VWポロの1.5Lターボは 余裕で30km/L走っちゃいますよー!!・・・・というステマ
1.5Lターボは日本のハイブリッドを超えている!?
このブログでも度々ネタにさせてもらっている、ニューモデルマガジンXの匿名オッサン軍団による(とされる)座談レビューが特集を組んでいたが、次世代VWを担う1.5Lターボが異次元の性能らしい。第一弾として日本市場に導入されたVWポロRラインの1.5Lターボの燃費が「このレビューによると」とてもすごいことになっていて、モーターなんて積んでなくてもT社やH社のハイブリッドを軽く蹴散らすのに十分過ぎるんだってさ・・・。
どんなカラクリなんだろう!?
そのまま抜粋すると「時速100km前後だと走行抵抗が低い平坦路では間違いなく2気筒で走行できます。その状態の2名乗車で燃費表示は30km/L付近の数字が表示されます。」・・・おー!!これは素晴らしい!!プリウスの高速道路100km/h巡行だと25km/Lくらいって言われているから軽く圧倒しちゃうようだ。そりゃ100km/h巡行ならばプリウスでもエンジンの一番美味しいところ(燃費の目玉)を回して走るモードになるのだから、余計なバッテリーとモーターが付いていないポロRラインの方が有利なのかもしれない。それにしてもトヨタの熱効率30%以上を誇るユニットを、ターボ過給で超えてしまう1.5Levoって一体どんな仕組みなんだ!?
事実なら常識は覆るが・・・
トヨタが厳選した軽量化素材を惜しみなく投入したプリウスに最新型のハイブリッドシステムを乗せていても、VWが低コストで世界中に売りまくっている1.5Lターボにごくごく旧型のDCTを組み合わせただけのユニットにあっさり負けてしまう・・・これは事件だ!!C-HRでもカローラスポーツでも1.2Lターボよりも圧倒的に燃費&走りが良いとされるのが1.8Lハイブリッドなんだけども、「そんなヒエラルキーはトヨタの茶番に過ぎない!!」とばかりに、VW陣営は全ての常識と塗り替えようとしている。もしこのレビューの内容に偽りがなければ、ハイブリッドでもディーゼルでもなく、最良のエンジンはライトサイジングされたガソリンターボってことになる。
残念な構図
トヨタのCVTに対して、基本構造は直結でありシフトチェンジさえなければ伝達効率で優位に立てるVWのDCTを使っているのだから、高速道路をハイギアードで巡行するには、やはりアウトバーンの国のクルマが優位なんだろうけど、なんでこのレビューはもっと「確信的」にポロの優位について決定的な書き方をしないのだろう!?プリウスとポロのボデーや重量を考えても、トヨタのハイブリッド技術の「闇」を暴く意味で非常に重要な着眼点だと思うのだが、どうやら座談しているオッサンたちが、最初から「フォルクスワーゲンではトヨタには勝てない」と思い込んじゃっているんだろうな。このレビューが世の中に影響を与えるのか!?胡散臭さしか出てない。VWももっと科学的に頭のキレるライターに依頼すべきだったのでは!?
ハッキリ書けないややこしい関係
なんとも言えないタマムシ色のレビュー。300万円前後の価格帯で買うなら「ポロRライン」と「プリウス」のどっちを買うべきか!?という設定もリアリティがある。この2台を比較しちゃうとちょっと不都合な点がある。まさかのボデー剛性はプリウスの勝ちだけど、燃費ではポロの勝ちという双方のブランドイメージを裏切る着地点が見え隠れする。プリウスは20km/L、30km/L、40km/L、50km/L・・・と新世代になるに従って見違えるように燃費がよくなることをユーザーは期待していたはず。しかし現在の社長はそんなプリウスに課せられていた期待とミッションをあっさり方針転換してしまった。ボデー骨格がしっかりしていて、ドアを閉じるフィーリングまで良くなった現行プリウスに市場は少々困惑気味かもしれない。
ポロの迷走
2世代前までは世界のBセグの頂点はVWポロだった(福野礼一郎氏の評価)。Bセグを真面目に作ることになんの意味があるのか!?とリッターカー全盛時代の日本メーカーは安かろう悪かろうな姿勢はあったけども、最小限の4輪の地位が軽自動車へ移るに従って、ポロにかぶる路線を志向し始めた。ユーザーはVWポロに対して、他の日本車を突き放してさらにBセグの限界を超える質感を要求したのだけども、そんな無茶な期待から逃れるように先代からやや迷走をはじめ、現行でも1.5Lターボが登場するまでは、少々厳しい意見のレビューが目立つモデルだった。端的に言ってしまえばユーザーはVWに「中古車市場で10年20年と愛されるビンテージ感」を求めていたのだけど、現行モデルの作り込み加減はそんな期待にまるで逆行している。
中古車市場が評価しなくなったドイツ車
車体の各所にこだわりが感じられ、中古車市場でも案外に長い年月を通して盛り上がりそうな現行プリウスと、まるで使い捨て品質となっているポロは、とうとう立場が逆転してしまったかもしれない。VWポロに限らず、2010年代になってドイツ車には中古車市場から完全無視されそうなモデルが増えている。先代の直4ターボのEクラスやBMW523iなどは中古車市場では信じられないほど値段がつかない。他にも2シリーズATやAクラスなど2010年代のドイツ車はユーザーの期待をただただ裏切ってしまったモデルがたくさんある。とにかく手触りが悪いんだよなー・・・エンジンの吹けとか。
これはステマなのか!?
このニューモデルマガジンXのレビューが何を目的に書いているのか!?その狙いがイマイチ判別できない。エージェントから「トヨタのHVより燃費が良いかのように誤認させるレビューを書いてくれ!!」とオーダーされているのかな!? 実際にはプリウスの実燃費は高速でも街乗りでもあまり変わらずに25km/L前後は出るのだから、高速ではまだしも、VWが苦手としている街乗り燃費ではおそらく歯が立たないだろう。それでもこのレビューは街中でも20km/Lいきます!!みたいなことを書いてます。CVT&1.5Lターボのシビックでは13km/Lがせいぜいだと思うけど、このレビューが本当だったらちょっと衝撃的ではある。
なぜ詐欺をわかるように書くのか!?
「高速道路で30km/Lの燃費表示」というエピソードもよく読めばどこにもアクセルオン状態とは書いていない。このポロのポテンシャルを考えれば、高速道路限定でプリウス超えと言われても安易に否定できない信ぴょう性があるのだけど、もしVWのステマとして企画されていて、実際に平均燃費でプリウスを超えているのであれば、もっと堂々とハッキリ書くべきじゃないか!?という気がする。なんでこんなに曖昧なんだ!?ちなみにアクセルオフで高速道路で滑走しているだけならば、旧型の2ガソリン車でも瞬間燃費で軽く30km/L以上の表示が出るけど・・・。もしかしたらVWを買いかぶり過ぎたかもしれない。このタマムシ色レビューが真実を語ってしまっている。このレビュアーのオッサンたちの狙いは、これを読んで「ポロの燃費はスゲー!!」と読者の多くに誤認させることなんだろうな・・・と断定するしかない。有罪。
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