2024年12月11日水曜日

国沢光宏さんが日本COTYでMAZDA車に10点入れる!!!!!

 

なんでEクラスと5シリーズが無いのか!?

2024-2025日本カーオブザイヤーが発表された。コンパクトミニバンをホンダの技術力で徹底的に磨き上げたホンダ・フリードが受賞した。最終選考の10台のうち輸入ブランドが4台で、ICEとBEVが併存するMINI以外の3台がBEV専用車となっている。中国BYDと韓国ヒョンデが輸入車の2枠を占めていて、残りのボルボも吉利汽車との共同開発のBEVで、ディーラーでは取り扱いはなくネット販売専用車である。


ノミネートされた輸入ブランド車では、メルセデスEクラスが販売も好調で良さそうだと思ったが、クラウン・セダンが最終選考漏れ(LBXとランクル250でトヨタは2枠)の手前、ライバル車のセダンが10ベストカーに残るのはマズいと判断したのだろう。BMW5シリーズも最終選考は当然のモデルだったが、同様の理由で外されたようだ。毎年のことだけども、予定調和が満載な日本COTYでは、どのような人為的な「調整(忖度)」があるのか、あれこれと考えるのが楽しい。


今回の審査員は・・・


日本COTYはカーメディア各媒体の推薦を得た59人の選考委員の投票によって決定される。選考委員の選出がメディア推薦に変わってから数年が経つが、多くのメンバーは変わっていない印象だ。全体的に高齢化が進んでおり、ざっくりと岡崎五朗さんと小沢コージさん(どちらも1966年生まれ)より下の世代は「若手」といった印象である。


他の賞の審査員とは違って、直近1年間で日本市場で発売されたばかりの新型車を審査する。自動車大国ドイツでも新車でクルマを購入するの平均年齢は40歳を大きく超えるらしい。日本はまだまだバブル時代の商習慣が残っていて、20歳代でフルローンで高級車を購入して仕事を頑張る原動力にすべきだと、ディーラーに行けば説明して貰える。日本人は家もクルマも買わなくなったから離職率がどんどん上昇しているとか・・・。


年齢相応の審査


ランクル250、レクサスLBX、CX-80などは40歳以上をターゲットにした商品企画であり、高級感ある作り込みで500万円以上の価格になっている。完全に大人の年齢の審査員59人が集まったのだから、トヨタ、レクサス、MAZDAそれぞれのブランドの「近年の最高傑作」とされてもおかしくない3台の評価が意外に低かったのは残念だ。ちなみに各審査員は3台のクルマに10、4、2点をそれぞれ入れるシステムだけど、選んだ3台がこの3台と完全一致した人は0人だった。


別に審査結果が不満ってことは一切ない。しかし大人の年齢の審査員が若い読者や引退世代の読者の気持ちに寄り添って、若い人(高齢者)にも手が届くフリードやフロンクスを積極的に選考するしたたかな茶番を見せられるくらいだったら、最初から30歳未満の自動車系ユーチューバーを主催者選出で入れて、若者の意見をそのまま反映させた方が良い。そして女性審査員は7名しかおらずわずか12%だ。世界的に悪名高い衆議院議員の女性比率(15%)にも抜かれてしまった。


どうした!?国沢さん・・・


そんな中で、最大手メディア「ベストカー」選出で年長者の代表の風格さえ感じさせる国沢光宏さんが、意外なことにMAZDA・CX-80に10点を入れていた。CX-60へのバッシングが起こるずっと前から、主筆を務めるベストカー誌上では国沢さんを中心にMAZDAを痛烈に皮肉る「偏向報道」が何年も続いている。一般的にMAZDAファンからは国沢さんはカーメディア最強のヒール役と認識されてきた。最近では「ひでぽんチャンネル」にキャラを奪われているが・・・。


CX-80の魅力である直列6気筒を縦置きにする設計は、MAZDAの副社長を務めた藤原清志さんがロマンに全振りできる世界的ブランドを再構築すべく、開発を推し進めたものである。フォード傘下から離れ独立メーカーとなった2010年に、藤原さんは商品企画・パワートレイン開発の執行役員となり、その後の第六世代&第七世代のMAZDAブランドの方向性を決定する立場にいたことで有名だ。いうまでもなくCX-80はその輝かしい集大成といえるクルマである。


三菱トライトンではないの!?


このCX-80に10点を入れた国沢さんは、2018年頃からベストカー誌上や個人の動画メディアにおいて、執拗に藤原さんに対して名指しで大批判を加えてきた。2022年に突如として藤原さんがMAZDAを辞めたが、国沢さんのMAZDA批判は2024年現在のベストカーでも相変わらずに続いている。直近のベストカーでもMAZDA3の最上級モデルに搭載されているスカイアクティブXを、「高速行きでも低速域でもうっとおしい音がする」みたいなことを書いていた。


国沢さん個人の本音として、自動車メーカーに対してそれぞれどんな印象を抱いているか、明確にはわからない。しかしベストカーの記事を追いかけている限りだと、どうやらトヨタ、スバル、三菱のことは基本的にはお気に入りのようだとわかる。今回はレアな三菱から「トライトン」が最終選考に残ったメモリアル・イヤーであるのだから、当然にトライトンに10点を入れると勝手に予想していた。


クルマの未来を心配し過ぎか!?

最終選考10台中の2台がラダーフレーム車の日本COTYはなかなかにクレイジーだ。ちょっと不謹慎だけども、地震や豪雨災害に備えて日本のクルマは今後オフロードやグラベルに対応したモデルが増えていくのかもしれない。「HEVのトヨタ」「PHEVの三菱」のイメージは作り上げたけども、その反動もあってか、これまでの日本COTYの最終選考を勝ち抜くことすらナンセンスと思われていたラダーフレームのランクル250とトライトンが選ばれた。


日本メーカーはもっとBEVに注力しろ!!という意味なのか、輸入ブランドは前述のようにBEV専用が3車種とBEV設定があるMINIの4台が選ばれて、定番のEクラスや5シリーズが政治的な理由もあってだろうけど排除された。選考結果は、1位フリード、2位CX-60、3位MINI、4位フロンクス、5位LBXである。上位5台の中にはラダーフレームとBEV専用車は見事に含まれていない。


今回は国沢さんの一人勝ち


日本COTYの総意として、道筋が見えない日本市場向け乗用車の方向性に、明確なメッセージを出したかったのかもしれない。「サスティナブル(持続可能)」こそが知性の根源であり、日本のインフラを考えるとラダーフレーム(燃費最悪)やBEV専用車にはネガティブな意見が多く出てしまう。「多様性」の尊重は大事だけども、ランクル250や爆速BEVが自動車を代表する存在になってしまったら、「クルマ=知性に欠ける趣味」と結論されてしまうだろう。


国沢さんの投票はCX-60に10点、ヒョンデ・アイオニック5Nに4点、ランクル250に2点である。そしてコメントには「最も優れたエンジン車とBEVを比べた結果」と言っている。日本メーカーの美点である低燃費エンジンを搭載する5台が上位5つを占めたけども、その中でMAZDAのエンジンだけが新開発である。そして他の2台をBEV専用車とラダーフレーム車に振り分けた。59人いる審査員で3つのジャンルから1台ずつ選んだのは、国沢さんただ1人だ。









愛車学: 知らないと損するクルマの常識・非常識



 

2024年9月20日金曜日

CX-80ネガキャンの次は、若手インフルエンサー批判か・・・

 

さすがに黙ってられない・・・

「自動車系ユーチューバーをやるなら、まずは批評するクルマを自分で買ってみて、それからあれこれ評価しなさい!!」・・・だってさ。なんか蘇ってくるんですよね。10年ちょっと前にMAZDA車を「買って」それに感動してブログを始めてみたものの、「BMWと乗り比べてみたけどGHアテンザは全然負けてないです!!」と率直にな感想を書いていたら、「BMWに乗れるようになってから書け」と同じようなことを上から目線で言ってくるコメントを度々頂戴したものだ。なんで感動できないクルマを買わないといけないんだ!?


このブログを読んで下さっている方は、ご理解頂いていると思いますが、ブログ主はMAZDAに限らず、基本的にはあらゆる自動車メーカーに対して「クルマを設計&生産してくれてありがとうございます」と感謝を伝えるべくブログ活動をしている。MAZDA歴42年でマツダ整備士だった有名インフルエンサー様から見れば、「何もわかってない素人さん」でしかないが、ちょっと前の投稿にも書いたように「MAZDA車は危険です」みたいな広報活動には断固として反論させて頂きたい。ただし相手にコメント欄に敵意を剥き出すのではなく、自分のメディアでやるのが流儀。



本物のインフルエンサーって・・・

レクサスLCを新車で変えちゃうくらいの財力があって、CX-60もCX-80もどっちも買う・・・若手ユーチューバーを参考にしたような富裕層アピールで目立ち、コメント欄にも「CX-60プレスポ・オーナーです」みたいな自己紹介(必要ある?)してくる同じ匂いの仲間が溢れている。可処分所得の多い視聴者を集めればYouTubeの収益も上がるし、それを原資にクルマを何台も買うのだからとても結構なことだと思う。MAZDA好きがレクサスLSであそこまでテンションが上がるのはちょっと違くないか!?という気もするけど、MAZDAファンにはちょっと珍しいような、陽キャで八方美人なタイプなのだろう。


正直に告白すると「ひでぽんチャンネル」には恩がある。CX-60が発売された頃に、縦置きシャシーに採用されたサスペンションの説明の動画を拝見した。さすがは整備士だなと思った。他のインフルエンサー(五味さん、河口さん、小沢さんなどAJAJ系)からは期待できないテクニカルな内容がけど、とてもわかりやすい説明だった。その直後に、ちょっと因縁がある池田直渡さんが日経でMAZDAのサスペンションをレビューしていたが、「ひでぽんチャンネル」で予習済みだったので、すぐに致命的な間違いがあることを見つけてしまった。


間違いの内容は、MAZDAがメディア向けに用意した「CX-60」と「従来車」の2つのシャシーの図を使った説明の中で、「従来車」のリアサスをマルチリンクだとして話を進めているが、これはMAZDA3やCX-30が使うトーションビームが正しかった。Xに池田さんのレビューを添えて「間違ってますよ!!」と晒したところ、ご丁寧にも池田氏本人から返信が来た。その内容は全てスクショしてあるので別の機会にでも出してみよう。わざわざ返事を頂いたのでそんなに悪い気もしなかったし、言葉遣いは最低だったが本人も自身のレビューの間違えを認めていたので、適当なところで折れておいた。



視野が狭い&上から目線

「ひでぽん」さんと池田さんは同い年くらいだと思うが、どちらも喧嘩っ早いようで、年齢からくる自信なんだろうけど、間違った内容でもゴリ押しするところが見受けられる。MAZDA系の若手のインフルエンサーから「ステマ好きなパーツ屋」と陰口されているのを知ったのだろうか、最近の動画では毎回のように、冒頭のような「買ってからレビューしろ!!」「買わないやつの動画は無意味」みたいなことを言うようになった。クルマを複数台も買える金持ちだけがレビューを書くべきという主張には同意できない。その言葉をそのまま同級生の池田直渡さん(10年以上所有していないらしい)に突き刺してみてはどうだろうか!?


批判の対象となっているMAZDA系若手ユーチューバー(・・・本当に若手か?)とは誰のことか断定なんてできないけども、比較的に見る機会が多い「MAZDAベタ褒め系のユーチューバー」ならば3人くらいが思い浮かぶ。3人(3組)ともに、「ひでぽんチャンネル」と比べれば2回り以上は若手だろう。3チャンネル共に動画の内容はよく練られている優良チャンネルなのでオススメできる。若手とはいえMAZDAのクルマ作りに詳しくて、非常に論理的で頭が良い人達が、呆れるような飛躍もなくMAZDA車の素晴らしさを淡々と語っていて、ずっと聴いてられる安心感がある。



なんだこのタイトルは!?


一人目は「くらおチャンネル」さんだ。癒し系の落ち着いた語り口がとても爽やかで好感度が高い。1人のチャンネル登録者の勝手な想像に過ぎないが、この人はクルマにとても詳しいが、あえて難しいことは言わないようにして初心者向けを心掛けているが、コアなMAZDAファンを唸らせるセンスあるレビューになっている。「ひでぽん」チャンネルと大きく異なるのは、思考停止な視聴者が好むような安易な批判やネガキャンなどは絶対に行わない。視野がとても広い。「ひでぽん」がネタとして繰り出す小さな批判など全く興味はないようで、そんなことよりも、世界のどのメーカーよりも真剣にクルマ作りに取り組むMAZDAの世界観にとても共感している様子が窺える。


そんな「くらおチャンネル」さんが、何やら「ひでぽん」チャンネルに対するアンサー動画らしきものを作ったようだ。同じMAZDA系チャンネルということで「ひでぽんチャンネル」の影響を受けた人々が、この動画に上から目線でコメントをしている。別に「ひでぽん」チャンネルの視聴者が思考停止した情報弱者などというつもりはないけども、そこで得た情報を他のチャンネルのコメント欄に「ひでぽんさんはこう仰ってましたよ」などと動画の内容に反論してくる人々が何人も現れていて残念な限りだ。終始大人の対応の「くらお」さんが、これらのゴミコメントにクールに流すように返答していて最高だ。



「ひでぽんチャンネルはパーツ屋のステマ」だ


二人目は「ハチワレカーライフ」さんだ。こちらのチャンネルでは、かなり早い段階で「ひでぽん」チャンネルに対して、自身の動画内で「某整備士さんのステマ」とコキ下ろしていて喧嘩を売っている。若手とはいえMAZDA歴15年にもなるそうで、MAZDAが世界制覇へ歩み出した第五世代(2002〜2012)からのユーザーだ。この世代からMAZDA車に乗り始めた人は熱狂的な人が多い印象だ。ランエボや初代86がスクエアエンジンを使っていた時代に、アテンザ、アクセラ、プレマシーの2LエンジンはショートストロークのMZRが搭載されていた。スポーツセダン、スポーツハッチ、スポーツミニバンが主力の世代だ。


第五世代の話は別の機会にするとして、「ハチワレカーライフ」さんも非常に冷静で、MAZDA車のポテンシャルをしっかりと理解した上で、的確な言葉で語り尽くすスタイルだ。同じく第五世代からMAZDAにどっぷりハマった一人のチャンネル登録者として、どのMAZDA系チャンネルよりも内容にシンパシーを感じる。「ハチワレ」さんや「くらおさん」のように「MAZDAへの情熱✖️丁寧に調べる✖️視野が広い」の3つが揃ったユーチューバーは実に素晴らしい。AJAJ系のチェンネルの多くは3つ全てが欠如している。ただただMAZDA車は再生回数が増えるから取り上げてるだけ・・・って感じが嫌だ。




整備士系ユーチューバーの頂点


三人目はMAZDA系という分類ではないが、比較的にMAZDA車を高く評価している「ハンターチャンネル」さんだ。「くらお」さんや「ハチワレ」さんは共にCX-60を購入されていて、それ以前にもMAZDA車を何台か所有して来られたようだが、「ハンターチャンネル」さんは特段にMAZDA車のオーナーというわけではなさそうだ。「ひでぽん」チャンネルが批判するような「買わないのにMAZDAをベタ褒めするインフルエンサー」の中では最大級の登録者数を抱えたチャンネルだ。2024年9月現在では「ひでぽん」チャンネルの2倍以上の登録者を誇っている。



国土交通省、欧州委員会(EC)、カリフォルニア州などに敵視されつつも、自動車業界全体に圧倒的な影響力を持つトヨタに対して、「ひでぽんチャンネル」やAJAJ系チャンネルは額を擦り付けて服従し、「くらおチャンネル」や「ハチワレカーライフ」は無関心な姿勢を貫いている。しかし「ハンターチャンネル」だけがトヨタに中指を突き立ててトヨタの新型モデルをボロクソに酷評している。「ひでぽん」さんと同じ自動車整備士出身の二人組で、MAZDA信者の「くらお」さんや「ハチワレ」さんとは主張のスタンスがかなり違う。淡々と流れ作業のような語り口は「ひでぽん」さんに似ている。



ユーチューバーのスタイルは色々あって良いはず

もしMAZDAが日本から撤退したら、自動車系ユーチューバーは激減するだろう。MAZDAのような非常に野心的でスケールの大きな構想を打ち立ててくる総合自動車メーカーがあるからこそ、カーメディア全体も盛り上がる。「ひでぽんチャンネル」や「ハンターチャンネル」のように整備士の立場からユーザーに有益な情報を教えたいというスタンスもわかるし、「くらおチャンネル」や「ハチワレカーライフ」のようにMAZDAの世界観を仲間と共感するためにSNSを使う場合もあるだろう。


「ひでぽんチャンネル」が主張する、MAZDAに忖度した若手インフルエンサーが誰を指しているのかはわからない。ただし全てがステルスマーケティングに従事しているわけではないし、「ひでぽんチャンネル」の批判に反応した「くらおチャンネル」や「ハチワレカーライフ」は、整備士系とは全く違う意味でコアなMAZDAファンに親しまれているチャンネルだと思う。池田直渡さんなどのAJAJ系インフルエンサーの動画やレビューは、MAZDAへの理解が全然足りてなくてイライラするけども、AJAJ系はまともなMAZDAファンは見ないから問題ない・・・。




EV(電気自動車)推進の罠 「脱炭素」政策の嘘





2024年9月17日火曜日

2024年こそカーメディアは「日本車はゴミ」というべきではないか?


 


カーメディアの記憶

テレビなどのメディアでは、しばしばコンプライアンスが厳しくて過激な表現ができなくなった・・・という創造性の欠如を覆い隠す無意味な説明をよく聞く。カーメディアも状況は同じようなもので、福野礼一郎さんは「カーメディアで本音を書く馬鹿はいない」と言っている。YouTube動画ではそこまで規制が厳しくないようで、若者を中心に視聴者がテレビからYouTubeへ移っている。カーメディアも動画が中心になった。既存の雑誌はコンプライアンスでガチガチなので、広告主であるメーカーの機嫌を損ねるライターは、次々と締め出されていく。


この流れは今に始まったことではなくて、2006年に福野礼一郎さんが主筆となって「クルマの神様」という新しいタイプのクルマ雑誌が試行された。誌面から企業広告を一切排除して、クルマの写真集のような永久保存版の雑誌を目指したようだが、あまりのアート志向なのか誌面そのものに大きな余白があり、福野さんの美学を理解するファン以外の、情報を求める読者には響かなかったようだ。合計2冊が発売されているが、豪華な装丁なので、20年経っても写真はきれいなままだ。



平成は貧しかったのか!?

2006年当時の新車の価格表も付いている。2007年の12月に日産がR35GT-Rを発売するちょっと前のタイミングであるが、いうまでもなく2024年とは別次元の価格だ。軽自動車だけでなくパッソやソリオなどの普通乗用車でもベースグレードの価格は100万円を下回っている。130万円くらいでカローラやインプレッサなどの定番のCセグが買える。各メーカーともにラインナップの大半が100万円台スタートで、ブランド全体に高級感はない。GT-Rの発馬時にディーラーのイメチェンが要求されたのもよくわかる。


マークXやアコードなどちょっと高級なモデル(ハイソカー)が200万円台スタートで、フーガやクラウンなど日産、トヨタのフラッグシップサルーンだけが300万円台スタートだ。レクサスは日本に導入されたばかりで、ISとGSが400万円以上の価格帯中心で配置されている。当時のレクサスはあまりに価格が高過ぎたようで、「販売面で苦戦している」と書かれている。18年前の価格と比べると、2024年の同型モデルは、ほとんどが2倍以上になっている。日本の消費者物価指数が同じ期間で1.2倍程度しか増えていない(むしろデフレ局面だった)ことを考えると、異常な伸び率だけども、カーメディアも一般メディアもこのことを一切報じない。



自動車のインフレ率は異常事態

中小企業や個人農家が生産することが多い食品や日用雑貨品と比べて、自動車組立工場は圧倒的な大企業しか経営できないこともあり、巨額な利益を分捕りにいく業界の推進力は他の商品よりも圧倒的に高い。例えば腕時計も一部の超一流ブランドのものならば、クルマと同じ水準の価格上昇を起こしているけども、腕時計だと新規参入の障壁もクルマほど高くないので、機械式だろうがクオーツ時計だろうが、大多数のモデルは目に見えて高額にはなっていない。日本市場の普通自動車の価格が、パテックフィリップやランゲ&ゾーネのように上昇するのは不思議だ。


全ての日本の自動車メーカーが「贅沢品」に相当するクルマばかりを生産していて、そのほとんどが富裕層や所得に余裕のある中流以上の人々相手の商売だというのなら、極論に聞こえるかもしれないが、中国・インド・ASEAN地域のメーカーに市場を明け渡すべきだと思う。ホンダやスズキがアジア生産の小型SUVを日本でも流通させるようになっているけども、実勢価格は日本市場で他車とバランスの取れる範囲で調整されている。日本よりも所得が高いはずのEUでは、すでに中国メーカーなどから多数の供給を受けているのだが。



官製カルテル!?

高度経済成長期より日本の自動車産業は国の原動力だとして保護されてきた。低価格で高品質な製品を供給するという2006年頃の方針のままならわからないでもない。コロナ後の日本では官民一体となって「賃上げ」に邁進している。クルマ、ガソリン、電気、ガス、住宅、コメ、肉といった必要不可欠なところに積極的な値上げを働きかければ、生活が苦しくなる国民は必死で働くのかもしれない。労働者の不足もあって、従業員から雇用主に対しても賃上げ要求は強くなる。会社がどこに移転しても、都市部では住宅手当が致命的に不足するし、地方ではクルマにかかる費用が嵩む。


中国共産党にも負けない手際の良さで、国民を搾り上げるフェーズに入った。無駄な残業はワークライフバランスの建前で、徹底的に制限されたので、豊かな生活のためには短い労働時間で効率的に業績を叩き出す必要がある。自動車メーカーに限った話ではなく、どこの企業も厳しい努力が求められている。1台=200万円くらいの普通乗用車を売る時代はとっくに終わった。普通乗用車主体のメーカーならば、1台=400万円以上の単価を出さなければ、十分な賃上げはできない。



500万円で売れるわけがない

平均が400万円以上なのだから、500万円、600万円くらいでも普通に売れるクルマを作らなければならない。この価格帯で勝負するなら、直列6気筒を縦置きするしかない・・・と腹を括ったMAZDAはそこそこの結果を出した。それに対して、三菱、日産、スバルは既存モデルの設計を変えずに、外部から調達した自動運転機構などをアピールして、価格を300万円台から500万円台まで引き上げた。露骨な価格アップはユーザーに見透かされてしまったようで、日産や三菱の2023年度はかなり厳しい結果になった。。


スカイラインは500万円台で売れ続けるけど、エクストレイルは500万円では売れない。ハリアー、RAV4、CX-5も客寄せグレードだけ300万円前後ではあるが、標準的な機能を持つ売れ筋は400万円が当たり前になっていて、以前と比べると売れ行きは相当に下がっている。CX-5の2.5LガソリンAWDモデルは初期モデルでは300万円を下回る設定だったが、今では400万円のグレードのみとなっている。トヨタもMAZDAも客単価を上げることにばかり頭を使っている。



新しい販売手法

レクサスLBX・MORIZO・RRというスペシャルなクルマが発表された。何らかの条件付きの抽選販売が行われるようだ。これはフェラーリやポルシェの手法を真似ているようだ。正式な情報は発表されていないが、レクサスの1500万円くらいするフラッグシップLS、LC、LMなどの現行モデルを購入している顧客が優先的に対象となるのだろう。この手法がうまく行ったらば、今度はレクサスLFAみたいなウルトラモデルを復活させるかもしれない。多額のお金を使ってくれたユーザーには、絶対損しないモデルを渡してwin-winの関係を築く。


他社のやることをよく観察しているMAZDAも、極秘に開発していて特許まで出されている噂のロータリースポーツカーを、CX-60やCX-80など500万円を超える高額モデルのユーザー優先で限定販売する可能性もある。スバルにもWRXのMT車復活というカードがある。トヨタ陣営と対峙するため大同団結した日産・三菱・ホンダにもそれぞれ、GT-R、フェアレディZ、ランエボ、NSX、S2000、シビックtypeRを開発して、フラッグシップモデルのユーザーだけに販売すればいい。



500万円の価値があるのか!?を知りたいのだ

日本メーカー6社はいずれも世界的なハイエンドスポーツカーを作るだけの技術力と歴史を持ち合わせているのだから、フェラーリやポルシェのような圧倒的なブランド力で単価を上げている販売は可能だ。クルマから離れてしまった若い世代は、所帯染みた大衆車が並ぶディーラーより、日本の主要ブランドが一般ユーザー向けに付加価値の高いクルマを用意するビジネスを望んでいると思う。MAZDAへの注目度の高まりはディーラーの変貌と無縁ではない。


10年前のカーメディアは、まだまだ「日本車は大衆車で、ドイツ車には勝てない」と上から目線な雰囲気が残っていた。それがいつしかスライドドアのミニバンを「スポーツカーだ!!」と持ち上げるライターが続出する事態だ。こんな腰抜けな媒体ばかりだと、クルマへの注目度は高まるどころか、クルマ離れは加速する一方だ。大半が100万円そこそこだった時代の日本車を「安物」と言ったところで何の意味があったのか?各社が用意する500万円超えの看板モデルを、海外のカーメディアのように「このBMWはゴミだ!!」くらいに放言するメディアがあってもいいと思うが・・・。



クルマの神様 (1) (別冊CG)


クルマの神様 (2) (別冊CG) 

2024年9月10日火曜日

CX-80 を葬りたい闇の勢力

 

CX-80を買わせない理由は?

久々にMAZDAの新型車となるCX-80が発表された。量販型のコンパクトカーではなく、ブランドのフラッグシップとなる高級モデルの登場だ。2012年の初代CX-5の大ヒット以降、MAZDAの中大型モデルは非常に注目度が高く、MAZDA6、二代目CX-5、CX-8、CX-60はいずれもトヨタが警戒するほどの好調な売れ行きを見せている。販社や顧客の数を考えればトヨタの中大型モデルと比べて絶対的な販売台数は下回るけれども、トヨタ以外のメーカーが直近の10年余りでこれだけのモデルを投入して善戦していることが快挙と言える。


そんなMAZDAの決定版のような大型SUVのCX-80だけど、なぜか一部のインフルエンサーから発売前にもかかわらず怒涛のようにケチが付けられている。どんな経緯からマツダ整備士ユーチューバーがCX-80のネガキャンを繰り返しているのかわからないけど、これはさすがにマナー違反だと感じる。動画の投稿頻度も非常に高くなっていて、あくまで憶測に過ぎないけども某企業からの「案件」ではないか!?という話をちょっと前の投稿でも書いた。その後もネガキャン動画は執拗に続いていて、それぞれから「CX-80は買わない方がいい」とのメッセージがハッキリ読み取れる。



ネガキャンが悪質になっていく

比較的に新しい動画では、とうとう「MAZDAには安全なクルマがない!!」とまで言い出した。IIHSなどの海外の衝突安全テストで「世界で一番安全なMAZDA車」という裏付けを得ているブランドに対してのイチャモンには、さすがに多くの視聴者(MAZDAファン)も違和感があるだろう。ひでぽんさんが舅様にクルマを買ってあげようと思ったが、MAZDA自社開発・生産車では「安全面」で条件を満たさないので、MAZDAブランドにOEMされているフレアワゴン(スズキ・スペーシア)を買ったんだそうだ。自分のクルマはレクサスLSやLCで、舅のクルマには軽自動車・・・しょうもないプライベートまで動画で公開する時代にちょっと閉口する。


動画のコメント欄には「ひでぽん」さんのファン(多くはMAZDAファンか?)からの好意的なコメントで埋め尽くされている。自称MAZDAファンだけど、ブランドに対する敬意がなく、やたら上から目線で批判してくる年配の方々だろうか。ユーチューブで新たな視聴者を獲得するには、視聴時間が長い高齢者を狙うのが一番手っ取り早いだろうし、高齢者の世代ではMAZDAは嫌われていることが多い。潜在的なアンチ層を取り込む戦略なのだろう。クルマの魅力で売っているMAZDAに対して、他の国内メーカーはモビリティを売っているので「先進安全機構」を最優先にPRにするのだから、開発の方針は違って然るべきではないか。



「切り取り」が酷い

動画内では分かりにくく誤魔化しているが、MAZDA2とCX-3は「先進安全機構」で他社よりも装備が劣る部分はある。モデルサイクルが長期化しているところを狙い撃ちしている。ちなみにMAZDA3以上の上位モデルであれば他社に遅れを取っている安全機能はほとんどない。カメラやセンサーを使った「先進安全機構」は、狭い場所での切り返しなど徐行時や、駐車場からバックで出る時には確かに有為な機能ではある。CVTで突発的に動き出すリスクがある他社モデルには必須な機能だと思うが、徐行時の余裕を持った制御がしやすいトルコンATを使っているMAZDAやレクサスは、ドライビング環境として上を行く安全性が確保されている。


マツダ整備士ならば当然に知っているであろうけども、ペダル配置やシートの着座姿勢によって事故を削減するというMAZDAのポリシーには全く触れられていない。長時間の運転でも疲れにくいクルマ作りの結果、長距離ユーザーがMAZDAを選ぶ流れが生まれている。某有名AJAJライターの動画では、CX-5が長距離王だと認定していた。長距離ユーザーは乗車時間が長いので、クルマにお金をかける傾向にあるが、近年のMAZDAが日本市場で顕著に中大型モデルで躍進しているのも納得だ。




意図的に誤解させている

国内他社のようにモビリティを積極的に売っていく方針ではないのだから、MAZDA2やCX-3をブランド内から切り取って、他社基準で評価されるのは厳しいものがある。基本設計となる先代のMAZDAデミオ(3代目)は、2008年のWCOTYを獲得した歴史的名車ではあるけども、その設計はさすがに古い。CX-80の登場で第七世代への更新が完了したが、MAZDA2、CX-3のベースは第五世代として設計されたものに遡る。


MAZDA2とCX-3の主要な生産ラインはタイやメキシコにノックダウンされており、開発コストが焼却済みで価格を抑えた新興国向けモデルとして、2Lガソリンエンジンを搭載したモデルが主体となって生産が続いている。日本市場向けはMAZDA2が国内生産でCX-3がタイ生産に切り替わっていて、日本市場向けのモビリティとして主役になるのは無理がある。ひでぽんさんはこの状況を分かりやすく視聴者に伝えるために「MAZDAでモビリティを買ってはいけない!!」と言いたいようだけど、視聴者のコメントを見る限り、「MAZDAは全て買ってはダメ!!」と認識されてしまっている。この程度のロジックに騙される人はMAZDAには向いていないとは思うが・・・。



批判が受け入れられる状況が生まれている

トヨタがMAZDA系インフルエンサーに金を払っている疑惑なんていう道義的な問題よりも、さらに根深いものが見え隠れする。他の動画でも「MAZDAを買ってはダメ!!」というメッセージを強烈に含むものが続いているが、このような動画が嬉々として受け入れられる土壌があるのも事実だ。MAZDAというメーカーの近年の新型車開発に対して多くのファンが、期待してた故に大きな失望も同時に感じていて、そのやり場のない複雑な感情に対して「ひでぽんチャンネル」が寄り添っている部分もあるのだろう。不満の吐口になっている。


ファンの期待という部分でMAZDAはやや楽観的になっている。2010年代には世界的な評価を独占し、トヨタの会長からも評価され、さらに他の日本メーカーが日本市場向けのクルマ作りへのロマンを捨てているという現状が、MAZDAの方針をグローバルで目立たせている。MAZDA以外の日本メーカー車が、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドなどのカー・オブ・ザ・イヤーを獲得する姿はまず想像できなかった。2020年代になりトヨタ・プリウスの大変身でMAZDAの独走にから状況は変わりつつあるかもしれない。



MAZDAがオンリーワンの時代は終わった?

プリウスに続きホンダからプレリュードが投入され、日産も新型車を投入すると宣言していることから、「MAZDA以外には期待できない」という状況は徐々に変わっていきそうだ。2019年からの第七世代においてスカイアクティブXと直列6気筒縦置きシャシーのどちらもが計画通り実用化された。スポーティでありながら20km/L近いモード燃費を達成していることは、かなり過小評価されているけども、エンジンに関しては「世界のMAZDA」と言っても過言ではない状況になっている。


スカイX&6MTのMAZDA3と、直6ディーゼルのCX-60によって実現した、MAZDAによる「新しい世界線」に対して、トヨタやホンダが執念を燃やしてきたハイブリッドで対抗することは諦め、シビックRSは1.5Lターボに6MT、GRヤリスは1.6Lターボに6MTや8ATを組み合わせるという90年代的アプローチへと立ち返っている。環境「先進国」の日本が自信を持って送り出したハイブリッドの道徳的意義は高いのだろうけど、同時に消えゆくカーライフへの飢餓感も作った。最も飢えていたのがMAZDAの経営陣だったというオチだ。



立場の違いは大きい

世界のどのメーカーが、最後まで俺たちのカーライフに真剣に向き合ってくれるのか?ポルシェ、BMW、トヨタなども候補に上がるかもしれないが、MAZDAこそが異端とも言える経営方針で楽しくて所有欲を高めるクルマを作ることに全振りしている。フェラーリやメルセデスと並んで3大の「カーライフの可能性を追求するブランド」だと自負してるかもしれない。評価は人によって分かれるとは思うが、事実として半世紀を超えてスポーツカーを作り続けてきた稀有なブランドに対して、「モビリティ性能をもっと上げろ!!」とは無作法な批判ではないか?さすがにフェラーリに同じことは誰も言わないだろう。


世界のどこのメーカーよりもたくさんの逆境を超えてきたMAZDAの歴史を知っていれば、このメーカーに「常識」を押し付けることが迷惑以外の何物でもないことはわかるはず。創業間もないアマゾン(5期連続赤字)に対して、「立ち読みできなかったら本なんて売れるわけねーだろ!!」と批判しているようなものだ。「EVシフトなんてできるわけないだろ!!」と批判されたテスラが、北米市場でメルセデスやレクサスを軽く超えていった。・・・ただ面倒くさいことに、安易で思考停止な批判意見が有益になるケースもある。それは日本向けユーチューバーやテレビ局がコンテンツを楽して量産する場合だ。



2024年9月2日月曜日

福野礼一郎さん「CX-60はBMWを超えているけど・・・ゴミ」



 

MAZDA新車記事にアンチコメント襲来

MAZDAが久々に新型車CX-80を発表したこともあり、久々に各メディアのネット記事コメント欄が荒れている。MAZDA車が他社ユーザーから嫌われる理由はいろいろあるとは思うけども、わざわざコメント欄に「汚れた人間性」を晒すまでさせてしまう原動力は何なんだ!?と不思議に思う。1〜2行のコメントで、クルマの感想を述べたところで、どう考えても余程の浅知恵くらいしか披露できない。それがほぼアンチコメントになるわけだから、思考停止な人々のステレオタイプで気晴らし的な悪口が並ぶ。


まだ廃刊には至っていないベストカーというカーメディア雑誌がある。毎号の特集ベージでは多数のライターを動員して、話題のクルマへの感想を数行で述べさせて得点を付けるという生産性の乏しい企画を続けている。リーダー格のAJAJ国沢光宏さんをはじめ、短いコメントを求められるレギュラー評論家がインパクト重視で刺激的な表現が多くなるのは無理もないし、国沢さんだけが悪いわけではない。ベストカーの企画で量産された「アンチ・MAZDA・コメント」を、高齢者中心の読者がネットのコメント欄に無断転載する。リテラシーと人間性の低さに目を覆うばかりだ。



クルマ批評は長文レビューに限る

カーメディアにはさまざまな種類がある。雑誌媒体でステレオタイプな短文で、活字があまり好きではない読者にネタ的に読ませるベストカー的なものもあれば、その対極には福野礼一郎さんの連載のように読者に知識・集中力・想像力の3つを高いレベルで要求するインテリ向けのものもある。短文カーメディアやネットコメントでCX-60を表現させると「開発不足」「欠陥品」といった営業妨害的な評価ばかりになってしまう(バカメディアとバカ読者は自主規制を願いたい)。短文メディアではメーカーと開発者がどんなクルマが目指したのか?といった核となる部分は全く読み取れない。


福野さんが長文で書いたレビューを読むと、このクルマに関して見えてくるものがまるで異なる。実際に試乗したことがあるクルマなら答え合わせになって楽しい。CX-60についてもすでに書かれていて、その内容を無理やり短く要約すると、この記事のタイトルみたいになる。しかし残念ながら「ゴミ」とジャッジする理由までは全く盛り込めていない。個人的にMAZDAばかりを好んでいるので、「MAZDA車がベンツやBMWを超えている」という内容に全く悪い気はしない。しかし特筆すべきことでもなくなっている。福野さんのレビューではすでに10年前からMAZDA車はベンツやBMWを超えているとハッキリ書かれているから・・・。



異次元の日本メーカー

13年くらい前に初めてのMAZDA車(GHアテンザ)を買ったが、その当時からハンドリング性能においては、総合自動車メーカーの中ではMAZDAこそがトップだと感じた。あまりの感動にブログを書き始めて、さまざまな記事で「MAZDAはドイツ車を圧倒している!!」と自信を持って堂々と書いてきたが、当初はアンチコメントが相当数やってきたものだ。しかし10年くらい前から福野礼一郎さん、沢村慎太朗さん、水野和敏さんなどのレビューで、ハンドリングに関してはMAZDAが世界最高のレベルにあるといった論調が増えてきたこともあり、否定的なコメントはほとんど無くなった。


今ではMAZDAよりBMWが、ハンドリングで優れていると主張する人は圧倒的に少数派だと思う。福野さんも事実を捻じ曲げるようなことは書かないと思うので、CX-60がBMW・X3を凌駕したハンドリングを備えていると当たり前のことを書いたに過ぎない。福野レビューの魅力は目立って良い点と悪い点をしっかり書くことだから、当たり前でも書くべきなのだろう。ハンドリングも結論として用意されていた「ゴミ」の理由にMAZDAファンとして大いに共感してしまった。CX-60に対して漠然と感じていた想いを福野さんが見事に言語化してくれている。



福野基準

福野さんが個人所有のプライベートカーで、公表されているクルマが、シトロエンDS5、BMW3シリーズ(F30系)、アルファロメオ・ジュリアだけども、いずれも欧州メーカー製でターボエンジンとトルコンATが組み合わされている。モーターファンイラストレーティッドの連載に登場するクルマの車種は担当の編集者が決めているようだけども、過去のレビューを調べてみるとコンパクトカー、軽自動車、BEV専用車こそあるものの、ミドルクラス以上のモデルではガソリンエンジンにトルコンATが配備されたモデルばかりが選ばれている。


例外的にトヨタRAV4のレビューがあったが、タイトルの副題に「ターボとトルコンATが欲しい」というクルマ好きなら誰もが感じるであろうことが遠慮なくハッキリと書いてある。本編を読んでも、このクラスのSUVならばトルコンAT積んでくれないとお話にならない(このメーカーはわかってない)・・・みたいなことが書いてある。これには担当編集者も相当に焦ったことだろう。アルファード、ハリアー、プリウス、クラウンクロスオーバーなどのトヨタの主力モデルは「福野基準」を満たしていないので連載に登場するのも難しくなっている。とてもじゃないが怖くて持ってこれない。



世界一の自動車評論家

メルセデスやBMWに対して強烈な批判をするようになった福野さんを、トヨタの中上級CVT車に乗せたところで酷評は免れないし、全くやる気を見せてくれないかもしれない。そして出版社としてもトヨタとの関係悪化は極力は避けたいというのが本音だろう。トヨタに配慮して福野レビューを「検閲」したり、余計な「注文」を付ければ、間違いなく福野さんがヘソを曲げてしまうだろう。2023年末に発売されたもので、レビュー集は8冊目となる。単行本がこれほど売れるライターは日本どころか世界でも他に例はない国宝級なのだから特別扱いは当然だろうけども。


「福野基準」に適合するモデルを探してくるので必然的に輸入車の割合が高い。そして日本メーカーでブランドの全ラインナップが連載に登場できるのはMAZDAだけだ(SUBARUは完全追放?)。日本メーカーで唯一の福野レビューに堂々登場できるMAZDAが作った、渾身のCX-60に対して、いつも乗っているメルセデスやBMWの同クラスモデルよりハンドリングなど技術的なレベルでは完全に優っていると判断している。ただしSUVという運動性能を生かしきれないパッケージでは、福野さんの愛車にはなり得ないという話だろう。



選ばれしブランド

CX-60はMAZDAがこだわっただけあって、メルセデスGLCやBMW・X3と比べても非常に素性の良い仕上がりを見せている。縦置きエンジンのSUVが最も大好物という人々がどれだけいるのかわからない。福野さんも彼らの趣味は全く理解できないかもしれない。それでもこのジャンルに名乗りを挙げているモデルは、いずれも傑出した性能を持つものばかりなのも事実だ。メルセデス、BMW、アウディ、ポルシェ、アルファロメオ、マセラティ、ジャガー、ランドローバーといった日本市場でも高い評価を受けているブランドに限られる。それらと比べても、CX-60の設計や仕上げは、MAZDAの確信に満ちた技術が光っている。


上記のブランドの中で、SUV専門のランドローバーを除いた全てのブランドでは、縦置きエンジンのロードカーが生産されている。スカイラインがあって、スカイラインクロスオーバーが派生したように、ユーザーの利便性に合わせて最低地上高とキャビンスペースの異なるロードカーとSUVを作り分けるのがセオリーであり、ランドローバー以外はそれに則っている。現実にはロードカーよりSUVの販売が数倍の規模で多くなっている。そこでMAZDAはSUVだけを作る路線に転換した。



30年経っても克服できない

クルマとしての希少性が求められるジャンルの中で、定番のディーゼルエンジンとSUVの組み合わせを軸としたCX-60には「パッケージを省略した」という致命的な欠陥がある。ハンドリングなどの個々のパラメータでは他のブランドを圧倒するものの、1つのクルマとして価値を測るときに、思ったほど評価が上がらない。この点を指して福野さんは「ゴミ」と言っている。他ブランドがユーザーの利便性を考えて妥協したSUVパッケージでは、最高のドライビング性能は語れない。故にクルマとしての価値は限定的だ。30年も前から日本メーカーの高級車に対しては同じような指摘がされ続けてきた。


R35GT-Rを開発した水野さんの言葉によると、「日本メーカーの開発者は欧州の上流階級の生活習慣を知らないから高級車は作れない」と断じている。個々の技術レベルでは世界をリードする存在であるけども、ロールスロイス、ベントレー、アストンマーティンに匹敵するクルマは設計・生産できない。福野さんのレビューからもR35GT-Rのような革新性を伴ったクルマをMAZDAに期待したい想いは感じる。しかしCX-60は基盤となるコンセプトでコケてしまって残念という話だ。これは多くのMAZDAファンにも共感されていることだろう。







2024年9月1日日曜日

マツダ整備士ユーチューバーは、他社案件に転んだのか?





大人のガチ喧嘩発生!?

この1〜2年で MAZDAのファンに広く知られる存在となったユーチューバーの「ひでぽん」さんですが、短期間で登録者数を大きく伸ばし、AJAJライターでも名前が知られている島下泰久さんの「RIDE NOW」や小沢コージさんの「cozzi TV」を軽く追い抜かしてしまった。マツダの内部事情がわかるコネがあるようで、他のチャンネルでは得られない情報が満載されていて、数あるMAZDAユーチューブチャンネルの中でトップを取るのは時間の問題だった。


これだけ登録者が増えれば、単なる趣味でなく、ユーチューバーとしての実益を追い求めたくもなるわけで、さらに登録者を増やすにはMAZDAユーザーだけでなく、トヨタやレクサスのユーザーを巻き込んでいくしかない。既存の登録者の多くがMAZDAのファンだとしても、なんの未練もなく「トヨタ最高です!!」「レクサス最高です!!」といった動画を展開し始めた。これまではMAZDAファンの溜飲を下げるものが多かったが、さらに多くのユーザーを抱えるトヨタファンにスリスリする内容の動画が多くなって、予想通りアンチコメントが殺到したらしい。


動画の危険性

顔出しで堂々と喋るだけあって肝は据わっている。アンチコメントに対してもニヤニヤと動画のコンテンツに組み込んでいく。ユーチューブ、ブログ、SNS(Xなど)へのアンチコメントなんてまともな人間のやる事ではないと思うので、個人的にも経験してきたが、アンチコメントのほぼ全てが浅知恵な連中の勘違い発言に過ぎない。SNSで吠えるホリエモンとかひろゆきなど、失礼を承知で申し上げるが、いちいち発言が浅い(間違えも多い)。バ○専門のインフルエンサーを演じて実益を得ている。


頭が弱い人ばかりがユーチューブを見ている・・・・そんな極論を述べたいわけでは決してない。しかしテレビやネット動画などの映像は、さまざまな編集を経てモンタージュが構築された虚構を見せて感情に働きかけてくる。疲れている時に多いけども、ボーッと見て時間を過ごす。自分自身の思考停止に気付いて気分が悪くなる。例えばウイスキー系チャンネルの動画を見て、直後に何も考えずにアマゾンで見ていたボトルをポチる。テレビやネット動画が日常の情報源になってしまっている実家の母親がストロングゼロを飲んでいた時には、厳しく説教したこともあった。



方向転換

「ひでぽん」さんは、アンチコメントに対して最もらしい返答をしている。「MAZDAしか知らない連中に他社の凄さを伝える」「どこにも忖度しないスタイルを貫く」などなど。アンチコメントを書く連中はこんな当たり前のこともわからないのか!?と鼻で笑っている。いや批判の対象はそれじゃない・・・タイミングの問題だ。CX-60は発売当初から売れ行きは好調だった。500万円のMAZDA車がまともに売れるわけがないとタカを括っていたトヨタはさぞかしビビったことだろう。それから間も無く「ひでぽんチャンネル」が執拗に足回りとミッションのガタガタを拡散し始めた。


さらに同じくらいのタイミングで売れ行きがさっぱりのレクサスLSの絶賛動画が上がり始める。これが1年くらい前のことだった。あまりにも唐突であり、多くの視聴者は怪しさを感じたはずだ。「ひでぽん」さんがトヨタの広告代理店から「案件」を受けたと断定することはできない。案件の伴うステルスマーケティングだったとしたら、画面にそれが明確にわかるよう表示する義務があるけども、見たことはないので案件ではないと考えられる。しかしマツダ整備士のチャンネルで脈絡もなくトヨタ車絶賛動画が「PR」表示とともに流れたら、「あまりに露骨だろ」と、トヨタにとっては不都合な評判につながりかねない。



トヨタなら可能?

トヨタくらいの超一流企業は、グーグルにとって収益の柱である「広告受注」と「ビッグデータ販売先」として、最高クラスのVIPクライアントになる。ゆえにユーチューブ規約に関しても「トヨタのステマ」には特別な「除外規定」が存在するのかもしれない(あくまで憶測です)。トヨタ系ユーチューバーはたくさん存在する。「寄らば大樹」とは言ったもので、インフルエンサーとして活動するにあたって、いろいろと面倒な問題が起きにくい制度になっているのかもしれない。


利益のほとんどを海外市場で稼ぎ出すMAZDAに対して、国内市場への依存度が高く、日本市場で異変が起きたら死活問題となるトヨタでは、当然ながら国内市場向けの広告宣伝費は大きく変わってくる。トヨタと仲良くするのは、ユーチューバーとして合理的判断のようにも思える。確かに多くの自動車系チャンネルでMAZDA車の時に顕著に試聴回数が増えるという現象は見られるが、MAZDAが日本市場から撤退してしまったらもはやそこまでだ。



問題は「ある」

マツダ整備士のユーチューバーがトヨタ車を動画で絶賛する・・・という企画自体がとても新鮮であるし、レクサスLSやアルファードに憧れるユーザーに寄り添った内容の投稿をしても、それはあくまでMAZDAと「ひでぽんチャンネル」の関係上の問題に過ぎないので周囲がとやかく言うことではない。「ひでぽん」さん自身もそのように主張している。アルファード絶賛動画がMAZDAファンやMAZDAの関係者から顰蹙を受けているとのことだが、最初は私も文句を言う連中がおかしいと感じてはいたが、実際に動画を見て意見は180度変わった。


そんなにアルファードが良くて、それが正直な感想であり、本人が主張するように一切のステマ・案件ではないと言うならば、今後の「ひでぽんチャンネル」はアルファードがメインになっていくことだろう。ここまでは何の問題もない。しかし動画の中で何度も言及して、わざわざ未発売のCX-80を貶す必要があるのだろうか? ふと10年くらい前のAJAJ騒動を思い出した。VWと裁判になっていたスズキに対して、VWがAJAJに「スズキを貶めるレビュー」を大量に発注したことが明らかになったが、信頼を失ったAJAJはもはやその存在意義を失いつつある。



不審な点

まだトヨタが公式には発表していない段階であるが、動画内の「ひでぽん」さんは、本体価格440万円のアルファード廉価版が追加で投入されることを明言している。トヨタもCX-80を警戒しているようで、アルファード廉価版の情報を、雑誌媒体などに盛んにリークしてはいるようだが、動画内ではズバリ「440万円」とハッキリ言っている。アルファード動画の構成は、トヨタが伝えたい情報がしっかりモンタージュされていて、コンサルの手が入ったかのような出来栄えだ。


マツダ歴42年ともなれば、余人にはわからないMAZDAへの愛憎の籠った想いなどもあるだろう。初代RX7や五代目ファミリアが発売されていた時代からずっとMAZDA一筋だとどんな「クルマ観」が育まれるのだろうか。3世代のRX7は実質的に全世界でスポーツカーというジャンルの頂点を取ったと言ってもいいシリーズになった。そんな黄金時代と比べてしまえば、今のMAZDAは刺激が足りないだろうし、最も不満を持ちやすい世代なのかもしれない。



マツダ歴長過ぎ問題

動画で存分に表現したくらいに、レクサスやアルファードへの想いが本物ならば、今後はトヨタ系ユーチューバーとして更なるご活躍を願いたいと思う。人様の動画を見させてもらって「わざとらしい」とか申し上げるのは気が引けるが、CX-60の一件からMAZDA陣営との間に修復不能な関係が築かれているのでは?と邪推してしまう。MAZDAと仲が良いならば、このタイミングでアルファード絶賛動画は挙げないだろう。


マツダ歴13年で、最初のMAZDA車がGHアテンザ後期の若輩者の感覚だと、MAZDAが作るべき価値があるクルマとは、少なからず足回りがガタガタしているものだ。アルファードを絶賛してMAZDAをイジるのもいいけど、CX-60、GHアテンザ、E90Mスポ(BMW3シリーズ)の3台でどれが一番ガタガタなのか比べる企画で、MAZDAの開発者がやりたかったことを代弁してあげるのが、MAZDA愛に溢れるインフルエンサーってものじゃないだろうか?







2024年3月1日金曜日

「燃費ステマ・パフォーマー」小沢コージさんのカーメディア革命



 

クルマ買いたい!!

「ステマ」と書いてしまうとネガティブなイメージに受け止められるかもしれけど、クルマを買いたい気持ちにさせるステマはどんどんやればいいと思う。「ステルスマーケティング」は、NHKのような公共放送が番組作りにおける独自のガイドラインとして禁止していたりするが、決して日本の法律に反するものではないし、消費者に過保護な日本であっても決して「社会悪」と断罪されるものでもない。小沢コージさんとYouTubeの間で規約の問題があるかも知れないが、私を含めた第三者があれこれ言うことではない。


小沢さんの「kozzi TV」で「トヨタ・アルファードでリッター20km達成」という動画が公開された。ミニバンの動画なんてまず見ることはないけども、気になってついつい最後までチェックしてしまった。最大手トヨタがそれなりの金額でPRしても、アルファードが全く刺さらない人でも、小沢さんの動画を見たら、アルファードは買わないまでも、トヨタのハイブリッド技術はとうとうここまで進化したのか!?と驚くはずだ。よく調べて見ると新型アルファード・ハイブリッドのモード燃費は17.7km/L(WLTCモード)に達している。先代までのハイブリッドが全く不評だったこともあって、トヨタもアルファードの燃費を伸ばすのは難しいと思い込んでいた部分はあると思う。




なんで箱根?

モード燃費が17.7km/Lのクルマを、20km/Lで走らせてしまうのが、プロ燃費ステマパフォーマーの小沢さんの新しいコンテンツになりつつある。高規格道路でもない一般道でこの数字をマークしてしまうからなかなかエゲツない。この動画を見て一気に心が傾いて、アルファードを買った素人が真似してみても、せいぜい実燃費は13km/Lくらいしか出ないことは想像に難くない。あくまで小沢さんの仕事はクルマを買わせることであり、実際に20km/L出して実証しているのだから何の非もない。トヨタが法令を遵守して算出しているとされる「モード燃費」よりも、外部の人が実際に走って測定された実燃費の方が、視聴者は信じやすいと思われる。


ちなみにテレビ神奈川(TVK)で毎週放送されていて、YouTubeでも見ることができる「クルマで行こう」の番組内では毎回のロケでの実燃費を発表するが、モード燃費を大きく下回ることが多い。ロケ地が箱根ターンパイクであり、あれだけの高低差を登っていけば燃費は大きく悪化する。箱根ではなく房総フラワーラインでも走れば、遥かに良好な実燃費を出せるし、実際のユーザーが年に何回箱根に行くだろうか? 個人的に所有するCX-5の2.5LガソリンAWD(モード燃費13.0km/L・WLTC)だと箱根は11km/Lくらいなのに対して、房総だと13.5km/Lくらいは出せる。「クルマで行こう」の実燃費で「8.8km/Lでした」とか言われたら、視聴者のクルマを買う気分を萎えさせてしまうと思うが・・・。



メーカー関係者の熱視線

「クルマで行こう」とは逆に、「kozzi TV」を何気なく見ていて、アルファードで20km/L、レヴォーグレイバックで16km/Lといった実燃費を出されると、「あれ?こんなに燃費良いの?」「これだけ走るなら買おう!!」といった感じで購入まっしぐらのインスピレーションが走る人はそこそこ出てくると思う。現状でトヨタの中型・大型ミニバンや、既存のレヴォーグなどに乗っていて燃費に不満な人は、まだまだ中古車価格が高値水準な状況を考えても、一気に買い替えてしまえ!!という決断の後押しになり得る。勝手な想像に過ぎないけども、大型モデルでは燃費が悪かったトヨタや、水平対抗エンジンの燃費に苦しむSUBARUにとっては、小沢コージさんこそが、今では最も広告宣伝費を払えるメディア・パフォーマーではないだろうか。



「kozzi TV」より多くのチャンネル登録者数をもつAJAJライターは他にも何人もいる。登録者80万人越えの五味康隆さんや、50万人越えの河口まなぶさんが有名だけど、最近の動画の再生数を見ると、登録者4万人足らずの「kozzi TV」が10万再生の動画をコンスタントに出しているのに対して、桁違いの登録者数を有するこの2つのチャンネルでは、10万回再生をなかなか超えられない。2024年に入ってからどうやら本当に小沢コージさんの時代がやってきてしまったのだろうか。視聴者目線でやたら刺さってくる「燃費ステマ動画」は、これからの自動車系YouTubeのキラーコンテンツになるかもしれない。



トークスタイルは様々

「kozzi TV」が好調なのは、決して燃費ステマだけが原動力ではない。動画の構成を比べてみても、五味さんや河口さんのチャンネルと「kozzi TV」では完全に視聴者層が違っていると思われる。毎回の動画で取り扱うクルマもかなり価格帯が違う。「kozzi TV」には1000万円もするような高級輸入車はまず登場しない。将来を夢を見る若い世代は、スーパースポーツを所有する五味さん、河口さんのチャンネルを見て、ハイエンドなカーライフを身近に感じられ、これは仕事のモチベーションになるだろう。一方で高級車にはもう興味なくて、単純に小沢コージさんと渡辺陽一郎さんというクルマ大好きなオッサンの居酒屋トークを聞きたいだけという視聴者が再生回数を押し上げていると予想される。クルマ好きと話すのは楽しい。


小沢さん渡辺さんコンビによる生放送も回を重ねてだいぶ慣れてきたようで、非常にテンポ良く聞きやすくなったし。何より本音が混ざったクルマ好きトークが存分に聞ける。2人ともにヘンに格好つけることもなく、ディーラー担当者との雑談みたいな「ちょうど良い」温度の会話が20〜30分の尺に収まっている。残念ながら若い視聴者にとっては分かりにくいオッサン世代の話になってしまうとは思う。もちろん五味さんのように唯我独尊でクルマの優劣をハッキリと伝えてくれる一人語りが分かりやすい人もいるだろうし、河口さんのように贔屓のブランドのクルマを徹底的にヨイショしてくれて気分が良いという人もいるだろう。



フェルディナント・ヤマグチさんの本!?

「kozzi TV」の動画にはいくつかのパターンがあるのが強みだ。最近目立つのは「燃費ステマ」だけど、前述の「渡辺さんとの対談」に加えて有力なコンテンツになっているのが「メーカー開発者インタビュー」だろう。輸入車がメインコンテンツでやってきた五味さんや河口さんは、国内メーカーの開発者のインタビューは、日本車なんて興味ない視聴者層には合わないと考えているのかも知れない(日本車を下に見るコンテンツはあるけど)。五味さんがSUBARUの開発陣の前で偉そうに振る舞っていた動画は、輸入車ユーザーの日本メーカーに対する偏見を見ているようであまり気持ちのよいものではなかった。


小沢コージさんはかなり前から、開発者インタビューのコンテンツを展開していたが、開発者の方々がリラックスしているのが印象的だ。小沢さんとの心の距離が近く気心が知れた仲に見える。知り合いの開発者を多く出演させていて親密さを演出しているようだ。インタビューに出られる開発者も小沢さん以上に年配の方が多く、若い世代の視聴者にはよくわからない話も多い。フェルディナンド・ヤマグチさんのインタビュー本などが好きな人には、興味が湧かないミニバンなどの開発者の話でも、会社から与えられたミッションを一流のエンジニアがどんあこだわりを持って仕事したかがわかるので楽しい内容だ。




小沢さんは結構儲かっているはず

YouTubeでそんな堅苦しい技術の話なんて聞きたくないという人は、すぐに動画を閉じてしまうだろうけど、チェンネル登録者数よりもはるかに伸びている動画が目立つ「kozzi TV」にはかなりの「中毒患者」がいると思われる。実際の統計はわからないけども、視聴者の知能レベルはかなり高めではないだろうか。グーグルアドセンスは視聴者個人個人のデータを大まかに把握しているので、お金を持っていないしネットでほとんど買い物もしない若い世代の視聴者が多いチェンネル(五味さんと河口さん)よりも、小沢コージさんの方が効率的に広告宣伝費を稼いでいると思われる。


3年前にこのブログで「kozzi TV」を初めてネタにした時は、確か登録者は6000人くらいだったと思う。それが現在では4万人にまで増えた。小沢さんのモチベーションもかなり上がってきたようで、他のAJAJユーチューバーよりも投稿頻度が高い。五味さん、河口さんには失礼だけど両者のチャンネル登録はしていないし、私向けのオススメには出てこない。島下泰久さんの「Ride Now」は登録者6.7万人いるが、動画の再生数は完全に「kozzi TV」の方が上回っている。「Ride Now」は海外試乗も多いのが売りだけど、やはりメルセデスやBMWに興味ある人が少なくなったのかな・・・。



アルファード動画のタイミングが謎

もしどっかのメーカーに依頼されて「燃費ステマ」をやれと言われたら、とりあえず山梨県の富士スバルラインにクルマを持って行って、全コース20kmの距離を山下りすれば、トヨタ・ランドクルーザーであっても20km/Lどころか、200km/Lくらいは余裕で出せると思う。そんなチートしか素人には思いつかない。小沢コージさんの「燃費ステマ動画」にも何か特別な仕掛けがあるのでは?と勘繰ってしまう。これまでの動画を見る限りは、特段に燃費スペシャル用コースで走っている様子はない。さらに交通量が少なくてスムーズに進める夜間帯に撮影することもなく、毎回のように対向車もガンガンやってくる都市部の40km道路みたいなところで日中に堂々と撮影をしている。



あからさまなステマをやってしまったら簡単に視聴者に疑われてしまう。プロの小沢さんは徹底的にリアルなシチュエーションを演出しているので、全くと言っていいほど違和感はない。しかし2024年2月になって、夏頃に撮影したアルファードの燃費動画を出してきたタイミングは不思議だ。夏頃はアルファードが絶好調だったので、一旦はお蔵入りとし、トヨタから何らかのアプローチがあった時に「真夏の20km/L動画ありますけど、出しましょうか?」みたいな交渉をやっていたら面白い。3年前は冗談半分で「kozzi TVが天下を獲る」とか書いたけど、いよいよ本当に実現してしまいそうだ。










注目の投稿

福野礼一郎さん 「ゴルフとは思えぬ駄作(2021年レビュー)」の予言

  クルマを買う前にレビューを読むべきか!? 物価高だから消費税を減税しよう!!という意見で与野党が一致している。肝心なことは来年にはクルマの価格も10%下がるのか?それとも食品だけなのか?ということ。「クルマに関わる減税を推進する党」みたいなわかりやすい政党はタブーか。名前を挙...