国沢光宏さんが日本COTYでMAZDA車に10点入れる!!!!!

 

なんでEクラスと5シリーズが無いのか!?

2024-2025日本カーオブザイヤーが発表された。コンパクトミニバンをホンダの技術力で徹底的に磨き上げたホンダ・フリードが受賞した。最終選考の10台のうち輸入ブランドが4台で、ICEとBEVが併存するMINI以外の3台がBEV専用車となっている。中国BYDと韓国ヒョンデが輸入車の2枠を占めていて、残りのボルボも吉利汽車との共同開発のBEVで、ディーラーでは取り扱いはなくネット販売専用車である。


ノミネートされた輸入ブランド車では、メルセデスEクラスが販売も好調で良さそうだと思ったが、クラウン・セダンが最終選考漏れ(LBXとランクル250でトヨタは2枠)の手前、ライバル車のセダンが10ベストカーに残るのはマズいと判断したのだろう。BMW5シリーズも最終選考は当然のモデルだったが、同様の理由で外されたようだ。毎年のことだけども、予定調和が満載な日本COTYでは、どのような人為的な「調整(忖度)」があるのか、あれこれと考えるのが楽しい。


今回の審査員は・・・


日本COTYはカーメディア各媒体の推薦を得た59人の選考委員の投票によって決定される。選考委員の選出がメディア推薦に変わってから数年が経つが、多くのメンバーは変わっていない印象だ。全体的に高齢化が進んでおり、ざっくりと岡崎五朗さんと小沢コージさん(どちらも1966年生まれ)より下の世代は「若手」といった印象である。


他の賞の審査員とは違って、直近1年間で日本市場で発売されたばかりの新型車を審査する。自動車大国ドイツでも新車でクルマを購入するの平均年齢は40歳を大きく超えるらしい。日本はまだまだバブル時代の商習慣が残っていて、20歳代でフルローンで高級車を購入して仕事を頑張る原動力にすべきだと、ディーラーに行けば説明して貰える。日本人は家もクルマも買わなくなったから離職率がどんどん上昇しているとか・・・。


年齢相応の審査


ランクル250、レクサスLBX、CX-80などは40歳以上をターゲットにした商品企画であり、高級感ある作り込みで500万円以上の価格になっている。完全に大人の年齢の審査員59人が集まったのだから、トヨタ、レクサス、MAZDAそれぞれのブランドの「近年の最高傑作」とされてもおかしくない3台の評価が意外に低かったのは残念だ。ちなみに各審査員は3台のクルマに10、4、2点をそれぞれ入れるシステムだけど、選んだ3台がこの3台と完全一致した人は0人だった。


別に審査結果が不満ってことは一切ない。しかし大人の年齢の審査員が若い読者や引退世代の読者の気持ちに寄り添って、若い人(高齢者)にも手が届くフリードやフロンクスを積極的に選考するしたたかな茶番を見せられるくらいだったら、最初から30歳未満の自動車系ユーチューバーを主催者選出で入れて、若者の意見をそのまま反映させた方が良い。そして女性審査員は7名しかおらずわずか12%だ。世界的に悪名高い衆議院議員の女性比率(15%)にも抜かれてしまった。


どうした!?国沢さん・・・


そんな中で、最大手メディア「ベストカー」選出で年長者の代表の風格さえ感じさせる国沢光宏さんが、意外なことにMAZDA・CX-80に10点を入れていた。CX-60へのバッシングが起こるずっと前から、主筆を務めるベストカー誌上では国沢さんを中心にMAZDAを痛烈に皮肉る「偏向報道」が何年も続いている。一般的にMAZDAファンからは国沢さんはカーメディア最強のヒール役と認識されてきた。最近では「ひでぽんチャンネル」にキャラを奪われているが・・・。


CX-80の魅力である直列6気筒を縦置きにする設計は、MAZDAの副社長を務めた藤原清志さんがロマンに全振りできる世界的ブランドを再構築すべく、開発を推し進めたものである。フォード傘下から離れ独立メーカーとなった2010年に、藤原さんは商品企画・パワートレイン開発の執行役員となり、その後の第六世代&第七世代のMAZDAブランドの方向性を決定する立場にいたことで有名だ。いうまでもなくCX-80はその輝かしい集大成といえるクルマである。


三菱トライトンではないの!?


このCX-80に10点を入れた国沢さんは、2018年頃からベストカー誌上や個人の動画メディアにおいて、執拗に藤原さんに対して名指しで大批判を加えてきた。2022年に突如として藤原さんがMAZDAを辞めたが、国沢さんのMAZDA批判は2024年現在のベストカーでも相変わらずに続いている。直近のベストカーでもMAZDA3の最上級モデルに搭載されているスカイアクティブXを、「高速行きでも低速域でもうっとおしい音がする」みたいなことを書いていた。


国沢さん個人の本音として、自動車メーカーに対してそれぞれどんな印象を抱いているか、明確にはわからない。しかしベストカーの記事を追いかけている限りだと、どうやらトヨタ、スバル、三菱のことは基本的にはお気に入りのようだとわかる。今回はレアな三菱から「トライトン」が最終選考に残ったメモリアル・イヤーであるのだから、当然にトライトンに10点を入れると勝手に予想していた。


クルマの未来を心配し過ぎか!?

最終選考10台中の2台がラダーフレーム車の日本COTYはなかなかにクレイジーだ。ちょっと不謹慎だけども、地震や豪雨災害に備えて日本のクルマは今後オフロードやグラベルに対応したモデルが増えていくのかもしれない。「HEVのトヨタ」「PHEVの三菱」のイメージは作り上げたけども、その反動もあってか、これまでの日本COTYの最終選考を勝ち抜くことすらナンセンスと思われていたラダーフレームのランクル250とトライトンが選ばれた。


日本メーカーはもっとBEVに注力しろ!!という意味なのか、輸入ブランドは前述のようにBEV専用が3車種とBEV設定があるMINIの4台が選ばれて、定番のEクラスや5シリーズが政治的な理由もあってだろうけど排除された。選考結果は、1位フリード、2位CX-60、3位MINI、4位フロンクス、5位LBXである。上位5台の中にはラダーフレームとBEV専用車は見事に含まれていない。


今回は国沢さんの一人勝ち


日本COTYの総意として、道筋が見えない日本市場向け乗用車の方向性に、明確なメッセージを出したかったのかもしれない。「サスティナブル(持続可能)」こそが知性の根源であり、日本のインフラを考えるとラダーフレーム(燃費最悪)やBEV専用車にはネガティブな意見が多く出てしまう。「多様性」の尊重は大事だけども、ランクル250や爆速BEVが自動車を代表する存在になってしまったら、「クルマ=知性に欠ける趣味」と結論されてしまうだろう。


国沢さんの投票はCX-60に10点、ヒョンデ・アイオニック5Nに4点、ランクル250に2点である。そしてコメントには「最も優れたエンジン車とBEVを比べた結果」と言っている。日本メーカーの美点である低燃費エンジンを搭載する5台が上位5つを占めたけども、その中でMAZDAのエンジンだけが新開発である。そして他の2台をBEV専用車とラダーフレーム車に振り分けた。59人いる審査員で3つのジャンルから1台ずつ選んだのは、国沢さんただ1人だ。









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