2021年12月21日火曜日

2021-2022日本COTYの結果発表 (集計が面倒くせー)

 

「ノート」受賞に激怒したトヨタが・・・

気がついたら大賞が発表されていた。審査員60人での全体の結果では「日産ノート」が見事に受賞されたみたいですが、これが「原因」ですかね。10ベストカーに3台を送り込んでいたトヨタだけど、一番負けたくないクルマにやられてしまった。面子丸つぶれでヤケになって、200万台から350万台に増やしちゃったようだ。審査員の皆様はそんなにEVの加速がお好みですか!?だったらトヨタのラインナップも全部モーター駆動にします!!・・・的な怒りだか絶望が、先日のトヨタEV会見から感じられた。素直にGR86を選んでおけば良いのに。



10ベスト審査員

今回の「10ベストカー」が出る前のタイミングで、個人的にこのブログ上で「10ベスト審査員」を選ばせてもらった。レビューや動画などから察するにクルマの趣味が合いそうな人という意味での10人である。ちょっと難解な理屈をこねるタイプが多いかもしれない。断っておくが決して他の審査員よりも人間的に優れているとか頭がいいとかいう基準ではない。レビューを読んでて「クルマの楽しさ」が自分と近い位置に感じられる10人だ。そんな彼ら10人の得点を早速集計してみた。


安東弘樹(GR86-2点、ノート-7点、ヴェゼル-2点、アウトランダー-10点、4シリーズ-4点)

ウナ丼(GR86-3点、ランクル-10点、ノート-3点、ヴェゼル-2点、コルベット-7点)

大谷達也(GR86-10点、ノート-6点、ヴェゼル-6点、Cクラス-1点、ゴルフ-2点)

岡崎五朗(GR86-2点、ランクル-3点、ノート-10点、アウトランダー-9点、Cクラス-1点)

五味康隆(GR86-10点、ミライ-1点、ノート-4点、ヴェゼル-7点、ゴルフ-3点)

佐野弘宗(GR86-4点、ランクル-10点、ノート-3点、ヴェゼル-4点、ゴルフ-4点)

世良耕太(GR86-5点、ランクル-2点、ノート-10点、ヴェゼル-7点、ゴルフ-1点)

千葉匠(GR86-2点、ミライ-5点、ノート6点、アウトランダー-10点、コルベット-2点)

松任谷正隆(GR86-5点、ミライ-10点、アウトランダー-3点、Cクラス-5点、ゴルフ-2点)

山内一典(GR86-10点、ヴェゼル-3点、アウトランダー-5点、Cクラス-2点、ゴルフ-5点)


「カテゴリー1」

<得点合計>

1位 GR86・53点

2位 ノート・49点

3位 アウトランダー・37点

4位 ヴェゼル・31点

5位 ランクル・25点


<得点を入れた人数>

1位 GR86・10人

2位 ノート・8人

3位 ヴェゼル・7人

4位 ゴルフ・6人

5位 アウトランダー・5人



俺の目に狂いは・・・


個人的に選んだ10名の審査員に大満足である。全体(60人)の審査とはかなり違う結果になったのが実に素晴らしい。この10人が高得点を与え、全体の1/6以上の得点を上げたモデルが、GR86、ランクル、アウトランダー、4シリーズ、Cクラスの5台となる。実際のところ10ベストカーでリアルにマイカーとして使ってみたいのはこの5台のどれかなので、手前勝手だけど「個人的な趣味」が存分に反映できてこれは予想以上に面白い結果だ。ぜひ公式サイト上に「私が選ぶ10人」という専用ページを用意してほしい(お前がプログラミングして作れって話だ・・・)。


BEVやCVT車ではダメ

この精鋭10人が全員得点を入れたGR86はもちろんだけど、8人得点のノート、7人得点のヴェゼルも個人的にはテリトリーのセグメントではないけど、やはり相当に良いクルマなんだろう。しかし高得点には恵まれておらず、全体(60人)と比べてもやや評価が低い。前述したこの10人の評価が全体よりも高い5モデルはPHEVのアウトランダーを除いて全てがトルコンAT搭載車となる。やはりこれが「リアルな評価」だ。BEVもCVT車も現状では、県境を越えて遠くまで繰り出すクルマとしては選択肢にすら入らない。半径数十キロを走るだけのクルマが必要なところに住んでいる訳でもないし・・・。



忖度は少なめで・・・

特に気になったのがVWゴルフの得点だ。60人の全体では合計で168点なのに対して、この10人では、6人が得点を入れているが、わずかに17点しか入っておらずざっと1/10程度。割合としては平均である1/6から最も大きく差がついた。個人的な思い込みの範疇を出ないのだけど、全体で168点を集め輸入車では圧倒的だったゴルフの得点を見る限りは、「VWへの忖度」が働いていると感じられる。審査員も人間であるし、人情で得点が左右されるのも込みでの日本COTYである。過日に受けたVWからの「御恩」にしっかりと報いる忠義に厚いカーメディアの人々を批判する気は毛頭ない。



カテゴリー2は・・・

しかしガチのジャッジを求めるならば、「人情ジャッジ」はできる限り削りたい。それが1/10まで抑え込めたのだから素晴らしいことだ。この「カテゴリー1」の10人に対して、真逆の価値観で選ばせていただいたのが「カテゴリー2」で、十分に絞りきれずに14人を選んでしまった。彼らのジャッジを集計してみたところ、予想以上に2つのカテゴリーの結果には大きな差が見られた。


「カテゴリー2」

<得点合計>

1位 ノート・72点

2位 アウトランダー・58点

3位 GR86・54点

4位 ゴルフ・50点

5位 MIRAI・42点


<得点を入れた人の数>

1位 ノート・14人(全員)

2位 ゴルフ・13人

3位 ヴェゼル・11人

4位 アウトランダー・10人

5位 GR86・9人



VWに未練なし1名

「カテゴリー1」の10人では、10台全てのクルマに得点が入ったけども、「カテゴリー2」の14人ではトヨタ・ランドクルーザーとBMW4シリーズは0点に終わった。その一方でVWゴルフには14人中13人の得点が与えられ、唯一得点を入れなかったのは国沢光宏さんだけ。先ほどの「忖度」の話はネガティブだったけど、アクアとシビックが不在の中でノートやゴルフに得点を入れる人が集中したことは好意的にも判断できる。この4台の競合こそが2021年のクルマ選びを楽しくしてくれたとは思う。


選ばれた4台・・・

人数が多いにもかかわらずカテゴリー1より多様性に乏しいカテゴリー2の傾向は、全体より得点率が高いモデルがミライ、アウトランダー、Cクラス、ゴルフの4台となっている。GR86、4シリーズ、コルベットなどのスポーツモデルがなかなか評価されないメンバーだと予想していたが、それが裏付けられている。見事なまでに同じ方向を向いてくれている。14人のメンバーに関しては当ブログの「10ベスト審査員」に記してある。



次回は大幅改革があるらしい

より日本COTYを意義あるものにして欲しいと思い、審査員の選び方に関してもあれこれ書かせてもらったが、島下泰久さんのツイッターによると来年度から審査員の選出方法が大きく変わることになるようだ。え?いよいよ水野さん、金井さん、八郷さん、モリゾーさんが登場するのだろうか!?bZ4X、アリア、CX-60、WRX、レクサスNXなど、発表されたモデルだけですでに「世界一決定戦」の予感がする。審査基準も複雑怪奇になりそうだが、今年と同じように10ベスト審査員で楽しみたいと思う。




2021年12月7日火曜日

「EV推進の罠」の読書感想文を書いたら、著者の一人にボコボコにされた・・・


ガチギレされた・・・

別に個人がブレインストーミング代わりに書いているブログに「ガチギレ」しなくてもいい気がするんだけどな。相手は50歳以上なんで反論もする気もあまりない。「相当に性格が歪んでいる」みたいなこと言ってくる世代だってことは、これまでのブログ活動で散々に経験しているので特に何とも思わない。特に(自分の考えとは)ズレてるなと感じたところは、安倍元総理の「お友達」みたいな人から仕事の斡旋が来たら、小泉進次郎世代の私にとっては「人生の転機かな?」ってラッキーだと思うところだ(池田さんはそう思わないらしい)。だから池田直渡さんや岡崎五朗さんがキャラ崩壊させてでも頑張る気持ちはわかる。



小沢コージさんが悪い

そもそも悪いのは小沢コージさんだ。動画の中で岡崎五朗さんに対してとても羨ましそうにしていた。そして岡崎五朗さんも、今回の仕事はまんざらではないといった表情だったので、これはおそらく面白いだろうと期待して購入させて頂いた。ちょっとハードルが上がり過ぎてしまったかもしれない。そして加藤康子さんの経歴を見て、今回の出版の背景がなんとなく見えてしまった(小沢さんの表情の意味も)。カーメディアで単行本が出版できる人なんてほとんどいないわけで、「パトロン」が付いたんだなと理解した。このお二人の単行本が読めることはクルマ好きにとっては良いことだと思うし、今後もこのコネクションを使って「カーメディアの新しい地平」を切り開いてほしいとすら思う。・・・が舌足らずゆえに全て「シニカル」に受け止められてしまった。仕方がない。世代が違い過ぎるのだから。



読者をナメるな!!と言って欲しい・・・

クルマのことあまりわかってないのに「EV推進派」を批判する本を書こうとする無茶な主宰にはぜひツッコミを入れて欲しかった。数年前にニューモデルマガジンXの覆面座談会で「1.2Lと1.4Lの2つのエンジンで600万台をカバーするVW」とか書いていたけど(半数以上はディーゼルだし、当時はすでに1.0&1.5が中国や欧州では主流だった)、それと同じレベルに酷い内容になりかねない。もっとプロ意識持ってください!!と一言あってもいいと思う。そして個人ブログでこのことについて触れるのはタブーなのだろうか!?一般メディアだろうがカーメディアだろうがおかしなことはたくさん書いてあるわけで、常に内容を吟味する眼を養うためにもこの手のブログを細々と書かせてもらっている。



氷河期世代の実体験

就職氷河期世代だったので、実家を出て独立するための資金を稼ぐために東京都にある某自動車工場で4ヶ月だけ期間工をやったことがある。直接雇用だったので他の派遣労働者よりは条件が良かったし、社会人人生のスタート地点としてはむしろ「最高の場所」だったかもしれない。この4ヶ月で目にしたものは色々と忘れられない。池田さんが指摘するように確かに「育ちが悪い」が、しかし二交代夜勤明けの早朝に帰宅した私の姿を見て涙を流してくれた母の顔は一生忘れられない。



搾取はあった

何の能力もない私をライン工として雇用してくれたトヨタ系列の会社には感謝しているし、4ヶ月で150万円ほどの貯金を作ることもでき、無事に実家を出て部屋を借りることができた。それ以降の仕事は辛いなんて感じたことはない(年に363日出社していた年もあったけど)。あの4ヶ月があったからこそ、人生の喜びをつくづく感じられるし、今では好きなタイミングでクルマを買い換えることもでき、好きな腕時計も躊躇なく買えるようになった。しかし当時の同僚は、給料をパチスロやキャバクラで使い果たす人も多かったし、私には無関係だったが、派遣会社の労務管理の人が、何だか刑務官に見えたものだ。「派遣労働者法」がまだなかったバブル世代に何がわかるのか!?



違和感

「時給16ドル以上」とは最低時給の話だ。トヨタの直接雇用なら可能な金額だろうが、派遣労働者全てにこれを保証するのは大変だ。USMCAの規定では北米の自動車工場が対象になっていてメキシコ工場にもこのルールが適用される。日本の自動車行政もタイの自動車工場を含んだ、日本市場向け生産工場の最低賃金についてルールを決めても良いのかもしれない。氷河期世代が働き出してから日本の労働環境に幾らかのインパクトを残したのはアマゾンくらいだ。「日本を応援したい」も「トヨタを応援したい」も結構だが、40歳定年でクルマを作っている若者のことまで頭に入っているのだろうか!?余計な御世話だと思うが、若い世代に伝わるメッセージってのはさ・・・ってことを若い世代の人々とブログを通じて共感しあえればいいと思って書いている。わかる人にだけわかればいいとも思っている。



いくつになっても政権批判

失礼だが50歳以上の人々の「政治批判」はいつ見ても痛々しい。本書でも岡崎、池田の両名が「政治の鈍さ」について散々に批判しているが、目の前に内閣参与だった人がいるわけだ。しかも自動車についてまともな知識もないのに「批判本」を作ろうとしている。これが全てではないか!?河野太郎や小泉進次郎が政権中枢に居て道を間違えたとしても、その中で社会は器用に進んでいくものだ。この30年でもどれだけの「失政」と思われる事案が重ねられてきたことか・・・それでも日本経済は揺るぎない前進を遂げてきた。



またまた違和感

 欧州、中国、アメリカの自動車行政は「ズル賢く」見えるかもしれないが、そもそもは日本の自動車行政の手法を参考にしたものが多い。90年代には日本のODAは世界トップだった。その成果もあってASEANの国々では日本メーカーのシェアが95%なんて国もある。その手法を真似てアメリカ、ドイツ、イギリスが今ではODA拠出額で日本を上回るようになっている。野口悠紀雄さんなど元官僚の「高度経済成長期」自慢の本には、当時の日本の自動車行政がいかにしたたかであるかが書かれている。現在の中国政府がやっていることとほとんど変わらない。内閣参与だかAJAJだか知らんが、そんなことすらわかってないから平気で「アンフェア」だと騒ぎ立てるのだろう。トランプ大統領も言っていた「日本こそがアンフェア」だと。



「明後日」過ぎて焦った・・・

「陰謀」とか言われちゃって、だいぶお馬鹿なキャラに設定されてしまった。加藤康子さんのような金持ちがどんな活動をしようが知ったこっちゃないし、そもそも政治にも興味がない。この本を読んで「自民党内の考え方の違いがわかった」と書いただけなのに何で「陰謀論」にされちゃうんだ。ちょっと被害妄想がエグいことになってないですか!? どちらの文章も読んでくれた人にはわかってもらえると思うが、池田さんの反論のほとんどが「仮定」からしてほぼ間違っている。こんな言葉は使いたくないが「捏造」だか「名誉毀損」だかの類いでしかない。あちらは顔出しでこちらは匿名でフェアではないから、別に批判などする気もないが・・・。このブログもカーメディアへの素朴な「読書感想文」を綴っているだけだ。



EVに関して特段の考えなし・・・

ちょっと考えればわかるけど「EV推進派」とか、かなりどーでも良い。決して加藤康子さんの主張が間違っているとも思っていない(この辺も完全に独り相撲されてます)。ふざけた姿勢でカーメディアに参戦してきたことにツッコミを入れて欲しかっただけだ。読者からしたら「何しにきたの!?」って感じだ。「貴人」も「オバさん」もタブーな言葉ではないし、私がブログで読者に語りかける上で便宜的に使ったまでだ。決してふざけた表現だとも思わない。今回は思わず反論を頂いて、いつもより多くの人にブログを読んで頂けて光栄ではあるけども、やっぱり50歳以上とはどーも噛み合わないなと改めて感じた次第。本は面白いので「お友達」アレルギーじゃなければオススメする。






2021年12月5日日曜日

岡崎五朗&池田直渡 「最凶右傾コンビ」爆誕!!

 

注意喚起!!

買って後悔する人が出てきそうなので先に書いておく。「日本」を愛する気持ちは好意的に伝わってきた史上最長を記録した「安倍政権」だけども、時の人となった籠池夫妻のような「お友達」な感覚で、わけのわからない「右傾」プータロー学者もどきが続々と「内閣参与」に任命されていた。身の程をわきまえずに首相に楯突き(増税反対)、2016年に解任された藤井聡が、政権を「逆恨み」してその後にメディアで痛々しい大暴走を繰り広げのは記憶に新しい。元「内閣参与」の肩書を使って活動する怪しげな文化人は他にも高橋洋一、谷口智彦などなど中身のほとんどない「暴露本」で小銭稼ぎをする人も多い。



怪し過ぎる経歴

カーメディアの中では人気が高い、岡崎五朗さん、池田直渡さんに声を掛け「EV推進の罠」を手がけた加藤康子さんも安倍政権時代に「内閣参与」を勤めている。父親は元国会議員で大臣も経験した農水族の加藤六月である。典型的な「お友達」の範疇を出ない肩書。主な仕事は「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産登録実現とのこと。もうこれだけでこの本への興味が失せた人は少なくないだろう。まあそういう類いの本だ。クルマ好き素人に過ぎない私が読んでも、ほぼ知らない内容は無かった。長く従事している職業柄のおかげで、日本の工業、輸出&輸入、エネルギー、発電方法それぞれの内訳は頭に入っているので、何も目新しいことはなかったが、総選挙前に行われた総裁選で、河野&小泉(&石破)陣営を孤立させた安倍陣営の意向がよくわかる内容にはなっている。



舞い上がっている

カーメディアの中では理論派で理性的な部類に入る岡崎&池田のご両名だが、なかなか出会うことのない「貴人」コネクションとの仕事のチャンスだったようで、対談形式で進む文中には両者の「必死」さが滲み出ている。この二人が河野太郎、小泉進次郎を名指しでボロクソに言い合っているのは、最初こそ新鮮に感じられるけど、そこそこの分量を誇る本書において、随所に登場させて、散々な「印象操作」を行っていることに少々違和感を覚える(「幻滅」しちゃうかも)。脱原発&EV推進派の政治家だけでなく、欧州&中国のEV事情を切り取って「断定的」に書き上げる一般メディアのあり方に対してもしつこいくらいに批判している。少なくとも「カーメディア村」に属している人々にそんなこと言う資格はあるのだろうか!?という疑問は頭をもたげる。カーメディアも「DCT&小排気量ターボ推進派だった」という愚かな過去を反省するのがまず先じゃないのか!?MAZDAに謝ったのか!?



主宰にツッコミを入れろ!!

岡崎&池田の両名も、今後の人生を楽に生きるためとはいえ、あまりに一方的な「ポピュリズム」的な批判を繰り出す自分の姿に内心は「迷い」もあったんじゃないかと思う。主宰の加藤康子さんは、中国市場やアメリカ市場でどんなブランドが売れているかも知らずに「EV推進批判」の本を作ろうとしている。絶対に言えないだろうがまずはこのオバさんにツッコミを入れるべきだ。加藤さんの主張は一貫して「我が国の自動車産業が失われたらこの国は滅びる」ってことだけ(読者をナメている!?)。確かに頭が空っぽな読者にはわかりやすいメッセージなのだろうけど、50歳以下の賢過ぎる若い世代にはほぼほぼ眉唾でしかない。「中国は外資50%規制を設けて合弁を強要している」「VWが工場を操業している新疆ウイグル地区での強制労働問題は深刻だ」「政府の補助金により異常に安いバッテリーが生産できる」などアンフェアな側面を盛んに訴えるが、現実の世界では中国、アメリカ、インド、韓国、ドイツ、イギリス、フランスなど、日本の除く全ての自動車生産が多い国々では「国外メーカー」の工場が建っているのが現実だ、アンフェアなのは中国だけではない・・・。



「プロの政治」

護送船団の日本メーカーは、確かに国内産業の花形ではあるけども、結果として労働者の賃金も先進国の自動車産業としては最低レベルであり、カルテルまがいの不利益行動を取っていると批判されても仕方のない状況だ。GDPで自動車関連が占める割合はわずか4%に過ぎないが、自動車メーカーはいずれも3兆円を超える超大手企業であり、製造業全体の賃金を決める存在と言っても過言ではない。日本の賃金は上がらないのは・・・。派遣労働者(40歳定年制)に作業の多くを依存する日本の自動車工場では、敷地内に派遣会社の労務管理員が常駐している。自動車産業と貧困ビジネスが手を取り合って「搾取」している、とても新疆ウイグルの強制労働を批判できる状況ではない。実家の近くにもアマゾンの倉庫ができた。支払われる賃金は周辺の相場を大きく上回る。7月に発効したUSMCAで「時給16ドル以上」が約束されているアメリカの自動車メーカーが日本で工場を展開することで、日本社会の労働環境も大きく前進するのではと思う。本書の趣旨もこれを実現したトランプ大統領のような「プロの政治」を期待しているのだろう。



日本生産の可能性

すでに韓国より人件費が安くなった日本ゆえに時給16ドルでも労働者を集めやすい。メアリー=パーラ率いるGMが韓国工場を引き払うそうだが、提携するホンダが閉鎖を予定している狭山や真岡の工場にサプライズ投下されれば、日本の産業の起爆剤になりそうだ。系列で買い叩かれるだけのサプライヤーにも生き残る道は開けるし、日本の産業用ロボット&工作機械は世界的にも評価が高い。タイ生産の三菱、日産、ホンダ車が国内ではあまりにも売れない状況を考えても、日本の若者もメキシコ製のドイツブランド車ではなく、日本製のシボレーを選ぶと思う。国内生産300万台維持を掲げるトヨタにとっては辛いところかもしれないが、日本の電力&エネルギーを総合的に見て経営判断できる賢明な社長であれば、日本全体のGDP成長についても前向きな結論を出してくれると思うが・・・。



日本が変わるためには

トヨタとともに日本生産維持を掲げるMAZDAやスバルにしてもバブル崩壊の荒波を乗り越えて、「世界トップの商品力」(本書で五朗さんの発言)を発揮するに至ったのは、もちろん関係者の努力の賜物なのだけど、どちらもフォード、GMの傘下で自動車作りの知見を広げることができた「幸運」がきっかけになっている・・・両陣営の本を本でいるとそのことがよく書かれている。実際に世界に通用するクルマ作りに関してはトヨタ、ホンダ、日産よりも一枚も二枚も上手だ。パナソニックとテスラの同盟が素晴らしい結果を残した。企業レベルでの「日米同盟」は、身動きが取れない日本企業にとってはブレークスルーのヒントだ。



良さを消しあっている

ちょっと内容から逸れてしまったが、本書を読んで強く感じたことは「真面目で人柄も良いリベラルなオッサンは、暴走するとかなり暴れる」ってことだろうか。岡崎、池田の熱心なファンが本書を読んだらかなり違和感があるだろう。優秀な頭脳が二つ合わさると・・・「機能不全」になる。間違いなく両名が別々に「EV懐疑論」を書き上げた方が、冷静で考察の行き届いた内容になることだろう。素人の「貴人」が間に入ってしまい、真面目な両者はただひたすらに「『お友達』さんが言いたいであろうEV懐疑論」を協力して代弁したに過ぎない。筋金入りのクルマ好きが読むにはちょっと内容がお粗末過ぎる。随所に散りばめられた「美しい日本」という右傾キーワードに歓喜するのはガチの高齢者と頭が老人レベルの若者だけだと思うが・・・。最後にこの本を紹介してくれた「kozziTV」こと小沢コージさんに感謝を!!



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