2015年6月15日月曜日

「BMWのすべて」で沢村慎太朗氏が大暴れ!これはヤバい!

  三栄書房から「BMWのすべて」というムックが発売されました。「◯◯のすべて」という名称はこの出版社のいろいろなシリーズで使われているのですが、去年あたりから展開されていて、既に「マツダのすべて」「スバルのすべて」「ポルシェのすべて」「メルセデスのすべて」「フェラーリのすべて」などクルマ好きから支持を集めているメーカーにスポットを当てた「名車アーカイブ」シリーズは、他の三栄書房のシリーズよりも編集に力が入っているようで、非常にお買い得感があります。

  そんな「名車アーカイブ・シリーズ」の最新号としていよいよ「BMWのすべて」が出たわけですが、今回も全く期待に違わぬ内容でして、特に目立っていたのが、3本も織り込まれていた奇才・沢村慎太朗氏のコラムです。たびたびブログで取り上げさせてもらっているのですが、このライターはこの10年余りのBMWのクルマについてかなり厳しい意見を発信しておられます。自身のメルマガを再編集した著書シリーズ「午前零時の自動車評論」では、80,90年代のBMWに関してはしばしば「自動車作りの模範」として引用されますが、一方で2000年以降のBMWに関しては、ほぼ90%以上の割合でその陳腐化したクルマ作りに対して強烈な批判を繰り返し加えています。

  最新作の第9巻でも、「名ばかりのMは道をあける」というタイトルで、BMWの真髄が詰まったはずの「M」のコンプリートカーをボコボコに批判しています。この人の文章は豊富な知識と優れたレトリックを楽しむなかで、あまり顕在化しないですが「結論ありき」として書かれることが非常に多いです(作家はこうあるべきですけど)。そしてその結論とはズバリ「M3/M4とM5/M6以外は存在価値無し!」で、見事なまでにハッキリ言い切ってしまっています(あらま・・・)。第1巻の「BMWの懺悔」からしてかなり強烈で、要約すると「2000年代のBMWはただの直線番長に堕ちた・・・E60系、E87系、E90系はもはやBMWですらない! けどF01系、F10系で考えを改めたようだ。」(F30系の発売前の原稿)といったものです。こんなえげつないことをハッキリと言ってしまうライターを「BMWのすべて」に登用する三栄書房の意図はいったい・・・。

  沢村さんは「AUTOCAR」や「モーターファンイラストレーティッド」でも事あるごとに「BMWの凋落」を皮肉たっぷりに語っていますが、やはり最もBMWファンの神経を逆撫でしてきたのが、「足がフニャフニャで酷いハンドリング」を持つF30系への痛烈な批判だと思います。そんな破天荒なライターが、改めて「BMW」の歩みを記録するマイルストーン的なムックで一体何を語るのか? と思いきや、やっぱりこの人はブレません・・・。

  1本目の「320d試乗記」では、「アクセルフィールが・・・(悪い!クソ!)」「ディーゼル音が・・・(ウルサ過ぎて死ねる!)」「燃費が・・・(高速では期待できるが、街中ではHVの半分もいかない、このクルマで燃費自慢するヤツはアホ!)」とアホには読み取れない見事な暗喩に覆われていますが、極論すると「完全否定モード」です(これで褒められていると感じる人はいないだろう・・・)。さらに強烈なのが「ランフラットの酷いフィールを補うために、ブッシュがたっぷり入ってる!(その結果ハンドリングが相当に緩い)」でして、これには嬉々としてこのムックを買ったBMW好きが不憫でなりません。これを読んだら激高するあるいは失望してすぐに見積もりに出し始めるかもしれません。

  ブッシュがたくさん入っている!ってトヨタの「カムリ」や「サイ」のユーザーならば割と素直に喜んでくれると思いますが、BMW、マツダ、スバル辺りのユーザーには逆効果ですね。特にBMW好きは日本のセダンでは味わえないものを求めてE90/F30系あるいはE60/F10系を無理してまで買ったのに、「オマエらのクルマは平均的な日本車と同じ」と面と向かって言われているわけです。確かにF30系の乗り味はいよいよトヨタ・プレミオみたいな雰囲気に収束しつつあって、BMWに乗っているという高揚感なんてほとんど無いですけどね。

  2本目は「M3/M4の紹介」です。この2モデルに関しては沢村さんは肯定的なことを書いてきているのでまあ安心して読めます。まるで「名ばかりのMは道をあける」の焼き直しのような文章なんですが、今回はさらにエンジンについても細かく教えてくれます。専用エンジンの「直6ツインターボ」の素性を高く評価するところまではいいのですが、BMWのベースモデルのユーザーは、すでに沢村さんのタコ殴りで全身傷だらけなのに、さらに傷口に塩を塗込むような苛烈さで首を絞められます。「オマエらが大事にしてるBMWなんて直4も直6も平凡でしかない!」みたいなほぼ悪意しか感じられない恐ろしい内容です・・・。F10系の直6なんて900万円もするのに!くそ!

  3本目は「E60系のデザイナー・アルカンジュリの物語」です。まずこの天才デザイナーの仕事についてあれこれと専門のスーパーカー分野に踏み込んで説明してくれます。ピニンファリーナ時代の代表作「360モデナ」の当初のデザインは凄みを感じる美しさだったのだけど、知性と美的感覚が欠如していたフェラーリのCEOによってデザイン変更が強制された結果、「太ったNSX」になってしまったという逸話。それからBMWの暗黒時代(バングル時代)の中で作られたクルマのデザインは、どれもほぼ「出オチ」で、今ではどれも「祭りのあと」のような残念な腐敗臭を出しているけど、アルカンジュリのE60セダンだけは、トランク回りの曲線に気品を感じるといったお話です。E60セダンのユーザーだけはマトモって事か?

  要約すると「E87系、F20系、E90系、F30系、E60系(セダンを除く)、F10系、E65系、F01系 バングル期のBMWは全部ダサい!」という主旨のようです。マジか・・・E63の6シリーズのリアデザインは結構好きだったのにな。BMWが大好きな人は沢村ページだけ糊付けしてしまって開かないようにすればいいでしょう。他のページは図鑑のようによくまとまっていますよ! BMWが嫌いな人は本屋で一度立ち読みして貰えば、笑って一時が過ごせるんじゃないですかね。

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2015年6月4日木曜日

有名ライターのDセグ批評・スカイラインとISに冷徹なダメ出し。

  「もう、ジジイは引っ込んでろ!」という暴言が頭の片隅から聞こえてきたのは自分だけじゃないはず・・・。モーターマガジン2015年7月号の「Dセグ特集」をウキウキと読んでいたら、久々にとんでもびっくりなウ◯コ記事に遭遇してしまいましたよ。レクサスIS、スカイライン、アテンザ、レガシィの4台は一連のFMCを終えて、セダン不遇の国内市場で予想をはるかに上回る健闘を見せています。それぞれのモデルに込められたアイディアの数々を考えれば、そこそこの反響があって当然だと思いますし、世界で最も「安全」「楽しい」「快適」「スタイリッシュ」な4台と言えます。これほどいいクルマを作ったのにもし売れなかったら開発者はガッカリするでしょうから、ひとまず売れてホッとしました。とにかく自信を持ってオススメできる非常に価値のある4台ですし、私にとっては全て購入対象で、多くの人にとって十分に検討に値する出来であることは間違いないです。

  これらの日本勢のあまりの完成度の高さに、輸入車を中心に評価することが多いカーメディアの多くはここ数年は沈黙を続けています。すでに公然の事実を化している事(これら日本車4台が、メルセデス、BMW、アウディ、ジャガー、キャデラックといった輸入車プレミアムを圧倒しているという事実)に触れようともしないで、小型車の特集ばかりに誌面を費やす姿に読者離れもだいぶ進んだようで、廃刊・休刊が目立ってきました。さて今回モーターマガジンが沈黙を破り、今になっておとぼりが冷めたかのように、輸入車好きカーメディアにとってタブーの4台が引っぱり出してきました。そして改めてメルセデスCクラス(C200)と比較しますという、何とも不毛な設定(決着済み)を用意して、これまた各種カーメディアで横断的に活躍中のW辺T史氏が担当しておられます(その勇気に拍手!)。

  私はセダン大好きで、特にDセグは実用車として世界で最も優れているジャンルだと信じていますから、すでにこれらのクルマには徹底的に購入を前提とした試乗を繰り返しており、他のジャンルのクルマよりも格段にそれぞれの実力差は体感済みです。BMWを初めとしたドイツ車好きで知られるW辺氏ですから、まあ間違いなく日本勢を絶賛することはないだろうということは分りきっていましたが、新型Cクラスを全く寄せ付けないくらいに作り込まれている4台に一体どんな評価を下すのか興味津々でした。ハッキリ言ってしまうと、この日本勢4台にC200を合わせた5台から好きなクルマを選ぶとして、この中でC200がベストと言う人はクルマのことが何も分っていないか(音痴)、メルセデスからカネを貰っているかのどちらかだと思いますよ。

  まあ想像の通りではありましたが、久しぶりにW辺氏に腐り切った日本のカーメディアのかつての「常套手段」の数々を見せてもらいました。これだけ説得力のあるクルマ作りをしている日本勢に対して「プライドが足りない」と、なんとも釈然としない一言で締めくくっておられるのには、とりあえずぶったまげますね(読者をナメルな!)。読み終わって即座に「コイツにはプロのモータージャーナリストのプライドがあるのか?」なんて少々不謹慎な思いが湧いてきました。「日本車は走り込みの量が足りないからドイツ車には適わない」なんていう怪しげな先入観を振りかざすといった「老練」な手法が飛び出します。もし百万歩譲って、W辺氏の言うとおりに乗り込み量に応じてクルマの完成度が上がり、メルセデスをはじめとしたドイツメーカーが日本よりも最も恵まれた環境にあったとしても、理解できないのが、なぜC200の電制ステアリングとアクセルのフィールはとんでもなく酷いまま放置されているのでしょうか・・・。

  私もしばしば「日本人の繊細なフィールで仕上げられているから、日本のフラッグシップが一番乗り味がいい!」みたいな怪しげなことを言い放っています。実際にこういう前置きを言い切ってしまうと、日本の高級車はどれも精緻で豊かな乗り味のように思ってしまいますが、実際に現行のクラウンアスリートをノーマル仕様で乗ってみると「あれれ・・・」と、仕上げ方にもいろいろあるんだなと単純に恥じ入ることもあります。個人的には日産とマツダの作り込みの上質さに心酔しているので、トヨタやホンダのフワフワ感はやや低級で「ガサツ」な乗り味と受け止めてしまいます。そして新型Cクラスの印象もなんだかこのトヨタ&ホンダ調の「フワフワ」が気になる乗り味なんですよね。ついでに言うと最近のBMWとかマセラティ・ギブリなんかもこんな方向性に感じましたよ!

  このW辺氏も認めてますけど、ドライバー主観の乗り味だったら日産(スカイライン)やマツダ(アテンザ)が、堂々とC200を寄せ付けないレベルに立っています。けれどもW辺氏によると、「ステアバイワイアをスカイラインに持ってきた意図がイマイチよくわからない」だそうです。え〜まじっすか!日本車のフラッグシップがNVHでメルセデスやBMWを圧倒するようになってから、もう四半世紀が経過しますよ(1989年に日本車は世界の頂点を掴みました)。なのでいまさらスカイラインやアテンザがC200よりも静粛性が高くても何も驚きませんし、そんなことは当たり前だと思っています(ドイツ車の方が上と主張する奇特な方もたくさんいますけど)。そしてさらに今回のV37スカイラインを指名買いする理由としたら、クルマ好きにとっては、「ステアバイワイアの採用」だったりするんじゃないですか?

  まあなんとも不可解な理由でC200の下に位置づけられてしまったスカイラインは不憫です(まあW辺氏になんと言われてもオーナー様は気にしないですけど)。C200と同じようにランフラット採用するなかで、NVHでC200に完勝しているとまでハッキリ認められているのに、それでもC200の方が上って一体どんなルールなんだ? もっと可哀相なのはレクサスISです。ドイツ車を圧倒する高剛性ボディに生まれ変わったわけですから、従来のトヨタサルーンが持つ「旦那仕様」とは一線を画す乗り味になるのは仕方ないです。アシを固めて高出力ユニット積んでも、十分な操作性が得られるように作ったボディだから弱点だってありますよ・・・。ランフラットのC200よりも路面によっては突き上げが酷いそうです。それってそのまんまサス剛性による結果だと思うのですが、フニャフニャでトヨタのプレミオみたいな乗り味の最近のCクラスや3シリーズのノーマル車と突き上げの有無を比べるなんてまったくフェアじゃないです。W辺氏の尺度によればプレミオがC200とレクサスIS300hの上に立つことになるんじゃないかと・・・。

  アテンザに関してはFR勢を相手に意外なほど軽快なハンドリングだ!なんて持ち上げておられます。けれども日本車を手放しで褒めるなんてことはこのライターはしないですから、今回もなんだかんだ言いがかりを付けてきます。今回は「サイズだけ大きいくせに後席はそれほど広々していない」だってさ・・・。え?何と比べました?C200ですよね?勝手にイメージの中でC200が「Sクラスロング」とか「マイバッハ」になっちゃってないですか?アテンザの後ろが狭くてダメっていうなら、スカイラインもISもCクラスの後席なんて座れたもんじゃないですから、いっそのこと「2+2」シーターと名乗った方がよくないですか? アテンザはスタイル優先で十分に空間が取れてない?それって最近のメルセデスのクルマに対する一般的な評価じゃないですかね・・・。さすがに書いててバカバカしくなったのでこの辺で止めておきます。ほぼ一般人には解釈不能レベルのW辺氏のレガシィ評など読みたい人がいれば書店で見てみてください。


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2015年5月9日土曜日

BMW2シリーズアクティブツアラー を巡るカーメディアの不始末・・・

  日本に入ってくる輸入車も今や3BOX車よりもSUV、MPV、スモール(Cセグ)、サブコンパクト(Bセグ)が多くなってきました。バブル期に輸入車に夢中だった男性サラリーマンは大幅に減少し、自分の憧れのクルマを買う時代でもなくなったようです。それに代わってファミリーカーとしての輸入車の需要が増えているようで、いまだにバブル気分が抜けないは失礼かもしれませんが、アラフォー・アラフィフの女性にとって輸入車のステータスはまだまだ健在のようです。オシャレな立地にマイホームをゲットした30~40歳代の夫婦は、家の前に日本メーカーのミニバンではなくて、VWシャランを選ぶ人も少なくないみたいです。機能性の高い日本のミニバンがいくらでもあるのに、わざわざVWを選ぶなんて・・・と思うのですが、まあなんとなくですが、そうしたくなるお気持ちはわかります。

  アルファードの「5年・5万km以内」というそこそこのタマが中古市場で大人気とはいえ、200万円程度で買えるようになっていて、初代モデルに至っては50万円以下の叩き売り状態になりました。さすがに増え過ぎて、街中で白いアルファードが3台も数珠つなぎに走っていたりすると、もう「ミニバンの王様」の風格もなんだか霞んでしまいます。そしてこれだけアルファードがたくさん走る中で、黒いボクシィに乗るのもなんだか味気ないですし、テンションが上がらないです。クラウンやマークXばかりの中で、自分だけカリーナに乗る気分でしょうか。VWがどれだけ値引きしてくれるかわかりませんが、新車でアルファードを買えるくらいに余裕があるならば、400万円くらいで選べる選択肢としてシャランなのかな?という気もします。

  そんな市場を狙い撃ちした?のではないかと思われるのが、BMW2シリーズアクティブツアラーで昨年に日本にも導入されました。なんだかちょっと貧乏臭い印象があるメルセデスBクラスと違って、MPVでもデザインを妥協しないBMWのこだわりが発揮されていて、日本のファミリーカー市場に一石を投じてくれるクルマだと思うのですが、カーメディアの反応はそろって辛辣なようです。クルマ好きにクラッチを合わせた評論がカーメディアとして求められるという論理は分らないでもないですが、ステレオタイプなクルマ好きが言ってそうな「2シリーズアクティブツアラーはBMWではない!」といった悪気の無い主張を「擦った」ような内容では、日本のクルマ文化は豊かになっていかないと思います。

  このクルマはちょくちょく乗せてもらっているBMWディーラーの担当者が必死で売っているようで、わざわざ電話までかかってきたこともあり(オマエにはこれがお似合いだ!ってことか・・・)、ちょっと試してみました。何を期待して乗るかにもよると思いますが、確かにBMWの誇る3BOX車の基準からみれば、シャシーの剛性感はいくらか劣りますし、BMWらしい加速時のスムーズさからくる高揚感がやや薄いですし、ハンドリングのイメージもいくらか違います。この辺をやたらと大げさに主張する人が多いですね。しかし本当にそれくらいにスパルタンな基準でクルマを選んでいる!と胸を張るくらいのBMW好きならば、現行3シリーズセダンの非Mスポ車に関しても「不可」という判断を下すべきでは?という気もします。既にカーメディアでボコボコにされている2シリーズアクティブツアラーに乗ってみて、これはこれでアリだな!と密かに自分の「反骨心」に何かが響くのを感じました。少なくとも2シリーズATは3シリーズよりは「偽り」の要素は低いと思われます。

  ニューモデルマガジンXに毎月登場する「オッサン・3人組」が最新号でこのクルマを批評してました。本文では不満タラタラで全くオススメではないはずなのに、得点は「75」「90」「80」と高得点が揃いました。読んでいる側としては全くもって意味がわかりません。ちなみにこの総得点は2月号に登場したデミオと全く同じです。先月、先々月もムーブとレガシィといった意欲的なFMCを行ったモデルが登場しましたが、これにぜんぜん及ばない点数でしたね。ちなみにスカイラインは「50」「50」「50」でした(真面目にやれ!)。さて2シリーズATが隠すことができない特徴として、MPVとしてはナイスなスタイルと、パッケージ面で日本車が国内市場でバトルしながら熱意を持って作り上げてきた画期的な機構をことごとく吸収していることだと思います。FFになって5シリーズ並みにリアは広くなっていますし、さらにリアシートにスライド機構が付いています。この辺が従来のBMWファンの逆鱗に触れているのかな?3気筒ターボは日本の軽自動車がオリジナルだ!とゴネるつもりはさらさらないですけど。

  オッサンの1人であるT平氏が「FFのどこが駆け抜ける歓びなんだ!」とプチキレてましたけど、これまたトンデモない論理を振りかざして、「E21とか乗ったことないガキが偉そうなこと吐かすな!」と意味不明なことを仰るわけです。「昨今のヤワなBMWに乗っただけで語るな!」ですか・・・あ〜面倒くせ〜、一体この後にE21やE30をレストアして乗るなんて物好きがどれだけ居るのでしょうか? 昔のE21やE30と比べれば雲泥の差だから、このクルマは全くBMWらしくない!絶対ダメ!とかやたらとムキになっているこのオッサンに、逆に2シリーズATがダメで、3シリーズ(F30)がOKな理由を問い正したいですね・・・。

  そしてこのオッサン達の手抜き仕事にあれこれツッコミを入れるのはバカらしいですけど、さらに読んでいくと「あくまでBMWとして物足りないだけで、日本のFF車なんかとは次元の違う話です!」みたいな妄言がとうとう飛び出してしまいました。全くもって確信犯的に面白過ぎです!!! 軽く釣られてみると、いったいどこを指して「日本のFF車」なんだろう!? 少なくとも
「2シリーズAT < インプレッサ < オーリス < ゴルフ < アクセラ」
くらいの違いはド素人でも乗り比べればわかるんじゃないですか? ハッキリ言って2シリーズATでは、「ジェイド」や「クロスオーバー7」といった日本車の新世代MPVに「走り」で勝てる!という確信すら掴めなかったです(7人乗りに負ける?)。なんだかT平氏の頭の中では、フリードとかスペイドとかいったパッケージ最優先の優良プチバンとの比較になっていそうな気がします。E21とか持ち出して意味不明な説明する前に、現行の日本車との実力差を正確に描くのが読者の求めているものなんですけどね・・・。


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2015年4月8日水曜日

ゴルフとそれ以下の輸入車Cセグ9台の比較!?・・・ちょっと待て!

  「オートカー」誌が残念なことに休刊?になり、以前よりもちょっと勢いを増した感のある「モーターマガジン」誌の気になった記事について書きたいと思います。4月1日発売ということで、新しい年度を飾る「5月号」がなかなか気合の入った構成になっています。ざっといつもの3倍くらいは面白い!読み応え十分です。しかも「輸入車ハンドブック」という付録まで付いてます(これがなかなかよく出来てます)。


  本編には新型モデルレビューとして「メルセデスAMG C63」や「メルセデスC450 AMG」も登場しますし、なかなか秀逸だったのが「アテンザXDとボルボS60の比較」というツボを心得た企画です。アテンザとボルボS60の乗り味は世界最高水準!とドッカンドッカン花火を打ち上げていましたが、あえて余計なクルマを入れずにこの2台「だけ」に絞ったモーターマガジンの企画力こそが天晴れだと思います。他の雑誌で有りがちなのは、「C」「3」「A4」「IS」といった定番モデルとの比較なんですけど、そもそもこれらのメインターゲットは「高齢者」ですから、ノーマルだと運転していてもちっとも面白くないです。いろいろな部分がフニャフニャしていて、これでは運転していても「イライラ」しますし、作る側も確信犯なので、その言い訳としてMスポ・Fスポやら用意していますけど、これら「本気」モードの足回りと比べても、なんというかマツダとボルボが到達している「北欧テイスト」の乗り味は断然に味わい深いのですよ・・・(もちろん個人差はありますけどね)。

  さてそんな中でメインとも言える企画の「輸入車CセグHB10台の徹底比較」がちょっと残念でした・・・。特にVWとのタイアップというわけでは無さそうなので、その点ではフェアな気持ちで読む事ができましたが、普段はスーパーカーに心を躍らせているであろうオッサンライターたちの雑な仕事っぷりがいちいち目につきます。これは誰一人としてCセグに興味ないんだな〜・・・という雰囲気が最初から最期までプンプンです。Cセグともなると女性評論家の方がなんとなくしっくりきますね。モーターマガジンお抱えの佐藤久美ほか飯田裕子・竹岡圭・川端由美・藤島知子(敬称略)の5名でやってもらった方がだいぶ誠実な企画になったのではないですかね・・・。

クルマのラインナップは以下の通りで、

「VWゴルフ・トレンドライン」
「アウディA3スポーツバック1.4」
「メルセデスA250シュポルト」
「BMW120i」
「フォード・フォーカス」
「ミニ・クーパー5ドア」
「ボルボV40・T4」
「プジョー308シエロ」
「シトロエンDS4シック」
「ルノーメガーヌハッチバックGTライン」

あれ?ジュリエッタは?・・・最近では北米にも上陸しダッジブランドからもジュリエッタベースのクルマが発売されるなど勢力を拡大しつつあるのに。あと・・・なんだか輸入車だけではどうも「華」がないですね(マジかー!?)、とりあえず「レクサスCT」と1.2Lターボを載せ始めた「オーリス」も仲間に入れてほしかったです。さすがにアクセラとインプレッサが入ってくると、コスパがヤバいですから、企画そのものが「つまらなく」なっちゃうのでこの点の「除外」はオッケーなんですけどね。

  「この10台の中で買うとしたらどれですか?」 いちおう全部乗ったことがあるのですが、とりあえず欲しいクルマは・・・無いです(自己負担なら)。レンタカー・代車で乗るとか誰かが車検代のみで譲ってくれるというならば10台どれもウェルカムですけど。新車をノリノリで買いにいかせてくれるくらいに、魅力溢れたものは無いです。もし「DS4のボディ」と「フォーカスの駆動系」が合わさったならば、ちょっと欲しくなるかもしれませんが・・・。「308のボディ」でもいいかな。けど駆動系に関しては「フォーカス」で決まりです。だって1台だけショートストロークの直4NAですから、もはやこれは「反則」です。このエンジンはフィーリングの良さからジャガーXJのベースモデルでもターボ化されて使われているくらいの素晴らしい素性のエンジンですし、元々はマツダがNCロードスターに搭載するために作ったエンジンですから・・・。

  今回登場した評論家が「こもだきよし」「石川芳雄」「河村康彦」「西川淳」「渡辺敏史」(敬称略)の5名なんですけど、もう右足の関節が鈍くなっていて、フォーカスのエンジンの良さがいまいち伝わらなかったのでしょうか・・・(失礼!)。あるいはもっと「政治的」な理由なんですかね、「VW」と「フォード」のどっちに媚びたほうが今後の仕事が捗るかなんて、素人でも十分に想像付くレベルですから。けども読者&ユーザーをナメてもらっては困ります。つーか本当にフォーカスに乗ったの? あくまで憶測ですが、「どーせフォードのディーラーに出向いてフォーカスを買いに行く人なんていないじゃん!ハッハッハ!(だから言及するだけムダ!)」って感じだったんじゃないですかね。確かにディーラー網を整備しないフォードのやる気の無さにも問題はあるわけですけどね・・・。もういっそのことマツダの系列に売ってもらったらどうですかね。新型マスタングもあることですし。

  さて5名がそれぞれ選んだクルマ3台を見てみると・・・とさすがに内容をバラすのはルール違反なので、そのセレクションから見え隠れする各ライターの「属性」を完全に上から目線で紹介したいと思います。まず「こもだきよし氏」は・・・・単なる高齢者ですね(失礼!)。高齢者って男女問わずなんだか派手なデザインのクルマに平気で乗ってますけど、ホ◯ダC◯-Zとか本気でカッコいいと思うんですかね。そんなC◯-Zみたいな「オモチャ」的なテイストが好きな人が多いみたいです。徹底的なデザイン重視!なんですけど「こもだきよし氏」の選択も高齢者が不思議と好むゴテゴテなヤツばかりです。こういう外見だけの選択ならばわざわざテストドライブする必要もなかったのでは? もちろんルックス重視ですから大本命のはずのあのクルマは入っていません(だって凄く地味ですから)。

  次にモーターマガジンではおなじみの「石川芳雄氏」は・・・これはなかなか好感が持てます。極めて妥当でとてもバランスの良い選択になっています。ハッキリ言って5人の中であなたが1等賞です。やはり自分が「顔」的存在の「モーターマガジン」の年度始めの大切な企画に泥を塗るわけにはいかない!といった責任感が伝わってきます。3人目の「河村康彦氏」は・・・完全に逃げ腰ですね。やたらと「ユーザー視点」であることを強調しておられました。つまり「俺はこのクラスに全く興味がないんだけどね・・・」ってことです。なるほど、街中で思いっきり馬鹿にされそうな3台をわざわざ選んでくれました。まったくCセグにリアリティを持っていない方なんだなぁ・・・あくまで憶測ですけど。

  4人目の「西川淳氏」は・・・なんというか、大変失礼ですが今度は「先入観」が論調を支配している様子がわかります。とりあえず「1台だけ土俵が違うだろ!」ってことで1位が別格という評価なんですけど、「おい!そっちかよ!?」って感じです。確かにフォーカスだけNAエンジンなんで完全に「反則」なんですけど、西川氏の選択では別のクルマが「別格」と持ち上げられていました、まあ一般的な意見として「別格」も頷けるわけですけど、そんなことはド素人にでも分ることですし・・・。そして何よりそのクルマは足回りがフニャフニャですけどいいんですか?5人目の「渡辺敏史氏」は・・・やっちまいました!1、2位が完全に石川さんとかなり被ってしまった!そして3位にはご贔屓のあのブランドが・・・まあ気持ちは分りますけどね。石川さんと同じでいいセンスしてますね、やっぱり渡辺(敏)さんみたいにマルチに仕事ができるライターはバランス感覚がよいみたいですね。まあ納得できますし、言いたいこともわかります。ただCセグに興味はないんでしょうね・・・(渡辺さんはもっと小さいヤツを買うことはあるみたいですが)。




  

  

2015年3月22日日曜日

西川淳さん「スカイラインは終わった!」の真意とは?

  「俺はスカイラインをずっと買ってきた、その俺が言うのだから間違いないスカイラインは終わった。」 V36までは許せたけどV37はダメという西川淳さんの決意の一言には一体どのような想いが詰まっているのでしょうか。大学卒業とともに34が生産中止になった私の世代にはとても口を挟めない「重み」を感じるのですが、それでも「プレミアムを騒がせよう」と意気込む日産のエンジニアにとってはあまりにも残酷で冷血な一言なんじゃないですかね・・・。

  ニューモデルマガジンXでの「西川連載」は、ライターの色がよくでていて毎回とても面白いのですが、今回の4月号のスカイラインは読み応えたっぷりでいつも以上に面白すぎました。各方面から言いたいことを言われて完全に弱りきっている自動車業界。彼らに対して「大人」が本音でバッサリと切り捨てるなんてことは、なかなかできなくなってきたわけなんですけど、日産とスカイラインという抜群のブランド力にはまだまだ余力があるようで、西川氏クラスの評論家が全力でぶつかっていける「まだまだ噛み応えのある」稀なケースなんだと思います。たとえばジャガーやボルボといった苦境が続いている輸入ブランドに噛みついたところで、ただの弱いものイジメでしかなく、それが今となってはメルセデスやBMWといった有名ブランドでもあまり変わらない境遇だったりします。

  フェラーリやポルシェを相手に必死に(平然と?)噛みつこうとする本質的に「アジ」な沢村慎太朗さんみたいな人もいますけど、スーパーカー評というのはそもそも自動車評論の中では異質な存在ですし、乗ったこともない一般人には何のことだか直感的にはわかりません。専用設計スポーツカーではない乗用車に対して「俺の気持ちに火をつけろ!」と、西川さんクラスの超一流ライターに真剣に吼えさせるのは、世界中広しといえどもスカイラインだけじゃないですかね・・・。

日産が執拗に「プレミアム」を意識したプロモーションを仕掛けているのだから「俺の気持ちに火をつけろ!」くらいは当然に要求される「ノルマ」なのかもしれませんが、例えば直列6気筒を積んだF10で今更に「火がつく」なんてことはまずないですよね。900万円出してコレを買うくらいなら、GTーRだかISーFの方が・・・。プレミアムブランドのディーラー行ってもそれほどテンションあがらないですし、レクサスなんて「おもてなし」はなかなかですけど、いざクルマを見せられるとがっかりさせられるのがオチです。

  西川さんのこも連載にはほかにもいろいろなクルマがでてきますが、総じて感じられるのが、どれもこれも「俺が本気で語るレベルではない」ということです。ここ数年は業績が好調だと伝えられている「マ○ダ」や「ス○ル」なんてこの人の手にかかれば完全に子ども扱いで全く相手にされていません。「ポルシェ」「マセラティ」「AMG」くらいにしか反応しないようなベテランライターの枯れ果てた心をに400万円もしないクルマではどうしようも無いわけです。例えば堂々の登場を果たしたア○セラXDのときは、最初から自分のテンションを挙げるために軽快な冗談が飛び出すほどの緩いテンションで、「女性や若い人向けのクルマにしてはよくできてるんじゃないの?(あんまりよくわからないけど)」くらいのニュアンスがビンビン伝わってきました。得点は非常に高かったですけど、私のようなマツダ贔屓には西川さんの本音がよ〜くわかりました。

  そしてスカイラインは?というと、点数こそ低かったですけども、そもそもスカイラインとア○セラには絶対に越えられない壁がありますし、西川さん自身が「Cセグ以下は絶対に買わない・乗らない」であろう前提でのア○セラの高得点とはまったく別の基準の話でしかないようです。それでも一言「でかいクルマは飽きる」という至言が・・・。西川さんは「サイズ」に疑問を呈しておられましたが、V37スカイラインに乗って気になるのは、やはりプレミアムカーにまとわりついてくる電制デバイスが存在感を強調している点ですね。はっきり言ってストレスでは?というものも多いです。レクサスもメルセデスもBMWもなんだか走りが楽しめない要素が年々増えてきています。しかしこればっかりはクルマ作りの哲学によるものなので一概に非難できないですけど・・・。そして「プレミアムカー」では当たり前になってきている「8AT」って実際のところ「CVT」みたいな気持ち悪さがあります。よく輸入車ユーザーがスバルのCVTを批判してますが、はっきり言って8ATのニュルニュルと変なタイミングでシフトアップする感触はスバル車以上にクソじゃないですかね。

  ATに関してはスカイラインはかなり優秀だと思います。ジャトコ製の日産ハイエンドモデル(スカイライン・フーガ・Z・シーマ)専用の7ATに乗れば「やはり日本車はいいな〜」と心から実感できます。西川さんをはじめまともな評論家ならば、ジャトコ7ATがZF8AT(通称8HP)とは比較にならないくらいに優れたミッションであることは当然にわかっているはずです(だからあえてBMWのATには言及しません)。中国メーカー車のように6HPや8HPを使わざるを得ないかわいそうな輸入ブランドには同情はしますけど、先代スカイラインが北米でBMWを蹴ちらしたのは当然のことで、日産車に何一つ勝てないゴミでしかないF30が月に2000台売れてしまう日本市場に日産が思いっきり失望するのも無理ないです。「さあプレミアムを騒がそう!」とアジりたくなる気持ちをわからなくないです。

  西川さんの気持ちが盛り上がらなかったとしても、「スカイライン」とは日本のクルマ文化が年月をかけて創り出した「高性能車のスタンダード」の結晶のようなものだと思います。スカイラインを絶えず通して我々は日本の自動車産業の実力を知り、「ものづくり」の素晴らしさや、工業製品に込められた開発者の「想い」を端的に感じます。あえてそんな日産に苦言を呈するのであれば、日本市場での販売において6気筒の非HVモデルを廃止して車両価格が上がってしまったことに対する残念な気持ちはあります。日本のユーザーが中国のユーザーのように盲目的にBMW3シリーズを絶賛しなくて済むのも、やはり日本にはスカイラインあったからこその話だと思うのですが、国内・国外のスポーツセダンがユーザーを舐めたようなクソ設計に陥るのを監視するというとても重要な「役割」を日産自らが放棄しつつあることには、やはりがっかりしてしまいます。


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2014年8月28日木曜日

メルセデスCLA250・・・いよいよ始まった"本音"でフルボッコ!!!

  いや〜ビックリしましたね。今月号(2014年10月号)の「オートカー」ですが、「英国車特集」としておきながら、最大の読みどころは後半に付いている「メルセデス特集」でした。まずは新型Cクラスのドライビング=インプレッションから始まります。もうすでに他の雑誌で少なくとも5本以上のインプレを読んでいて、どの1本も印象に残っていない「薄味」ばかりだったので今回も全く期待していませんでした。それが読んでビックリ!で新型Cクラスを見事なまでに「文脈」で分析していて、「良い点」と「悪い点」がとてもわかりやすく描かれています。ライターもここまで自信持って言い切るからには、相当に確信めいた感触が得られたのでしょうけど、それにしてもこの独特の文体を使うのライターは・・・もしや?。そうです突如としてオートカーに降臨した沢村慎太朗さんでした。

  発売直後の雑誌なのであまり詳しい内容を書く事は避けますが、とりあえず新型Cクラスのインプレを読んだ素直な感想としては、「運転下手くそな自分には合っているのかもしれないけど、とりあえずいらね〜・・・」といったところでしょうか。沢村さんが言わんとしていることを、私なりに解釈(曲解)すると「メルセデスはデカいのだけ作ってればいい」みたいなところですね。中型車は日産あたりからOEMすればいい話です。それを金儲け主義のルノーとメルセデスがビジネスライクに協議してしまった結果、コストがかからない方の「メルセデス設計」に統一しようなんてことになってしまうんですね。さよなら日本製スカイライン。

  沢村さんのインプレですが、今回もとても納得できます。レクサスISやスカイラインと同じサス形式にグレードアップした効果!なんて素人っぽい事など一切触れずに、3シリーズを軽く上回る旋回時のアジリティの進化は「本物だ!」と力説しておられました。でもそこ(3のコーナーリング)はすでにレクサスのFスポでも通過したものであり、BMWよりも金(コスト)かければそれだけいいものが作れるといった程度の話にも聴こえます。そもそも「プレミアムブランド」としてのまともな意識があるならば、沢村さんに間違っても「論外」「落第」なんて言われないように頑張らねばいけないと思います。結果として今回もメルセデスを信じて購入したユーザーが大恥をかかされてるわけですから、もうちょっとしっかり作ってあげて欲しいと思います。もっとも1000万円以下のモデルのユーザーのことなどまったく関知しないのがプレミアムブランドってものなのかもしれないですが・・・。

  さてさらに「沢村ワールド」全開だったのが、Cクラスインプレに続く、C180とCLA250の比較記事です。これまた凄い!!!というかヤバい!!!・・・完全にメルセデスに喧嘩売ってます!ターゲットはもちろん「世紀のガラクタ」CLA250です。去年の発売以来このクルマは予想以上に反響が大きいと報じられる以外は、主だった評論家はコメントを避ける傾向にありました。まあこの微妙な反応の時点でクルマの出来は推して知るべしなわけですが、私のような素人でも乗ったら乗ったで一言言わないと気が済まなくなるほどで、これが400万円!?クレイジーすぎる!!!と失礼極まりない感想を持ってしまいました。まあでもゴルフやらアクセラやらやたらと優等生ぶったクルマばかりが脚光を浴びる中で、こういう「ふざけたクルマ」もあってもいいのかも・・・と広い心で接してあげたいです。どんなクルマにだって短所はあるでしょうし、どんなに酷いクルマだったとしても、結局はそれを選ぶ人の人間性の問題なのですから。

  それにしてもCLAに関しては疑問点がたくさんありました・・・まずは「なんでそんなに酷いデザインなの?」(笑)。デザインは個人の主観もありますから看過するにしても、ほかにもいっぱいあるんですよね。結局のところ「どう使っていいかわからん!」と思ってしまいます。これだけベストなサイズなのにもかかわらず他の全てがダメ過ぎます。その辺の「へなちょこ具合」について沢村さんが今回の記事で実に見事なまでに科学的に問題定義してくださっています。本音を言うとちょっと違う印象の部分もありましたが、総じて不満に感じるところは同じだったですね。これは「グランドツアラー」ではなく「モデルカー」であり、デザインが気に入ったら家の前に飾っておくクルマなんですかね。私のようにデザインがダサいと思ってしまった人にとっては「税金がかかる粗大ごみ」でしかありません。

  そんなに気に入らなければ買わなきゃいいだけの話だろ!ってまったくその通りです。しかしこれまでまったく沈黙していたカーメディアがなんで今になって「本当のこと」を書き始めるのか?にはいささか興味があります。メルセデスは今でも日本国内で販売台数トップ10に入る非常に重要なブランドであることには変わりはなく、日本の自動車ユーザーにとっても納得のいく価格で様々な選択肢を与えてくれる馴染み深い存在です。日本人ユーザーの視点からもかなり評価されているブランドを、沢村さんが改めてまるでPSAの右ハンドル車を苛烈までに叩いた時のような「日本をナメるな!クソブランド!」と言わんばかりの罵詈雑言を浴びせたことに少々驚きを禁じ得ないです。

  それでももしメルセデスが何らかの意図を持って、この評論が出ることに「O.K.」を出したというならばなんとなく合点がいきます。CLAのベースグレードである180は確かにバーゲン価格でした。私のように批判的な意見をネット上で述べる人々に対し、メルセデスだからといってハードルを上げ過ぎてないですか?メルセデス版の「プレミオ/アリオン」ですよとの反論には一理あるなとは思いました。「日本車よりも断然に良い」といった意味不明な意見が相当に見られたので、思わずブログで揶揄したことはありましたが、ユーザー自身がカローラみたいなものだと割り切っているならば特に文句はないんですよね。まあ「どうでもいいクルマ」です。

  ちょっと話が逸れましたが、もしCLAユーザーの一定割合が「日本車よりも断然に良い」と思い込んでこのクルマを買っているとしたら、その「魔法」から自然と覚めてメルセデスに対する憎悪の炎を燃やすよりも早く、さっさと現実を教えてあげて新型Cクラスに乗り換えさせた方が得策!なんて考えてるのかもしれません。今ならばCLAも高く売れますよ!なんて呟かれて、沢村さんいわく「真面目に取り組んでいる感じのないCLAと、筋道を追って考えられたC。Cの圧勝である。」なんてフレーズを見せつけられれば、メルセデスディーラーもますます「捗る」ってところでしょうか。


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2014年7月8日火曜日

スカイラインは「50点」なのに、BMWi3は「96点」って・・・

  いつも日本車の粗捜しをして、意味不明な評価基準で都合の良いデータだけを挙げ連ねて、「日本車を買うヤツはバカだ!」とでも言いたげな、メンバー全員「不毛」なニューモデルマガジンXの「喜怒哀楽」にBMWi3が登場しました。このクルマもうすでに近所で走ってるの見かけたんですが、豪華な軽自動車といった感じでとてもデザインは良かったですね。さすがはアクセラを抑えてカーデザイン・オブ・ザ・イヤーに輝くだけはありますね。そんでもってこのコーナーでの得点も軒並み高評価で、アクセラがあっさり負けてしまいました。アクセラよりもi3の方がオススメってことですか・・・なるほど。

  電気自動車って何だかんだ言っても「クルマではない」です。100km走ったら30分の「充電休み」なんてもはや自動車の前提が完全に崩壊しているような気がします。次世代を担う「エコカー」は排気ガスさえ出なければ何でもいい!なんてのは極めて初歩的な発想です。週末くらいしかクルマに乗らないような人がEVに乗り換えたところでその効果はたかが知れていて、自己満足の域を出ないものにしかなりません。

  むしろ航続距離が限定されるEVが、都市部の自動車専用道路をノロノロと走り出したら、周囲のガソリン車が渋滞を起こして余計な加減速を繰り返して、社会全体のエネルギー効率は悪くなるということも考えられます。発電過程においても東電管内の90%以上が火力発電ですからCO2もNOxもたくさん出ていますし、バッテリーの製造と廃棄の過程でもさらに大きなエネルギーを使います。そしてBMWi3のCFRPのボディはリサイクルが出来ないのですから、西川淳さんも言っておられますが、コイツは本当にエコカーなのか?と疑問が付きます。そこまで否定しておいてからの西川さんの「96点」も不可解で「ネックは車両価格だけ」っておいっ!。

  そもそも前回にこのコーナーに登場して全員から「50点」という採点放棄の宣告を受けたスカイラインの方が、先代のガソリンモデルから比較しても多くのアドバンテージがハッキリしていたように思うのですが・・・。「スカイラインHV」と「BMWi3」がほぼ同じ価格というのにもおどろきですが、一体どっちのクルマが「持続可能な日本」にとって有益なクルマなんでしょうか? まあいろいろな意見があることは承知の上ですが、都市から一歩も出れないようなクルマを1台だけ所有する人が増えることは、都市部の中で全ての消費行動がより一層完結するように変わることを意味します。

  東京から30km圏の外側の観光地は軒並み疲弊し、公共交通機関と直結した観光地だけが商業主義的にデザインされた「パッケージ・レジャー」を販売していくことになりますが、その多くは新幹線よりも断然に割安なLCCを使ってハワイにいくことを選択するでしょう。ハワイの「青い海」もいいですが、沖縄や宮崎にだって同じくらいキレイな海が・・・LCCが参入してないのでハワイとくらべて金額的に大差ないですね。いやいやそこまでいかなくても三重県にだってキレイな「青い海」があります!

  東京から新幹線と特急を乗り継いで行くと、ハワイにいけちゃうくらいの料金がかかってしまいますが、三重県ならばクルマで行けます。紀伊山地の絶景を眺めながら突き進めば、そこには「絵に描いたような」プライベートビーチが広がっています。紀伊半島の南端部だけが海の色が違うみたいで、三重県南端部の熊野市付近まで行かなければいけないのですが、どうやらEVでは名古屋からも大阪からも辿り着くのは無理そうです。まあ他にもクルマ買ったなら絶対に行っておきたい場所なんて日本中にいっぱいあります。鉄道とバスだけでは到底辿り着けない地域のほうが多くなってきてますから。

  そんなどこにも行けない(=インフラとして失格)なクルマじゃなくて「電車」に車両価格+月2〜3万円の維持費なんてとても払いたくないですね。それこそ買い物をするだけだったら、全部配送してもらっても月1万円と超えることなんてないですし。西川さん他2名も同様のコメントをしていて「完全否定」一歩手前まできてるのに、みなさん高得点を付けていらっしゃいます。「96点」「95点」ってもはや「絶対オススメ!」のレベルじゃないんですかね・・・。


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2014年6月29日日曜日

清水草一氏 が レヴォーグ 商戦に便乗して一般雑誌で大暴れ・・・

  毎回上から目線で申し訳ありませんが、プロの自動車評論家がクルマを過度にエンターテイメント化した「演出」をやっていたりすると「イラ」っとしますね。もう「自動車評論家」の看板を降ろして、「フェラーリ持ってる芸人」を名乗ればいいんじゃないか?とすら思える清水草一氏。若い頃にはそこそこ真面目で魂にちょいちょい心に響く本も書いておられましたが、最近は「オワコン」気味な自動車メディアとは距離を置き、まさかの「週間SPA」でゆる〜い企画を展開してるみたいで、自動車人口の底辺拡大を意図していらっしゃるようです。

  おそらくスバル・レガシィの本格発売を記念しての企画なんでしょうが、「レヴォーグは欧州車に勝てるのか?」みたいな記事をたまたまヤフー・トピックスで見かけました。価格帯とエンジンスペックが近似している「レヴォーグ」と「ボルボV40」を比較するというものだったのですが。なんなんだこの「確信犯」っぷりは・・・。欧州車に勝てるのか?という企画なのに比較相手は「ボルボV40」たった一台のみ。一体どれだけの「やっつけ仕事」なんだろうか。とりあえずクルマ専門誌にはとても載せられないクオリティと言わざるを得ません。

  エンジンメカニズムの解説などはすっ飛ばして、とりあえず「ミラクル」「夢」「希望の星」と並べ立ててダウンサイジングターボを持ち上げます。テスト項目もわかりやすく「ダッシュ力」と「燃費」のたった2項目だけです。・・・もはやこの段階でツッコミどころは満載なんですが、まあ一般誌向けですし、しかも大変失礼ですが読者層のクルマ所有率は低めであろう「週間SPA!」ですから・・・。こんな「アニメ」か「SF」」仕立くらいがちょうどいいのかもしれません。おそらくレヴォーグ=「現代の零戦?」というのも軽いジョークだと思われます。(?が付いていたにもかかわらず、コメント欄でムキになって「三菱だろ!」って批判している「風立ちぬ」ファンが・・・)

  自動車雑誌を読んでる人から見れば、清水草一氏のお気楽(手抜き)仕事っぷりに呆れるだけなんですが、とりあえず誉められる点としては、一般人向けに小難しいことを排除して「ヒーロー誕生!」みたいな流れるストーリー仕立てになっていて、一般の読者にとってはとても解り易いようで、いろいろなコメントが次々と寄せられていました。「(レヴォーグは)ボルボやプジョーのパクリじゃん!」という"日本メーカー=パクリ"論者がいたり、案の定の「ボルボV40の圧勝判定」に不満を挙げ連ねるスバルオタクが登場したりと、もの凄いスピードでコメントが集まっていきました。やはりレヴォーグの注目度は高いですね。

  でもこれだけコメントが来てるのだから、清水草一氏が仕掛けた最大のボケに誰か突っ込んでやれよ!っていうモヤモヤ感が残りました。そもそも「ボルボV40」って旧型のマツダシャシーにフォードのエンジン載せて、中国資本が中国向けにお金を出して作らせているクルマです。果たしてこれを「欧州車」と呼んでよいものか?って思うんですよね。フォードとスバルでは残念ながらエンジン開発の基礎体力が全然違いますし、しかもフォードと言えばホンダ・アルファロメオ・BMWといった名だたるエンジン屋をも抑え込んできた、世界最強ランクのエンジン開発力を持つメーカーですし・・・。

  ボルボV40はCセグ最大を誇る「フォーカス一族」の中でも、ハイエンド&スポーティに仕上げられた一台で、選択された1.6L"エコブーズト"は福野礼一郎氏がハッキリと「テンロク最強」を宣言しているお墨付きのユニットです。このユニットに完敗したBMWとPSAの共同開発エンジンは両ブランドの新型車から早くもドロップし始めました。スバルが最近仕込んだばかりの「FB16」エンジンであっさりと勝てる相手では無いです。とにかく「水平対抗」に拘るスバルですが、それは自他ともに認める「自己満足」に過ぎません。ポルシェが実績を作っている6気筒ならまだしも、世界で最もポピュラーな「直4エンジン」の膨大な研究開発量を考えると、スバル単体で太刀打ちできるわけがない!と思います。そもそも「水平4気筒」の優位性って何なんですか?って話です。それを差し置いてもFFのV40に加速勝負でAWDのレヴォーグが完敗したわけですから、スバルもちょっと情けないですね。

  燃費面でもボルボV40は12.8km/Lでレヴォーグは12.6km/LとV40の勝利となったようですが、さすがに同じ機構のエンジン同士を比べて「加速」も『燃費」も日本メーカーが完全敗北なんてするわけないだろ!と自動車ファンならすぐに気がつきます。たとえ燃費が悪くなるAWD&100kgの重量増とだからといっても、加速で完敗した相手に燃費でも負けるはずが無い。「加速」も「燃費」も完全勝利というのは、メルセデスやBMWを相手に新型スカイラインがやったように「HV化」でもしないかぎりほぼ無理です。数字を誤魔化している?いやいやそんなことは「おそらく」無いでしょう。そうですレヴォーグの1.6Lターボは「レギュラーガソリン仕様」なんです(記事には目立たない感じで書いてありますが)。でもこの記事を読んだ感想は、スバルがこれだけプロモしている新型車なのに、ボルボの足元にも及ばないのかという印象を「素人」さんに植え付けるだけです・・・さてボルボに一体いくら貰っているのでしょうか?

  
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 ↓さすが期待の新型だけあって、著名な評論家が10名以上(アクセラの2倍!)も大結集の豪華版です。
 

2014年6月27日金曜日

福野礼一郎氏 は輸入車Bセグを一体どう思ってんの?

  最近では300万円なんて生意気な価格を提示するモデルもすっかり少なくなった、輸入車Bセグ。今月号の「ドライバー」の名物コーナー愛車物語には、なんと現役大学生がバイトで稼いだお金で新車のプジョー208を買ったなんて記事も出てました。プジョーなんてそれなりに高いイメージがありますが、208の特別仕様車は199万円なので、アクアを買う感覚で買えてしまいます。しかも新車ならではの「低金利・残クレ」という制度もありますので、学生でも十分に手が届く範囲で売られています。

  日本車で売れてるBセグといえばアクアやフィットですが、この2台と価格差がほとんど無い輸入車Bセグハッチバックが大挙して押し寄せたかと思えば、最近日本でも火が付いたヴェゼルとほぼ同じ価格帯にも輸入車Bセグクロスオーバーが・・・。どう考えてもアクアやフィットそしてヴェゼルが負けるわけない!とは思いつつも、福野礼一郎氏のコラムに相次いで取り上げられていた、輸入車Bセグを一気読みしてみました。「ルボラン」と「モーターファンillustrated」の2冊に連載があるので、福野コラムを読むためだけに毎月購入しています。

  上から目線で恐縮ですが、このライターは日本車に対して苛烈なスタンスを取る事が多く、多くの日本車ファンから目の敵にされていて、私もしばしば槍玉に挙げています。しかし輸入車を批評するフェアな視点はとても説得力があり、岡崎宏司、西川淳、河村康彦、森口将之、大谷秀雄といった「聡明リベラル系」のライターは読んでいて気持ちはいいけど、結局は毒にも薬にもならないので、てっとり早く輸入車の印象をつかむにはとても役に立ちます。

  しかもこの福野氏は、過去の著作を読むと分るのですが、単なる「欧州車礼賛」タイプの単細胞ライターなどではないです。「2000年頃からメルセデスはトヨタを真似てあからさまに手抜きを始めた!」と歯に衣着せぬ言い回しには好感が持てましたし、「Sクラスを見ても何とも思わないけど、(2ドアの)CLは羨ましいと思う!」という素直な発言をする点もとても親近感が持てます。

  おそらく大好きであろうBMWに対しても、常にフェアな視点を忘れておらず、誰が乗っても薄い印象しか持てないであろうF30の3シリーズに対しては、徹底的に批判を加えていたり、同じシャシーを使っていて足回りも同様にフニャフニャなF20の1シリーズに対しても、ZF製の8速AT以外は評価が低かったりします。相当な日本車好きの私が読んでも相当な共感力を巻き起こしますから、このライターの根底には日本車好きの血が流れているんじゃないか?と思います。

  そんな福野氏が輸入車Bセグを真剣?だかどうだかわかりませんが批評するのは一つの試金石だなと思います。「日本車好き」にとって一番虫酸が走るのが、輸入車Bセグに乗っている連中で、日産、三菱、スズキ、マツダの技術をM&Aで「奪って」おいて、平然とした顔で日本で売り出すという神経がちょっと理解できなかったりします。しかも多くが東南アジア製で・・・スマートキーすら装備されていないから「お里が知れている」廉価車!はちょっと言い過ぎかもしれませんが、まあ「小型車」買うなら今でも断然に日本車がいいとは思います。

  ただし、プジョー、ルノー、ミニといったブランドが日本でそこそこ人気する理由もわからなくないですね。「IKEA」に置いてある中国製の照明器具がやたらと気に入ってしまうみたいな感じでしょうか?「ドンキホーテ」に同じものがあっても見向きもしないですけど。もし日本にオペルが正規輸入されるようになって、キャデラックが売ってる片隅にオペル・アギーラが売られていたら「おや?これはいいかも!」と思うかもしれない。その頃にはスズキのラインナップから兄弟者のスプラッシュは消えているだろうし・・・。

  果たして福野氏は輸入車Bセグをどう思っているのか?と、クルマよりも評論家個人への関心が強まってしまうのですが、最近のこの方のコラムで「金言」のように繰り返されるのが、「Bセグクロスオーバーは正義!」という主張です。沢村慎太朗氏はトヨタ・アクアの商業的な成功について、その一因はスタイリングにあり、トヨタのマーケティングが「Bセグは車高を下げてスタイル優先が今後のトレンド」と結論付けたことが勝因と指摘しておられましたが、福野氏は「Bセグにおける過度のスタイル重視はクルマのコンセプトを破綻させる!」よって、ルーフをある程度まで持ち上げてその分、車幅も全長も拡大させるコンセプトを確立して欧州でスマッシュヒットした日産ジュークこそが正しいと断じております。

  この両氏の主張のどちらも正しいというのが、Bセグの奥深いところであり、矛盾に満ちた部分でもあるようです。メーカーとしては「高い」のと「低い」のを両方作りわけるプジョーのスタンスが正しい!というのが福野コラムの結論でした。さて昨日発売されたばかりのルボランのコラムもまたまた輸入車Bセグ比較でした。またマツダ・デミオが発売された暁には、「オール輸入車Bセグvsデミオ」という秀逸企画を期待したいですね。「オール輸入車Cセグvsアクセラ」(ルボラン2014年6月号)はとても参考になった人が多かったと思いますから。


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2014年6月19日木曜日

気合いの入ってない輸入車をフルボッコ! 沢村慎太朗さん はやっぱり最高だ!

  久々に自動車雑誌で「壮快な」ロング記事を見かけました! ライターはもちろん沢村慎太朗氏。自動車評論の世界の「橋下市長」とでもいうべき、痛快すぎるくらいに「タブー」に切り込んでいいくことこそがジャーナリズムだという姿勢を貫き通すカッコいいおじさまだ。「Motor Fan illustrated vol.93運転席の作り方」というなかなか興味深いテーマを出してきた今月号ですが、最初から沢村さんありきの企画だったようで、冒頭からアクセル全開で今回ばっかりは1700円以上する価格が安く感じられます!

  「前座」といっては失礼ですが、福野礼一郎氏の「ニューカー二番絞り」で取り上げているのが「新型ミニ」でした。後ろのページで沢村氏がボロクソに言うことになるこのクルマ・・・。たとえ日本車は嫌いで輸入車は大好きという基本姿勢だけど、感性と論理は他の評論家の追従を許さないほど確かな福野氏だけあって、いくら大好きなBMW傘下のブランドといえども今回のミニにはなんだか納得していない様子。てっきり独自の屁理屈をごねて「提灯記事」ならぬ「ハイパー提灯記事」を書くのかと思いきや、他誌が過剰絶賛気味のこのクルマの弱点を冷静に分析していきます。クルマバカが乗る「過剰」さはあるけど、ファミリーカーとしては失格というなんとも常識的な結論でした。もちろんその過程の論拠の深さがこのライターの持ち味ですが。

  さて福野氏のコーナーを読んだあと、正確には2〜3度読み返さないと理解できないほど難解なので、苦労してなんとか理解したあとで、特集ページ「運転席の作り方」の作り方に突入。冒頭でクローズアップされる要旨を現す1文に思わずゾッとします。「形状に一分の理、色彩に九分の暇」・・・え!?何!?このほぼ完全なる「否定」は!、さらに「208の不誠実もしくは不合理は、デザイン構築の方法論ではなく、もっと別のところにある。」 ここまでくるとスゲ〜なんか歴史的な事件が発生している!ということに気がつく。ライタークレジットを見ると「沢村慎太朗」・・・なるほど。というか写真に何枚も映り込んでいる(笑)。還暦に近いのに子供服並みに大きなロゴの入ったオレンジの原色Tシャツ(不思議とこの人が着るととても上品)に身を固め、まるで「私は本気で書いてます!そういう人間です!」という無言のアピールにも見える。

  プジョーの色彩をディスっているわけだから、地味くさい服でも着ていたら「じじいは黙っておけ!」と一蹴されてしまいますが、その声を完全に封殺するかのように抜群の色彩センスの私服をわざわざ披露する計算されつくした構成に思わず脱帽します。普通の自動車評論家には絶対に真似できない超絶ウルトラ記事。しかもドイツ車や日本車のような控えめなデザインのクルマではなくて、原色上等のオシャレなフランス車の総ボス的存在のプジョー!しかも色の選択幅が大きいとされる小型モデルの208に対して、「オレの方がファッション解ってるぞ!」という・・・。(もちろん褒めてますよ!)

  やたらと意味不明な原色アイテムを身に纏い、さっそうとyoutubeに登場する国沢光宏というライターがいますが、もしこの人がプジョーやフィアットの色彩に少しでも異論を呈したら、「オマエが言うな!」の大ブーイングになってしまうでしょう。大変失礼な話ですけども、この人の真っ赤なスニーカーとか見るとせっかくの新型車がセンス悪く見えてしまうから、「やめて〜!」と思っております。特に最近ではマツダ車に乗って「絶賛」的「絶叫」を繰り返していたりして、オレと同じ「赤」好きという仲間意識があるのかもしれないですが、イメージが壊れるからやめろ!(怒)

   さてロードスター以外のマツダ車には一瞥もくれない沢村さんですが、プジョー208とミニをターゲットにしたロング記事はさらに続き、「ミニの玩具的ギミックに至っては、ついに一線を踏み越えたと判断せざるを得ない」と続き、読んでいる側は鳥肌すら立ち始めるわけですが、まあ文章はいつもの如くやや難解です。斜めに読めば十分に理解できるけど、なんのインパクトも残らない大御所の岡崎宏司氏や売れっ子飯田裕子氏のようなライターが書くものばかり読んでると、頭がどんどん劣化していくようで、沢村氏や福野氏の記事を読むとそれを痛感します。

  そして結論として「デザインをいくら遊ぼうとも、その造形の飛翔は人間工学の理に抵触してはならない。」という紋切り型の「断言!」があるわけですが、従来は日本車に対してこれらの文言をぶつけて欧州車の基本に忠実なクルマ作りを学べ!みたいな形で使われたのに、沢村さんはプジョーとBMWミニに対して糾弾しているという、プロライターにはまず見られない姿勢が新鮮すぎますね。以前からPSA車に対しては厳しい意見を持っていて、このロング記事も以前の論調を流用している部分も見られるわけですが、BMWミニに対しての「完全否定」はなかなか痛快です。

  でも海外のブランドって懐が深いみたいで、これまで痛烈に批判していたPSAは今でも沢村さんに対してとても寛容で、新車発表会には必ず呼んでくれるそうです。欧州メディア(特にイギリス)の強烈な論調に慣れているので、日本で何をいわれようとも痛くも痒くもないし、批判でもいいから取り上げてくれるだけで嬉しいという部分もあるかもしれません。ただし沢村さんみたいなライターを嫌うのが、輸入車絶対主義の編集長の方々のようで、おおくの雑誌がク◯みたいな生温い記事を詰め込んで、日本車を批判するという程度の低いスパイスを振りかけたカスみたいな雑誌ばかりで、当然のごとく販売減に悩まされているわけです。余計なお世話ですが、沢村氏のようなしっかりとした仕事をするライターを起用していかないと長くは保たないと思います。

  最後に付け加えておきますが、今回の沢村氏の記事が絶対正義とは思っておりません。読んでいくなかで疑問も多々感じました。しかし読み手にあれこれ考えさせてくれるものには、多少高いお金を払ってでも読みたいと思わせてくれる何かがあると私には感じます。





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2014年5月22日木曜日

一般メディアが伝える「日本メーカー連合策」

  日本の自動車大手8社が合同でエンジンの基礎研究を行うことが発表されました。なかなか大胆でインパクトがある決定で、思わず「おお〜」と記事を一気に読んでみました。ちょっと軋轢があると思っていたトヨタ・日産・ホンダの3者が中心となってマツダ・スバル・三菱・ダイハツ・スズキの計8社。この中に幾つの対立構図があるんだろう? ひと昔前ならば、骨っぽい日産やホンダのエンジニアにとって「トヨタと同じエンジン」なんてやってられるか!といったところだったと思いますが・・・。

  それと同時にこの「出来事」が示しているのは、エンジン開発がどれだけ自動車メーカーにとって不利益が多いかという事実でしょうか。化石燃料を燃やして動かすエンジンの熱効率は最適化された状況で40%に達するかどうかという水準で、これは過給器(ターボなど)を使っても全く改善されません。日本車で現在主流になっているのが、自動的に熱効率の良い回転数に合わせる「CVT」を組み合わせたユニットで、これはスバルを皮切りに日本メーカーがエンジン開発よりも燃費改善効果が大きいとして、血眼になって開発した技術です。(CVTが効果的なのは、あくまで日本のようなストップ&ゴーの地域だけですけど)

  日本メーカーに限った話ではなく、EVや燃料電池車(FCV)の普及が始まろうとしている中で、従来のガソリンエンジンにさらなる大きな投資は難しくなってきているという事情もあるようです。それでも今後、大きく需要が伸びると見られる新興国向けのエンジン開発を進める必要があります。

  そしてさらに世界の自動車メーカーを苦しめているのが、世界各国の執拗なまでの自動車行政です。あらゆる産業のなかでも収益性の高い自動車産業にはカネの匂いを嗅ぎ付けたハイエナが常に寄り添っています。彼らは「排出ガス基準」という尤もらしい「言い掛かり」を付けて自動車メーカーを強請ります。ビジネスを継続したい自動車メーカーは「立法」する側の意向を伺ったり、根回しができる体制を作ろうというマインドが働き、伝奏役として「OB」を高給で迎え入れるという仕組みです。

  もちろん自動車メーカーが倒産してしまったら元も子もないので、時には「エコカー減税」というわけのわからない政策が突如として行われたりします。クルマを買わない人だけが損をして、メルセデスやBMWを買う金持ちが優遇されるなんてどう考えてもメチャクチャなんですけど、多くの人はまさか輸入車の多くがエコカー減税対象になっているなんて知りません。

  ちょっと話が逸れましたが、「排出ガス基準」というのはさらなる高効率のエンジンを作るにあたってはかなりのハードルになるようです。日本で発売されるようになったマツダのディーゼルは、実は日本の基準をクリアするためにNOxが出ないよう燃焼温度が低くなるように設計されています。よって本来のディーゼルの燃費の良さは十分に出せていなかったりします。つまり「排出ガス基準」により排ガス処理能力を相当レベルにまで向上させない限り量産エンジンの改良が難しくなっています。

  「8社合同」を報じていた一般メディアの記事には、「ダウンサイジングターボで先行する欧州メーカーを追うため」と追記してありましたが、その先行しているはずの欧州車は、排出基準がクリアできずに、2020年までに現状のままでは、日本での販売が出来なくなる見通しです。確かに新興国では今後もガソリンエンジンが主流になると予想されていますが、それがターボによるハイパワーを選ぶか、NAエンジンでの軽量化を選ぶかはまだ不明です。そして日本などの先進国では、日本メーカーがターボで追従するのではなく、欧州メーカーがHVやEVで日本メーカーを追従することになるのは確実と思われます。まあ一般メディアの報道なんでこんなものですけど・・・。



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