている。アンチコメントに対してもニヤニヤと動画のコンテンツに組み込んでいく。ユーチューブ、ブログ、SNS(Xなど)へのアンチコメントなんてまともな人間のやる事ではないと思うので、個人的にも経験してきたが、アンチコメントのほぼ全てが浅知恵な連中の勘違い発言に過ぎない。SNSで吠えるホリエモンとかひろゆきなど、失礼を承知で申し上げるが、いちいち発言が浅い(間違えも多い)。バ○専門のインフルエンサーを演じて実益を得ている。


頭が弱い人ばかりがユーチューブを見ている・・・・そんな極論を述べたいわけでは決してない。しかしテレビやネット動画などの映像は、さまざまな編集を経てモンタージュが構築された虚構を見せて感情に働きかけてくる。疲れている時に多いけども、ボーッと見て時間を過ごす。自分自身の思考停止に気付いて気分が悪くなる。例えばウイスキー系チャンネルの動画を見て、直後に何も考えずにアマゾンで見ていたボトルをポチる。テレビやネット動画が日常の情報源になってしまっている実家の母親がストロングゼロを飲んでいた時には、厳しく説教したこともあった。



方向転換

「ひでぽん」さんは、アンチコメントに対して最もらしい返答をしている。「MAZDAしか知らない連中に他社の凄さを伝える」「どこにも忖度しないスタイルを貫く」などなど。アンチコメントを書く連中はこんな当たり前のこともわからないのか!?と鼻で笑っている。いや批判の対象はそれじゃない・・・タイミングの問題だ。CX-60は発売当初から売れ行きは好調だった。500万円のMAZDA車がまともに売れるわけがないとタカを括っていたトヨタはさぞかしビビったことだろう。それから間も無く「ひでぽんチャンネル」が執拗に足回りとミッションのガタガタを拡散し始めた。


さらに同じくらいのタイミングで売れ行きがさっぱりのレクサスLSの絶賛動画が上がり始める。これが1年くらい前のことだった。あまりにも唐突であり、多くの視聴者は怪しさを感じたはずだ。「ひでぽん」さんがトヨタの広告代理店から「案件」を受けたと断定することはできない。案件の伴うステルスマーケティングだったとしたら、画面にそれが明確にわかるよう表示する義務があるけども、見たことはないので案件ではないと考えられる。しかしマツダ整備士のチャンネルで脈絡もなくトヨタ車絶賛動画が「PR」表示とともに流れたら、「あまりに露骨だろ」と、トヨタにとっては不都合な評判につながりかねない。



トヨタなら可能?

トヨタくらいの超一流企業は、グーグルにとって収益の柱である「広告受注」と「ビッグデータ販売先」として、最高クラスのVIPクライアントになる。ゆえにユーチューブ規約に関しても「トヨタのステマ」には特別な「除外規定」が存在するのかもしれない(あくまで憶測です)。トヨタ系ユーチューバーはたくさん存在する。「寄らば大樹」とは言ったもので、インフルエンサーとして活動するにあたって、いろいろと面倒な問題が起きにくい制度になっているのかもしれない。


利益のほとんどを海外市場で稼ぎ出すMAZDAに対して、国内市場への依存度が高く、日本市場で異変が起きたら死活問題となるトヨタでは、当然ながら国内市場向けの広告宣伝費は大きく変わってくる。トヨタと仲良くするのは、ユーチューバーとして合理的判断のようにも思える。確かに多くの自動車系チャンネルでMAZDA車の時に顕著に試聴回数が増えるという現象は見られるが、MAZDAが日本市場から撤退してしまったらもはやそこまでだ。



問題は「ある」

マツダ整備士のユーチューバーがトヨタ車を動画で絶賛する・・・という企画自体がとても新鮮であるし、レクサスLSやアルファードに憧れるユーザーに寄り添った内容の投稿をしても、それはあくまでMAZDAと「ひでぽんチャンネル」の関係上の問題に過ぎないので周囲がとやかく言うことではない。「ひでぽん」さん自身もそのように主張している。アルファード絶賛動画がMAZDAファンやMAZDAの関係者から顰蹙を受けているとのことだが、最初は私も文句を言う連中がおかしいと感じてはいたが、実際に動画を見て意見は180度変わった。


そんなにアルファードが良くて、それが正直な感想であり、本人が主張するように一切のステマ・案件ではないと言うならば、今後の「ひでぽんチャンネル」はアルファードがメインになっていくことだろう。ここまでは何の問題もない。しかし動画の中で何度も言及して、わざわざ未発売のCX-80を貶す必要があるのだろうか? ふと10年くらい前のAJAJ騒動を思い出した。VWと裁判になっていたスズキに対して、VWがAJAJに「スズキを貶めるレビュー」を大量に発注したことが明らかになったが、信頼を失ったAJAJはもはやその存在意義を失いつつある。



不審な点

まだトヨタが公式には発表していない段階であるが、動画内の「ひでぽん」さんは、本体価格440万円のアルファード廉価版が追加で投入されることを明言している。トヨタもCX-80を警戒しているようで、アルファード廉価版の情報を、雑誌媒体などに盛んにリークしてはいるようだが、動画内ではズバリ「440万円」とハッキリ言っている。アルファード動画の構成は、トヨタが伝えたい情報がしっかりモンタージュされていて、コンサルの手が入ったかのような出来栄えだ。


マツダ歴42年ともなれば、余人にはわからないMAZDAへの愛憎の籠った想いなどもあるだろう。初代RX7や五代目ファミリアが発売されていた時代からずっとMAZDA一筋だとどんな「クルマ観」が育まれるのだろうか。3世代のRX7は実質的に全世界でスポーツカーというジャンルの頂点を取ったと言ってもいいシリーズになった。そんな黄金時代と比べてしまえば、今のMAZDAは刺激が足りないだろうし、最も不満を持ちやすい世代なのかもしれない。



マツダ歴長過ぎ問題

動画で存分に表現したくらいに、レクサスやアルファードへの想いが本物ならば、今後はトヨタ系ユーチューバーとして更なるご活躍を願いたいと思う。人様の動画を見させてもらって「わざとらしい」とか申し上げるのは気が引けるが、CX-60の一件からMAZDA陣営との間に修復不能な関係が築かれているのでは?と邪推してしまう。MAZDAと仲が良いならば、このタイミングでアルファード絶賛動画は挙げないだろう。


マツダ歴13年で、最初のMAZDA車がGHアテンザ後期の若輩者の感覚だと、MAZDAが作るべき価値があるクルマとは、少なからず足回りがガタガタしているものだ。アルファードを絶賛してMAZDAをイジるのもいいけど、CX-60、GHアテンザ、E90Mスポ(BMW3シリーズ)の3台でどれが一番ガタガタなのか比べる企画で、MAZDAの開発者がやりたかったことを代弁してあげるのが、MAZDA愛に溢れるインフルエンサーってものじゃないだろうか?







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