自動車アナリスト・中西孝樹の2年前の予測がハズレ過ぎで笑える!!

イマジネーションが無い人びと

  『クルマを考える』という行為はとっても楽しいですが、ちょっとエスカレートして日常のカーライフに役立つ範囲を大きく超えて、それ自体が目的化しちゃっている私のような人に対して、「買ってから言え!!」みたいな冷や水をかける人が結構いたししますよね。しかもそれが『正論』だと思っていらっしゃるので、もうどう説明しても無駄だなーって思うんですけど、「(クルマについてまともに)考えてから言え!!」と同じ土俵に上がるのもなんだかなー。ハッキリ言って「買ってから言え」派の人は、本当の意味で『クルマを考える』という行為を楽しめていないのだと思う。

クルマをつまらなくしている!!

  で?なにが言いたいのかというと、「買ってから言え!!」派の人々ってのは、間違っているという話です。この病気は結構蔓延しているようで、これはあくまで仮説ですが、今ではクルマ作っているヤツも買っているヤツも評論しているヤツも、ほぼほぼ罹患しているんじゃないか!? そのせいで出てくるクルマはイマジネーションが欠如していてほぼ予想通りのものばかりに。そして3者ともに「つまらないクルマだ・・・」とか呟くけど、いいクルマが生まれる土壌がないのは、結局はクルマを真剣に考えているヤツが少な過ぎるのが原因ということに気がつかないのだろうか!?

今こそカリスマが必要な時代だ

  その昔にホンダのレース活動の陣頭指揮を創業者の本田宗一郎がとっていた頃に、ピストンリング事件ってものがあったらしい。東京大学卒の若い設計者をボコボコにしたという武勇伝の一つだが、この事件が示唆している状況に近いのが現在の日本の自動車産業かもしれない。カリスマには再び蘇って、クソつまらないことを偉そうに言う「自動車エコノミスト」をボコボコにしてもらいたい。中西孝樹や香住駿などのミスリードなアナリストどもを・・・。こいつらの本はマジで読んでて死にたくなる。



中西孝樹著「自動車業界のいまと未来がわかる本」


  自動車好きが絶対に読んではいけない・・・それくらいに絶望的につまらない。簡単に要約すると、「とりあえずドイツ車を選ぶ」タイプの証券マンが、ドヤ顔で今の業界事情を説明し、業界の近い将来を簡単に予測している内容。2015年の11月に発売されて、2年経ってみてその内容を検証して見るとこれがなかなかの爆笑ものだ。全く予測というレベルのすごいことは書いていないけども、あれれこの違和感はなんだ!? 全然未来がわかってないじゃん。ちょっと紹介してみよう・・・

(引用)
『1.変わる競争優位〜"ものつくり”から”組み合わせ"へ』
(引用おわり)

  一見するとまともなことを言っているように見えるが、これは読者の大半が業界に対して無知であるという情報格差に、完全にあぐらをかいただけの暴論だと思う。従来から言われている日本車の特徴『インテグラル』を『ものつくり』、欧州車の特徴『モジュラー』を『組み合わせ』と言い換えている。90年代には『インテグラル』が『モジュラー』をことごとく駆逐したが、2010年代に入り『モジュラー』有利へと完全に状況は逆転しつつあると著者は主張しているわけだ・・・。へー。

MQBはインテグラル要素で底上げした設計だと思うが・・・

  今の欧州自動車産業を「モジュラー」(中西氏は『組み合わせ』と表現)と表現すること自体に疑問を感じる。この表現にぴったりなのは4世代目くらいのゴルフのように1.5~3.2Lの様々なエンジンが搭載できて、それがシャシーとモジュラー接続されるようなクルマづくりであって、現在の集約化されて少なくなったエンジンのバリエーションでは「モジュラー」はちょっとピンとこない。だから「組み合わせ」と言い換えているのかもしれないが、バリエーションがないのに一体何を「組み合わせ」るのだろうか!?

ボッシュはCO2バブルの勝利者に過ぎない

  中西氏は自説の根拠に「ボッシュ」という例のVWにディフィートストラテジーを提供したサプライヤーの急成長を挙げている。ボッシュが「標準化」したシステム部品が欧州車の性能を引き上げたという訳だ。しかしこの「疑惑」のサプライヤーは、その成長過程もすでに「疑惑」にまみれている。日本でプリウスが売り出された頃に、京都議定書が結ばれ欧州では「CO2ビジネス」なるものが登場した。日本でHVが絶対的な存在感を持つようになった同じ10年間で、欧州車のディーゼル比率は50%を超えた。このタイミングでシェアを拡大したボッシュが急成長したという話であって、『CO2バブル』にうまく乗っただけじゃ!? 余計だけど「バブル」を見抜けないエコノミストは世界を不幸にするよ・・・。

最新作を期待してまーす

  トヨタのハイブリッドの技術力は相変わらずに強く圧倒的な競争力を持つが、ボッシュのディーゼルは・・・マツダやデンソーに対して優位なのか!?そんな破れかぶれの状況は2015年の段階でも有識者なら十分に認識できたはずだが、一体この本は何を伝えたいのか!? 付け加えておくと、トヨタのインテグラル・アーキテクチャーを支えるアイシンAWのトルコンATを採用するメーカーが欧州で増え続けている。BMW、MINI、ポルシェ、アウディ、プジョー、シトロエン、ルノー(本国仕様のみ)、ボルボ・・・。欧州のエコノミストが「日本企業の絶対的な影響力」に脅威を感じるならわかるけど、日本のエコノミストが「欧州の脅威」を騒ぐのは自由だが、今でも同じこと思ってんのか訊いてみたい。

独自の技術レベル測定方法!?

  中西氏は著書で繰り返し「日本車は欧州車には勝てない」を繰り返す。本当にエコノミストやカーメディアが主張するように、欧州車が日本車を総合力で上回っているならば、むざむざと世界第3位で500万台も売れる市場を野放しにするだろうか!? そんな素朴な疑問を投げかけると返ってくる定型文は「日本のユーザーはクルマの良し悪しがわからないから」とかいうもの。(オマエがわかってないから!!と言いたい衝動を抑えつつ)良し悪しがわかっていなくても、免許持ってない人も(人ほど)漠然と輸入車に憧れたりしてる訳で、有望なユーザー予備軍はやたらとたくさんいるのは中西氏も認識しているはず。だからあとは、売れ線のモデルを中国で作って大量投入すればいいんじゃないの!?

そして気になるのは「隠蔽」

  エコノミストだかアナリストだか知らねーが、自分に都合が悪い情報は徹底的に隠すのは良くない。「隠蔽」ってのは大学とかいうつまらねー場所で、くだらねー人間と語りあっていると自然に身についてしまう「技術」だとは思うけどさ。もちろん自分にも自覚がありますよ(大学やゼミの全く自由じゃない雰囲気)。そしてある時にふと気がつくんですよ、俺は何をくだらないことを「隠し立て」しているんだろうって。そしてそんな小狡い考え方を「ビジネス」の名の下に合理化しているだけのエコノミストという職業を軽蔑しちゃいます。

信頼できるメーカーは人を見て決めろ!!

  エコノミストって簡単に言えば、公務員、銀行員、商社マンといった「搾取屋(ダニ)」の手先じゃねーか!? その昔に社会に巣喰う寄生虫の手先に成り下がったクズの取材に対して、本田宗一郎はマジで「あんたゴミクズ屋だろ!?」って言ったらしい。「かっこいい」とかじゃなくて、物事の本質を捉えている人にしか人を感動させるクルマは作れないんじゃないかって思う。元日産の水野さんや、マツダの前田さんのインタビューも、なるほど世界を変えるクルマを生み出すだけの見識だなって思うし。

「搾取屋」に堕ちたメーカーとは!?

  中西孝樹はもうどーでもいいが、欧州メーカーを選ぶにしろ、日本メーカーを選ぶにしろ、やっぱり選択基準の根底にあるのは、そのメーカーがどれだけ「搾取屋」に陥っているかどうかだと思う。リーマンショックの時には赤字だったのに、回復して2桁の利益率を出すメーカーが日本にもいくつかある。けど本当に優れたメーカーは、何が起ころうとも2〜5%程度の営業利益の幅を大きくは外さないメーカーじゃないの!?







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