岡崎五朗&池田直渡 「最凶右傾コンビ」爆誕!!

 

注意喚起!!

買って後悔する人が出てきそうなので先に書いておく。「日本」を愛する気持ちは好意的に伝わってきた史上最長を記録した「安倍政権」だけども、時の人となった籠池夫妻のような「お友達」な感覚で、わけのわからない「右傾」プータロー学者もどきが続々と「内閣参与」に任命されていた。身の程をわきまえずに首相に楯突き(増税反対)、2016年に解任された藤井聡が、政権を「逆恨み」してその後にメディアで痛々しい大暴走を繰り広げのは記憶に新しい。元「内閣参与」の肩書を使って活動する怪しげな文化人は他にも高橋洋一、谷口智彦などなど中身のほとんどない「暴露本」で小銭稼ぎをする人も多い。



怪し過ぎる経歴

カーメディアの中では人気が高い、岡崎五朗さん、池田直渡さんに声を掛け「EV推進の罠」を手がけた加藤康子さんも安倍政権時代に「内閣参与」を勤めている。父親は元国会議員で大臣も経験した農水族の加藤六月である。典型的な「お友達」の範疇を出ない肩書。主な仕事は「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産登録実現とのこと。もうこれだけでこの本への興味が失せた人は少なくないだろう。まあそういう類いの本だ。クルマ好き素人に過ぎない私が読んでも、ほぼ知らない内容は無かった。長く従事している職業柄のおかげで、日本の工業、輸出&輸入、エネルギー、発電方法それぞれの内訳は頭に入っているので、何も目新しいことはなかったが、総選挙前に行われた総裁選で、河野&小泉(&石破)陣営を孤立させた安倍陣営の意向がよくわかる内容にはなっている。



舞い上がっている

カーメディアの中では理論派で理性的な部類に入る岡崎&池田のご両名だが、なかなか出会うことのない「貴人」コネクションとの仕事のチャンスだったようで、対談形式で進む文中には両者の「必死」さが滲み出ている。この二人が河野太郎、小泉進次郎を名指しでボロクソに言い合っているのは、最初こそ新鮮に感じられるけど、そこそこの分量を誇る本書において、随所に登場させて、散々な「印象操作」を行っていることに少々違和感を覚える(「幻滅」しちゃうかも)。脱原発&EV推進派の政治家だけでなく、欧州&中国のEV事情を切り取って「断定的」に書き上げる一般メディアのあり方に対してもしつこいくらいに批判している。少なくとも「カーメディア村」に属している人々にそんなこと言う資格はあるのだろうか!?という疑問は頭をもたげる。カーメディアも「DCT&小排気量ターボ推進派だった」という愚かな過去を反省するのがまず先じゃないのか!?MAZDAに謝ったのか!?



主宰にツッコミを入れろ!!

岡崎&池田の両名も、今後の人生を楽に生きるためとはいえ、あまりに一方的な「ポピュリズム」的な批判を繰り出す自分の姿に内心は「迷い」もあったんじゃないかと思う。主宰の加藤康子さんは、中国市場やアメリカ市場でどんなブランドが売れているかも知らずに「EV推進批判」の本を作ろうとしている。絶対に言えないだろうがまずはこのオバさんにツッコミを入れるべきだ。加藤さんの主張は一貫して「我が国の自動車産業が失われたらこの国は滅びる」ってことだけ(読者をナメている!?)。確かに頭が空っぽな読者にはわかりやすいメッセージなのだろうけど、50歳以下の賢過ぎる若い世代にはほぼほぼ眉唾でしかない。「中国は外資50%規制を設けて合弁を強要している」「VWが工場を操業している新疆ウイグル地区での強制労働問題は深刻だ」「政府の補助金により異常に安いバッテリーが生産できる」などアンフェアな側面を盛んに訴えるが、現実の世界では中国、アメリカ、インド、韓国、ドイツ、イギリス、フランスなど、日本の除く全ての自動車生産が多い国々では「国外メーカー」の工場が建っているのが現実だ、アンフェアなのは中国だけではない・・・。



「プロの政治」

護送船団の日本メーカーは、確かに国内産業の花形ではあるけども、結果として労働者の賃金も先進国の自動車産業としては最低レベルであり、カルテルまがいの不利益行動を取っていると批判されても仕方のない状況だ。GDPで自動車関連が占める割合はわずか4%に過ぎないが、自動車メーカーはいずれも3兆円を超える超大手企業であり、製造業全体の賃金を決める存在と言っても過言ではない。日本の賃金は上がらないのは・・・。派遣労働者(40歳定年制)に作業の多くを依存する日本の自動車工場では、敷地内に派遣会社の労務管理員が常駐している。自動車産業と貧困ビジネスが手を取り合って「搾取」している、とても新疆ウイグルの強制労働を批判できる状況ではない。実家の近くにもアマゾンの倉庫ができた。支払われる賃金は周辺の相場を大きく上回る。7月に発効したUSMCAで「時給16ドル以上」が約束されているアメリカの自動車メーカーが日本で工場を展開することで、日本社会の労働環境も大きく前進するのではと思う。本書の趣旨もこれを実現したトランプ大統領のような「プロの政治」を期待しているのだろう。



日本生産の可能性

すでに韓国より人件費が安くなった日本ゆえに時給16ドルでも労働者を集めやすい。メアリー=パーラ率いるGMが韓国工場を引き払うそうだが、提携するホンダが閉鎖を予定している狭山や真岡の工場にサプライズ投下されれば、日本の産業の起爆剤になりそうだ。系列で買い叩かれるだけのサプライヤーにも生き残る道は開けるし、日本の産業用ロボット&工作機械は世界的にも評価が高い。タイ生産の三菱、日産、ホンダ車が国内ではあまりにも売れない状況を考えても、日本の若者もメキシコ製のドイツブランド車ではなく、日本製のシボレーを選ぶと思う。国内生産300万台維持を掲げるトヨタにとっては辛いところかもしれないが、日本の電力&エネルギーを総合的に見て経営判断できる賢明な社長であれば、日本全体のGDP成長についても前向きな結論を出してくれると思うが・・・。



日本が変わるためには

トヨタとともに日本生産維持を掲げるMAZDAやスバルにしてもバブル崩壊の荒波を乗り越えて、「世界トップの商品力」(本書で五朗さんの発言)を発揮するに至ったのは、もちろん関係者の努力の賜物なのだけど、どちらもフォード、GMの傘下で自動車作りの知見を広げることができた「幸運」がきっかけになっている・・・両陣営の本を本でいるとそのことがよく書かれている。実際に世界に通用するクルマ作りに関してはトヨタ、ホンダ、日産よりも一枚も二枚も上手だ。パナソニックとテスラの同盟が素晴らしい結果を残した。企業レベルでの「日米同盟」は、身動きが取れない日本企業にとってはブレークスルーのヒントだ。



良さを消しあっている

ちょっと内容から逸れてしまったが、本書を読んで強く感じたことは「真面目で人柄も良いリベラルなオッサンは、暴走するとかなり暴れる」ってことだろうか。岡崎、池田の熱心なファンが本書を読んだらかなり違和感があるだろう。優秀な頭脳が二つ合わさると・・・「機能不全」になる。間違いなく両名が別々に「EV懐疑論」を書き上げた方が、冷静で考察の行き届いた内容になることだろう。素人の「貴人」が間に入ってしまい、真面目な両者はただひたすらに「『お友達』さんが言いたいであろうEV懐疑論」を協力して代弁したに過ぎない。筋金入りのクルマ好きが読むにはちょっと内容がお粗末過ぎる。随所に散りばめられた「美しい日本」という右傾キーワードに歓喜するのはガチの高齢者と頭が老人レベルの若者だけだと思うが・・・。最後にこの本を紹介してくれた「kozziTV」こと小沢コージさんに感謝を!!



コメント

  1. 「時給16ドル以上」の米国って、2022年でガソリンがリッター220円以上になってて、日本のガソリン価格を軽く超えてるし、アメリカ吉野家のビーフボールレギュラーは7ドルとかで日本の倍だそうなんで、時給16ドルでも、物価が高すぎて日本と比べて高給でもないよ(・∀・)

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