西川淳さん「スカイラインは終わった!」の真意とは?
「俺はスカイラインをずっと買ってきた、その俺が言うのだから間違いないスカイラインは終わった。」 V36までは許せたけどV37はダメという西川淳さんの決意の一言には一体どのような想いが詰まっているのでしょうか。大学卒業とともに34が生産中止になった私の世代にはとても口を挟めない「重み」を感じるのですが、それでも「プレミアムを騒がせよう」と意気込む日産のエンジニアにとってはあまりにも残酷で冷血な一言なんじゃないですかね・・・。
ニューモデルマガジンXでの「西川連載」は、ライターの色がよくでていて毎回とても面白いのですが、今回の4月号のスカイラインは読み応えたっぷりでいつも以上に面白すぎました。各方面から言いたいことを言われて完全に弱りきっている自動車業界。彼らに対して「大人」が本音でバッサリと切り捨てるなんてことは、なかなかできなくなってきたわけなんですけど、日産とスカイラインという抜群のブランド力にはまだまだ余力があるようで、西川氏クラスの評論家が全力でぶつかっていける「まだまだ噛み応えのある」稀なケースなんだと思います。たとえばジャガーやボルボといった苦境が続いている輸入ブランドに噛みついたところで、ただの弱いものイジメでしかなく、それが今となってはメルセデスやBMWといった有名ブランドでもあまり変わらない境遇だったりします。
フェラーリやポルシェを相手に必死に(平然と?)噛みつこうとする本質的に「アジ」な沢村慎太朗さんみたいな人もいますけど、スーパーカー評というのはそもそも自動車評論の中では異質な存在ですし、乗ったこともない一般人には何のことだか直感的にはわかりません。専用設計スポーツカーではない乗用車に対して「俺の気持ちに火をつけろ!」と、西川さんクラスの超一流ライターに真剣に吼えさせるのは、世界中広しといえどもスカイラインだけじゃないですかね・・・。
日産が執拗に「プレミアム」を意識したプロモーションを仕掛けているのだから「俺の気持ちに火をつけろ!」くらいは当然に要求される「ノルマ」なのかもしれませんが、例えば直列6気筒を積んだF10で今更に「火がつく」なんてことはまずないですよね。900万円出してコレを買うくらいなら、GTーRだかISーFの方が・・・。プレミアムブランドのディーラー行ってもそれほどテンションあがらないですし、レクサスなんて「おもてなし」はなかなかですけど、いざクルマを見せられるとがっかりさせられるのがオチです。
西川さんのこも連載にはほかにもいろいろなクルマがでてきますが、総じて感じられるのが、どれもこれも「俺が本気で語るレベルではない」ということです。ここ数年は業績が好調だと伝えられている「マ○ダ」や「ス○ル」なんてこの人の手にかかれば完全に子ども扱いで全く相手にされていません。「ポルシェ」「マセラティ」「AMG」くらいにしか反応しないようなベテランライターの枯れ果てた心をに400万円もしないクルマではどうしようも無いわけです。例えば堂々の登場を果たしたア○セラXDのときは、最初から自分のテンションを挙げるために軽快な冗談が飛び出すほどの緩いテンションで、「女性や若い人向けのクルマにしてはよくできてるんじゃないの?(あんまりよくわからないけど)」くらいのニュアンスがビンビン伝わってきました。得点は非常に高かったですけど、私のようなマツダ贔屓には西川さんの本音がよ〜くわかりました。
そしてスカイラインは?というと、点数こそ低かったですけども、そもそもスカイラインとア○セラには絶対に越えられない壁がありますし、西川さん自身が「Cセグ以下は絶対に買わない・乗らない」であろう前提でのア○セラの高得点とはまったく別の基準の話でしかないようです。それでも一言「でかいクルマは飽きる」という至言が・・・。西川さんは「サイズ」に疑問を呈しておられましたが、V37スカイラインに乗って気になるのは、やはりプレミアムカーにまとわりついてくる電制デバイスが存在感を強調している点ですね。はっきり言ってストレスでは?というものも多いです。レクサスもメルセデスもBMWもなんだか走りが楽しめない要素が年々増えてきています。しかしこればっかりはクルマ作りの哲学によるものなので一概に非難できないですけど・・・。そして「プレミアムカー」では当たり前になってきている「8AT」って実際のところ「CVT」みたいな気持ち悪さがあります。よく輸入車ユーザーがスバルのCVTを批判してますが、はっきり言って8ATのニュルニュルと変なタイミングでシフトアップする感触はスバル車以上にクソじゃないですかね。
ATに関してはスカイラインはかなり優秀だと思います。ジャトコ製の日産ハイエンドモデル(スカイライン・フーガ・Z・シーマ)専用の7ATに乗れば「やはり日本車はいいな〜」と心から実感できます。西川さんをはじめまともな評論家ならば、ジャトコ7ATがZF8AT(通称8HP)とは比較にならないくらいに優れたミッションであることは当然にわかっているはずです(だからあえてBMWのATには言及しません)。中国メーカー車のように6HPや8HPを使わざるを得ないかわいそうな輸入ブランドには同情はしますけど、先代スカイラインが北米でBMWを蹴ちらしたのは当然のことで、日産車に何一つ勝てないゴミでしかないF30が月に2000台売れてしまう日本市場に日産が思いっきり失望するのも無理ないです。「さあプレミアムを騒がそう!」とアジりたくなる気持ちをわからなくないです。
西川さんの気持ちが盛り上がらなかったとしても、「スカイライン」とは日本のクルマ文化が年月をかけて創り出した「高性能車のスタンダード」の結晶のようなものだと思います。スカイラインを絶えず通して我々は日本の自動車産業の実力を知り、「ものづくり」の素晴らしさや、工業製品に込められた開発者の「想い」を端的に感じます。あえてそんな日産に苦言を呈するのであれば、日本市場での販売において6気筒の非HVモデルを廃止して車両価格が上がってしまったことに対する残念な気持ちはあります。日本のユーザーが中国のユーザーのように盲目的にBMW3シリーズを絶賛しなくて済むのも、やはり日本にはスカイラインあったからこその話だと思うのですが、国内・国外のスポーツセダンがユーザーを舐めたようなクソ設計に陥るのを監視するというとても重要な「役割」を日産自らが放棄しつつあることには、やはりがっかりしてしまいます。
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ニューモデルマガジンXでの「西川連載」は、ライターの色がよくでていて毎回とても面白いのですが、今回の4月号のスカイラインは読み応えたっぷりでいつも以上に面白すぎました。各方面から言いたいことを言われて完全に弱りきっている自動車業界。彼らに対して「大人」が本音でバッサリと切り捨てるなんてことは、なかなかできなくなってきたわけなんですけど、日産とスカイラインという抜群のブランド力にはまだまだ余力があるようで、西川氏クラスの評論家が全力でぶつかっていける「まだまだ噛み応えのある」稀なケースなんだと思います。たとえばジャガーやボルボといった苦境が続いている輸入ブランドに噛みついたところで、ただの弱いものイジメでしかなく、それが今となってはメルセデスやBMWといった有名ブランドでもあまり変わらない境遇だったりします。
フェラーリやポルシェを相手に必死に(平然と?)噛みつこうとする本質的に「アジ」な沢村慎太朗さんみたいな人もいますけど、スーパーカー評というのはそもそも自動車評論の中では異質な存在ですし、乗ったこともない一般人には何のことだか直感的にはわかりません。専用設計スポーツカーではない乗用車に対して「俺の気持ちに火をつけろ!」と、西川さんクラスの超一流ライターに真剣に吼えさせるのは、世界中広しといえどもスカイラインだけじゃないですかね・・・。
日産が執拗に「プレミアム」を意識したプロモーションを仕掛けているのだから「俺の気持ちに火をつけろ!」くらいは当然に要求される「ノルマ」なのかもしれませんが、例えば直列6気筒を積んだF10で今更に「火がつく」なんてことはまずないですよね。900万円出してコレを買うくらいなら、GTーRだかISーFの方が・・・。プレミアムブランドのディーラー行ってもそれほどテンションあがらないですし、レクサスなんて「おもてなし」はなかなかですけど、いざクルマを見せられるとがっかりさせられるのがオチです。
西川さんのこも連載にはほかにもいろいろなクルマがでてきますが、総じて感じられるのが、どれもこれも「俺が本気で語るレベルではない」ということです。ここ数年は業績が好調だと伝えられている「マ○ダ」や「ス○ル」なんてこの人の手にかかれば完全に子ども扱いで全く相手にされていません。「ポルシェ」「マセラティ」「AMG」くらいにしか反応しないようなベテランライターの枯れ果てた心をに400万円もしないクルマではどうしようも無いわけです。例えば堂々の登場を果たしたア○セラXDのときは、最初から自分のテンションを挙げるために軽快な冗談が飛び出すほどの緩いテンションで、「女性や若い人向けのクルマにしてはよくできてるんじゃないの?(あんまりよくわからないけど)」くらいのニュアンスがビンビン伝わってきました。得点は非常に高かったですけど、私のようなマツダ贔屓には西川さんの本音がよ〜くわかりました。
そしてスカイラインは?というと、点数こそ低かったですけども、そもそもスカイラインとア○セラには絶対に越えられない壁がありますし、西川さん自身が「Cセグ以下は絶対に買わない・乗らない」であろう前提でのア○セラの高得点とはまったく別の基準の話でしかないようです。それでも一言「でかいクルマは飽きる」という至言が・・・。西川さんは「サイズ」に疑問を呈しておられましたが、V37スカイラインに乗って気になるのは、やはりプレミアムカーにまとわりついてくる電制デバイスが存在感を強調している点ですね。はっきり言ってストレスでは?というものも多いです。レクサスもメルセデスもBMWもなんだか走りが楽しめない要素が年々増えてきています。しかしこればっかりはクルマ作りの哲学によるものなので一概に非難できないですけど・・・。そして「プレミアムカー」では当たり前になってきている「8AT」って実際のところ「CVT」みたいな気持ち悪さがあります。よく輸入車ユーザーがスバルのCVTを批判してますが、はっきり言って8ATのニュルニュルと変なタイミングでシフトアップする感触はスバル車以上にクソじゃないですかね。
ATに関してはスカイラインはかなり優秀だと思います。ジャトコ製の日産ハイエンドモデル(スカイライン・フーガ・Z・シーマ)専用の7ATに乗れば「やはり日本車はいいな〜」と心から実感できます。西川さんをはじめまともな評論家ならば、ジャトコ7ATがZF8AT(通称8HP)とは比較にならないくらいに優れたミッションであることは当然にわかっているはずです(だからあえてBMWのATには言及しません)。中国メーカー車のように6HPや8HPを使わざるを得ないかわいそうな輸入ブランドには同情はしますけど、先代スカイラインが北米でBMWを蹴ちらしたのは当然のことで、日産車に何一つ勝てないゴミでしかないF30が月に2000台売れてしまう日本市場に日産が思いっきり失望するのも無理ないです。「さあプレミアムを騒がそう!」とアジりたくなる気持ちをわからなくないです。
西川さんの気持ちが盛り上がらなかったとしても、「スカイライン」とは日本のクルマ文化が年月をかけて創り出した「高性能車のスタンダード」の結晶のようなものだと思います。スカイラインを絶えず通して我々は日本の自動車産業の実力を知り、「ものづくり」の素晴らしさや、工業製品に込められた開発者の「想い」を端的に感じます。あえてそんな日産に苦言を呈するのであれば、日本市場での販売において6気筒の非HVモデルを廃止して車両価格が上がってしまったことに対する残念な気持ちはあります。日本のユーザーが中国のユーザーのように盲目的にBMW3シリーズを絶賛しなくて済むのも、やはり日本にはスカイラインあったからこその話だと思うのですが、国内・国外のスポーツセダンがユーザーを舐めたようなクソ設計に陥るのを監視するというとても重要な「役割」を日産自らが放棄しつつあることには、やはりがっかりしてしまいます。
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