ラベル 池田直渡 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 池田直渡 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2023年2月4日土曜日

トヨタの「軍師」を務めるAJAJライター現る



 

恐れ入りました・・・

「トヨタには、水素エンジンの意味を伝える戦略がいるのではないか。確か、昨年のスーパー耐久、もてぎラウンドでのことだったと思うが、筆者は豊田章男社長に、ひとつの提案をした。『年明けのオートサロンにAE86の水素コンバージョン仕様を出してみたらどうです?』」(引用終わり・CAR AND DRIVER3月号より)


比較的にメジャーな自動車雑誌の連載に堂々と書くくらいなのだから、おそらくほぼほぼ事実なのだろう。こんなブログを書いている私が言うのもなんだけど、日本の自動車ライターってのは、自動車メーカーの気持ちなんて全くわからない人々であり、メーカー側も相応のメディア対応こそするものの、自動車ライター側の提案で大手メーカーのプロジェクトが具体的に動くなんてことはあり得ないと思っていた。



この1年で状況が変わった!?

どのレビューもメーカー資料の翻訳でしかなく、ステマな雰囲気が強烈な池田直渡さんだから、てっきりメーカーに頭が上がらない御用聞きライターだと思っていたが、実際のところは豊田章男社長から諮問を受け、直接に献言までできる「旗本」いや「側用人」だったらしい。自民党政権がダラダラと続き、さまざまな御用論者がしばしば「時の人」になっているが、カーメディアの世界でも王者トヨタの「代弁者」を自認して、他のAJAJライターを見下すように威張ったレビューを書かれる人がチラホラ見られる。池田さんと島下さんはその傾向が強い!?


1年くらい前に、池田さんの共著した本の感想文をこのブログで書いたところ、ご本人がわざわざSNSでリアクションしてくれたことがあった。まさかこんなことになるとは思わずに、じっくりと読んで、のびのびとそのまま思ったことや感じたことをツラツラと書いた。ブログの読者向けに書いているので多少のシニカルさはご愛嬌だろう。池田さんにも岡崎五朗さんにも敬意を持っていたので、そこまで口汚く罵るような内容ではなかったのだけど、メディア人の力とは恐ろしいもので、池田さんが怒りのリプ投稿したことで「私が失礼極まりない投稿をした」かのような気分にさせられた。



寄らば大樹の陰

私のような面識もない素人から「権力に擦り寄っている」と書かれたら、あまり気分はよくなかったかもしれないが、「E V推進の罠」の出版された背景を説明するには妥当な表現だったと思う。別に「権力に擦り寄る」なんて、日本社会で生きていればほとんどの人が無意識のうちにやっていることだ。戦後78年の平和が続いたのだから、社会はどんどん階層化するのは当たり前であり、令和の日本に本田宗一郎と藤沢武夫が現れたら、これだけ規制でガチガチだと、まともに起業すらできないのではないか(エンジン付き自転車なんて発売できない)!?


怒らせたブログ投稿から、時間も経ち状況は少しづつ変わってきた。「擦り寄った」先の自民党保守勢力の重鎮・安倍元総理が殺害されたりしたけども、AJAJの池田さんは「日本会議」からの信頼を得たようで、いつしかトヨタの相談役(非公式)にまで駆け上がったようだ。別にトヨタが保守系政治団体とつながりがある訳ではないと思うが、何らかのコネクションでトヨタと利害が一致する有能な「御用論者」として紹介されたのだろう。



社長交代の真相!?

再び引用させてもらう。「豊田社長の『私は相当にニッポンLOVEな人間だと自負していますが、その私がタイで仕事をしたほうがハッピーになれると、こんなことを口にしていることに危機感を覚えたほうがいいんじゃないでしょうかねぇ』という言葉を聞いて、トヨタが日本を出ていく日が、本当に来るかもしれない慄然とする思いだった。」(引用終わり・CAR AND DRIVER3月号より)


こんな言い方をする人は、自民党の大物政治家にももはやいなくなったんじゃないだろうか。いちいち説明しないけど、東証一部企業のトップとしてかなりダサい発言である。この些細な発言でも、なにか問題が起きたら「コンプライアンス違反」で株主集団訴訟にもなりかねない。そういえば急転直下でトヨタの社長交替が発表されたのも、このCAR AND DRIVER3月号が発売された直後だった。



言っては(書いては)いけないライン

発言する社長も、そのまま書いてしまう池田さんも、それを見逃してしまう編集部も、この発言が問題ない時代(昭和)の人間なんだろう。サッカー日本代表の堂安律が「オレがやる気を無くしたら日本代表は終わりだ」なんて思っていたとしても、わざわざ電波にのせてビッグマウス発言をするだろうか!?テニスの大坂なおみが「私のいないグランドスラムになってもいいんですか!?」とか言ったことあるか!?ゆたぽんが「ユーチューブ辞めたら日本中が悲しむ」なんて言うだろうか!?


自動車メーカーとしてのトヨタには敬意を持っているが、この発言はさすがに理解できない。トヨタと政府が上手く歩み寄れないことや、トヨタの環境への取り組みが日本のユーザーに十分に伝わらずにイライラするからといっても、「ポピュリズム」に訴えるとは情けない限りだ。バカな読者は「トヨタがいなくなったら日本は終わりだ!!」と池田さんと同じ心境でヒステリックになるだろうけど、一定のリテラシーがある読者からは「さっさと出ていけよ!!」と余計な反感を買うだけだ。



「日本を出ていく」という意味

トヨタをはじめ、日本の大手企業がいくつか日本からいなくなれば、中長期的に経済は上向くと考えられる。山一証券や北海道開拓銀行が破綻して、一時的に超就職氷河期にこそなったけれども、日産、スバル、MAZDAなど破綻直前だった自動車メーカーは構造改革を経てV時回復を果たした。トヨタも好調な業績が報道されているけども、それはアベノミクスの円安誘導や法人税圧縮政策によって「泡のような利益増」があったに過ぎない。


まさか池田さんは、「MAZDAがいなくなったらロードスターが買えない」「スズキがいなくなったらジムニーが買えない」とかいう意味で「トヨタがいなくなったら大変だ」と言っている訳ではないだろう。さてトヨタ車の生産が日本で全く行われないとなんかマズいのか!?アップルもキーエンスも本国に自社直営の生産拠点なんて持っていない。トヨタの販社も今ではダイハツ車の販売が半数を占めるようになってきている。トヨタの看板を外して、ダイハツ車に加えて日本で販売網を持ちたいフォード、ヒョンデ、BYD、テスラなどと契約すればいいんじゃないの!?



何の問題がある!?

カローラ、ヤリスクロス、シエンタ、アクアなどを作っているのはトヨタ自動車東日本、アルファード、ハリアー、ノアなどはトヨタ車体、レクサスRX、NXなどはトヨタ自動車九州が作っている。GR86も他社の群馬工場、スープラはオーストリアのマグナ・シュタイナーの工場で生産されている。もしトヨタが日本から離脱しても、国内はおろか世界中にも輸出できるサプライチェーンを持つトヨタの国内生産設備は、世界中の自動車メーカーが後釜に参入したいくらいだろう。トヨタ紡績、デンソー、アイシンのサポートが受けられるのだから、スロバキアやトルコなどに進出するよりも、難なく高品質なクルマを作れるだろう。


トヨタ離脱のショックで、国交省や経産省が外資の規制緩和を行い、トヨタの不要になった日本向け車種のライセンスがVWグループやステランティスグループに売却され、アルファードやクラウンクロスオーバーが、シュコダやオペルといったブランドから発売されたら面白いと思うのだが・・・。トヨタはタイでハッピー、日本市場も外資企業の参入で北米並みに賃金は上がり、車両価格が下がれば、若者も「海外でバイトしよう」とか思わなくなるのではないか。池田さんにはぜひ「軍師」としてトヨタのタイ移転を強力に後押ししてほしいものだ。




 



2022年12月23日金曜日

池田直渡さんにリアクションを!!



 


応援してます

AJAJ所属の池田直渡さんに対してネガティブな意見を発することが多かったが、個人的にはカーメディア全体においても有為な評論家の1人だと思っている。小沢コージさんのユーチューブチャンネルで共著「EV推進の罠」の存在を知り、読んでみたところあまりにお粗末な内容だったので、このブログにて「読書感想文」投稿をした。


発売から半年くらいが経過したタイミングであったにも関わらず、夜遅くに投稿した記事への反論が翌日の午前中には出されていた。さすがはプロのライターというべきか、恐るべき情報処理能力に唖然とした。その際にツイッター経由で池田SNS(NOTE)の存在を知った。「おじさん構文」ならぬ「おじさん(自称インテリ)の内向きブログ」で、暇じゃない限りは読まない方がいい。軽く鬱気味の人向けには気が効いている内容かも。



クルマ愛の欠如!?


池田さんのレビューはさまざまな媒体で読むことができる。勝手な思い込みかもしれないが、この人のレビューはクルマが好きな人ほどどこか相容れないものを感じてしまう。理由は様々考えられるが、読んでいて一番気になることは、池田さんにとっての理想のクルマ像が存在しないのではないか?という疑念だ。「99%のクルマはバカにしか刺さらない」とか思っているのかな!?


クルマ愛は全然伝わってこないのに、トヨタやMAZDAの幹部が度々演説するような「国内産業維持」の政治的プロパガンダに与する姿勢だけが出てしまっているから、そりゃ眉をひそめる人もたくさん出てくる。メルセデス、BMW、テスラといったプレミアムカテゴリーのブランドであっても市場の近くに工場を投下するのが当たり前になっていて、トヨタやMAZDAも国内生産比率は年々低下することは避けられない。米国、メキシコ、ベトナム、マレーシア、インドネシア、タイ、トルコ、ナイジェリアなどへの生産移管はどんどん進んでいる。


周回遅れですけど


トーマス・フリードマンが「レクサスとオリーブの木」を発表したのが2000年で、以来グローバリズムの危険性について様々な意見が飛び交い、バッシングという形でトヨタ、マイクロソフト、アマゾンといった多国籍企業に様々な試練を与えてきた。日本では約20年遅れてこれらの問題が語られるようになってきたが、しばしば唖然としてしまう意見にも出会う。先日も「日本から銀行が無くなる」と主張する本がYouTubeで紹介されていた。グーグルやアップルが日本で金融サービスを始めれば、顧客ファーストではない日本の銀行は太刀打ちできないと・・・。


「日本の銀行は手数料が高い」・・・そうだ。え?ATMや送金に関する手数料は長銀が外資系の新生銀行に生まれ変わった時(2005年頃)から、実質的に0円になっている。メガバンクもいち早く対応し、10年以上前から24時間ATMは0円で利用できている。関東MAZDAに新車の代金を支払うなどのレアなケースでは窓口を使うが、それでも手数料分はディーラーが面倒見てくれる。数年後に日本から銀行が無くなるかどうかわからないけど、もし無くなったとしても断じて「手数料」が理由ではないと思う。



なぜEC(欧州委員会)が悪いのか!?


グローバル化で銀行もクルマも変わるのかもしれないが、その議論はどれもあまりにも「的外れ」で「空虚」だと感じる。トヨタやMAZDAが掲げる「国内産業維持」にとって脅威とされているのがEVシフトであり、それを「日本潰し」として意図的に推進する欧州委員会(EC)を敵視する議論がカーメディア界隈で目立つ。しかしEUの人々が、EU域内で売られるクルマに条件を課すことに不満があるのであれば、日本政府が日本EU間のEPA交渉で堂々と主張するか、EU域内で工場を稼働させているトヨタ、日産、スズキがロビー活動を進めるべきで、これが国際的なルールだ。


外交力の無さを痛感してきた政府は、それを逆手に取って防衛費増額を「外交力アップの為」と真顔で国民に説明している。2003年のイラク戦争以来、アラブ諸国の軍拡(サウジアラビアの防衛費は日本の1.5倍相当)で潤ってきた米国軍需産業だけど、やや成長が鈍化してきた。アメリカが戦争の当事国になる時代はとっくに終わった。GDP成長率が高い東欧で何かを仕掛けるのはある程度は予想されていた。プーチンとアメリカはおそらく裏で繋がっている。



歯痒さの矛先


そんな誰でもわかる国際的な「茶番」をクソ真面目に報道するメディア(NHKやテレ朝)を見続ければ、どんどん頭が麻痺してくるのかもしれない。EC(欧州委員会)は曲者(悪い)!!と雑誌「CAR AND DRIVER 2023年1月号」でAJAJの菰田潔さんが書いている。EUからしてみたらなんで日本のメディアにそんなこと言われなきゃいけないのか!?内政干渉!?ってところだろう。日本のメディアだったら、トヨタは政府(自民党)にEPA交渉に、政府はトヨタにロビー活動に相互依存している。この主体性の無さに批判を加えるべきだ。


EV推進派もEV懐疑派も、「的外れ」過ぎる議論に、どちらも歯痒い思いを抱えているのだろう。そんな中で自民党やトヨタとのつながりをチラつかせながら活動されている池田直渡さんだが「自分は中立」とおっしゃいながらも、EV推進への懐疑論を一方的に捲し上げて、無知な読者(本を読まない人)を無用にアジるレビューを連発されている。「中立」というならばEV推進に対してもポジティブな意見の一つでも語ってほしいが、池田さんのレビューにそれを期待するのはまず無理そうだ。



本を読め!!


日経やCAR AND DRIVERは、どちらもメディア&出版不況が続く中で、なんとか命脈を保っている大手メディアであり、情報の多様性が担保されにくくなっている「情報化社会」においては、池田さんのレビューだけを読んで「EVシフト」への意見を形成してしまっているリテラシーの低い人も多いようだ。池田SNSのコメントを見てても、常連の方々の情報の「引き出し」が少な過ぎじゃないですか(ヤフコメ以下!?)。国粋&保守の風に吹かれることを悪いとは言わないが、そもそもEC(欧州委員会)の手法は、排気量で自動車税を決定する日本のやり方と同レベルだと理解した上で慎重に意見を述べてほしい。


「パーのスペクティブ」


ちなみにCAR AND DRIVER2023年1月号の名物コーナー「池田直渡のパーのスペクティブ」では、冒頭からちょっと看過できないことが書かれている。ちょっとムカつくけど釣られてみよう。

以下は引用

「トヨタにとって、プリウスの存在はとても大きい。トヨタの長い歴史において、金看板となってきたのは、クラウンとカローラである。耐久性と信頼性の高い乗用車メーカーとしての地位を築いてきたのは、その2台があったからだ。 

しかしながら、その後トヨタが世界No.1を争う地位にのし上がっていったのは明らかにプリウスの功績である。初代プリウスのデビューは1997年、トヨタ自動車のオフィシャルに夜75年史を見ると、2000年の生産台数594万台が、2007年には950万台へと躍進している。

この7年間に356万台増やしている。年間平均で見れば、約51万台ずつの増産ということになる。時間的には初代から2代目のプリウスの販売期にあたる。もちろんこの功績すべてをプリウスにカウントするのはフェアではないが、国内外でプリウスのエコカーイメージがトヨタ全体のイメージを牽引したのは事実であり、ハリウッドセレブがプリウスでレッドカーペットに乗りつけたり、国内販売のトップ3をハイブリッドが毎月のように独占していたことは読者の皆さんも記憶にあるだろう。それに加えて、プリウスのハイブリッドシステムがトヨタの多くのクルマに伝播していったことこそ躍進の原動力になっていったのだ。」

ここまで引用終わり。



残念ですがメチャクチャです

もうこれだけでクルマ好き、トヨタ好きにとっては、池田直渡さんが世論を主導することに疑問を感じることだろう。2000年から2007年の伸びの理由は、単純に2001年の中国のWTO加盟による市場解放によるものだ。プリウスは高級車でもないから中国企業との合弁で中国国内での生産が義務付けられるが、この期間にトヨタは中国でエンジン車を売りまくった。


さらにこの期間にトヨタが躍進した市場としては欧州が挙げられる。PSAとの合弁だったり、欧州向けカローラ(カローラランクス / アレックス)やアベンシスが欧州市場で大ヒットした。日本市場でこそプリウスは無類の強さを発揮したが、トヨタの国内販売台数は目立って伸びていない。そこでグローバルの販売台数を無理やり押し込んでメチャクチャな説明を仕立てている。



トヨタの素晴らしさがわかってない!?

トヨタのクルマ作りを評価する人は、現在のMAZDAの設計をパクったTNGAではなくて、リーマンショック前のカローラランクス、アベンシス、アルテッツァ、ブレードマスターなどを名車に挙げる。この頃に開発されたユニットが、最新鋭のロータス・エミーラにも使われている。ホンダVテックに対抗して設計された、ヤマハ製2ZZ-GEはセリカ、カローラランクスだけでなく、ロータスエリーゼにも搭載された。


いくらレビューでプリウスを持ち上げたいからといっても、2000年代のトヨタが成長すべくして成長した「黄金時代」を捻じ曲げて説明してはいけない。このレビューに限った話ではないが、池田さんのレビューには「名車」という概念が徹底してないので、この人はクルマが好きなわけではないのだな・・・と勘繰ってしまう。



ダイバーシティ礼賛

いろいろなタイプの評論家が居ればいいと思うし、池田さんのレビューを読んでクルマ選びの参考にする人もそれなりにいるのだろう。アメリカの軍需産業がG20レベルの国々に対してGDP比2%の基準を押し付けることに成功したように、自民党とトヨタも「EV懐疑論」を国是とすべく池田さんに接近しているように見えてしまう。当然ながら積極的なEVシフトこそが国益にかなっていると考える人々から批判コメントがたくさんやってくるらしい。


イケイケなEV推進派から見れば、自民党とトヨタが相乗りした巨大な泥舟の船長といったところだろうか。EC(欧州委員会)の狙いが何であれ、域内にEVを増やしたいという意思決定に安易に干渉すべきではない。日本が国内需要分だけエンジン車を作るのは自由だが、いくら雇用が失われるからと言っても、米国やEUに輸出し続ける権利は存在しない。「地産地消」を進めるホンダや日産の方針は、国際協調主義(平和主義)という意味で十分に理にかなっている。



無用な議論と無用な分断


自動車立国としての既得権益を必死で守るべきなのか。それとも経験も資金も十分にある超一流企業へと成長した日本メーカーが、ユーザー・ファーストの精神で世界中から愛される多国籍企業になる重要な過渡期なのか。日本の未来を切り開く「意識高い」人々がEV推進派に肩入れするのは仕方のないことだと思う。間違ってもらっちゃ困るが、EV推進に乗っかってしまう「意識高い」人の多くが、賢くて本をたくさん読んでいてテクノロジーを使いこなしていて建設的な議論をしているとは全く思わないが・・・。


もちろん二者択一の問題でもない。EV懐疑派にも守るべきものと信念がある。自民党とトヨタから期待を寄せられている池田さんには、更なるご活躍を心から願っている。微力ながらツイッターやブログでこれからも反応していきたいと思う。老婆心から叱咤激励を申し上げたいが、EV推進派と対峙するならば、このブログで指摘してきた「疑念」を抱かせるような錯誤した内容を安易に書くべきではない。今後ともレビューの構成・論点に関しては細心の注意を払って頂きたい。


2022年11月21日月曜日

池田直渡さんが3たび「パーのスペクティブ」を晒す・・・

 

今回も悲惨な内容

また池田直渡さんに絡むのかよ・・・って呆れるかもしれない。しかしMAZDA好きとして言わずにはいられない。別にこのAJAJライターの存在を否定したい訳ではない。このブログは特定の自動車ライターをターゲットにしているつもりもない。一人の読者としてフェアにカーメディアの記事やレビューを読んでみて、これは看過できないと感じた「内容」に関して個別に批判を加えているだけだ。



今回で池田直渡さんへの批判は3回目となる。私の基準で恐縮だが、その全てにおいて批判されるに十分な「脇の甘さ」あるいは「明確な瑕疵」があった。批判を加えることは、個人の「表現の自由」を圧迫する可能性があるので、慎重に行うべきであるが、このブログで振り上げた全ての批判は、「公共性」の観点から、「ダウンサイジングターボ&DCTは正義」みたいな疑問だらけの世論が形成されないように、あえて「ブログで意見を述べるべき」と判断に達したものばかりである。



安倍さん存命なら許された「EV推進の罠」


池田さんに関する初めての投稿は、共著となる「EV推進の罠」に関する読書感想文だった。親の世代(アラ・セブ)には、この「日本版ポピュリズム」を喜ぶ人もかなりいそうだが、中国共産党の自動車行政のあり方について「アンフェア」だと叫ぶ内容が特に目立つものだった。高度経済成長期の日本政府も同じことをやっていながら、一方的に中国の政策を批判するのは愚かである。「日本の読者はまともな反論もできない」と思われるのも癪なので声を上げてみた。



2回目はCX-60発表時のMAZDA資料を使った日経レビューに、明確な瑕疵を見つけたので、とりあえずツイッターで意見を述べた。それに対してご本人が直々にツイッターで反論してきたので、ちょっとしたTwitter・ラリーになった。失礼ながら、自明なレベルの瑕疵であるのに、こちらの指摘をすぐには理解できないし、要領を得ない反論に終始され、最後は間違えを認めつつも逆ギレしておられた(なんだこいつ?)。SNSでは素人を馬鹿にするような物言いを散々にされているが、コアなクルマ好きから笑われていることにいい加減に気づくべきだ。



「謎」など最初から存在しない

そして今回が3回目となる。日経(一般メディア)の記事に目くじらを立てるべきではないかもしれない。なかなか賑わっているコメント欄だけど、この隙だらけのレビューにただの一つもクリティカルな疑問提示すらできていない。そもそも何が「謎が解けた」なのか!?ちょっとクルマが好きな人が読めば、それずっと前から知られていたことじゃないか?とすぐに池田というライターのバックグラウンドがスッカスカなことを見抜いてしまうだろう。


沢村慎太朗さんのレビューを読んでいるかのような「クルマを考える過程」を時系列で追うような文体へと進化した。これまでの結論ありきな入門者向けレビューによってネット媒体で人気を誇っていたと思っていたが、やはりコメントのレベルの低さに悩むのだろうか。残念ながら「沢村文体」はこの人の読者にはちょっとハードルが高かったようだ。「難しいよー」とのコメントが目立つ。しかし継続すればすぐに慣れてくるだろう。議論の深さは以前のものと何も変わってないから。



このタイミングで空振り三振?

なんでMAZDAはマルチリンクの特性を無駄にするような設計をするのか?・・・という問題提起は、ネット媒体の常識を遥かに超えたレベルにある。第五世代(2002〜2011)のMAZDAはフォード・プレミアム陣営の一員として「世界最高レベルにサスペンションにこだわるブランド」を標榜していた。リーマンショック後の第六世代(2012~2018)で路線の「修正」を余儀なくされたが、第七世代のラージプラットフォームで再び「サスペンションで選ばれるブランド」へと回帰しつつある。そんな状況を考えればタイムリーなレビューである。


この企画は日経の編集部からの特別な発注が元になっているらしい。伸び悩む「活字」ネット媒体は、何らかのブレークスルーを模索しているのだろう。MAZDAにとっても他社との違いをアピールできるので、非常にブランディングに役立つ内容・テーマではあると思う。周囲のお膳立てがかなり出来ているのだから、あとは「まとも」で「無難」なレビューを書けば良いだけなのに、・・・何を血迷ったのか「謎はすべて解けた」になってしまった。



内容はたった一行で説明できる


最初こそ「何事か?」と興味深く読めるが、少しはクルマがわかっている人が読み進めれば、レビューの前半も終わらないうちに、それって「BMW、マスタングあるいはFFのボルボにおいて、散々に議論されたことじゃないか?」と気が付く。2014年のマスタングのFMCで、長らく使われていた「車軸式」をやめてドイツ&日本式の「マルチリンク」に変更されたが、この際にトーコントロールにおいて一長一短あるという説明がされていて、フォードの開発陣でも意見が割れたとか報道されていた。


その後に、ボルボでもフロントにダブルウィッシュボーンを配した横置きシャシーにおいて、後サスをマルチリンクから車軸式に特徴が近い特徴が出せるリーフスプリング(トラック用サス)に変更するモデルが現れた。マスタングとは逆のメリットを取りに行った。これについては純粋なサス性能だけでなく、電動化ユニットを搭載するスペースを確保するメリットや、モーターのハイトルクで後輪を駆動させるAWDのサス剛性を高める狙いがあるとされる。



MAZDAの進化

日本メーカーのコンパクトカーで見られるような「E-four」では過剰なトルクは使わないから、汎用サスでも対応できるが、ボルボのようなシステム出力が400psクラスとなると、足回りの基本設計を改める必要があったようだ。もちろんマルチリンクのままでも、各パーツの設計基準(耐久性)を汎用品から大幅にグレードアップさせれば対応は可能なのだろうけど、それでは性能だけでなく価格もスーパーカーになってしまう。


アウトランダーPHEVや、RAV4PHVは、今後の大幅な電動化によって飛躍的に進むであろう高度なトルクベクタリング技術の開発をリードするために、ちょっと無理して商品化しているはずだ。補助金ありきとはいえ価格も量販モデルとは言い難い水準だ。コストを度外視すればテスラのハイエンドモデルのような加速性能だって実現できるが、足回りの設計を全面的に変えない限りはシステム出力300ps前後が上限になる。



MAZDAはクレイジー

CX-60に盛り込まれた設計から判断するに、MAZDAはボルボのようにシステム出力400psオーバーの「スーパーSUV」(GT-RがSUV になった感じ)を、今後のブランディングにおいて加える可能性が高いのだろう。トヨタや日産&三菱とは違う設計で「差別化」を図るのは極めて自然なマーケティングである。サスの金属ジョイントである「ピロボール」の採用については、ベストカーも池田さんも疑問を呈している。個人的にこれまで乗った乗用車(ピュアスポーツカーは除く)で最悪の乗り心地だったのがE91のMスポだった。路面からの容赦ない突き上げに下半身を殴られ続ける衝撃には戦慄すら覚えた。


程度の差こそあれ、第五世代のMAZDAの乗り心地もなかなかのものだった。かなり乗り心地が改善されたとされるGHアテンザの後期モデルを所有したが、最初の5000kmくらいまでは「MAZDAってまじでクレイジーだ・・・」としか思わなかった。3ヶ月ほど我慢したところ、体が慣れたのか、ジョイントに当たりがついたのか。気がついたらトヨタ車の乗り味を受け付けない体になっていた。試乗車の乗り心地は上々だったので、まあメカが馴染んだのだろうが・・・。



アバンギャルドへの回帰

第六世代のCX-5は良くも悪くも「王道」で、乗り心地は多くの人にとってほぼほぼ不満は出ないものだろうし、だからといってハンドリングやレンポンスの仕上げに大きな妥協も見られない。まあこれだけ整っているのだからメーカーが「SUVのベンチマーク」を自認しても許されると思う。ハリアー、フォレスター、ZR-Vなどは現行モデルになってから「他社版CX-5」にしか見えない。日産&三菱は魂動デザインを盗んでいったMAZDAの素行の悪さに相当にキレているようで、断固として真似はしないようだが・・・。


他社によってシャブり尽くされてしまったCX-5から、遠くへ逃走するように後継のCX-60が作られた。前衛的な中堅企業の生き様として、かなり共感できるし「可能性を追求するメーカー」であることがMAZDAの「ブランド力」における最大の強みでもある。アヴァンギャルドタームに入ったMAZDAに全面的に共感しろというつもりはない。別に池田さんのレビューに何かを求めている訳でもない。ただただベストカーとかいう低俗&低脳な雑誌と同じような「乗り心地への疑問」を書いた思慮の無さに、MAZDA好きとして呆れているだけだ・・・。



MAZDAファンとの亀裂

福野礼一郎さんや沢村慎太朗さんなら「BMW、マスタング、ボルボ」をスルーすることなく、MAZDAのリアサスの意図を説明したりはしないだろう。ベストカーの裏ボスである国沢光宏さんであってもこんなダサいレビューは書かない。ユーチューブで「アドリブ一発録り」している五味康隆さんでも、軽々しく「謎は全て解けた!!MAZDAは世界で初めて・・・」なんてことは呟かないだろう。カーメディアでそこそこキャリアを積んできた人であれば、まずこんな書き方はしない。


CX-60においてMAZDAは、エコ性能に最大に配慮した直6ユニットと並んで、足回りの設計を最大限にアピールした。購入を決めた人の多くは、フロントがストラットだったら動かなかっただろう。世界最高の走りを目指して、独特の足回りで人気を博した第4世代・第5世代のMAZDAへの「回帰」を素直に喜んでCX-60を買いに行っていることだろう。レビューで第4、5世代に全く言及できない池田さんより、サスのことがよくわかっているからCX-60に素直に歓喜できるし、大金も用意できる。あくまで個人の感想に過ぎないが、コアなMAZDAファンと池田さんの間には修復不能なレベルの溝が見える。




関連リンク


「岡崎五朗&池田直渡 『最凶右傾コンビ』爆誕!!」



「『EV推進の罠』の読書感想文を書いたら、筆者の一人にボコボコにされた・・・」



「水野和敏さんとI田N渡さんの『キャスター角』論が真逆の食い違い!?」



「MAZDAの偽善的な資料提供に疑問」



2021年12月7日火曜日

「EV推進の罠」の読書感想文を書いたら、著者の一人にボコボコにされた・・・


ガチギレされた・・・

別に個人がブレインストーミング代わりに書いているブログに「ガチギレ」しなくてもいい気がするんだけどな。相手は50歳以上なんで反論もする気もあまりない。「相当に性格が歪んでいる」みたいなこと言ってくる世代だってことは、これまでのブログ活動で散々に経験しているので特に何とも思わない。特に(自分の考えとは)ズレてるなと感じたところは、安倍元総理の「お友達」みたいな人から仕事の斡旋が来たら、小泉進次郎世代の私にとっては「人生の転機かな?」ってラッキーだと思うところだ(池田さんはそう思わないらしい)。だから池田直渡さんや岡崎五朗さんがキャラ崩壊させてでも頑張る気持ちはわかる。



小沢コージさんが悪い

そもそも悪いのは小沢コージさんだ。動画の中で岡崎五朗さんに対してとても羨ましそうにしていた。そして岡崎五朗さんも、今回の仕事はまんざらではないといった表情だったので、これはおそらく面白いだろうと期待して購入させて頂いた。ちょっとハードルが上がり過ぎてしまったかもしれない。そして加藤康子さんの経歴を見て、今回の出版の背景がなんとなく見えてしまった(小沢さんの表情の意味も)。カーメディアで単行本が出版できる人なんてほとんどいないわけで、「パトロン」が付いたんだなと理解した。このお二人の単行本が読めることはクルマ好きにとっては良いことだと思うし、今後もこのコネクションを使って「カーメディアの新しい地平」を切り開いてほしいとすら思う。・・・が舌足らずゆえに全て「シニカル」に受け止められてしまった。仕方がない。世代が違い過ぎるのだから。



読者をナメるな!!と言って欲しい・・・

クルマのことあまりわかってないのに「EV推進派」を批判する本を書こうとする無茶な主宰にはぜひツッコミを入れて欲しかった。数年前にニューモデルマガジンXの覆面座談会で「1.2Lと1.4Lの2つのエンジンで600万台をカバーするVW」とか書いていたけど(半数以上はディーゼルだし、当時はすでに1.0&1.5が中国や欧州では主流だった)、それと同じレベルに酷い内容になりかねない。もっとプロ意識持ってください!!と一言あってもいいと思う。そして個人ブログでこのことについて触れるのはタブーなのだろうか!?一般メディアだろうがカーメディアだろうがおかしなことはたくさん書いてあるわけで、常に内容を吟味する眼を養うためにもこの手のブログを細々と書かせてもらっている。



氷河期世代の実体験

就職氷河期世代だったので、実家を出て独立するための資金を稼ぐために東京都にある某自動車工場で4ヶ月だけ期間工をやったことがある。直接雇用だったので他の派遣労働者よりは条件が良かったし、社会人人生のスタート地点としてはむしろ「最高の場所」だったかもしれない。この4ヶ月で目にしたものは色々と忘れられない。池田さんが指摘するように確かに「育ちが悪い」が、しかし二交代夜勤明けの早朝に帰宅した私の姿を見て涙を流してくれた母の顔は一生忘れられない。



搾取はあった

何の能力もない私をライン工として雇用してくれたトヨタ系列の会社には感謝しているし、4ヶ月で150万円ほどの貯金を作ることもでき、無事に実家を出て部屋を借りることができた。それ以降の仕事は辛いなんて感じたことはない(年に363日出社していた年もあったけど)。あの4ヶ月があったからこそ、人生の喜びをつくづく感じられるし、今では好きなタイミングでクルマを買い換えることもでき、好きな腕時計も躊躇なく買えるようになった。しかし当時の同僚は、給料をパチスロやキャバクラで使い果たす人も多かったし、私には無関係だったが、派遣会社の労務管理の人が、何だか刑務官に見えたものだ。「派遣労働者法」がまだなかったバブル世代に何がわかるのか!?



違和感

「時給16ドル以上」とは最低時給の話だ。トヨタの直接雇用なら可能な金額だろうが、派遣労働者全てにこれを保証するのは大変だ。USMCAの規定では北米の自動車工場が対象になっていてメキシコ工場にもこのルールが適用される。日本の自動車行政もタイの自動車工場を含んだ、日本市場向け生産工場の最低賃金についてルールを決めても良いのかもしれない。氷河期世代が働き出してから日本の労働環境に幾らかのインパクトを残したのはアマゾンくらいだ。「日本を応援したい」も「トヨタを応援したい」も結構だが、40歳定年でクルマを作っている若者のことまで頭に入っているのだろうか!?余計な御世話だと思うが、若い世代に伝わるメッセージってのはさ・・・ってことを若い世代の人々とブログを通じて共感しあえればいいと思って書いている。わかる人にだけわかればいいとも思っている。



いくつになっても政権批判

失礼だが50歳以上の人々の「政治批判」はいつ見ても痛々しい。本書でも岡崎、池田の両名が「政治の鈍さ」について散々に批判しているが、目の前に内閣参与だった人がいるわけだ。しかも自動車についてまともな知識もないのに「批判本」を作ろうとしている。これが全てではないか!?河野太郎や小泉進次郎が政権中枢に居て道を間違えたとしても、その中で社会は器用に進んでいくものだ。この30年でもどれだけの「失政」と思われる事案が重ねられてきたことか・・・それでも日本経済は揺るぎない前進を遂げてきた。



またまた違和感

 欧州、中国、アメリカの自動車行政は「ズル賢く」見えるかもしれないが、そもそもは日本の自動車行政の手法を参考にしたものが多い。90年代には日本のODAは世界トップだった。その成果もあってASEANの国々では日本メーカーのシェアが95%なんて国もある。その手法を真似てアメリカ、ドイツ、イギリスが今ではODA拠出額で日本を上回るようになっている。野口悠紀雄さんなど元官僚の「高度経済成長期」自慢の本には、当時の日本の自動車行政がいかにしたたかであるかが書かれている。現在の中国政府がやっていることとほとんど変わらない。内閣参与だかAJAJだか知らんが、そんなことすらわかってないから平気で「アンフェア」だと騒ぎ立てるのだろう。トランプ大統領も言っていた「日本こそがアンフェア」だと。



「明後日」過ぎて焦った・・・

「陰謀」とか言われちゃって、だいぶお馬鹿なキャラに設定されてしまった。加藤康子さんのような金持ちがどんな活動をしようが知ったこっちゃないし、そもそも政治にも興味がない。この本を読んで「自民党内の考え方の違いがわかった」と書いただけなのに何で「陰謀論」にされちゃうんだ。ちょっと被害妄想がエグいことになってないですか!? どちらの文章も読んでくれた人にはわかってもらえると思うが、池田さんの反論のほとんどが「仮定」からしてほぼ間違っている。こんな言葉は使いたくないが「捏造」だか「名誉毀損」だかの類いでしかない。あちらは顔出しでこちらは匿名でフェアではないから、別に批判などする気もないが・・・。このブログもカーメディアへの素朴な「読書感想文」を綴っているだけだ。



EVに関して特段の考えなし・・・

ちょっと考えればわかるけど「EV推進派」とか、かなりどーでも良い。決して加藤康子さんの主張が間違っているとも思っていない(この辺も完全に独り相撲されてます)。ふざけた姿勢でカーメディアに参戦してきたことにツッコミを入れて欲しかっただけだ。読者からしたら「何しにきたの!?」って感じだ。「貴人」も「オバさん」もタブーな言葉ではないし、私がブログで読者に語りかける上で便宜的に使ったまでだ。決してふざけた表現だとも思わない。今回は思わず反論を頂いて、いつもより多くの人にブログを読んで頂けて光栄ではあるけども、やっぱり50歳以上とはどーも噛み合わないなと改めて感じた次第。本は面白いので「お友達」アレルギーじゃなければオススメする。






2021年12月5日日曜日

岡崎五朗&池田直渡 「最凶右傾コンビ」爆誕!!

 

注意喚起!!

買って後悔する人が出てきそうなので先に書いておく。「日本」を愛する気持ちは好意的に伝わってきた史上最長を記録した「安倍政権」だけども、時の人となった籠池夫妻のような「お友達」な感覚で、わけのわからない「右傾」プータロー学者もどきが続々と「内閣参与」に任命されていた。身の程をわきまえずに首相に楯突き(増税反対)、2016年に解任された藤井聡が、政権を「逆恨み」してその後にメディアで痛々しい大暴走を繰り広げのは記憶に新しい。元「内閣参与」の肩書を使って活動する怪しげな文化人は他にも高橋洋一、谷口智彦などなど中身のほとんどない「暴露本」で小銭稼ぎをする人も多い。



怪し過ぎる経歴

カーメディアの中では人気が高い、岡崎五朗さん、池田直渡さんに声を掛け「EV推進の罠」を手がけた加藤康子さんも安倍政権時代に「内閣参与」を勤めている。父親は元国会議員で大臣も経験した農水族の加藤六月である。典型的な「お友達」の範疇を出ない肩書。主な仕事は「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産登録実現とのこと。もうこれだけでこの本への興味が失せた人は少なくないだろう。まあそういう類いの本だ。クルマ好き素人に過ぎない私が読んでも、ほぼ知らない内容は無かった。長く従事している職業柄のおかげで、日本の工業、輸出&輸入、エネルギー、発電方法それぞれの内訳は頭に入っているので、何も目新しいことはなかったが、総選挙前に行われた総裁選で、河野&小泉(&石破)陣営を孤立させた安倍陣営の意向がよくわかる内容にはなっている。



舞い上がっている

カーメディアの中では理論派で理性的な部類に入る岡崎&池田のご両名だが、なかなか出会うことのない「貴人」コネクションとの仕事のチャンスだったようで、対談形式で進む文中には両者の「必死」さが滲み出ている。この二人が河野太郎、小泉進次郎を名指しでボロクソに言い合っているのは、最初こそ新鮮に感じられるけど、そこそこの分量を誇る本書において、随所に登場させて、散々な「印象操作」を行っていることに少々違和感を覚える(「幻滅」しちゃうかも)。脱原発&EV推進派の政治家だけでなく、欧州&中国のEV事情を切り取って「断定的」に書き上げる一般メディアのあり方に対してもしつこいくらいに批判している。少なくとも「カーメディア村」に属している人々にそんなこと言う資格はあるのだろうか!?という疑問は頭をもたげる。カーメディアも「DCT&小排気量ターボ推進派だった」という愚かな過去を反省するのがまず先じゃないのか!?MAZDAに謝ったのか!?



主宰にツッコミを入れろ!!

岡崎&池田の両名も、今後の人生を楽に生きるためとはいえ、あまりに一方的な「ポピュリズム」的な批判を繰り出す自分の姿に内心は「迷い」もあったんじゃないかと思う。主宰の加藤康子さんは、中国市場やアメリカ市場でどんなブランドが売れているかも知らずに「EV推進批判」の本を作ろうとしている。絶対に言えないだろうがまずはこのオバさんにツッコミを入れるべきだ。加藤さんの主張は一貫して「我が国の自動車産業が失われたらこの国は滅びる」ってことだけ(読者をナメている!?)。確かに頭が空っぽな読者にはわかりやすいメッセージなのだろうけど、50歳以下の賢過ぎる若い世代にはほぼほぼ眉唾でしかない。「中国は外資50%規制を設けて合弁を強要している」「VWが工場を操業している新疆ウイグル地区での強制労働問題は深刻だ」「政府の補助金により異常に安いバッテリーが生産できる」などアンフェアな側面を盛んに訴えるが、現実の世界では中国、アメリカ、インド、韓国、ドイツ、イギリス、フランスなど、日本の除く全ての自動車生産が多い国々では「国外メーカー」の工場が建っているのが現実だ、アンフェアなのは中国だけではない・・・。



「プロの政治」

護送船団の日本メーカーは、確かに国内産業の花形ではあるけども、結果として労働者の賃金も先進国の自動車産業としては最低レベルであり、カルテルまがいの不利益行動を取っていると批判されても仕方のない状況だ。GDPで自動車関連が占める割合はわずか4%に過ぎないが、自動車メーカーはいずれも3兆円を超える超大手企業であり、製造業全体の賃金を決める存在と言っても過言ではない。日本の賃金は上がらないのは・・・。派遣労働者(40歳定年制)に作業の多くを依存する日本の自動車工場では、敷地内に派遣会社の労務管理員が常駐している。自動車産業と貧困ビジネスが手を取り合って「搾取」している、とても新疆ウイグルの強制労働を批判できる状況ではない。実家の近くにもアマゾンの倉庫ができた。支払われる賃金は周辺の相場を大きく上回る。7月に発効したUSMCAで「時給16ドル以上」が約束されているアメリカの自動車メーカーが日本で工場を展開することで、日本社会の労働環境も大きく前進するのではと思う。本書の趣旨もこれを実現したトランプ大統領のような「プロの政治」を期待しているのだろう。



日本生産の可能性

すでに韓国より人件費が安くなった日本ゆえに時給16ドルでも労働者を集めやすい。メアリー=パーラ率いるGMが韓国工場を引き払うそうだが、提携するホンダが閉鎖を予定している狭山や真岡の工場にサプライズ投下されれば、日本の産業の起爆剤になりそうだ。系列で買い叩かれるだけのサプライヤーにも生き残る道は開けるし、日本の産業用ロボット&工作機械は世界的にも評価が高い。タイ生産の三菱、日産、ホンダ車が国内ではあまりにも売れない状況を考えても、日本の若者もメキシコ製のドイツブランド車ではなく、日本製のシボレーを選ぶと思う。国内生産300万台維持を掲げるトヨタにとっては辛いところかもしれないが、日本の電力&エネルギーを総合的に見て経営判断できる賢明な社長であれば、日本全体のGDP成長についても前向きな結論を出してくれると思うが・・・。



日本が変わるためには

トヨタとともに日本生産維持を掲げるMAZDAやスバルにしてもバブル崩壊の荒波を乗り越えて、「世界トップの商品力」(本書で五朗さんの発言)を発揮するに至ったのは、もちろん関係者の努力の賜物なのだけど、どちらもフォード、GMの傘下で自動車作りの知見を広げることができた「幸運」がきっかけになっている・・・両陣営の本を本でいるとそのことがよく書かれている。実際に世界に通用するクルマ作りに関してはトヨタ、ホンダ、日産よりも一枚も二枚も上手だ。パナソニックとテスラの同盟が素晴らしい結果を残した。企業レベルでの「日米同盟」は、身動きが取れない日本企業にとってはブレークスルーのヒントだ。



良さを消しあっている

ちょっと内容から逸れてしまったが、本書を読んで強く感じたことは「真面目で人柄も良いリベラルなオッサンは、暴走するとかなり暴れる」ってことだろうか。岡崎、池田の熱心なファンが本書を読んだらかなり違和感があるだろう。優秀な頭脳が二つ合わさると・・・「機能不全」になる。間違いなく両名が別々に「EV懐疑論」を書き上げた方が、冷静で考察の行き届いた内容になることだろう。素人の「貴人」が間に入ってしまい、真面目な両者はただひたすらに「『お友達』さんが言いたいであろうEV懐疑論」を協力して代弁したに過ぎない。筋金入りのクルマ好きが読むにはちょっと内容がお粗末過ぎる。随所に散りばめられた「美しい日本」という右傾キーワードに歓喜するのはガチの高齢者と頭が老人レベルの若者だけだと思うが・・・。最後にこの本を紹介してくれた「kozziTV」こと小沢コージさんに感謝を!!



注目の投稿

五味康隆さん&マリオ高野さん 「CX-3の熟成は素晴らしいが・・・」

  評価軸の難しさ 発売から12年目に突入し、とうとう終焉の時を迎えたCX-3だけど、5年ほど前に「E-CAR LIFE」で後期型CX-3の試乗レビューが出ている。「可もなく不可もなく」ではあるが「今の状況を考えたら魅力的なパッケージになっている」みたいな定型文レビューが多いユー...