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2020年9月24日木曜日

沢村慎太朗 「BMWの前途に花束を・・・」(午前零時の自動車評論17)

 

今更にG20系3シリーズ・・・

沢村氏の「午前零時の自動車評論17」が発売された。非AJAJ評論家ながらも、しぶとくカーメディア界隈を生き延びている沢村慎太朗氏の非凡な力量は、並みの自動車評論家とは全く次元が違うのは確かで、大いに敬意を払って最新刊が出ればすぐに買わせて頂くことにしている。しかしなんだろうな・・・今回は冒頭の一編が間違いなく「力作」なんだけども、なんとも微妙な展開。時代の趨勢を読み違えているような感じがする。今さらにBMW3シリーズですか!? 発売からだいぶ時間が経過しているという意味ではなくて、もはや10年以上前(E90系)からすでに終わっていた3シリーズを。令和になった今になって一体誰に向けてレビューをしたかったのだろうか!?もはやチバラギのオッサンですら3シリーズ(BMW全体かもしれない)に興味なぞ持ってないのでは・・・!?


2007年頃に増えた「ビマー」

2007年頃にビーエムは日本市場で過去最高の販売実績を上げる。バブル崩壊で緩やかにフェードすることが予想される日本市場で、残クレで最後の勝負をかけるべく、AJAJに沢山の協賛金を払ったのかもしれない。2007年当時のカーメディアにおいてビーエムは完全に主役であった。この頃からブログを書き続けているらしいE90オーナーに以前コメント欄を荒らされたことがある。わざわざ自分のページのリンクまで貼って読んでみろ!!って感じだった。やたら長いのにろくなことは書いていない。2000年に登場した初代X5の旋回性能は驚異的だった!!(それ某社のシャシーの流用なんですけど・・・)とか、まあそんな感じ。BMWブロガーに共通するけど、エンジン回転数やサス形式には絶対に言及しないし(日本メーカーにマウント取られるレベルだから)、二言目には「価格」でクルマの価値を結論付ける。そのくせにこの10年くらいのBMWの実勢価格は見て見ぬふりをしている。


ゴリ押しの結果・・・

2007年頃からBMWのオーナー層は相当に劣化したと言っていい。日本で無理やり売ろうとすれば、そりゃおかしなことになる。ホンダ、日産、マツダのように海外では人気でも日本ではコアなユーザーくらいしか売れない・・・そんな立ち位置に甘んじているメーカーが結局信頼できる。メルセデスとBMWの2010年以降の失速はある意味必然のことだったかもしれない。そして今のカーメディアは・・・BMWをまるで腫れ物に触るかのように扱っている。わずか10年でここまで扱いが変わったことが全てを物語ってしまっている。自動車評論家という生業をしている人ならば、どんなレベルであれ直近のBMWがイケてないことはわかる。彼らのレビューではしばしばクルマの本質がわかってないなー・・・と感じることもあるけど、この10年でBMWが日本市場で全くやる気がないことくらいは認識しているはずだ。言い切ってしまうけど、ほぼ全ての評論家やクルマ好きが今のBMWにはポジティブな印象を抱くことができていない。


真実

ネット上に自動車に関するコアな情報が次々と上がるようになり、海外での評価もリアルタイムで伝わってくる状況において、「衝突安全基準」「南アフリカ生産」「樹脂製タンク」「日本向けデチューンエンジン」「外部調達ミッション」「(BMWなのに)吹けないエンジン」「ヤル気のない右ハンドルレイアウト」「ディーゼル疑惑」など・・・プレミアムブランドとしてはおろか、自動車メーカーとしても前向きに存続していくことがかなり難しい状況になっている。これだけ情報がバラまかれてしまってはクルマに興味があってアンテナを張っている人は、ひたすらに避けるだろうし、それでも「知らない人」(情弱)は買うだろうが・・・。



叩く価値ある!?

そんな「瀕死」のBMWに今さらに沢村さんがトドメを刺しに行ってどーする? いよいよBMWが売れなくなって日本から完全撤退してしまうかもしれない(すでに撤退したみたいな感じだが)。路上でE90やF30にドヤ顔で乗ってるオッサンがいるから面白いんじゃないの!?彼らを「クルマヒエラルキーの底辺」だと、心の中でマウントを取って気分良く生きている人も多いはず。「ビーエムいいねー・・・」って適当に泳がせておいた方がいいとすら思う。彼らがビーエムを捨ててプリウスやハリアーに乗り出したら、さらに息苦しい日本市場になってしまう。プリウスやハリアーなんて1度のドライブで何台すれ違ったかすらカウントしないだろう。



ヤバいドライバー&クルマ

ロードバイクで車道を快走しているとむやみに競りかけてくる車種で多いのは、「軽自動車全般」「プリウス」「BMW 1シリーズ/3シリーズ」「VWポロ/ゴルフ」だ。前方が赤信号なのに無理やり加速して威嚇してくる。そんなにロードバイクに千切られるのが悔しいか!?心にゆとりがないドライバー!?やたらと接近してくるクルマに限って「汚い」。洗った形跡がない。ロードバイクやウェアが汚れるから間違っても接触したくない。日本のインフラである軽自動車はともかく、プリウス、1シリーズ、3シリーズ、ポロ、ゴルフが日本の路上では「ヒエラルキーの底辺」だ。実際にどの車種も新古車・中古車ともに心に余裕がない人々を引き寄せる魅力的な価格で取引されている。


SNSから消えたビーエム

還暦の沢村さんにとっては、まだまだBMWは特別な存在なのだろう。しかし現実は厳しい。(客観的に見ても)1シリーズや3シリーズのステータスは、格式を伴うサービス業の従業員に軽くバカにされる&嫌がられるレベルだし、5シリーズや7シリーズに乗っていても中古車実勢価格が200万円前後なので、N-BOXオーナーの地方の若者でも買える・・・ってことがすでに世間でバレてしまっている。偽セレブにもなりきれないただの道化だ。金持ちのユーチューバーでもビーエムを選ぶヤツはほとんどいない。ポルシェ、マセラティ、AMG、ベントレーが現実的な選択肢のようだ。金持ちはアルファロメオ、ボルボ、ルノー、プジョー、メルセデス(無印)なども選ばないけど、BMWはこのグループにカテゴライズされているに過ぎない。


世界は変わっている

ちょっとキツいことを書いたけども、BMWに限らず産業の転換点を迎えている自動車メーカーには同情的な意見があってもいいと思う。全てのメーカーがホンダやマツダのようにストイックなクルマ作りができるわけではないし、ホンダもマツダもあくまで量販メーカーで実現可能な範囲内で理想を追求しているに過ぎない。そしてBMWグループは今では200万台以上を販売する堂々たる量販メーカーだ。ひと昔前のアメリカへ侵攻を強めた頃のトヨタやホンダくらい規模を持っている。利益を確保するために工場の資本投下は抑えていて、世界中の提携工場でライセンス生産される仕組みだ。当然ながら部品供給を考えると使えるマテリアルは制限され、内装は中国の下請けに丸投げだ。クルマ好きはこの辺の事情を理解した上でBMWの未来を悲観してしまっている(もう諦めている)。


ドイツ車を滅ぼしたメルケル

メルケル女史がドイツを率いるようになってから、ドイツ自動車産業は大同団結を強制されている。多くの部品はポッシュやコンチネンタルといった独メガサプライヤーの使用が推奨される。トヨタ、ホンダなど日本メーカーが各社とも系列サプライヤーとタッグを組んで開発競争をしているのに、大手3グループで部品共用をしていては勝ち目などあるはずもない。しかもお膝元の欧州ではガソリン車の締め出しへカウントダウンが進んでおり、ドイツ3社全てが中国市場に軸足を移していてすでに3社とも50%を超える中華依存体制だ。日本メーカーで中華依存50%越えのメーカーはない。もはやドイツメーカーと日本メーカーでは戦う市場に大きな違いが出てしまっている。国産車比率90%の驚異的な数字を誇る世界で唯一の日本に、中国向けに設計された最新のドイツ車を持っていったら、そりゃボロクソ言われても仕方がないだろう・・・。


5年前の「BMWのすべて」と同じか!?

沢村さんはドイツ自動車産業の実情を踏まえた上で、非常に健全なレビューを書くライターだと尊敬しているが、今回のBMW3シリーズレビュー「素材と調理」にはそんな美点がすっぽり抜け落ちてしまっている。内容は決して一方的にG20系3シリーズを扱き下ろすものでもなく、多くの人にとても参考になる内容だとは思うが、コアな沢村ファンには物足りないかもしれない。40ページにもわたる長編レビューではあるが、10分の1くらいのページ数で書けてしまうような内容だったと思う。そしていつもの沢村さんのようなリベラルさは影を潜め、全編を必死にレトリックで覆い隠してはいるけど、その裏にある「動機」はBMWとそのオーナーに対する軽蔑なんだろうなと読み取れてしまう。もうすでに何度か書いているBMWに対する「感情論」が令和になっても続いている・・・BMWよりも先に評論家・沢村慎太朗が終わってしまうのではないか!?と一抹の不安が。



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2020年3月5日木曜日

「マツダはATを多段化しろ!!」と書くAJAJライターのレビューなんて読む必要がない


不思議な提言

「マツダは早くATを多段化しろ!!」とレビューに書くライターは非常に多い。マツダの技術者の本だったり、モーターファンイラストレーティッドをよく読んでみると、ATの多段化に伴うメリットとデメリットがあれこれ論じられていて、多段化するべきか6速のままでOKかの結論は難しい。要はフェラーリ、ホンダ、ポルシェといった高性能エンジンを市販車に乗せるブランドではさぞかし多段化が進んでいてとっくに10速や20速くらいになっているか!?っていうとそうでもない。6速、7速が中心だ。


MTモードを使う人ならわかるだろう

今時の良さげな2ペダル車は「マニュアルモード」ってのが付いていて、使ったことは一度もないって人もいるかもしれないけど、中部地方の内陸県境を越えるような峠道を走るときはエンジンやブレーキに無駄な負荷をかけないためにもマニュアルモードは積極利用したい。ひと昔前のマツダ車なら2、3速はクライマーギアで、トップの5速が滑走用。4速を積極的にチョイスすることはない。これが第六、七世代のマツダ(2012以降)では6速化されたが、やはりクライマーギアの2、3速とトップの6速以外は積極利用はしない。これが8速化されたらどうなるか!?なんのことはない4〜7速を積極利用しないだけだ。要するにトップからクライマーギアあるいはその逆をマニュアルモードで選択するのが面倒になる。


多段ATを組んだエンジンフィールは「砂を噛んだ味」

マツダに平然と「多段化しろ!!」って言ってくるライターが無意識のうちに「多段化モデルの典型」として選んでいるのがBMW、ボルボ、ジャガー、アルファロメオなんだろうけどさ。2010年代に8速化が進んだこれらのブランドのモデルが、マツダよりのナイスな駆動系のフィールを出せているか?と言われれば疑問でしかない。そりゃ全部乗りに行きましたよ。カッコいいもん。2Lターボに8速AT、そりゃ自然吸気で6AT/6MTのマツダよりも数段良いんだろうな・・・期待は高かったんですけど、180〜200psくらいのモデルに関しては、見た目とは裏腹に全然ダメなんですよ。平坦路を巡行するなら特に問題はないですけど、マツダ車なら、いや素人がフルームやキンタナの気分になって乗るロードバイクでも、余裕で超えていける程度の登り(5〜8%くらい)でも、エンジンやミッションの挙動がおかしくなる。なるほどこれが「多段化」ってやつか!?ハッキリ言ってしまいますけどトヨタやホンダのCVT車で登る時のあの「しらける」フィールですよ(このクルマはダメだな・・・ってモロに感じるやつ)!!



AJAJ会員のレビューってさ・・・

日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)の会員やってるライターってのは非常にマジメなのかなんなのかわからないけど、マツダ車を語るときは必ず「人馬一体」がどーのこーの書いてます。そもそも騎乗して疾走したことがあるのか!?あるいは、トヨタやビーエムとはどこがどう違って「人馬一体」なんだ!?・・・と色々とツッコミたくなる。魔法の絨毯のトヨタや、動き出しが軽くて「エアリアル」なビーエムと違って、マツダのエンジンは良い意味で抑揚がハッキリしていて、アクセルを踏んでから緩めるまでの時間軸の中にクライマックスといえるタイミングが顔を出す、エンジンやミッションとの絶妙なコミュニケーションこそがマツダ車が誇る美点じゃないのか!?他社はHVやターボ車ばかりになっているけど、マツダが自然吸気やそれに近いフィールを持つスカイXにこだわる理由だ。これが「多段化」され途中がスッカスカの変速だらけになったら最悪だ。マツダはFR化しても8速化しないんじゃないか!?それともメルセデスのように電動多段ミッションを組んでフィールの劣化を防ぐ!?


「みんな書いてる」

間違っていたらごめんだけど、カーメディアで活発に活動するAJAJ会員の中で、「マツダはATを多段化しろ!!」と書いてない人を見つけるのは極めて難しい。牧野茂雄氏くらいだろうか。いまではすっかり「マツダのことは俺に訊け!!」みたいな感じになっている河口まなぶ氏も数年前は、コメントが他に見つからないからか、マツダ車レビューでは毎回のように言及していた(最近の動画でも言っているのだろうか!?コイツにはマツダファンとしてぜひ言いたいことがある次回に書きます)。島下泰久氏、岡崎五朗氏といった比較的に若いライターも・・・若気の至りかもしれないが、動画やレビューで何度も言及しているのを目にしてきた。


ライターの資質

世の中には、AJAJ会員などではなくても、そのネームバリューや才能によって自動車ライターとして存分に活動できている人もたくさんいる。当然に日本COTYの審査員などの役割は回ってこないのだけど、そんな有能なライターはことごとく「多段化なんて無意味」というスタンスをとっている。「マツダは多段化すべき」と書くライターはAJAJ、書かないライターは非AJAJ(牧野茂雄は除く)と区別できるくらいにハッキリと分かれている。例えば次のライターで誰が非AJAJかお分かりだろうか!?

石川芳雄、西川淳、渡辺敏史、福野礼一郎、吉田匠、沢村慎太朗、木下隆之、片岡英明



カーメディアの黒歴史

「マツダは多段化すべき」だけでなく「マツダはHVを作れ」「マツダはターボ化しろ」「マツダはDCTにしろ」とか、過去には何度もAJAJ主導!?の同様な大合唱が行われてきた。どっかのドイツメーカーが小排気量ターボで失態して方針転換し、DCTも中国当局に名指しで怒られ面目丸つぶれになった途端に、大合唱は止み、何事もなかったかのように全く違った価値観を語るカーメディアには呆れた。ベストカーやニューモデルマガジンXだけでなく、カートップ、モーターマガジン、カーグラフィック、カーアンドドライバーどれも全く主体性などなく(これがジャーナリスムなのか!?)同じように方針を変更した。


非AJAJ会員の実力

上記の8人の中でそんな安易なことを絶対に書かないであろうライターは福野、沢村、渡辺の3人だ。この3人の非AJAJ会員は実に思慮深い。3人とも著書があり膨大な数のレビューをいつでもチェック可能だけど、「マツダは多段化すべき!!」とは書いていない。この3人では一番ヤバそうな福野氏の過去5年ほどのマツダレビューをチェックしたがやはり1度も書いていない。ちょっと前までは「8HP(ZF製8AT)は神!!」みたいなカスいことを書いてた時期もあったけど、最近ではすっかり「自社製ミッションが最強!!」みたいな持論に変わった。


E46系3シリーズのカタルシス

2000年頃のBMWはトルコンATの性能で全くメルセデスに歯が立たなかった(欧州はまだまだMT全盛だったので日本市場でのお話に過ぎないが)。変速がもたつく5ATながらもアルファロメオ、アウディ、ホンダと激しい高回転自然吸気ユニットの開発競争を繰り広げていたBMWにファンは熱狂した。当時はメルセデスがCクラスをマルチリンク化してビーエムのシェアを奪おうとしたけど、ユーザーは3シリーズ(E46)を全面支持だった。8速化されたF30系(先代3シリーズ)は日本でもグローバルでもとうとうCクラスに敗北した。ミッション以外は素晴らしかったE46と、ミッションだけが取り柄となったF30・・・これだけの栄枯盛衰を見せられながらも、「多段化せよ!!」と書いてしまうライターは普段からどんなことを考えて仕事しているのだろうか!?・・・K沢みたいなバ○なAJAJ連中のレビューをカネ払って読むなんて実に愚かだ。


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2020年2月9日日曜日

沢村慎太朗「午前零時の自動車評論・16」 童貞論とはなんぞや!?

奇才ライターも・・・変わった
沢村さんの単行本もいよいよ16巻となりました。素晴らしい。1巻が刊行されたのはもう10年くらい前のことで、その当時は今よりも国内外のメーカーの新型モデルを幅広くレビューしていた(やや輸入ブランドが多めだった気がする)。しかしここまで露骨に日本「専売」モデル(トヨタ、ホンダ、日産など)や日本「向け仕様」モデル(VW、BMW、メルセデス、スバル、マツダなど)が溢れてしまうと、沢村さんの知恵を借りるまでもなく、そこそこ知識のある素人ユーザーならばその評価の最終着地点が見えてしまう。



見事な大円団
第7巻で3代目アテンザ(現MAZDA6)をビーエムやメルセデスを噛ませ犬にして賞賛して以降(第8巻以降)では、単行本に収録された「これはいいんじゃない!!」という好意的な新型車レビューは第9巻のジムニー、第13巻のアバルト124スパイダー、第15巻のアルファロメオ・ジュリアだけだ。素人のユーザー目線でも退屈な自動車市場に何かしらのブレークスルーを期待していた3台が全くブレない基準で選ばれている!?(全面的に肯定したい)。上から目線で恐縮だけど、さすが単行本を出し続けるカリスマライターは見事に一本線が通っている!! アバルト124スパイダーに関しては絶賛ではないのかもしれない。NDロードスターの抱える矛盾に戸惑いつつも、ライトウエイトスポーツとして上手くまとめていて、イタリアのチューナーの技術はまだまだマツダに負けてはいない!!って言いたいだけなんだろうけど。


バッサリと切り捨てられた面々
その一方で第8巻以降で酷評されたモデルは、第8巻のメルセデスSクラス、第9巻のメルセデスCLAとBMW・M135i。第10巻ではルノー・ルーテシアRSとマツダNDロードスター。第11巻でBMW・F30系3シリーズとVWパサート。第13巻でプリウス。第14巻でメルセデスEクラスとNSX。もはや世界的に盤石な人気を誇るマツダ・ロードスターにキツいお灸を据えた以外は、日本市場で国産車、輸入車それぞれで上位になっているブランドへの率直な意見が綴られている。Eクラスとか静粛性頑張ってるなーと思ったけど、ダメみたいです。関係者やオーナーへの気休めじゃないけど、沢村レビューに登場してわざわざ単行本の一節に選抜されるクルマは、なんらかの時代的な使命があると筆者は考えているはずで、取り上げられないクルマよりはずっとマシだと思いますが・・・。


読者の退屈を見事に共有してくれている
それでも単行本を買うレベルのクルマ好きならば、酷評されているモデルの評価は読む前と後で特に大きくは変わらないだろう。沢村さんのレビューの結論がなんとなく想像できてしまう。このシンプルすぎる状況に苛立ちすら感じる。もっと複雑で味わい深いクルマを作ってくれ・・・。多くのファンがそんな白けた状況で待ち構えていることは沢村さん自身が一番よくわかっているのだろう。定番の「ちゃぶ台返し」からの綿密な論理を導く奇想天外な「引き出し」によって構成される「沢村プロット」では読者は満足しないだろう。そんな危機感を持って執筆してますよ!!と言わんばかりに、プリウスやNSXなどの有名モデルへの酷評レビューの前には、延々とレビュー本文の5倍くらいあるプロローグ的な「論文」がくっついている。どっちが筆者としては伝えたいことなのだろうか?他の誰にも書けそうにない見事な論文の小難しさを覆い隠すオチとしてプリウスとNSXの酷評レビューがおまけで付いて来るのかな!?


騙されている
沢村さんの文章はこれでもか!?ってくらいに文学的な語彙力が炸裂する。その文体はとっても「高貴」なんだけど、バランスを取るかのようにその内容には平気で「童貞」とか出てくる。そのあまりにハイレベルなレトリックに読者はあっさり騙されて、多くはこの人が「ゼロベース」で「リベラル」にクルマを検分して、徹底して「フラット」な目線で結論へと結んでいると思わされている。しかしちょっと冷静に読んでみると、常に大衆意見に対して「逆張り」の結論を設定し、そのゴールに向けて論理的な肉付けを行なっていることがわかる。そりゃそーだ、小学生の作文じゃあるまいし、あらゆる物書きは「結論ありき」以外のレビューなど書かない。余談だけど、私のブログのコメント欄にもたまに「いつも結論は同じですね」とか書き込むどーしようもないオッサンいる。大変失礼だけど、この人には人生経験と日常的に頭を使う習慣が全くないのかな!?


大正義
さて沢村さんが突如ぶち上げてきた「童貞論」。詳しくはお近くの書店で立ち読みでもしてみてください。結論ありきだと断定できるけど、それでもあれだけの前フリを用意できるのが、この方の尋常じゃない博学。前フリだけで十二分に自動車の歴史のハイライトを開陳する見事な一大スペクタクルで、イタリアの自動車業界の歩みを語り、予定調和のオチには誰もが「いいね!」を押したくなるような、自動車好きの総意と言ってもいい「願望」が放り込まれている。年末(2019年末)にこの一節を読んで「自動車ブログ書き」としての私の人生観はすっかり変わりましたよ・・・こんな文章を書いてみたい!!そして自動車雑誌なんてもう買わない!!


親近感
大変恐縮ですが、沢村大先生も自動車に関する文章を書く立場として、2020年初頭の現時点の自動車業界にただならぬ危機感と現状に「大いなる葛藤」を抱えているんだなー・・・。そりゃ当たり前だ。次世代ポルシェは電動!? 下位モデルしか更新できていないマツダ。テンションガタ落ちのアルファロメオとジャガー。この状況でどこから世界をひっくり返すようなGTカーが出てくるだろうか!?もうどこのメーカーでもいいからこの息が詰まりそうな状況を変えてくれ!!とヒステリックに叫んでいる沢村氏が頭にチラつく。


見事なまでの過去の自分との決別
これまで日本メーカーが作ってきたスポーティーなクルマの多くを「道程が作ったAV」だとせせら笑ってきた沢村さんだからこそ成立するのですが、今更にイタリアの名門スーパーカーブランドを名指しで「童貞集団」だと定義。それが今の日本で販売台数を伸ばしているブランドであることへの(にわかユーザーに対する)当てつけの可能性もあるけど、童貞集団によって作り上げられた歴代モデルが幾多のブレークスルーを起こした結果、今のスーパーカーの様々な価値が生み出された!!と結論付けている。


絶望が全てを覆い、そこに輝きが・・・
同じように、停滞気味の日本車に置いても、決して「ヤリ○ン」の日産やマツダではなく、完全なる「童貞」のスズキやダイハツが・・・あるいは噂が現実味を増してきた群馬メーカーのMRスーパースポーツこそが、「童貞」としての怖いもの知らずなメチャクチャで大胆な施策で常識を変えてしまうんでないか!?ということなのだろう。GTカーといえば日産とマツダだけ!!後の日本メーカーは論外!!と決めつけてかかってはダメなんだろうな・・・日産とマツダの身動きができない現状を考えると、とてつもなく説得力がある。



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気合の入っていない輸入車をフルボッコ! 沢村慎太朗さん はやっぱり最高だ!


沢村慎太朗氏の暴挙・ロータリー否定論に断固反対する!!






↓トヨタとマツダの違いもわからない連中はこれ読んでから批判コメントしろ!!

2018年1月11日木曜日

沢村慎太朗『午前零時の自動車評論14』(2017/12月発売)

『三つの凄ぇ』

  「911とロードスター以外はピュアスポーツではない」に続いて、またこのシリーズから名言(名定義)が生まれた。沢村さんが何を指して『三つの凄ぇ』を使ったかは、まだ読んでいない人のために伏せておきましょう。とりあえず選ばれしクルマってのは「三つの凄ぇ」が揃っていて初めて特別な存在になれるという話です。


  この本を読んで以来クルマに対する見方がかなり変わりました。これでも一応5年以上はブログ書いていてそれなりに「クルマとは何か?」について考えてきた身なんですけども、偉大なる日本で唯一の「自動車作家」様の著書の前では自分の小粒さを痛感するだけでした・・・。この人の著作を読まずしてクルマを語るのは愚の骨頂。年末にとっても為になる本を届けてくれた著者に合掌。


沢村さんみたいに語れるといいな


  一応5年もブログを書いてきた身なので、その成果をここでお見せしたいと思います(この本にかなりインスパイアされてますが・・・)。テーマは日本でカルト的な人気を誇っているドイツの名門ブランド・BMWは一体何が凄いのか!? よくよく考えてみると日本メーカーでは絶対に真似ができないような「三つの凄ぇ」が備わっているなーと気づきました。

『BMW・三つの凄ぇ』

  1つ目の『凄ぇ』は、「タコメーターがダミーであること」。BMWって物凄い環境とユーザーを大事にするブランドなんですよ。自動車メーカーだからこそ率先して環境に取り組む。環境先進国のドイツのメーカーらしいです。そのためにも無意味にエンジンの回転数を上げたりすることには否定的です。

  しかしエンジンが回らないクルマではユーザーが面白く無いです。ましてや日本の大衆メーカーではなく、ドイツのアウトバーンの左側を走るために作られたBMWですから、ユーザーの期待はハンパないわけです。この相反する2つの要求を一気に解決する手段が「ダミーのタコメーター」です。実際のエンジン回転とは無関係にコンピューターが必要に応じてタコメーターのレスポンスを上げたり高い回転数を示したりする機能なんですけども、BMWは変速時に針がビヨーンって動きます。他のメーカーのAT車ならばグズグズした感じになるわけですが・・・。

もうこの針の動きを見ただけで、このミッションは激早だ!!と書いてしまうプロのライターもいるくらい。もう完全にBMWの掌中で踊らされています。けどもまドライブしている 側にとっては、嬉しい視覚効果だと思いますけどね。さすがに日本メーカーだと後ろ指が気になってなかなか導入できないですけど、「神ブランド」のBMWだけが可能なギミックです。

人知を超えた神のミッション

  2つ目の『凄ぇ』は、「ドライバーを従属させるミッション」。.BMWに乗って一番驚愕させられるのは、クルマがドライバーに対してある種のマナーを要求してくるところです。まず日本車に乗るような作法ではクルマは全く動いてくれません。信号が青になって、いつものタイミングで出ようとすると、「お行儀が悪い!!もっと十分に先頭確認をしなさい!!」とたしなめられるかのようです。おそらく優秀なAIが内蔵されていて、最初のペダルタッチで「こいつはせっかちなマ○ダ・ユーザーだ!!ちょっとお仕置きしてやろう!!」とでも判断されているのかな!?

  「日本人は平和ボケが多過ぎる!!」と言われている気分でしたね。欧州やロシアだと交差点での信号変わり鼻での死亡事故が非常に多い。たとえ世界最強レベルのBMWでもフロントドアに時速150km/hで突っ込まれたら命の保証はできません!!ってことらしい。日本にも外国人ドライバーが増えているし、名○屋や○阪といった死亡事故率が決定的に高くて交通マナーにおいてはほぼ外国という地域もあります。日本メーカーも早くBMWを見習って、トルコンATのつながりをワンテンポ遅くする機能を内蔵した方がいいんじゃないの!?(オレの車にはいらないけど・・・)

理性を捨てろ!!もっとリビドーを感じろ!!

  3つ目の『凄ぇ』は、「エクゾーストサウンド・ジェネレーター」。ここ数年のBMWが最も力を入れているのは、ドライビング環境の質的改善です。日本メーカーは、自らの壊滅的にプアーな発想で劇的にドライビングフィールが変わると思ってんの!? インパネ素材を大理石風の樹脂に変えてオシャレにしたり、奇抜な配色でシートやトリムをデコたりするなど、全く腹の足しにもならない「マテリアル自己満足」に陥っているようですが(素材メーカーのゴリ押しに屈している!?)。BMWはその長い歴史の中で、世代を超えた多数の感性豊かなユーザーの意見を蓄積させた結果、「マテリアルに過剰な期待はできない」ということがよくわかっているようです。

BMWそれは新しい感動

  新しい感動を作る為にはどうしたらいいか!? 映画やテレビが3Dになっているのに、自動車はそのままでいいのか!?クソ真面目な日本メーカーだと「保安基準に抵触する」とかクソみたいな議論で、進化を止めてしまうようですけども、BMWにとっては「ミッション・インポッシブル」。技術的にハードル(保安基準)をクリアしたところから『バーチャル』を導入することを急がないと、どんどんクルマの魅力は失われてしまう!!そのことが日本メーカーは全くわかっていない。

スピーカーから神の吐息が聞こえてくる!!

  1つ目の『凄ぇ』と共通することですが、環境とドライビングフィールの両立を実現させる「スキーム」をどれだけたくさん開発できるか!!ってのは作る側も売る側も買う側も共通した認識なんですけども、日本メーカーはこれほど自明なファクターすら直視できずに「クルマ売れねーな」とボヤき続ける。300万円のクルマが満足に売れない(作れない)メーカーに未来はないからさっさと廃業してしまえ!! BMWは日本メーカーよりも限られた生産設備で500万円以上の平均単価のクルマを売り続け、成長し続けなければならない!!その為には車内のスピーカーから「神の吐息」を発することすら厭わない・・・だってこれこそが単純明解なブレークスルーだと確信しているから!!

  スズキやダイハツが、大幅減便を発表したJR九州の閑散区間の人々の足として役立つクルマを作っている限りではもちろん批判なんて一切ないです!!批判されるべきは・・・レ○サス、ス○ルそしてマ○ダだ!! 中途半端な価格&機能のクルマを広告費全開で売りさばくなんてやってることが『外道』過ぎる・・・。ドイツ車に対抗するとかどの口が言ってるんだコラ!!



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2017年9月24日日曜日

カーメディアはとうとう死んだのか・・・!?

いきなり引用から失礼します。

「可変ギア比ステアリングと聞くと、新型車に乗るぞ、と華やいでいた気分が暗転する。ホンダS2000に採用されていたVGSからBMWの先代E60系5シリーズを経て、メルセデス・ベンツの現行W212系Eクラス前期型と、それを飛び道具として喧伝する車種の市場が続く年月のうちに、自然に頭の中にその回路が出来上がってしまった。」
(MFI・vol91より)

  ちょっと前のレビューなので5シリーズ、Eクラスはそれぞれ先々代、先代になっています・・・なんて細かいことはどーでもよくて、ホンダ、ベンツ、BMWに喧嘩を売る一文から始まる舌鋒の鋭さ!!その内容の評価はともかく、こんな刺激的で痺れるレビューを最近では全然見かけなくなった・・・。ちなみに引用させてもらったレビューの書き手は、福野礼一郎さんと思った人もいるでしょうけど、・・・そーです沢村慎太朗さんです。

  毎月これくらいの刺激が欲しくて福野礼一郎さんの連載があるMFI、ルボラン、A-CARをせっせと買う熱心なファンもいるでしょうけども、最近の福野さんもなんだか「お茶を濁す」レビューが多くなった。最新のMFIのアウディA5レビューでも、なんだかプリウスかインプレッサを語るようなローテンション・・・これこそが「無言の鋭い舌鋒」なのかもしれないが、それならば・・・乗用車としてはプリウスと同等、スペシャルティカーとしては失格!!くらいに結論してくれればいいのに(国産車に対してはそれくらい書くのかな!?)。

  そんなにメーカーやそのブランドのファンが怖いのか!?確かに私もブログでBMWのディーゼルエンジンに苦言を呈したら、どっかのオッサンに「法的手段を講じるからな!!」と嫌がらせのコメントをもらったことがある。「エンジンがうるさい!!」って感想を述べただけじゃん!!それに日本車は平気で批判されているのに、なんでBMWだと法的手段なんだ!?

  最近では名誉毀損の意味を履き違えている奴が多い。テレビ局に勤務している人や、芸能人が、企業の癪に触る言動をしたら、広告から撤退されたり、契約を打ち切られたりする「懲罰」を、一般人の「商品評価」にまで拡大適用しちゃってます。そんな頭の中お花畑のオッサン達が働いている大企業ってヤバいよね・・・。


  福野さんの連載では、多少BMWのネガティブな面を書いたら、その2倍くらいフォローしてピリピリした読後感が残らないようにしてますね。ピリピリはしないけど読者はモヤモヤはする。沢村さんの単行本が売れるのは、読者にモヤモヤだけはさせない!!というポリシーがあるからだと思うんですよ。

  とにかく沢村さんは大風呂敷を広げる!!どっかのメーカーのわずかな仕様変更を、プレスリリースの説明をスルーしてその「本当の意図」を考えるって、相当なクルマ好きならやっていると思いますが、そんな「考えるクルマ趣味」の最も優秀な講師が沢村さんです。福野さんも本来は読者を置いてきぼりにするくらいの大風呂敷を得意技にしているんですけども、3つの連載はもう完全に日和ってますね・・・。

  カーメディア全体が『センセーショナルな古典的』レビューを避けているんでしょうか。広告主の意向を受けて説明レビューを書くだけならば、雑誌媒体で読者からカネを取るビジネスモデルには無理があるんじゃないの!?業界ナンバー1のベストカーは水野さんと契約するなど、必死に「価値」を保とうとしてますけども、「オートカー」のようにフリーペーパーか情報サイトになるのも必然の流れなのかも。




  また一方では、沢村さんのような難解なレビューは、ハードルが高すぎて多くの読者に伝わらないから、もっとわかりやすく書け!!って指令がライターへ飛んでいるのかも!?例えば最近のK沢さんのレビューは、「ザックスのサスだから乗り心地がいい!!」「国産のサスだからイマイチ!!」というAIでも書けそうなレベルのチョロいルーティンだけでレビュー書いてます。これはレビューという名の「ステマ」っていうんじゃないの!?

  カーメディアもカーメーカーも「小粒」になってきたかな〜・・・。『えーそんなことを考えてたの!?』という、誰も考えなかったようなスケールの大きな展望を描くライターもいなければ、中長期的に「歴史に名を残すクルマを作ろう!!」というメーカーも・・・ほとんどない!?

  最後に個人的な意見ではありますけども、「ポルシェとマツダ以外はもう要らない!!」ここ10年ぐらいその想いをだんだん強くしてきました。自動車生産がこの世から終わる最後に生き残るのはこの2つのメーカーであってほしい。そのためにもその両社に見合ったスケールを持つカーメディアが必要じゃないか!?



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↓福野さんが「神がかって」いた頃の名著




2017年9月3日日曜日

沢村慎太朗著「午前零時の自動車評論13」

 

  沢村さんは相変わらずの通常運転なんでしょうけども、読み手が頭に描いている自動車業界の概観をあっさりと変えてしまうくらいの「深さ」がありますねー。このライターの鋭い面が如実に現れた1冊だと思います。

  カーメディアとは、実際にどれくらいユーザーに影響を与えるものなのだろうか!? 例えば「カーアンドドライバー」という定番の自動車雑誌は、それほどアクの強くない良識派の自動車ライターを動員して毎月20台前後のレビューを掲載しています。読んでもそれほど印象に残ることはないですけどねー。この雑誌の味噌は、レビューではなく国内外の自動車業界に起こる出来事を淡々を解説するコーナーが充実している点で、他のカーメディアとは一線を画した「業界新聞」的な雑誌として安定した人気を誇っています(日経的な視点なので純粋なクルマ好きにはあまり響かないかも)。

  それとは真逆の「ゴシップ」雑誌のアプローチで発行部数を維持しているのが「ベストカー」で、こちらの方が寝ても覚めても「クルマ」という人種にとっては読んでいて心地がいいかも。とにかく書いてある内容が表面的で薄っぺらいので頭を使わないでスラスラ読める。またカーアンドドライバーがあらゆるブランドに対してフェアーな姿勢を貫くのに対して、ベストカーでは徹底して「フィルター」をかけ、これによって自動車業界を『ヒーロー&ヒール』に区分してエンターテイメントに仕上げています。一言余計なことを付け加えると、その『区分』が還暦のオッサンたちの脳裏に淀んでいるノスタルジーに塗れているので・・・読んでるだけで寒気がする。

  沢村さんの評論の素晴らしいところは、「カーアンドドライバー」の健全でワールドワイドな視点を常に念頭に置きつつも、「ベストカー」のように、複雑な自動車業界を「単純化」してわかりやすくエンターテイメントに仕上げる強引さも持ち合わせているところです。カーアンドドライバーのように「為になるけどつまらない」とか、ベストカーのように「笑えるけど薄っぺらい」とか、そんな中途半端なジャーナリズムでは満足できなくなってしまった末期的な人にはオススメです。




  自動車のジャーナリズムってのはもちろんどんな読み手を想定しているかによって、大きく変わるものですが、沢村さんがその『本気』とやらを届けたいコアな層ってのは、もはやリアルな私生活では、殻に閉じこもった存在なんじゃないかと思います。クルマへの憧れと理想像を捨てないで持ち続ける・・・そんな情熱を内側に灯しつつも、周囲にはそんなそぶりは見せない。もはや日本市場で販売されるクルマの99%は自分の理想とは程遠い存在に過ぎない。そしてベストカーを読んでK沢さんのレビューに同調してクルマに熱くなっている輩は・・・もちろん軽蔑。

  週末の早朝や深夜に近隣のワインディングに繰り出して、いくらか自分の理想を具現化できている(納得できる)愛車を転がして、その絶妙なフィールを絶えず追求しつつも、「この前乗ったレ◯サスのアクセルフィールはカスだったなー」とか余計なことを思い出します。・・・そんな世捨て人はどんなクルマに乗っているのか!?

  P10プリメーラ、S13~15シルビア、RX7FD3S、RX8、Z33、Z34、スイスポ、GGアテンザ、GHアテンザ、BLアクセラ、NA~NDロードスター、S2000、FTO、インテR、シビックR、アコードR、86/BRZあとはE46、406、407、156、159、ブレラ、147くらいですかねー。もちろんポルシェ、ロータスってのもありかも。

  調子に乗って列挙し過ぎましたけども、『AWDターボ』というフィールも何もすっ飛ばして速さを強調するマシンはスルーして、『日本的なRWDスポーツカー』と2000年頃に華開いた日本のハイソカーとドイツのGTセダンが合体したような、手頃なサイズで、車体感覚がつかめて色々な走り方ができる、『王道スポーツセダン/クーペ』の2種類です。

  「この頃のクルマは良かったなー」とかいう単なる回顧趣味ではないですよ。P10作った水野さんや、GG作った金井さんが、日本メーカーのプライドにかけて「世界最良」のクルマを作る!!と力強く語っていた・・・そんなひたすらにカーガイの「情熱」がクルマを育んだ時代は、もう完全に終わったんじゃないか!?・・・そんな自らが点てた仮説を、沢村さんの科学的なレビューを読むことで、ある種の『確認作業』ができるわけです。

  上にあげたような一時代前のクルマは、カーアンドドライバーではすでに振り返ることもないですし、ベストカーに至っては相変わらずに「欧州車の真似」「欧州車の下位互換」という安易な結論で終わらせるんですわ・・・。読者のために単純化しているんだろうけど、1日かけてドイツブランドを全部回ったって、理想に近いクルマには会えないのもまた事実なんだよなー。

  ドイツ車も日本車もダメ・・・という今の流れはどこかの時点で変わってくれるはず。アルファロメオ・ジュリアとシビックtypeRがいよいよ発売になったし。来年にはポルシェのより手頃なサイズの4ドアスポーティセダンが登場するとの情報も。感覚的にはどれが本物で偽物か、薄々はわかるんですけども、カーアンドドライバーにその答えを求めるのは酷ですし、ベストカーは相変わらずF30系が「ベストカー」だとかいうミスリードをしてますし、変化の時代だからこそ沢村さんの「感性」にまだまだすがりたくなるんですわ・・・。次も楽しみにしています。




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2016年8月22日月曜日

沢村慎太朗氏の新刊「午前零時の自動車評論11」

  3ヶ月に1度くらいのペースで刊行されているこのシリーズも11冊目になりました。「クルマを本質的に語ることができなくなったカーメディア」「クルマの本質に興味を持たなくなったユーザー」が多くなって、「出版不況」「活字離れ」が叫ばれている中で、クルマの写真をただの1枚も挿入することなく、ただただ文章だけでクルマを語り尽くすスタイルで本シリーズが刊行され続けること自体がとても素晴らしいことに感じます。

  今回はシリーズ最高といっていいくらいのラインナップで沢村節炸裂の「珠玉の10本」が収録されてます。最近の沢村さんの本の全般に言えることですが、とりあえずBMWの信者は読まない方がいい(笑)。つーかBMWの信者ってのは、BMWが好きな若い女性からの好感度が上がる(と錯覚できる)以外にこのブランドに本当にメリットを感じているのだろうか? なんて余計なコトを考えてしまうほどに、F30系3erなどにクルマとして「卓越」した要素を全く感じなくなりました。そんな「疑心暗鬼」な我々に示唆を与えてくれるかのように、沢村さんが「アルピナが分らせてくれたこと」で過激なまでにボコボコにしております(鵜呑みにすべきでもないですけど)。

  ちょっと衝撃的だったのが、最近のBMWは日本仕様だけが悪いんじゃない、ドイツで販売されているBMWからしてすでにかなりダメなんだ!!と高らかと宣言したことです。もしかしたら?という気もしましたが、やはり実際に断言されると、改めて「えーマジっすか!?」と絶句してしまいます。まあBMWが、クラウンのような静粛性とスカイラインのようなハイテクかつ手練な乗り味を前面に出してきても不気味ですけど・・・。

  BMWだけでなく、返す刀でVWパサートもボッコボコです。大きくなり過ぎてさすがに日本じゃ完全に無視されるようになった新型パサートですから、何もいまさら挙げ足取りをしなくてもいいじゃん。まるで「死体にムチ打つ」かのような猟奇的テクストになってます。アテンザ、ティアナといった日本勢と比べるまでもなく、小型車みたいにエンジン音がうるせーって、日本車が静か過ぎるだけだと思うけどねー。けどウルサイくせに走らないデカいだけのセダンなんて興味ないなー。

  三菱並みのクソメーカーだということが一気に判明したVW。まともにクルマが作れなくなったBMWとメルセデス。一体いつからドイツ自動車産業はここまで崩壊してしまったのか?そんなガラにも無い高尚なことを考えさせられる1冊です。素人考えでは、ミニを買収して本体のBMWにもその企画を持ち込んでしまったこと。フォードの技術をパクリ、スズキにM&Aを仕掛けるなどして、借り物のパッケージを『偽装』でド派手に包み込んだVW。さらに三菱車を使ってスマートブランドを作り、そのFF車技術をメルセデス本体の販売拡大にも活用してしまったこと。

  総じて言えば、クルマ自体は日本のコンパクトカー程度にはマトモですけども、ドイツ車にそういうものを求めているわけじゃない。ドイツブランドが必ずしも悪いわけじゃない!ということは分っているんですが、イメージをあっさり裏切られた代償はデカいと思いますよ。いつまでも日本のクルマ音痴が盲目的にブランド名だけで買い続けると思ったら大間違いですけどね・・・。しかし最近では日本車なみに安くなってんだよなードイツ車は。

  最後にドイツブランドの名誉のためにも付け加えておくと、やや最近の沢村作品にはドイツメーカーに対する理解が不足していると見受けられる部分もあります。たとえばシングルターボのアルピナD5は欧州では発売されてないみたいですし・・・。そして何より沢村さんの舌鋒が目指しているのはドイツブランドそのものではなくて、それらのクルマを盲信する清水和夫氏とか、岡崎宏司氏とか、両角岳彦氏といった生粋のクルマ音痴ライターに対して向けられているんですよね。しばしば彼らをまとめて「日本のメディアの悪い癖」などと糾弾します(どーしようもない大人だな)。つまりドイツ車がどうこうではなくて、メディア人同士の内ゲバなんですね・・・。


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2016年4月16日土曜日

沢村慎太朗氏の新刊「自動車問答」

  筆者は自動車ユーザーを勇気づけようと思っているかもしれないが、ただひたすらにクルマ「初心者」を恫喝する本になってる・・・。もちろん沢村さんが想定する読者像があるでしょうけど、今回はあまりにも内容がスパルタンで刺激的です。いや間違えました!毎度この人はスパルタンなんですけども、今回は「初心者」に門戸を開くといった意図もあるはず!!!読者の裾野を広げよう!!!つまり「メルセデスAクラス」みたいな位置づけなのに・・・相変わらずのスパルタンですから。これじゃあ「クルマはやめとこう!」という常識的な判断されちゃいますね・・・。

  帯には「クルマの見方が360度変わる」とか書いてありましたけど、実際のところ変わったのはせいぜい30度くらいですかね。読み終わって改めて思い知らされたのは、深夜に良く知られた走り屋のルートに物見遊山で出かけることはほぼ自殺行為だということ。それから、不用意に大型のクルマを追い抜くと因縁を付けられて面倒になるということ。クルマ好きでこれまでもそこそこ走っていれば、どちらも嫌というほど経験済みなことだと思います。ひとたび経験すると、とても後味が悪いのでそのあとしばらくクルマ乗るのを控えちゃったりします。わざわざお金払った本でそんな嫌な経験を思い出させてくれるってのは・・・、とっても読後感が悪い。

  そもそも誌面ではフェラーリ328くらいしか1990年代以降のクルマの所有を明かさない沢村さんが、スイフトとか、アルファ155とか乗っている「現役」にやたらとすり寄ってアドバイスなどしているのは、どうもイメージが壊れるんですよね。レビューではプロ意識貫徹の冷徹主義・辛口批評が昂じるあまりに敵の人間性まで否定しかねない危ない人なんですど、実際のところリアルでは人間味あふれる好々爺なんでしょうね。そしてこの作品は完全に「日常・リアル」側の沢村さんが書いてます。

  「午前零時」ではバブル期にトヨタや日産が開発した様々な創意工夫あふれる機構を、ライセンス(特許)が切れた頃にポルシェやフェラーリあるいはドイツメーカーが採用している!という「言ってはいけない本当のこと」を炸裂させて、自動車評論界の「パンドラの箱」を自らぶちまけておきながら、今回は言っていることが全く逆です。レクサスはアウディのDWB方式サスをパクった(単にクラウンと同じ設計だっただけでは?)と書いてみたり、レクサスや日産はBMWの4WSをパクったなどなど、これまでの読者からしてみたらどれも・・・唖然。

  さらに勢い余ってどでかい花火を打ち上げてしまいたくなったのか、「S660はボッシュが作った!」とまで言い切ります。まさにメード・イン・ジャパンのスポーツカーとしてここ数年の間にやたらと盛り上がていた人々を奈落の底へつき落とす悪魔の一言(調子に乗っている人を攻撃するのが沢村節ですけど・・・)。まあ最近はやたらと輸入車ブランドが元気ないですからね。VWやアウディは二桁減が続き、メルセデスもいよいよ勢いに陰りが・・・。世界的には躍進しているジャガーやボルボの衝撃が日本市場にはさっぱり伝わらず・・・。

  この寂しい状況を鑑みれば、沢村さんの今回の意図もわからなくはないです。どうせこれまでさんざんに「輸入車神話」に躍らされてきた日本のアホ過ぎるクルマ好きが相手ですから、ちょっとした「歪曲」を含んだところで、なんら「罪」にはならないはず。そもそも世界の自動車産業なんてどこも「玉虫色」ですよ!国内生産を維持する!と宣言しているトヨタやマツダは立派ですから、この2メーカーの足を引っ張らなければ、どう書いてもかまわないよ〜・・・ってことか。たしかに。

  「BMWのすべて」ですっかりアンチ沢村になったビマーのみなさまは、ぜひこの本を読んで機嫌を直してほしいですね。

レクサスや日産はしょせんはBMWのパクリでしかないですよ〜・・・。
アイシンAWのミッションもZF8ATのパクリ。
もちろん「Fスポ」は「Mスポ」のパクリで、「RC-F」は「M4」の足元にも及びません。RC-Fはエンジンが非常に重くて重量バランスも悪いです。
それに比べてM4は軽量化と重量バランスが理想的です。
M4はゼロヨンも0-100km/hもRC-Fを圧倒しています。
シートやハンドリングもやっぱりM4の方が上!!!
RC-Fの方がいい!とか言っている輩は、愛知県の回し者だ!
V8こそが男のクルマと考えるイカレタ経済感覚のアメリカ人。
V8だからといっても走りに高級感なんてまるでないです。
クルマの高級感は排気量ではなくてサス剛性で作るものだよ!
それがレクサスはわかってない!
日本車もわかってない!アメリカ車もわかってない!
BMWの良さがわからないアホはクルマを語るな!!!  

まあ要約するとこんな内容ですね(笑)
注意!!!最後の要約はあくまでHIROBEEの偏見による「まとめ」です!!!
購入に際してはアマゾンレビューなどをよくチェックすることをオススメします!!!
もし万が一これを読んで「死にたくなっても」当方は一切の責任を追いません!!!

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2016年1月31日日曜日

日産を批判するジジイどもを焼きつくす!「NISSANのすべて」

  ちょっと不謹慎で支離滅裂なタイトルでほんとに申し訳ないです。沢村ファンなら誰もが楽しみにしているシリーズの最新作である「NISSANのすべて」(三栄書房)が届きました!恐る恐るページをめくると「原稿・◯◯◯◯ / 沢村慎太朗」のクレジットが!!!これは期待できるぞ!と最初からページを飛ばしてコラムのページを探しました〜!!!。(◯◯◯◯さんはドライバーで日産をボコボコに批判していた提灯野郎です!どの面下げて書いているんだろう・・・という別の興味も)

  ちなみにこのシリーズの既刊ですが、「メルセデス」は沢村さんが不参加の駄作で、絶対に買ってはいけないレベルのクソです(小沢コージ氏のファンならば・・・)。
「スバル」と「MAZDA」の2作では、故人となった川上完さんが主筆を務めていて、そこに沢村さんがコラムで花を添える豪華な競演が実現しています。さすがに「日本のクルマ文化の良心」である川上さんがメインのムックで、物議を醸すような大暴れすることは憚られたようで、沢村節はやや控えめです(それでもどちらもいいこと書いてます!)。
「ポルシェ」と「ジャガー」にも参加。ポルシェでは主筆級の大活躍ですが、沢村さんにとってポルシェは最も得意なブランドであり、テキストもたくさんあるので、なんだかどっかの沢村作品で読んだことがある話の詰め合わせ感があります。ジャガーは全編で内容がショボい駄作ですけど、その中でも沢村さんのデザイン論は一筋の光明です。

  そして最大の問題作が「BMW」でしょうか。あまりの衝撃的な展開に大興奮のまま読み終えて、その15分後にはブログ記事を1本書き上げていました(「BMWのすべて」で沢村慎太朗氏が大暴れ!これはヤバい!)。内容に関してはそちらを読んでみてください。

  さて今回発売された「NISSAN」ですが、これはもう沢村三部作として「ポルシェ」「BMW」「NISSAN」を並び讃えられることが出来そうなほどに素晴らしい!非常に強烈なメッセージのコラムが収録されています。この三部作を通じて沢村さんは何を発信したかったのか?・・・それこそが冒頭のタイトルにあるような「殺戮」的なメッセージだと思うのです。

(1)日本では神話化してしまった感がある「ポルシェ」を「スズキ」か「ダイハツ」のように身近に感じることができるテキストはさすが!この人にしか書けないのでは?

(2)2000年代以降の「BMW」の実像(駄作ぞろい!)を冷徹に開示し、虚構に生きている悲しいBMWファンを容赦なく虐殺!

(3)2000年代以降の「日産」を認めようとしないスカイラインGT-R世代を墓場に葬る・・・「バカにはR35の良さはわからない!」「スポーツカーとしては、997ターボに完全勝利!」と断言。さらに返す刀で、日本車を小バカにする輸入車ユーザーに強烈な一撃。「オマエのBMWは完全に日産のパクリだ!」という持論を展開。これ読んだら恥ずかしくなってBMWを売りに行く人が出てきそうだ。

  沢村さんは著書で、「私怨か?」と思うほどにメインストリームで仕事を続けるライターをディスります。今や大手のカーメディアは、単行本も出せないくらいの「能無し」ライターが下らない提灯記事を書いてメーカーからお小遣いをもらう場所に成り果てています。連載で読者を連れて来れて、単行本も出している「自分の世界を持つ」ライターなんて、川上さん・徳大寺さんが亡くなってから、福野・下野・森・沢村といった面々が残るだけです。メーカーや雑誌のコネで本出している人もいるようですが・・・。

  確かに福野・下野(かばた)・森・沢村の「四天王」の文章は断然に面白い!それ以外の連中(国沢・島下・石井など)と何が違うのか? 分析してみると、一般的なユーザーの視点(世論)とはだいぶ立ち位置が違っているけど、そんな自分が正しいと信じる名車の定義をブレないで適用してテキストを書いている印象です。国沢・島下・石井の3名(ほか多数)は自分の価値基準を完全に想定している読者に合わせている印象が・・・。その結果、ヤフーニュースのコメント欄からネタを集めた?かのようなテキストが、カートップ、ベストカー、ドライバー、ニューモデルマガジンXなどの廉価雑誌には満載されてます(お金の無駄)。

  BMWやポルシェは日本メーカーにとって永遠の憧れ・・・といった狂ったイメージが、クルマに興味が無い人にまでも共有されています。そんなマヌケな世論を形成してしまったのは、彼ら無能ライターの仕事ではなくて、それ以前のバブルの価値観なんだと思いますけど、そんな25年も前の感覚がそのまま!という恐るべき次元のライターが多いんですよ。日本メーカーがBMWやポルシェを追ったら、ことごとく潰れてしまうでしょう。

  沢村さんは「NISSANのすべて」でR35は完全に997ターボを超越したと断言しました。その後ポルシェは目を覚まして再び速いクルマを作ろうとしましたが、後継となった現行の991ターボは発売直後にどういうことになったか?ご存知の人も多いでしょう。もはやポルシェには日産に追従する実力なんて無いのかもしれません。日産がポルシェを追い越した?いやいや25年前から日産はポルシェの前を走っていました・・・。今も昔もポルシェは日産には勝てません!だから・・・カイエンやマカンは街中で決してエクストレイルの前に割り込んではいけません(笑)!

  BMWはどうか? 2001年頃までは「BMW M5」といえば特別なオーラを放っていました。けれどもそれももう15年前の話です。日産がフーガを作ってからというもの、5シリーズの「高級車」としての存在意義はすっかり無くなりました。フーガの発売から10年が経過・・・今では5シリーズは直4ターボでフーガよりも燃費を稼ぐクルマに堕ちました。ドライバビリティに関してはフーガも5シリーズもそれぞれに良さがあって互角なんですけど、静音性・快適性をシビアに査定するとことごとくフーガに軍配が・・・。

  実際にユーザーレベルでの評価を見ても、フーガと5シリーズでは、フーガがやや優勢なのは動かないですね。もちろん5シリーズが好き!っていう意見もよくわかります(車高とか)。沢村さんは近年のBMW車に対して手厳しいですけど、決してBMWが悪いというわけではなくて、日産があまりにも優秀すぎるのだと思います。アメリカでは5シリーズもフーガも50000ドル〜でほぼ同じ価格設定なんですけど、日本では日産が安く買えるという点が大きいです。

  ちょっと話がヘンな方向になりましたが、沢村三部作に話を戻すと、日本人(ジジイ)の「ドイツ車偏重主義」に冷や水を浴びさせるだけのパンチ力(説得力)を持った、沢村プロパガンダの中核的な作品になったと思いますね。多くの人に沢村さんのテキストが読まれれば、日本にはもっと良いクルマ文化が到来する!なんて「頭の中がお花畑」なことを言うつもりはないですけども、自らの感覚を信じて日産車を選んだ人が「ならず者」によって無用な中傷を受けることが減ればいいですね・・・。

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↓おすすめの沢村・三部作(BMWユーザーは読まないのが無難です・・・)

2016年1月7日木曜日

沢村慎太朗「午前零時の自動車評論10」

  シリーズ10作目となる沢村評論シリーズが年末に発売されましたので、今回はその「感想」を書いてみたいと思います。なにより初心者にはなかなか近付き難い沢村ワールド全開の評論ですから、これまでの9冊は手に入れるとまずは目次を一瞥して、興味深い車種を取り上げている項から読みはじめるのが常でした。それでもあまりの難解さに頭がクラクラしてきて3編くらいを読んだら休憩。そしてそのまま残りは翌日以降へ・・・がこれまでの過去9作だったのですが、今回は初めてノンストップで始めから終わりまで一気に読み終えました。冒頭からとりあえず読みたくなる「VW問題」だったこともありますが、その後も「ルーテシアRS」「300km/hのスーパーカーの真実」「NDロードスター」「映画とポルシェ」「ケータハム」「ジャガーFタイプ」と今回はやたらとコンテンポラリーなテーマが続いています。

  沢村さんの本で一番キツいのが、ゼネレーションギャップがもろに出て意味がわからない1970年代80年代の回顧談ですが、それに出くわすこともなく終盤まで進みます、気がつけば残り2章だけ。そしてここで珠玉の傑作ストーリーが登場して「1700円払った甲斐があった」「最高傑作か?」と率直に思える非常に巧みな構成になっています。しかしここまで「読みやすい」ということは、沢村さんの評論が本来持ち合わせている「灰汁」的な要素が少ないのかなということかもしれません。しかし素人がチンプンカンプンになるような技術論が抜け落ちているということでもなく、また安易に結論が見抜かれてしまうような捻り不足な不始末なども一切ありません・・・相変わらずの「芸術的評論」っぷりが炸裂しています。何がいつもと違うのか?

  とりあえずちょっぴり気になったのが、何が気に入らないのか・・・庶民が嗜むスポーツモデルであるはずのルーテシアRSとNDロードスターを容赦なく「抉り」ます。200万円台の良心的なモデルに牙を剥くことには、沢村さんもさすがに躊躇いがあったでしょうけども、世間で言われているような「傑作車」には程遠いですよ!と大衆の目を覚まさせたいという意図が強かったようです。しっかし、間違えてこの本を読んじゃった人はどちらも買わなくなるよな・・・。「911とロードスター以外は邪道!」と言い放っている人ですから、これにはマツダ関係者も困惑するでしょうね。全面的にターボ化する911に今後どういう評価が下るのかわかりませんけども、間違いなく沢村理論による「ピュアスポーツの絶滅」に近づいているのだと思われます。

  そうかと思えば、ケータハム・スーパーセブンとジャガーFタイプの2台を立て続けに紛れもない「本物」だと絶賛します・・・なんだこのエゲツナイ展開は。相手がフェラーリだろうがBMWだろうが容赦ない切り口で一刀両断にしてきた「明快」な沢村評論が、予想外の「二枚腰」を見せてくるとは。しかし「明快」さと同時に、他の凡百の評論家には絶対に書けないようなマイナー車の隠れた良さを最大限に褒め上げたり、逆に大絶賛されているモデルを完膚なきまでに叩きのめす「カウンター」こそが沢村さんの真骨頂ですからね・・・。NDロードスターを絶賛する企画が相次いだ2015年の自動車雑誌への当てこすりなようです(マツダよ!広告費使い過ぎだ!)。

  しかし一通り読み終えてみて、読む前から漫然とNDロードスターにもルーテシアRSにも関心が低かった自分の内面が見透かされたような気がして薄ら寒い感覚になりましたね。結局は自分のクルマ観も「カウンター」的な要素に大きく影響を受けていて、ロードスターの特集記事をどこか冷めた目で眺めてきたこの1年間をふと思い出しました。マツダのディーラーに顔を出しても、展示スペースの目の前を素通り出来てしまう程度の引きの弱さ・・・。フェラーリの傑作デザインといえる現行カルフォルニアTに似せたようなテールの作りなんかいいと思いますけど、どう逆立ちしてもロードスターはカルフォルニアTにはなれません。

  さてこのシリーズ10作目ですが、最初の「VW問題」と最後の「トヨタ燃料電池」の話以外はすべてスポーツモデルの話ばかりです。VWやトヨタの話もそうですが、全編にわたって「クルマと付き合うのはなかなか厄介」というリアリティだけがひたすらに通り抜けていきます。この本を読んだからといってどの特定のクルマが欲しい!という気分にはならないでしょうし、みんなでロードスターを日本COTYに選んで「世界に誇れるクルマ」と自己満足するだけの過渡期といえる時期に慌ててクルマを買う必要なんてないんだよ・・・という沢村さんの偽りの無いメッセージが非常に親切に感じました。

  それとラストの一つ前に収録されている「六匹目の毒蝮」という話がとっても楽しいです。大物ジャズピアニストのハービー=ハンコックのストーリーですが、マイルス=デイビス自叙伝にも一切触れられていない、ジャズメンとクルマに関する非常に心温まるいい話でした!!! クルマだけをストイックに紐解いていると、突如として虚しい気分になったりするわけですが、映画であれ、ジャズであれ、ある種のカルチャーと見事にシンクロしたクルマを見つけて、その世界観を楽しむことがクルマと上手く付き合うコツですよ・・・とでも言いたげなシリーズ10作目でした。オススメです!

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2015年6月15日月曜日

「BMWのすべて」で沢村慎太朗氏が大暴れ!これはヤバい!

  三栄書房から「BMWのすべて」というムックが発売されました。「◯◯のすべて」という名称はこの出版社のいろいろなシリーズで使われているのですが、去年あたりから展開されていて、既に「マツダのすべて」「スバルのすべて」「ポルシェのすべて」「メルセデスのすべて」「フェラーリのすべて」などクルマ好きから支持を集めているメーカーにスポットを当てた「名車アーカイブ」シリーズは、他の三栄書房のシリーズよりも編集に力が入っているようで、非常にお買い得感があります。

  そんな「名車アーカイブ・シリーズ」の最新号としていよいよ「BMWのすべて」が出たわけですが、今回も全く期待に違わぬ内容でして、特に目立っていたのが、3本も織り込まれていた奇才・沢村慎太朗氏のコラムです。たびたびブログで取り上げさせてもらっているのですが、このライターはこの10年余りのBMWのクルマについてかなり厳しい意見を発信しておられます。自身のメルマガを再編集した著書シリーズ「午前零時の自動車評論」では、80,90年代のBMWに関してはしばしば「自動車作りの模範」として引用されますが、一方で2000年以降のBMWに関しては、ほぼ90%以上の割合でその陳腐化したクルマ作りに対して強烈な批判を繰り返し加えています。

  最新作の第9巻でも、「名ばかりのMは道をあける」というタイトルで、BMWの真髄が詰まったはずの「M」のコンプリートカーをボコボコに批判しています。この人の文章は豊富な知識と優れたレトリックを楽しむなかで、あまり顕在化しないですが「結論ありき」として書かれることが非常に多いです(作家はこうあるべきですけど)。そしてその結論とはズバリ「M3/M4とM5/M6以外は存在価値無し!」で、見事なまでにハッキリ言い切ってしまっています(あらま・・・)。第1巻の「BMWの懺悔」からしてかなり強烈で、要約すると「2000年代のBMWはただの直線番長に堕ちた・・・E60系、E87系、E90系はもはやBMWですらない! けどF01系、F10系で考えを改めたようだ。」(F30系の発売前の原稿)といったものです。こんなえげつないことをハッキリと言ってしまうライターを「BMWのすべて」に登用する三栄書房の意図はいったい・・・。

  沢村さんは「AUTOCAR」や「モーターファンイラストレーティッド」でも事あるごとに「BMWの凋落」を皮肉たっぷりに語っていますが、やはり最もBMWファンの神経を逆撫でしてきたのが、「足がフニャフニャで酷いハンドリング」を持つF30系への痛烈な批判だと思います。そんな破天荒なライターが、改めて「BMW」の歩みを記録するマイルストーン的なムックで一体何を語るのか? と思いきや、やっぱりこの人はブレません・・・。

  1本目の「320d試乗記」では、「アクセルフィールが・・・(悪い!クソ!)」「ディーゼル音が・・・(ウルサ過ぎて死ねる!)」「燃費が・・・(高速では期待できるが、街中ではHVの半分もいかない、このクルマで燃費自慢するヤツはアホ!)」とアホには読み取れない見事な暗喩に覆われていますが、極論すると「完全否定モード」です(これで褒められていると感じる人はいないだろう・・・)。さらに強烈なのが「ランフラットの酷いフィールを補うために、ブッシュがたっぷり入ってる!(その結果ハンドリングが相当に緩い)」でして、これには嬉々としてこのムックを買ったBMW好きが不憫でなりません。これを読んだら激高するあるいは失望してすぐに見積もりに出し始めるかもしれません。

  ブッシュがたくさん入っている!ってトヨタの「カムリ」や「サイ」のユーザーならば割と素直に喜んでくれると思いますが、BMW、マツダ、スバル辺りのユーザーには逆効果ですね。特にBMW好きは日本のセダンでは味わえないものを求めてE90/F30系あるいはE60/F10系を無理してまで買ったのに、「オマエらのクルマは平均的な日本車と同じ」と面と向かって言われているわけです。確かにF30系の乗り味はいよいよトヨタ・プレミオみたいな雰囲気に収束しつつあって、BMWに乗っているという高揚感なんてほとんど無いですけどね。

  2本目は「M3/M4の紹介」です。この2モデルに関しては沢村さんは肯定的なことを書いてきているのでまあ安心して読めます。まるで「名ばかりのMは道をあける」の焼き直しのような文章なんですが、今回はさらにエンジンについても細かく教えてくれます。専用エンジンの「直6ツインターボ」の素性を高く評価するところまではいいのですが、BMWのベースモデルのユーザーは、すでに沢村さんのタコ殴りで全身傷だらけなのに、さらに傷口に塩を塗込むような苛烈さで首を絞められます。「オマエらが大事にしてるBMWなんて直4も直6も平凡でしかない!」みたいなほぼ悪意しか感じられない恐ろしい内容です・・・。F10系の直6なんて900万円もするのに!くそ!

  3本目は「E60系のデザイナー・アルカンジュリの物語」です。まずこの天才デザイナーの仕事についてあれこれと専門のスーパーカー分野に踏み込んで説明してくれます。ピニンファリーナ時代の代表作「360モデナ」の当初のデザインは凄みを感じる美しさだったのだけど、知性と美的感覚が欠如していたフェラーリのCEOによってデザイン変更が強制された結果、「太ったNSX」になってしまったという逸話。それからBMWの暗黒時代(バングル時代)の中で作られたクルマのデザインは、どれもほぼ「出オチ」で、今ではどれも「祭りのあと」のような残念な腐敗臭を出しているけど、アルカンジュリのE60セダンだけは、トランク回りの曲線に気品を感じるといったお話です。E60セダンのユーザーだけはマトモって事か?

  要約すると「E87系、F20系、E90系、F30系、E60系(セダンを除く)、F10系、E65系、F01系 バングル期のBMWは全部ダサい!」という主旨のようです。マジか・・・E63の6シリーズのリアデザインは結構好きだったのにな。BMWが大好きな人は沢村ページだけ糊付けしてしまって開かないようにすればいいでしょう。他のページは図鑑のようによくまとまっていますよ! BMWが嫌いな人は本屋で一度立ち読みして貰えば、笑って一時が過ごせるんじゃないですかね。

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2014年8月28日木曜日

メルセデスCLA250・・・いよいよ始まった"本音"でフルボッコ!!!

  いや〜ビックリしましたね。今月号(2014年10月号)の「オートカー」ですが、「英国車特集」としておきながら、最大の読みどころは後半に付いている「メルセデス特集」でした。まずは新型Cクラスのドライビング=インプレッションから始まります。もうすでに他の雑誌で少なくとも5本以上のインプレを読んでいて、どの1本も印象に残っていない「薄味」ばかりだったので今回も全く期待していませんでした。それが読んでビックリ!で新型Cクラスを見事なまでに「文脈」で分析していて、「良い点」と「悪い点」がとてもわかりやすく描かれています。ライターもここまで自信持って言い切るからには、相当に確信めいた感触が得られたのでしょうけど、それにしてもこの独特の文体を使うのライターは・・・もしや?。そうです突如としてオートカーに降臨した沢村慎太朗さんでした。

  発売直後の雑誌なのであまり詳しい内容を書く事は避けますが、とりあえず新型Cクラスのインプレを読んだ素直な感想としては、「運転下手くそな自分には合っているのかもしれないけど、とりあえずいらね〜・・・」といったところでしょうか。沢村さんが言わんとしていることを、私なりに解釈(曲解)すると「メルセデスはデカいのだけ作ってればいい」みたいなところですね。中型車は日産あたりからOEMすればいい話です。それを金儲け主義のルノーとメルセデスがビジネスライクに協議してしまった結果、コストがかからない方の「メルセデス設計」に統一しようなんてことになってしまうんですね。さよなら日本製スカイライン。

  沢村さんのインプレですが、今回もとても納得できます。レクサスISやスカイラインと同じサス形式にグレードアップした効果!なんて素人っぽい事など一切触れずに、3シリーズを軽く上回る旋回時のアジリティの進化は「本物だ!」と力説しておられました。でもそこ(3のコーナーリング)はすでにレクサスのFスポでも通過したものであり、BMWよりも金(コスト)かければそれだけいいものが作れるといった程度の話にも聴こえます。そもそも「プレミアムブランド」としてのまともな意識があるならば、沢村さんに間違っても「論外」「落第」なんて言われないように頑張らねばいけないと思います。結果として今回もメルセデスを信じて購入したユーザーが大恥をかかされてるわけですから、もうちょっとしっかり作ってあげて欲しいと思います。もっとも1000万円以下のモデルのユーザーのことなどまったく関知しないのがプレミアムブランドってものなのかもしれないですが・・・。

  さてさらに「沢村ワールド」全開だったのが、Cクラスインプレに続く、C180とCLA250の比較記事です。これまた凄い!!!というかヤバい!!!・・・完全にメルセデスに喧嘩売ってます!ターゲットはもちろん「世紀のガラクタ」CLA250です。去年の発売以来このクルマは予想以上に反響が大きいと報じられる以外は、主だった評論家はコメントを避ける傾向にありました。まあこの微妙な反応の時点でクルマの出来は推して知るべしなわけですが、私のような素人でも乗ったら乗ったで一言言わないと気が済まなくなるほどで、これが400万円!?クレイジーすぎる!!!と失礼極まりない感想を持ってしまいました。まあでもゴルフやらアクセラやらやたらと優等生ぶったクルマばかりが脚光を浴びる中で、こういう「ふざけたクルマ」もあってもいいのかも・・・と広い心で接してあげたいです。どんなクルマにだって短所はあるでしょうし、どんなに酷いクルマだったとしても、結局はそれを選ぶ人の人間性の問題なのですから。

  それにしてもCLAに関しては疑問点がたくさんありました・・・まずは「なんでそんなに酷いデザインなの?」(笑)。デザインは個人の主観もありますから看過するにしても、ほかにもいっぱいあるんですよね。結局のところ「どう使っていいかわからん!」と思ってしまいます。これだけベストなサイズなのにもかかわらず他の全てがダメ過ぎます。その辺の「へなちょこ具合」について沢村さんが今回の記事で実に見事なまでに科学的に問題定義してくださっています。本音を言うとちょっと違う印象の部分もありましたが、総じて不満に感じるところは同じだったですね。これは「グランドツアラー」ではなく「モデルカー」であり、デザインが気に入ったら家の前に飾っておくクルマなんですかね。私のようにデザインがダサいと思ってしまった人にとっては「税金がかかる粗大ごみ」でしかありません。

  そんなに気に入らなければ買わなきゃいいだけの話だろ!ってまったくその通りです。しかしこれまでまったく沈黙していたカーメディアがなんで今になって「本当のこと」を書き始めるのか?にはいささか興味があります。メルセデスは今でも日本国内で販売台数トップ10に入る非常に重要なブランドであることには変わりはなく、日本の自動車ユーザーにとっても納得のいく価格で様々な選択肢を与えてくれる馴染み深い存在です。日本人ユーザーの視点からもかなり評価されているブランドを、沢村さんが改めてまるでPSAの右ハンドル車を苛烈までに叩いた時のような「日本をナメるな!クソブランド!」と言わんばかりの罵詈雑言を浴びせたことに少々驚きを禁じ得ないです。

  それでももしメルセデスが何らかの意図を持って、この評論が出ることに「O.K.」を出したというならばなんとなく合点がいきます。CLAのベースグレードである180は確かにバーゲン価格でした。私のように批判的な意見をネット上で述べる人々に対し、メルセデスだからといってハードルを上げ過ぎてないですか?メルセデス版の「プレミオ/アリオン」ですよとの反論には一理あるなとは思いました。「日本車よりも断然に良い」といった意味不明な意見が相当に見られたので、思わずブログで揶揄したことはありましたが、ユーザー自身がカローラみたいなものだと割り切っているならば特に文句はないんですよね。まあ「どうでもいいクルマ」です。

  ちょっと話が逸れましたが、もしCLAユーザーの一定割合が「日本車よりも断然に良い」と思い込んでこのクルマを買っているとしたら、その「魔法」から自然と覚めてメルセデスに対する憎悪の炎を燃やすよりも早く、さっさと現実を教えてあげて新型Cクラスに乗り換えさせた方が得策!なんて考えてるのかもしれません。今ならばCLAも高く売れますよ!なんて呟かれて、沢村さんいわく「真面目に取り組んでいる感じのないCLAと、筋道を追って考えられたC。Cの圧勝である。」なんてフレーズを見せつけられれば、メルセデスディーラーもますます「捗る」ってところでしょうか。


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2014年6月19日木曜日

気合いの入ってない輸入車をフルボッコ! 沢村慎太朗さん はやっぱり最高だ!

  久々に自動車雑誌で「壮快な」ロング記事を見かけました! ライターはもちろん沢村慎太朗氏。自動車評論の世界の「橋下市長」とでもいうべき、痛快すぎるくらいに「タブー」に切り込んでいいくことこそがジャーナリズムだという姿勢を貫き通すカッコいいおじさまだ。「Motor Fan illustrated vol.93運転席の作り方」というなかなか興味深いテーマを出してきた今月号ですが、最初から沢村さんありきの企画だったようで、冒頭からアクセル全開で今回ばっかりは1700円以上する価格が安く感じられます!

  「前座」といっては失礼ですが、福野礼一郎氏の「ニューカー二番絞り」で取り上げているのが「新型ミニ」でした。後ろのページで沢村氏がボロクソに言うことになるこのクルマ・・・。たとえ日本車は嫌いで輸入車は大好きという基本姿勢だけど、感性と論理は他の評論家の追従を許さないほど確かな福野氏だけあって、いくら大好きなBMW傘下のブランドといえども今回のミニにはなんだか納得していない様子。てっきり独自の屁理屈をごねて「提灯記事」ならぬ「ハイパー提灯記事」を書くのかと思いきや、他誌が過剰絶賛気味のこのクルマの弱点を冷静に分析していきます。クルマバカが乗る「過剰」さはあるけど、ファミリーカーとしては失格というなんとも常識的な結論でした。もちろんその過程の論拠の深さがこのライターの持ち味ですが。

  さて福野氏のコーナーを読んだあと、正確には2〜3度読み返さないと理解できないほど難解なので、苦労してなんとか理解したあとで、特集ページ「運転席の作り方」の作り方に突入。冒頭でクローズアップされる要旨を現す1文に思わずゾッとします。「形状に一分の理、色彩に九分の暇」・・・え!?何!?このほぼ完全なる「否定」は!、さらに「208の不誠実もしくは不合理は、デザイン構築の方法論ではなく、もっと別のところにある。」 ここまでくるとスゲ〜なんか歴史的な事件が発生している!ということに気がつく。ライタークレジットを見ると「沢村慎太朗」・・・なるほど。というか写真に何枚も映り込んでいる(笑)。還暦に近いのに子供服並みに大きなロゴの入ったオレンジの原色Tシャツ(不思議とこの人が着るととても上品)に身を固め、まるで「私は本気で書いてます!そういう人間です!」という無言のアピールにも見える。

  プジョーの色彩をディスっているわけだから、地味くさい服でも着ていたら「じじいは黙っておけ!」と一蹴されてしまいますが、その声を完全に封殺するかのように抜群の色彩センスの私服をわざわざ披露する計算されつくした構成に思わず脱帽します。普通の自動車評論家には絶対に真似できない超絶ウルトラ記事。しかもドイツ車や日本車のような控えめなデザインのクルマではなくて、原色上等のオシャレなフランス車の総ボス的存在のプジョー!しかも色の選択幅が大きいとされる小型モデルの208に対して、「オレの方がファッション解ってるぞ!」という・・・。(もちろん褒めてますよ!)

  やたらと意味不明な原色アイテムを身に纏い、さっそうとyoutubeに登場する国沢光宏というライターがいますが、もしこの人がプジョーやフィアットの色彩に少しでも異論を呈したら、「オマエが言うな!」の大ブーイングになってしまうでしょう。大変失礼な話ですけども、この人の真っ赤なスニーカーとか見るとせっかくの新型車がセンス悪く見えてしまうから、「やめて〜!」と思っております。特に最近ではマツダ車に乗って「絶賛」的「絶叫」を繰り返していたりして、オレと同じ「赤」好きという仲間意識があるのかもしれないですが、イメージが壊れるからやめろ!(怒)

   さてロードスター以外のマツダ車には一瞥もくれない沢村さんですが、プジョー208とミニをターゲットにしたロング記事はさらに続き、「ミニの玩具的ギミックに至っては、ついに一線を踏み越えたと判断せざるを得ない」と続き、読んでいる側は鳥肌すら立ち始めるわけですが、まあ文章はいつもの如くやや難解です。斜めに読めば十分に理解できるけど、なんのインパクトも残らない大御所の岡崎宏司氏や売れっ子飯田裕子氏のようなライターが書くものばかり読んでると、頭がどんどん劣化していくようで、沢村氏や福野氏の記事を読むとそれを痛感します。

  そして結論として「デザインをいくら遊ぼうとも、その造形の飛翔は人間工学の理に抵触してはならない。」という紋切り型の「断言!」があるわけですが、従来は日本車に対してこれらの文言をぶつけて欧州車の基本に忠実なクルマ作りを学べ!みたいな形で使われたのに、沢村さんはプジョーとBMWミニに対して糾弾しているという、プロライターにはまず見られない姿勢が新鮮すぎますね。以前からPSA車に対しては厳しい意見を持っていて、このロング記事も以前の論調を流用している部分も見られるわけですが、BMWミニに対しての「完全否定」はなかなか痛快です。

  でも海外のブランドって懐が深いみたいで、これまで痛烈に批判していたPSAは今でも沢村さんに対してとても寛容で、新車発表会には必ず呼んでくれるそうです。欧州メディア(特にイギリス)の強烈な論調に慣れているので、日本で何をいわれようとも痛くも痒くもないし、批判でもいいから取り上げてくれるだけで嬉しいという部分もあるかもしれません。ただし沢村さんみたいなライターを嫌うのが、輸入車絶対主義の編集長の方々のようで、おおくの雑誌がク◯みたいな生温い記事を詰め込んで、日本車を批判するという程度の低いスパイスを振りかけたカスみたいな雑誌ばかりで、当然のごとく販売減に悩まされているわけです。余計なお世話ですが、沢村氏のようなしっかりとした仕事をするライターを起用していかないと長くは保たないと思います。

  最後に付け加えておきますが、今回の沢村氏の記事が絶対正義とは思っておりません。読んでいくなかで疑問も多々感じました。しかし読み手にあれこれ考えさせてくれるものには、多少高いお金を払ってでも読みたいと思わせてくれる何かがあると私には感じます。





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