今月号でもディーゼルをゴリ押し中 カートップ&ニューモデルマガジンX・・・

  アメリカで問題となっているVWのディーゼルエンジンのことは、やっぱりカーメディアにとっても完全に「寝耳に水」だったようですね。毎月26日の発売日が差し迫った中での大スクープでは内容を差し替えることも出来ずに、「(VWは)早くディーゼルを持ってきてガツンとやるべき!」といった内容がそのまま掲載されています。BMWやマツダが日本でディーゼルを発売した2012年から、延々を言われてきたディーゼルの長所に関する一般論を焼き直しただけで、どちらも内容ゼロのコンテンツだったのですが、今回の一件を踏まえて読む分には・・・面白過ぎます。

  マツダ、BMW、BMWミニ、メルセデス、ボルボ(もう乗れます!)とディーゼルを試してきましたが、どのモデルも基本的に直線番長なので、楽しむためには道路を選びます。なのでプライベートのファーストカーでの選択は無いな・・・と思っております(つまりディーゼル嫌い)。やはりレスポンス抜きでクルマの良し悪しはないですね(ディーゼルはかったるい)。確かにディーゼルの記事はカーメディア的には非常にタイムリーで価値が高いでしょうけど、ジャーナリストがなんとか引き出しを増やそうとして、レスポンスが命のディーゼルにはCVTは絶対に合わせられない!とか書いてましたが、それは限界トルクの問題が立ちはだかっているだけの話で、そもそもディーゼルエンジンをレスポンスで持ち上げるジャーナリストが現れるとは思いもよりませんでした。

  レスポンスに関して言えば直4ディーゼルの中では一番違和感が無いであろうマツダのものでも、やはり同ブランドのガソリン車とは大きな差があります。マツダのガソリンは今のところ自然吸気ばかりになっているので余計に大きな差を感じるかもしれませんけど。新たのメルセデスとボルボのディーゼルに乗ってみると、BMWのディーゼルは騒音を除けばそこまで酷くないのかな?という気がします。BMWのディーゼル(直4)は、マツダ以外と比べる分にはレスポンスなどフィール面に関して特に魅力を感じます。ただしクドいですが騒音が煩わしいです。アイドリングストップからエンジンがかかる時の音はもう少しどうにかならないのでしょうか?

  メルセデスとボルボはそれぞれに「道具としてのディーゼル」として好敵手と言えるかもしれません(A、CLA、GLA、B、Cにディーゼルが載れば・・・)。それぞれに日本のデリケートな騒音感覚の中での使用に耐えうるだけの水準を追求しています。出力よりも静音性なのでとにかく回りません(笑)!低速トルクで全て済まそうという方針なので、どちらも欧州車にしては中速域からの伸びが鈍いです(車重か?)。それぞれにボッシュとデンソーが参入していてトップサプライヤー同士の開発競争という側面もあり激しく火花が散っています。BMW(ボッシュ)を相手にマツダ(デンソー)が快勝しての第2戦なのでボッシュ陣営も気合いが入っているようですが・・・。

  主戦場である欧州ではもちろんボッシュ系のシェアが絶対なのですが、トヨタ系列の筆頭サプライヤーとしてデンソーはマツダで実績を積み、トヨタでもランクルプラドでディーゼル復活を果たしました。メルセデス直4とボルボ直4同士を比べたときに、静音性に関してはデンソー系のボルボが優位かな?と予想していましたが、メルセデスもEクラスに搭載されている為でしょうか、かなりジェントルな騒音で、現時点ではハッキリとボルボの負けだと感じました。おそらくこのディーゼルがXC70といったEクラス相当のサイズに搭載されたとしても、無理に回すとかなりざわめくエンジンなので「メルセデス越え」とまではいかないかもしれません。

  さて今月のカートップはとってもタイムリーな「新型ディーゼル比較」です。マツダCX5、BMW218d(直3)、メルセデスE(直4)、ボルボXC60、トヨタプラド、三菱デリカの6台を比較です。この6台で燃費や騒音測定をするのですが、メルセデスとボルボは騒音で思いのほか大きな差がついてました。データによると騒音に関してはメルセデスはマツダと同水準まで低減しており、これは完全に予想外の結果です(そんな静かだったけ?)。EクラスとCX5ではCD値(空気抵抗)が違うからでは?とも思いましたが、アイドリング時でもほぼ同じ水準ということなので、エンジンとマウント&消音・吸音の総合力が相当の水準に達しているようです。ボルボはBMWの直3にも負けるという散々な結果・・・。BMW直3はBMWミニと同じエンジンですから、どう考えてもボルボが優位だと思ったのですけどね。・・・まあカーメディアなんてこんなもんです。

  そんな実力不足を暴かれてしまったボルボのDEモデルですが、ニューモデルマガジンXのV40D4の覆面座談会による評価ではなんと☆を4つ獲得しております! カートップは客観的な測定値を示してそれに基づいた記事を編集しているのに対して、ニューモデルマガジンXはあくまでオッサン4〜5人による主観判断です。けどこのコーナーの常套手段として、主観の判断に説得力を持たせるためにとりあえずある程度の評価を得ているクルマを引き合いに出して、「こっちの方が優れている!」という相対的な表現を多用します。今回も試乗車が輸入車&ディーゼルということで、当然ながら日本のあのメーカーのクルマが引き合いに出されて、「レスポンスはボルボがいい!」とまるで鬼の首を獲ったかのように何度も連呼しています。

  マツダのディーゼルのレスポンスは、ブレーキの効きと踏み込み量との相関グラフと合わせ鏡になるように、踏み込んでからグイグイとトルクが出る人間工学に基づく設計なんですけどね。ブレーキもアクセルも踏みはじめは全く手応えがありません。もしかしたらボルボのDEの方が実際に回転数がすぐに上がるという意味での反応速度は早いのかもしれないですけど、10~30km/hくらいの低速加速時のレスポンスなんてどうでもいい気がしますけどね。本国でMT車に乗ってマツダよりもレスポンスがいい!ということなので、ボルボはさっさとMT車を持ってこい!ということにしておきましょう。けどね・・・ボルボのDEではハッキリ言ってドライビングは楽しめません!期待はしていたのですが、他のDE同様にあまり欲しくなりませんでした・・・。

  さてタイミング的に今月号はもう不回避でしたが、来月以降でディーゼル特集は組まれるのでしょうか? それとカートップはカラーページの「ディーゼル特集」に加えて、編集長以下、清水和夫、島下泰久、石井昌道の4人による「ゴキゲンワーゲン・VW首位奪還への道」なんてコーナーもあります(笑)!・・・そしてこの4人の中では明らかに言ってることに重みもないし、思想もないし、記事はブレブレでチャラチャラの石井昌道氏が、冒頭に出てきた「ディーゼルを持ってきてガツンとやるべき!」という大クラッシュを起こしています。失礼ですが、ディーゼルの1件でガツンとやられたのは本人だったようです・・・。

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