「VWゴルフは課長代理のクルマ」・・・副社長の口を誰か塞げ!!


何言ってんだコイツ・・・
完全に調子に乗ってますね・・・広島メーカー。とうとう幹部が偉大なるドイツメーカーの顔といえる大人気モデルに対して痛烈な一言を発しました。某自動車雑誌のインタビューコーナーに登場し、先月号に引き続きこの日本メーカー幹部が暴言を繰り出しています(コンプライアンスのギリギリくらい?)。


VWゴルフは選ばれているわけではない
この幹部が指揮をとる日本メーカーの新型車が非常に注目を集めているのですが、インタビューの中でライバルモデルとなるフォルクスワーゲン・ゴルフについて意見を求められると、何を思ったのか・・・(以下は引用です)「VWゴルフってグローバルで売れているんですよね?」「難しいんですよね、売れているのかどうかって。例えばドイツ本国でのVWゴルフってドイツ系企業のアシスタントマネージャーからマネージャークラスのカンパニーカーなんですよ。」「日本の企業だと課長くらいに相当しますか?」「そうです。ということは好きで買っているクルマではないということです。」(引用終わり)


日本ではいいクルマが選ばれている!?
日本メーカーの幹部が言及する内容としてはどーなんでしょうか!?VWゴルフは2018年も年間で20000台以上売れていて輸入車の中では破格の成功を収めています。特にタクシーや教習車などの商用利用もされていないので、そのほとんどがプライベート需要なわけですが、ドイツ本国でのカンパニーカー需要とは違って、日本ではある種独特の立場を築いているモデルといえるかもしれない。その幹部が語るように確かに日本ではカンパニーカー制度はほとんど見られないのだけど、だからといってユーザーが何の制約もなく好きにクルマを選んでいる人がドイツよりも多いかというとそーでも無いと思う。


魅惑のトヨタ!?
この幹部が語った「ドイツはドイツ、日本は日本」という言い分は制度上の事実こそ踏まえているのだけど、普通車シェア50%を誇るトヨタ車が「(クルマの選択に関しては)自由の国」とされる日本では、もっとも「魅力的」ってことになるのがけども・・・。失礼ながらトヨタ車に乗ってそんなことは一度も感じたことはないけどさ。トヨタよりもVWゴルフの乗り味の方が好きだ。ある程度の機敏な走りがあらゆる操作系で保証されていて心地がよい。もし日本にトヨタとフォルクスワーゲンしかなかったら、CセグだろうがDセグだろうがVWを選ぶよ(個人的な趣味に過ぎないけどさ)。



ドイツより日本は健全!?
「ドイツ市場の販売台数なんてなんの参考にもならない」と言いたい気持ちはわからないでもないけどさ、それは「アメリカ市場」「日本市場」「中国市場」でも同じことが言えるんじゃないか!?ドイツ以外の3地域がドイツよりも圧倒的に「自由」なクルマ選びをしているというのだろうか!?そもそもトヨタが普通車市場の50%を占めている段階で、4市場の中でもっとも閉塞的なのは日本なんじゃないかって思う。カンパニーカー制度はないけども、クルマはローンで買う人が圧倒的に多いという性質もあって、中長期的に安定した雇用に恵まれる安定企業に勤めている人が自動車メーカーの主な顧客になる。


日本式「囲い込み」
ドイツのメーカーはカンパニーカーという表立った仕組みで顧客を囲い込んでいるのに対して、日本メーカーはただただ自由競争をしていると思っている人は、とことんお人好しだと思う。日本にもカンパニーカー制度に代わるフリート販売なるものがある。福利厚生や自動車保険を扱う事業者を仲介してクルマを売り込む制度が日本式カンパニーカーとして機能している。ネット上ではプ○ウスなんて誰が買うの!?って暴論コメントがそこかしこで見られるけども、現実にはCセグでライバル車に圧倒的な大差をつけて好調な販売を維持している。日本メーカーならどこでもやっているんじゃないの!?この幹部様もVWの実態を晒していい気になっている場合じゃない。


『スーパーエリート』はクルマを選ばず
フリート販売とは全く別な話だけども、日本市場のVWゴルフがモデル末期にもかかわらず直近の四半期(2019年1月〜3月)でもおよそ5000台あまりの販売を記録していることは特筆に値する。いうまでもないけどもこのクルマにはある種の社会的価値がある。東京都豊島区で高齢者が運転するプ○ウスが暴走し、飯塚とかいう容疑者がネットでちょっと話題になった。叙勲まで受けているエリート国民は堂々とプ○ウスに乗るのだ。誰が見てもピカピカの経歴を持っていればクルマはなんだっていい。


上級国民
しかし世の中誰もがピカピカの経歴を持つことはできない。もちろん一人一人の人生には語りつくせない価値があるのだけども、より自分を客観的に見た時に、ふとその経歴は日本の中で5段階評価でどの程度なのだろう!?なんてつまらないことを考えてしまうものだ。大企業で働き出世はそれほど早くないけども、40歳を前に「課長代理」に任命されて晴れて組合員から離脱・・・ってくらいのちょっとゆとりを感じる時分に妙に客観的になったりするかもしれない。


最高の勝ち組
確かに「課長代理」は決して優秀な人間が就くポストではない。しかし40歳手前でしっかり800万円くらいの収入があれば、勲章はもらえないかもしれないけど、そこそこの上級国民といえる。自分の時間も十分にあるし、福利厚生で毎月どっかに旅行している。近場の温泉はほとんど制覇してしまった。このまま定年でも決して悪い人生ではないだろうし、購入したタワマンのローンも十分に払える。会社が潰れることはまずないんじゃないの!?終身雇用・親方日の丸万々歳!!


「格」を知る常識人だけが「課長代理」になれる!!
気軽に熱海や草津に行くためにもマイカーが必要だ。上級国民が温泉に行くクルマといったら定番は「GLC」か「マカン」。この2台は格式張った日本社会における「フリーパス」みたいなもんだ。乗ってればどこに行ってもそれなりの特別待遇を受けられる(相手が勝手に忖度してくれる)。芸能人だろうが、一般のサラリーマンだろうが、人間社会の絶対のルールは「格」をわきまえることだ。「そんなことは気にしない」と言ってる人に限ってメチャクチャ厳しかったりする。欧州サッカーのスーパースター・メッシがタンクトップにサンダル姿でエルメスとか入って行くらしいけど、あれは「メッシ」のスペックがあるから通用する。ボーナスを握りしめた社会人3年目が真似なんて絶対にしてはいけない・・・。


このクルマは価格が安すぎるんじゃ!?
なぜ高級車が存在するのか!?それは人間社会に「格」が存在するからに他ならない。メッシじゃないけど、叙勲された老人は旧型のプ○ウスに乗っていても周りは「上級」と認識してくれる。しかし「課長代理」の自分が同じようにプ○ウスを選ぶのは逆効果だ。だからと言っても年収800万円の人間が、年収と同じくらいの価格の「GLC」や「マカン」に乗るのは少々無理がある。まだまだ出世する意欲にあふれている人ならばいいけど、幸運なことに自分は「課長代理」という殿上人のポストを射止めた(たどり着いた)。もうこれ以上頑張る意味はない。日本で一番に恵まれた境遇だと思われる「課長代理」にとってあらゆる方面の悩みを一気に解決してくれる「夢のクルマ」がフォルクスワーゲン・ゴルフだ!!わずか250万円だけど、知名度と大人っぽいスタイリングで、これまたどこでも歓迎される「格」が備わっている。このクルマは日本市場の中でコスパ最高だよ。



副社長の見解は危うい
そんなVWゴルフに対して余計なことをおっしゃる幹部様のメーカーのクルマには「格」ってものが備わっているのだろうか!?「格」なんかどーでもいい「走り」が楽しければそれでいい!!とか場所をわきまえずに言ってしまう野蛮人どもが好んで乗っているイメージがあるが・・・。まあそんなメーカーだから幹部も何のためらいもなく野蛮な発言をするんだろーな。コンプライアンス意識がガバガバなオッサンが最高幹部を務めるメーカーには「格」なんて高尚な概念は理解できないだろうし、そもそもふさわしくない。



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ベストカー 2019年 5/26 号 [雑誌]

コメント

  1. いつも楽しく拝見しています。
    でも、こういうこと語るのはもうちょっと社会経験積んでからの方が良いのでは?とちょっと思いました。

    こういうことっていうのは、社会的地位とは?とか、周りの状況に対しての相対的な自分の収入への向き合い方とか、殺したい奴がいるけど殺すわけにはいかないが同じ様な状況に追い込むにはどうすればよいかとか、その逆とかについてです。

    今言ったことは、すべて「乗ってる車」が密接に関係することが実に多いんですよね。

    まあなんか、あなたが大嫌いなジジイの戯言になっちゃってるのでこのへんでやめときます。

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    1. コメントありがとうございます。

      ちょっとわかりづらかったかもしれないですが、全編ジョークです。クルマ好きならマツダファンを含め最初から最後まで大笑いして読んでくれると信じて書いています。GLCやマカンは「控えめ」な良さが売れてるポイントじゃないですかね。誰が乗っていても別に羨ましいとか思わないですけど、格式を追求しているサービス業を利用する際には都合がいいかなと思います。

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