2020年4月24日金曜日

自動車評論にも「スローメディア」を!! 『福野礼一郎あれ以後全集8』



カーメディアに起きた大きな変化
モーターマガジンがWEB上で2006年頃の記事を載せている。まだそれほどトヨタのHVが売れておらず、ほとんどのクルマがまだNAエンジンだった時代ゆえに、自動車技術全般を読者にもわかりやすく伝えやすい。逆に言うと今の次世代技術はあまりにも複雑で、ユーザーの価値観も多様化してしまった中で説得力のある自動車レビューを書くのは難しそうだ。



アクセス数稼ぐためには・・・
自動車技術が複雑になったことに加え、ネットメディアの発達によって自動車レビューの質も大きく変わってきた。アクセス数を集めるために記事数は増やすことばかりに目的が置かれ、1つの記事の執筆に使う労力・時間は確実に減ったように見受けられる。複数のAJAJライターによる「レスポンス」の新型モデルレビューも、手持ち無沙汰な時間にスマホで見る「暇つぶし」というスタンスを守っているようで、徹底された省エネレビューが並んでいる。



MAZDA叩きはやめられない!!
中村孝仁というライターのここ半年くらいのレビューで目立つのは「MAZDAいじり」。別のメーカー車のレビューなのに「最新のMAZDA3よりずっといい」とか、カリスマ評論家・K沢さんのテクニックを研究して取り入れている跡が伺える。還暦を超えてさらに自動車ライターとしての影響力を高めるために、他の人の技術を盗む若手のような自己研鑽に励む姿勢にはただただ頭が下がる。



福野レビューの復活の年
先日発売された「福野礼一郎あれ以後全集8」を読んだ。2014〜2015年頃のレビュー集なのだが、2014年から「福野礼一郎・クルマ評論」というその年の主だった新型車のレビューをまとめたシリーズを発売し始めた頃に重なる。その第一号「クルマ評論2014」はリーマンショックを超えた自動車メーカーがそれぞれに創意工夫をした新モデルが集結し、日本市場でもよくクルマが売れた時期もあって、百花繚乱な内容。VWゴルフ、フォーカス、Sクラス、CLA、4シリーズ、レクサスIS、アテンザ、アクセラ、アウトランダーPHEV、レンジローバースポーツ、テスラモデルS・・・などなど。レクサスがビーエムを超えた!!、VWゴルフは神!!、MAZDAはスゲーことになってる!!と明確なメッセージが盛りだくさんで読み応えがあった。



BMW叩きはやめられない!!
「あれ以後全集8」は、「クルマ評論2014」直後の時期に書かれたレビューを集めたものだけど、意図的にだろうかこの時期から日本市場で苦戦が顕在化するビーエムに関するレビューを中心にまとめられている。読んでいない人にもあらかた結露がわかってしまうかもしれないが、i8と2シリーズアクティブツアラーの物議を醸した2台が中心なのだけど、BMWの他のモデルやMINIブランドと幅広く共通化されたモジュラーエンジンに対しての批判が手厳しい。2シリーズアクティブツアラーはシトロエンC4ピカソとの比較では、ディーゼルの218dでは上回るけど、ガソリンの218iでははっきり「下」だとジャッジしている。


複雑な数式を出す理由
福野さんの病的なまでに複雑なパラメータ計算で示される結果に過ぎない。乗り心地の数値は前席と後席では評価が逆転していることすらある。ラグジュアリーブランドの下位グレードモデルでは、前席の乗り心地はまずまずなのに、後席の乗り心地は異常に悪いことが多かったりする。5年前にリアルタイムで読んでいる時は、この数字の羅列に辟易していたが、今改めて読んでみると、なるほど読者に「自分で考えろ!!」と言いたいのだろうな。


最後は読者に判断してもらう配慮
ある程度は読者の気を引くために、福野さんも人気ブランドのBMWなどを悪辣に評価するポーズこそ見られるけど、ディーゼルエンジンと8AT(ZF8HP)には最大限の賛辞を送っている。福野さん本人も再三に述べているけど、1台のクルマの中にあらゆる毀誉褒貶が含まれることが多い。どのメーカーも「勝負するところ」と「ごまかすところ」を開発段階で取捨選択するのは当たり前のことであり、様々なパラメータを設定することでこの秘密の判断を解析しようという姿勢こそが、自らのレビューが絶対的に正しくはない、驕りをなくすために、考えられた方法論なのだと思う。



罵声メディア
読者が行動する(考える・クルマを購入する)ようになるレビューこそが、自動車メディアの本来の価値なのだけど、K沢、W辺陽一郎といったAJAJ会員のレビューを読んで人々は行動するとは思えない。気に入らないメーカーの経営方針をひたすらに批判し、その勢いのままに新型モデルをケチョンケチョンに叩く。ただひたすらに「MAZDAはありえない!!」と言いたいだけなのだろう。アクセス数稼ぎが至上命題なのだからブレた正義感を晒す余裕など全くない。そんな結論ありきのレビューは2019年にはよく見られた光景だ。繰り返し行われたので、さぞかしファストメディアとしてアクセス数を稼ぐことには大きく貢献したのだろう。



MAZDAとBMWの違い
「ファストメディア」のトレンドは圧倒的にMAZDA叩きなのに対して、「スローメディア」のトレンドはBMW叩き!?いやBMWの良さを十分に評価した上で違和感がある部分を分析した上で、様々なパラメータを勘案して、BMWの変調を警告するのは、よほどの字数でじっくりと論理を構築しないとまず理解してもらえない。「地獄」「クロノス」などのパワーワードだけで、あっさりと思考停止(脳死)している連中を笑わせることができるMAZDAとは違って、まだまだBMWはそんな段階には至っていない。



還暦にもなって「いいね!」を押すな
K沢、W辺のMAZDA叩きに対して必死で「いいね!」を押してるだけの中村孝仁の「中身のないレビュー」は、失礼ながら還暦くらいのオッサンが飲み屋だったりヤフコメで調子に乗って書いているレベルだ。雑誌媒体のカーメディアにしろ、「ファストメディア」にしろ、クルマの未来を切り開くことは無理だと思う。サブスクという言葉が一般化されつつあるが、「スローメディア」を代表するライター沢村慎太朗さんのメルマガが、その先駆的なスタイルだったようだ。ユーチューバーもいいけど、サブスクを利用した「スローメディア」がカーメディアにおいてももう少し広がっていくと面白いとは思う。






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2020年4月5日日曜日

MAZDAのWEB記事 ヤフコメ相変わらず盛況・・・


渡辺陽一郎はMAZDAに恨みがあるの!?
日曜日の朝からヤフーのトップを飾る「マツダ・苦戦の新世代エンジン」の文字・・・。消費底冷えの危機的状況の中で「〇〇が売れない理由」と書き散らかす渡辺陽一郎氏というライターの人間性をアレコレ言っても何の意味もないので、数時間で1000件をあっさり超えたヤフコメから「傑作選」をお届けします。



このデータでOKですか!?
トヨタの関係者? 世間では「データ」が全てという風潮ありますけども、トヨタ2L(M20A型)とスカイXをこれだけの比較で「変わらない」と結論するのは不毛だと思う。出力/最大トルクとモード燃費の3要素で結論するならば、黙ってトヨタのHV用ユニットを選べばいいわけだし。トヨタのM20A型はTNGAによるトヨタ改革で作られ始めたダイナミックフォースエンジンの1つ。トヨタ&レクサスで異彩を放っているレクサスLSの新型V6ターボ(3.5L)や新しいヤリスに搭載される1.5L(M15A)などが他にもあるが、まだまだ日本向けのトヨタ車での搭載例は少ない。


「架空」の対決
M20A型ユニットはマツダファンにとっても無視できないスペックを誇っている。しかし去年発売されて、やたらとMAZDA3と比較されたカローラには現時点では搭載されていない。エンジンは気になるけど、使われているのはレクサスUXとRAV4だけだ。おそらくトヨタとマツダのアライアンスの中で合意が行われているのだろう。スカイXのMAZDA3と競合しないように、国内向けカローラにはM20Aは搭載されていない。容量大きめのSUVが欲しければRAV4、手頃なサイズの高級車が欲しければレクサスUX、より軽量な車体でMTに組み合わせて乗りたいならMAZDA3、メーカー同士がせっかくカチ合わないように分けているのに、国沢という評論家が発火点となり、全く購入する気のないお気楽な連中の無意味な「エンジンスペック」議論として陳腐化してしまった。このコメント者の言い分は、もしカローラにM20Aが搭載されていて、スカイX車よりもずっと安いというならば納得できるが・・・。


理想に燃える2社
山岳区間も多い日本のダイナミックなワインディングロード(長野県のビーナスラインとか)であらゆる回転域を使ってクルマを走らせている人にとっては、スカイXとM20Aの両エンジンの誕生は「まだまだクルマで楽しめるかも!?」と大いに期待ができる慶事でしかない。スカイXもM20Aも高回転型のスポーティな方向性の「量販車向け」ユニットとしては「世界最高」のレベルにある。後で具体的に述べますけど、このエンジンじゃないとクルマは欲しくないです!!ってタイプの人も結構いるのです・・・。


マツダを殺すな!!
余談だけど、トヨタがカローラにM20Aを搭載すればマツダの描いた青写真はあっさりと潰れてしまうかもしれない。しかしトヨタはマツダの「ちょっとバカ」なところを大いに評価しているのだと思う。2000年代にはミニバンにショートストロークエンジンを搭載していた愛すべき「バカ」メーカーなんだけど、2014年発売のプリウスはそんな「バカ」のおかげで大ヒットを遂げTHSは大いなる飛躍を遂げた。レクサスLCがHVで発売できたのも「バカ」のおかげと言っていいかもしれない。これからもマツダを泳がせておけば、再びトヨタを救ってくれる貴重なアイディアを提供してくれるかもしれない・・・。



日々感じていること
クルマ&読書離れが大いに進んだからか、メディアが垂れ流す情報だけが「話題」のオッサンが増加傾向にあると感じる。ハッキリ言って会話するのもウザい。ネットの大手一般メディアに大文字で描かれる情報なんて、もはや「空気」みたいなもんだ。いい歳をしたオッサンが周囲の人に数日前のヤフーニュースで見聞きしたことを話す光景は、「今度山手線に新しい駅ができるんだよ!!」とお母さんに必死で伝える小さい子みたいなもんだ。周囲の年少者はなぜお母さんの気持ちになって知らなかったフリをしなければいけないのだろう・・・。


考えない人は有害
「お母さん知ってた!?マツダのエンジンはトルクがスッカスカ・・・Xなんだよ!!」ですかい。面と向かって言われたら「そうだったんですね〜」とお茶を濁しますが、心の中では、このオッサンは「なぜトルクが小さいのか!?」「なぜトルクが簡単に増幅できるCVTやターボチャージャーを使わないのか!?」「なぜマツダがスーパーチャージャーを選んだのか!?」とか様々な「前向きな事情」を全く考えないんだなと思う。マツダの開発者や役員を見下して叩いていい気になってる・・・本当にそれ「だけ」の人がネットでウヨウヨと発言していれば、そりゃ日本ではみんなユーモアなんて忘れてしまう。調子乗っているヤツは叩かれるからおとなしくしておこう。ネットには怖い人がたくさんいる。いわゆるネトウヨじゃないけど「関わっちゃいけない人」とか言われちゃう人々の影に怯えてしまう。マスク2枚貰えるって聞いた反応が皆同じ・・・この国は大丈夫か!?


誰が言い出した!?
「トルクがスッカスカ」とはカーメディアによって広く流布した表現である。2011年頃にはBMWの2L直4ガソリンエンジンには、NA(N43B20)とターボ(N20B20)の二種類があった。NAの方は1.6Lターボ、1.5Lターボに置き換えが進み消える運命にあり、ターボの方が同じくNAの直6ユニットを置き換えるために新開発された。N43B20の基本スペックは170ps/6700rpm  21.4kgf・m/4250rpm というもの。このエンジンが姿を消して以降のBMW直4ガソリンは同じメーカーのエンジンとは思えないくらい変わっている。N20B20は 184ps/5000rpm 27.5kgf・m/1250rpm である。物理がわかってない、あるいはドライビング実体験からのフィードバックがないオッサンが、悪意あるカーメディアの「トルクがスッカスカ」運動の被害者になるのは仕方のないことだけども、まあまともな感覚の人なら試乗段階で欠陥に気づく。


蘇る黄金時代
ちょっとBMWから距離を置いているクルマ好きにとっては「N43B20でいいから、そのまま復活させて!!」と密かに願っているかもしれない。福野も数年前のレビューで直4ディーゼルのF30系3シリーズから余計なものを全部外して1250kgくらいに収めてくれと書いていたけど、かつての一体感のあるBMWの復活を願ってやまない。なんの因果かわからないけど、RAV4搭載(レギュラー仕様デチューン版)のM20Aは 171ps/6600rpm 21.1kgf・m/4800rpm なので10年前のBMWのスペックを見事に蘇らせたと言ってもいいかもしれない。M20AあるいはスカイXがビーエムに提供されたら!?そんなことを想像したこともないからこんなコメントが書けるのだろうけど。


ドライビングの原点
福野という頭のちょっとオカシイオッサンは、ディーゼル搭載の1250kgクラスをビーエムに要求しているけど、2013年にそれに近いスペックのクルマをFFで作った「バカ」メーカーがあった。2.2Lのオーバースペックなディーゼルを標準的サイズのCセグに載せてしまった。怖い怖い。「じゃじゃ馬を乗りこなしています!!」という満足感を売りにするのもいいけどさ、日本の国道&都道府県道レベルのあらゆる道で、ストレスフリー&95%ファントゥドライブを実現するには、ディーゼルよりももっと柔軟性のあるエンジンがいい。極上のカーライフを真剣に考えている人は、GT-RやWRXのようなTT向けスペックとは違うスポーティな魅力がイメージできていて、それが10年前に終焉したNAのBMW、M20A、スカイXじゃないかと・・・。



こんな時代にクルマを開発する意味
公道走る意味がないハイスペックなサーキット向けTT車や、トルクの太さがすぐ分かるディーゼルの魅力は分かる。しかしそれらを基準に「トルクがスッカスカ」だとしてハイチューンなNAエンジンを排他的に虐げる人には、大きな減速比でトルク増幅したCVT車や、最大トルクを1200rpmまで下げたターボ車で、箱根やビーナスラインを駆け抜けてみて欲しい。色々と足りないものが見えてくるだろう。上から目線で恐縮だがトヨタやマツダの開発者が何を求めて10年以上前のスペックを現代に再現させているのか少しは理解できると思う。そしてスーパーチャージャーの意味もマツダの人見さんが言葉を選ばずに本音で叫んだ「ダウンサイジングへの疑問」の中にその答えがある。日本の都市部のような信号ジャングルを通過するのに向かないマツダ(トルコン、NAエンジン)にとって理想的な補完部品がコレとマイルドハイブリッド。メルセデスやアウディもすでに同じような機構を使い始めている。






マトモなコメントもあります
このコメントをしたのは私ではありません!! 見事に渡辺陽一郎や意味不明なコメントを書いて盛り上がっている連中に対する痛烈なカウンターパンチが炸裂しています。こんな的確なコメントがスラスラと書けるオッサンになりたい。その為には日々の経験からあらゆる気付きをフィードバックして知識とマインドをブラッシュアップし続ける必要がありそう。クルマは「移動して見聞を広げて」「メカの知識が増える」という意味で不可欠な趣味なんですけど、さらに海外旅行、公共交通機関を利用した旅行、読書、カメラ、ロードバイクなどなど日々精進していかねば・・・とヤフコメを見て痛感しました。






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