2022年4月9日土曜日

K沢さんの「MAZDA経営批判」に横槍


20年前のMAZDAは・・・

 2002年に第五世代のMAZDAフラッグシップに位置するGGアテンザが登場した。当時の「日本の」カーメディアの受け止め方は「カペラから名称が変わっただけ?」くらいの低調なものだった。キラ星のフォードブランド群の中で「個性」が強調され、非常に意欲的なシャシー&エンジンを採用していたが、「日本の」カーメディアに変化を察知する能力などあるはずもなく、評価はそれほど高くない。小沢コージさんの当時の本を読んでも「ゴミ」扱いでしかない。



武士道!?

しかし、作っている側のMAZDAは全く違うテンションだったようだ。GGアテンザは「世界一」でなくてはならない。我々にはもうチャンスが残されていない。最後に「最高のクルマ」を作ってそれでダメなら本望だ!!という気持ちだけで突っ走った設計をしたと、金井誠太主査の回顧録にハッキリ書かれている。そう言い切っても違和感がないくらいに洗練された「特別」なクルマだった。当然世界ではバカ売れし、100以上の受賞を果たし、2005年にMAZDAの当時の最高益に貢献した。しかし日本COTYは受賞していない。全く評価されていない。これは「日本の」カーメディアにおける最大の黒歴史だろう。



10年前のMAZDAは・・・

2012年に第六世代のMAZDAフラッグシップに位置するCX-5が発売される。フォード時代の遺産である2.2Lディーゼルを独自に改良した結果、横置きエンジン車では最高の飛び道具になり、汎用性の高いSUVボデーと、強烈にエモーショナルな日本人チーフデザイナーに主導された王道デザインが組み合わされ、MAZDAらしいSUV離れしたハンドリングが追加された。ここまで説得力があれば日本でも異常なレベルで売れるし、日本COTYも受賞した。



ついていけないカーメディア

それでも「日本の」カーメディアにはどこか割り切れない部分があったようだ。CX-5を殊更に取り上げることもなかった。結果として歴史的なペースで世界40万台クラスへと駆け上がった「モンスター級」モデルにはなったけど、「日本の」カーメディアにとっては「MAZDAはこれでいいのか!?」が素直な感想だったのだろう。スポーツカーやセダン&ワゴンが放棄され、SUVばかりに開発資源を集中させていくMAZDAの姿は「裏切り」と捉えられても仕方が無かったかもしれない。しかしMAZDAも「遊び」でやっているわけでは・・・。



カーメディアはバカか!?

私は、第五世代の最晩年(2012年)に熟成の後期GHアテンザを購入し、その完成度にぶったまげてブログを書き始めた。クルマってこんなにストレスなく高速道路をずっと巡行できるんだ!!旧道ワインディングもリズミカルに抜けていける!!これが本物のロードカーってやつか!?・・・まあそんな感じだった。こんなにすごいクルマを作るMAZDAに対して辛辣なカーメディアに対する、かなり「一方的」な怒りや不満から生まれたのがこのブログだった。



10年経てば変わる

ブログ歴も10年ほどになり、以前よりは「全体」が見えてきたように思う。初期の頃のようにただただ思い込みのままに突っ走っていた方が面白い記事がたくさん書けていた気もするけど、今ではどうしても「心のブレーキ」がかかってしまう。「それを書く必要があるのか」という自問自答は常にある。10年以上前の小沢コージさんの本でGGアテンザが「ゴミ」扱いされていた。この評論家に対しての「軽蔑」の気持ちだけで2015年くらいまではボロクソに批判を展開したけど、今改めて考えてみると別の意見も出てくる。



MAZDAの変遷

第四世代まではMAZDAは良くも悪くもロータリースポーツとロードスターが象徴する「スポーツカーブランド」だった。第五世代でもスポーツカー2台体制こそ維持したものの、「スポーツカーブランド」からアテンザやアクセラが欧州市場で無双する「ロードカーブランド」へと移行した。2000年頃に親会社のフォードが欧州でゴルフを倒したけども、MAZDAはその戦略の中核となるエンジニアリング・カンパニーになっていたわけだから、相手がBMWだろうがアルファロメオだろうが互角以上に戦える自信があったのだろう。実際にE46や156を照準に「金井アテンザ」が発射され、あらゆる賞を勝ち取った。



立場の違い

第五世代になってから免許を取り、クルマを買った自分にとってはMAZDAとは最強の「ロードカーブランド」である。世界最強かどうかは不明だけど、カナダやオーストラリアでのカルト的人気を考えると「環太平洋地域」では最強と言っていい。年配のカーメディアの人々にとってはこの素晴らしい第五世代のMAZDAに強烈な違和感があるのだろう。「MAZDAならば2ドアだろ!!」といったところか。



第六世代への違和感

第五世代のMAZDAにインスパイアされた自分も、同様に第六世代に違和感があった。この世代で登場したGJアテンザもBMアクセラも「ディーゼルありき」な設計であったし、GHアテンザのショートストロークエンジンとは真逆のフィールがあまり好きになれなかった。シャシーもCX-5に照準が合っていたような感じだ。あれ?ロードカーの開発はやめちゃうの!?第五世代で声高に叫んだ「足回りのMAZDA」はどこへ行ったんだ!?これじゃ乗り換えのクルマがない。たまたまハマったサイクリング趣味(アウトドア趣味)のおかげでCX-5に辿り着いたが・・・。



すべての世代へ訴求!?

2022年の今年、第七世代のMAZDAフラッグシップとなるCX-60が発表された。「10年ごとに出す」と決めているのだろうか。2ドアにこそならなかったが、スーパースポーツを予感させる強烈な加速を実現させるために「トルコンレス」という大胆な選択。確かに自社製ミッションであることを殊更にアピールすることが「ブランド力」の源泉ではある。それでいて突き抜けた静粛性とフラット感を備えロードカーとしての性能も間違いなく高そう。そしてMAZDAが第六世代で取り組んできたSUVの衝突安全設計もフォローされているのだろう。



これまでの歩みの集大成

3つの世代を足して3で割った平凡なクルマでなく、それぞれの突き抜けた長所を共存させたクルマに仕上がったようだ。K沢さんのようにMAZDAにトヨタのような「全方向の開発」をしっかり考えろ!!という意見が絶対に間違っているとは思わないが、第五世代、第六世代でそれぞれ与えられた環境の中で、後先考えずにただただ世界最高の「ロードカー」、「SUV」を全力で作ってきたことがMAZDAの強みであり、その確かな結実がCX-60なのではないか!?



MAZDAの世界制覇

「GGアテンザ」と「CX-5」は登場時こそ地味だったけど、結果的に実力で世界制覇した。K沢さんがCX-60の48V直6ディーゼルエンジンを評して、「これ10年前に出てたら、世界制覇していた!!」とか仰っていたが、いやそのエンジンじゃなくても・・・MAZDAはすでにやっている。100万台かそれ以下の規模で主要市場でくまなく大暴れ(カテゴリー制覇)しているブランドってMAZDAとポルシェだけだ(スバルは8割北米なので・・・)。



歴史は繰り返す

第五世代・第六世代と同じように、第七世代でも「縦置きシャシー」というマニアックなジャンルに集中して、当たり前のように世界制覇するフラッグシップを作ってきた。全方位戦略を採るトヨタのクラウンやレクサスLSでは真似できないだろうけど、MAZDAには極めて高い「再現性」がある。的外れな「日本の」カーメディアや、ヤフコメでアホなことを書いている連中はこの「歴史」が理解できていないのだろう。



いろいろな企業がある

トヨタは常に「30万人の社員の将来」を最優先にすることが社是であり、リストラに対しても否定的だ。これはこれで素晴らしい方針だと思う。そしてMAZDAは「最高のクルマをユーザーに届ける」ことが社是となっている。クルマ作りに人生を捧げられない人は去れ!!みたいな空気があるらしい。デザイナーもモデラーも間違いなく業界で最も長時間労働しているとインタビューで語っていた。四季報を見てもトヨタとの待遇差は明らか・・・。


変態的

BMWやスバルとはなんとか協業できるけど、MAZDAと共同開発するのは「相当にハードルが高い」と豊田章男社長も語っていた。もちろんトヨタもBMWもスバルもそれぞれにプライドを持ってクルマ作りをして成功しているわけだけど、MAZDAのストイックさは完全に異常だそうだ。役員に「30万人の社員とその家族を考えろ!!」と言われ続けてきたし、それは非常に大事なことだけど、立場を超えて言えば「MAZDAのクルマ作り」に強烈に憧れるそうだ。



ちょうど良い

K沢さんはCX-60レビューの中で「MAZDAのようなメーカーが元気じゃないと面白くない」と言っていた。MAZDAがトヨタのように左うちわで稼げるようになったら、だんだん「トヨタ化」してしまう気がする。第五世代も第六世代も「倒産」が現実にチラつく中での幕開けだった。鬼畜な話だが、そんな環境こそがトヨタ社長をして「限界を超えている設計」を産み出すのではないかと思う。この極限状態のMAZDAをさらに続けるためにも、(経営圧迫が危惧される)「ラージプラットフォーム」ってのは実に見事な舞台装置じゃないだろうか。



MAZDAが好きな理由

自分だけじゃないだろうけど、氷河期世代に生まれた人々は、親の世代にバカにされたり憐れみを受けたりされながら、自分の生きる「方法」をあれこれ試行錯誤してきただろう。雇用先に利益をもたらすことでしか明日に繋がらない日々を生きるために、礼儀正しく、身だしなみを整え、すべての悔しさを押し殺して精一杯やれることをやってきた。MAZDAの清潔感溢れるデザインや、理想を追求する仕事ぶりには、ごくごく親近感が湧く。



最悪だけど最高の環境

不安定な雇用に多くの人が苦しんできたことはよくわかっている。決して良い時代ではない。しかしもう一度同じ時代に生まれ変わってもいいと思う。努力が強制される「環境」があったからこそ、自分自身をクズとしか思えなかった20歳そこそこの自分では想像もできなかった、さまざまな能力を身につけられたと実感する人も多いのではないか!?親世代のような豊かな暮らしはとっくに諦めていると呟き合っていた同志が、気が付けば両親より経済的に豊かになってる。そんな自分が生きてきたリアルな感覚と「MAZDA」は見事なまでにシンクロする。必死に苦労を続けた結果、MAZDAも気が付いたら「世界最高のクルマ作り」になっていたのだろう。



2022年4月8日金曜日

全カーメディアお手上げ状態のMAZDA・CX-60

 

これを待っていた

2022年の日本COTYは開催不可能かもしれない。日産アリア、bz4X / ソルテラ、フェアレディZ、GRカローラ、シビックtypeR、スバルWRXといった近年稀に見るメンバーが揃っているけど、たった1台のニューモデルが世界の自動車産業の現実を浮き彫りにさせてしまったようだ。輸入ブランド&日本メーカーが新型車を投入するたびに日本市場でデタラメな価格を付けてきたが、MAZDA・CX-60はいよいよ「北米価格」で日本市場を席巻しようとしている。30年以上前の初代セルシオの再来と言っていいかもしれない。



異常事態

圧倒的な「開発の質的な高さ」と「ロマンへの熱量」が伝わってくるスペック&パッケージの前に、総動員されたAJAJ軍団も、アホの一つ覚えのようにただただ肯定するしかない状況だ。クラウン、レクサスLS、レヴォーグ、WRXなど近年の日本メーカーの縦おきエンジンモデルの試乗レビューはここまで全面的に肯定だっただろうか!?ボデー剛性やシャシーは非常に良くなったけども、「走って楽しい」と軍団が叫んでいただろうか!?



喜び過ぎ

4月7日に情報解禁になってユーチューブで活動するAJAJが一斉に動画をアップした。Gさん「変速ショックが気になるけど、直6DもPHEVもただただ素晴らしい」S(Y)さん「これは良い!良い!すごいいい!」Oさん「すっごく滑らか!!トルコン無いのに全然段付き(変速ショック)ないな〜」S(K)さん「これいい今乗ってるランドローバーの次はこれにしよっかな」Kさん「私はMAZDA嫌いではありません(藤原が嫌いなだけです)!!クルマすっごくいいです!!けど売れないかもな、だって経営陣がバカなんだもん(ゴチャゴチャ・・・)」



全員が素人同然

エンジニアに聞いた技術的なウンチクこそ挟みつつも、やはりガチでいいクルマに乗ってしまったらクルマ好きの素人と同じリアクションしかできなくなっている。ロードスター以外は2002年以降のMAZDAしか乗ったことないけどさ、GG&GHアテンザ、GJアテンザ2.2D、歴代ロードスター、プレマシー、MSアクセラ、アクセラ2.2ディーゼル、CX-5、MAZDA3スカイXどれ乗っても同じような興奮は味わえると思うが・・・。Kさんは動画に残るアクセラ2.2ディーゼルではしゃぐレビューと同じテンションになってる。



ステマに見える!?

もしかしたら、MAZDAがプーチン並みの情報統制を図っていて、招待したAJAJ軍団に目一杯の演技指導を施したのかもしれない。「子供のようにはしゃいで楽しさを表現してください」「できるまで何度でも録り直し可能です」・・・みたいな試乗会だったのかも。確かにOさんの表情にはうっすらと「疲れ」が見える。何回やり直しを喰らったのだろうか!?相変わらずの棒読みコメントで淡々と褒めている。動画コメント欄には「Gさんはショックあるって述べてますけど・・・」と突っ込まれて、本人が「オッサンなんで感度鈍くてごめんなさい」とかレスしていて微笑ましい。



つまりは・・・

エンジンだけで300万円以上したという日産GT-Rは、栃木工場のスカイラインやフーガを生産するラインに混流させて、発売時の価格を777万円まで抑え込んだ。CX-60も防府工場でFF車ラインに混流させて作ることで同じように価格を下げることが可能らしい。メルセデスだろうがレクサスだろうがイチャモンを付けたがる上記のAJAJ「五大老」が、全てに目を瞑って全面肯定した背景には、「MAZDAの生産ライン」への大喝采があるはず。とにかく日本市場の高性能車の自動車価格をどーにかしてくれ!!という切実な想いが宿っている。



買いたくなる

1000万円くらいするマセラティみたいに「ピカピカ」じゃないし、800万円くらいするポルシェみたいにサーキット向けのストイックさはない。直6ディーゼルに48Vが付いて500万円くらいらしいが、BMW・X3・M40d(日本価格902万円)と同等のスペックに加えて、実用に耐えうるモード燃費が付いてくるらしい。X3は北米市場ではディーゼルの販売はない(タブー)が、直6ガソリンターボのX3・M40i(382ps)が57,800ドル、X3・M(473ps)が70,100ドルなので、北米価格をそのまま日本に持ち込めばCX-60とほぼ同等の価格になる。



勝算

無茶な期待はできないけど、CX-60によって日本市場が大きく刷新されそうな予感だ。ユーチューブでレビューが行われるようになって以降で、ここまでカーメディアが一斉に動いたのは今回が初めてではないだろうか!?K沢さんは「まず売れないでしょうね」と仰るが、CX-60のターゲットは大して日本で売れていないBMW、メルセデス、アウディ、ボルボの類似のSUVなどではなくて、より大きな枠組を狙っている。具体的にはこれまで相当数が売れてきた、アルファード、レクサスLS、クラウン、フーガといった日本の高級車のシェアだろう。



日本車初の・・・

RAV4PHEVやアウトランダーでは動かなかった「プライドが高い」ユーザーに十分に訴える設計になっている。クオリティを重視するユーザーにとって、1000万円以下で収まる高級SUVは「ランドローバー」「ポルシェ」「マセラティ」の3つしか選択肢は無かった。S(K)さんが何気なく呟いた「ランドローバーの後継になる」という一言は、MAZDAがやり遂げたことの大きさを表している。その言葉の裏には「レクサス、メルセデス、BMW、アウディのSUVでは全然話にならないんだよ!!」との怒りにも似た想いが滲んでいる。

2022年3月2日水曜日

「MAZDAのハンドリングはゴミ」だと・・・水野和敏さんが仰る

 

MAZDA無関係のレビューにて

「非常識な・・・」というタイトルで本を書いていたこともあった、元日産の開発者の水野和敏さんだから発言も非常識なのかもしれないが、またまたまたまたMAZDA叩きですか・・・。全くMAZDAと関係のない輸入車の比較レビューだったのだが、FFのスポーツセダン・プジョー508をジャッジするにはMAZDA車を引き合いに出すしかないのかもしれない。



ベストカー読者にはレベルが高すぎる!?

「ベストカー」のくせにやたらと小難しい事を言ってる(読者のレベルわかってます!?)。水野さんにとっては、どうせ視聴者の99%は意味すらまともにわかってないから適当に理屈をこねておこうという、完全なる手抜き仕事なのだろう。聞き手になっているベストカーのベテラン担当者も、いつもなら食い気味に聞き返すところを、今回のレビューは最初から意味がわかってない様子だ。




MAZDAだろうな・・・

水野さんが、何を基準に仰っているのか少々不明確な部分があるのだけど、現行508のPHEVの出来にとても感心したらしい。そしてついつい口走ってしまう「某日本メーカー車への痛烈な批判」。508のハンドリングは全く遊びがなく非常にナチュラルで、日本車との大きな違いは・・・「キャスター角をしっかりとっている事」だってさ。日本メーカーはハンドルが重くなってしまうからキャスター角を付けるのを嫌がる。パワステの味付けだけでごまかしているメーカーばかりだってさ・・・まあMAZDAをイメージしてるんだろう。



キャスター角とは!?

ここで言うキャスター角とは前輪に対してサスペンションが後方にいくらか倒れている角度のこと。だいたいどんなクルマも2〜4度くらいに設定されている。一般的に浅い2度だとフニャフニャのハンドリングになり、ステアリングを軽くすることができる。日本車の得意技!?それに対して4度くらいまで倒すと、今度は直進安定性に優れハンドルにもしっかりと反力が付くらしい。水野さんが言うにはこの領域でこそニュートラルなハンドリングなんだってさ。



508を見事に説明!!

水野さんは身振り手振りで、日本車はやたらとキャスターを立ててしまって、これではもう話にならないと言いたそうだ。小出力ステアリングモーターでも軽いハンドルが実現してとても省エネで、速度域も低い日本向けモデルならそれでも仕方ないよね・・・って論調らしい。それにしてもカーメディアが「かっこいい」以外は1ミリも持ち上げることができなかったプジョー508の美点をさらりと語ってしまうところは、本当に凄いオッサンだと素直に感心する。カーメディアとはこうあるべきだ!!



MAZDA6しか該当しない!?

この動画見てプジョー508が気になる人はたくさん出てくるだろう。実際に水野さんが仰るような特徴を備えた素晴らしいクルマなのだろう。その点に関しては全く異論はない。問題は「咬ませ犬」になったキャンターの立った素性をパワステで必死にごまかしている日本車の方だ。まさか軽自動車ではあるまい。508と同等の設計となるDセグのFFサルーンの比較ではMAZDA6くらいしか候補が出てこない。



解せない

ここで一つの疑問が浮かぶ。水野さんともあろう批評家が、全くジャンルが異なる日本車を引き合いに出して508を褒めたのだろうか!?それともたった1台の該当車であるMAZDA6を念頭に置いているのか!?前者でも後者でも少々腑に落ちないところがある。万に一つもフニャフニャハンドリングの女性向け軽自動車を指しているとは考えにくいが、508の下位モデルになるCセグ辺りをイメージしているのか!?



同じ立場

MAZDA6を指しての表現だとすれば、これは納得しかねる。このクルマはセダンタイプのグランドツアラーとしてMAZDAがかなり思い切った設計を施している。現行のMAZDA6は先代とは異なりMAZDA3と基本設計を共通化している。プジョー508に関しても先代508からすでに308と基本設計は同じだ。どちらもGHアテンザや407の時代には独自のシャシーを使ってスポーツサルーンを作っていた。



上位モデルの走りを演出

シャシーが統合されると、当然ながら下位モデルとの明確な違いを示す必要が出てくる。MAZDA6はホイールベースが長く先代よりもゆったりとした乗り味になったため、MAZDA3よりもずっしりしたドライビングフィールを演出している。BMWのFRモデルを全く相手にしないレベルの直進安定性も某メディアのテストで証明されている。その秘密はキャスター角にあるらしい。2〜4度が当たり前の中で、MAZDA6では7度のキャスター角が付けられているのだ。



パクったのはどっちだ!?

先代の508はどこか貫禄が不足していたが、現行508は静粛性やドライビングフィールがかなり変わった。全く証拠はないけども、どこかのメーカーの真似をしてCセグ派生のDセグサルーンの味付けに「キャスター角」を使ったと考えるのが自然だ。発売年代から考えても説明が付く。MAZDAからしてみたら、はっきりと名指しされたわけではないけども、水野さんの「言い掛かり」によって視聴者が勘違いを起こしてしまう状況には腹が立って仕方がないだろう。



2022年1月12日水曜日

「CX-5は平凡な出来」・・・とRIDE NOW島下泰久さんが言ってる

 

クルマ系ユーチューブが多過ぎる

「RIDE NOW」って何?って人もいるかもしれないが、AJAJで一番仕事が多い島下泰久さんと相方の難波賢二さんによる自動車を紹介するユーチューブ・チャンネルである。AJAJユーチューバーがどんどん増えているけど、編集者がいない自己メディアということもあって「独り相撲」で「やっつけ仕事」になっている感じだ。毎日のように動画を投稿するのはなかなか大変ではあるだろうけど、そんな忙しさから「アラ」が目立つ感じが、ブログ書いてる自分の事のように思えてしまい、気になってあまり内容が入ってこない。そんな中で「RIDE NOW」や「kozzi TV」は一人レビューだけでなく、対談形式の動画も多く、それらは展開が読めない分だけ面白いことが多く、割と見ている。



いつの間にか日本車のエース格

MAZDAのCX-5は、別にカーメディアがゴリ押ししたわけでもないけど、気がついたら日本車の代表格にまで出世していた。多様な市場で受け入れられているという意味ではCR-VやRV4を上回る「世界最強」モデルだ。今回のマイナーチェンジの注目度も高く、カーメディアの手のひら返しにはもう笑うしかない。ある程度はクルマに詳しい人は察していると思うが、現行のMAZDA車でトヨタを本気で怒らせた唯一のモデルだ。2013年頃の「THSブレーキ事件」でトヨタの技術を完全にコケにしたMAZDAに、セールス面でもマウントを取られた「トラウマ」級のビッグセールスモデルである。当のMAZDAも初代の規格外の大ヒットで自信を持ったようで、現行発売時には「日本のSUVはMAZDAが作る」みたいな力強いPRをしていた。



感動しやすい体質!?

2代目デビューの頃(2017年)はまだまだ「SUV懐疑派」だったが、ロードバイクに乗るようになり実用性を重視して3年後にはCX-5を買っていた。2代目アテンザもそうだったけど、世界の様々な市場で支持されたクリティカルヒットモデルだけあって、買った後にさらに期待以上のポジティブな印象を得ている。2代目アテンザも非常に運転が楽しく、朝から晩までドライブしていても飽きないし、高速道路での長距離移動もかなり楽にこなせるクルマだった。レクサス、メルセデス、BMW、アウディ、ジャガー、ボルボなど他のブランドもいろいろ試したけど、2代目アテンザを超えるクルマは日本市場にもほとんどないだろうって思った。



気が利いてる

そして今はCX-5に乗っているが、これまた現行車では日本市場で最強と言っても過言ではない完成度だ。どこのメーカーでも用意しているC/Dセグの汎用SUVに過ぎないのに何が違う!?おそらくMAZDAが頭一つ以上抜けているのは、ユーザーの求める世界観の実現に、可能な限り努力を惜しまないことだろう。「クルマ買ったら日本海や富士山を見に行こう」そんなユーザーのワクワク感をイメージ通りに現実にするためにあらゆる面で考えぬいてクルマを作っているのがわかる。富士山や日本海は東京から往復で200〜400kmくらいの距離を走る。燃費も大事だけど、往復で5時間乗っていても飽きないドライブフィールを作る。CVTではフィーリング的にロングドライブには不向きだ。そして静粛性が高く長時間乗っていても快適に過ごせる車内。




クルマではなくカーライフを売る

目的地に着いたら富士山なり日本海なりをバックにして、思わず微笑んでしまいそうな映えるエクステリアデザイン。エンジンのスペックやクルマのサイズも、ロングレンジドライブを想定して最適化して作り込んでいる。その反面、トヨタ車には必ず着いているようなラゲッジのフックや、ネットなどのお買い物車としての機能はびっくりするくらい付いていない。もちろんホンダや日産のようなシート下の収納スペースなんてあるわけない。このクルマはCVTではなくトルコンATを選ぶ人のために作られている。CX-5より大きめのボデーを使うもCVT車なので車重はCX-5と同等に抑えていて、カツカツのトルク容量で走る某メーカーのSUVとは同じジャンルだけど全く別のクルマと言っていい。



スペックから一目瞭然

CX-5に乗り始めてから、ブログで「これは最高の長距離ツアラーだ」などと書いていたけど、今回RIDE NOWで同じようなサムネタイトルを見て思わず15分全編を見てしまった。どうやら難波賢二さんの持論らしい。動画では2.2Lディーゼルターボ車で試乗が行われているが、ディーゼルにしろ2.5L自然吸気ガソリンにしろトルコンATを組み合わせた設計は、お買い物の車として毎回のように渋滞にハマるような使い方だとデメリットが多くなる。ゆえにMAZDA以外の日本メーカーは敬遠する傾向にある。しかしロングツアラー用途となれば状況は変わる。日本市場よりも3〜4倍くらいクルマを運転しているアメリカ市場では、トヨタも日産もホンダも2.5L自然吸気が定番スペックだ。



カーメディアの闇!?

「CVTは短距離」「トルコンATは長距離」はクルマ選びの基本だと思っていたが、カーメディアではこの手のセオリーな説明すらほとんど行われてこなかった。CVTを売っている他の全ての日本メーカーを敵にするわけにはいかないのだろう。そんな業界のタブー(?)をあっさりと超えてしまった難波さんに対し、島下さんが非常に言葉を選んで対応している。「私はそこまでだとは思いませんが・・・」とやや否定混じりに相槌をうっている。カメラが回っていて編集もされているのだろうけど、島下さんが煮え切らない感じだ。何を言いたいのかよくわからない。伝わってくるのが「この会話」がコンプラのギリギリだってことくらいか・・・。



著書との整合性か!?

「間違いだらけのクルマ選び」を書いているくらいだから、主要メーカーの動向については詳しいだろうと思っていたが、MAZDAのシャシーの変遷についても少々腑に落ちない説明をしていた。まだまだ島下さんにとってはMAZDAは日本メーカーの「4番目か5番目くらい」のあまり重要ではない存在のようだ。「間違いだらけ2022年版」の採点表で驚いたのは、CX-5がカローラクロスに全面的に負けていたことだ。「快適性」とは「渋滞にハマった時の快適性」であり、「走りの楽しさ」も「信号ダッシュの際の走りの楽しさ」だと解釈すれば、理解できないこともないが・・・。



RIDE NOWの今後に期待

動画でいつも以上にチグハグしていた島下さんだが、難波さんの確信めいた「CX-5最強ツアラー論」を聴きながら、昨年暮に発売したこの本でのCX-5の評価をいくらか後悔していたのかもしれない。あの本を読んでカローラクロスやRAV4を買いました!!という純粋な読者の顔が脳裏にチラついていたのではなかろうか!?この動画で不用意なことを言って読者のカーライフを踏みにじりたくない気持ちはよくわかる。売れっ子評論家はいろいろ悩みがあるんだろうな。難波さんが「長距離で走っているクルマのCX-5率は明らかに高い」との真顔の主張を「そんなことないよ・・・」と軽くかわそうとする島下さんの心情が様々に読み取れて興味深い。2023年版におけるCX-5の評価がどう変わっているか楽しみに待ちたい。





2021年12月21日火曜日

2021-2022日本COTYの結果発表 (集計が面倒くせー)

 

「ノート」受賞に激怒したトヨタが・・・

気がついたら大賞が発表されていた。審査員60人での全体の結果では「日産ノート」が見事に受賞されたみたいですが、これが「原因」ですかね。10ベストカーに3台を送り込んでいたトヨタだけど、一番負けたくないクルマにやられてしまった。面子丸つぶれでヤケになって、200万台から350万台に増やしちゃったようだ。審査員の皆様はそんなにEVの加速がお好みですか!?だったらトヨタのラインナップも全部モーター駆動にします!!・・・的な怒りだか絶望が、先日のトヨタEV会見から感じられた。素直にGR86を選んでおけば良いのに。



10ベスト審査員

今回の「10ベストカー」が出る前のタイミングで、個人的にこのブログ上で「10ベスト審査員」を選ばせてもらった。レビューや動画などから察するにクルマの趣味が合いそうな人という意味での10人である。ちょっと難解な理屈をこねるタイプが多いかもしれない。断っておくが決して他の審査員よりも人間的に優れているとか頭がいいとかいう基準ではない。レビューを読んでて「クルマの楽しさ」が自分と近い位置に感じられる10人だ。そんな彼ら10人の得点を早速集計してみた。


安東弘樹(GR86-2点、ノート-7点、ヴェゼル-2点、アウトランダー-10点、4シリーズ-4点)

ウナ丼(GR86-3点、ランクル-10点、ノート-3点、ヴェゼル-2点、コルベット-7点)

大谷達也(GR86-10点、ノート-6点、ヴェゼル-6点、Cクラス-1点、ゴルフ-2点)

岡崎五朗(GR86-2点、ランクル-3点、ノート-10点、アウトランダー-9点、Cクラス-1点)

五味康隆(GR86-10点、ミライ-1点、ノート-4点、ヴェゼル-7点、ゴルフ-3点)

佐野弘宗(GR86-4点、ランクル-10点、ノート-3点、ヴェゼル-4点、ゴルフ-4点)

世良耕太(GR86-5点、ランクル-2点、ノート-10点、ヴェゼル-7点、ゴルフ-1点)

千葉匠(GR86-2点、ミライ-5点、ノート6点、アウトランダー-10点、コルベット-2点)

松任谷正隆(GR86-5点、ミライ-10点、アウトランダー-3点、Cクラス-5点、ゴルフ-2点)

山内一典(GR86-10点、ヴェゼル-3点、アウトランダー-5点、Cクラス-2点、ゴルフ-5点)


「カテゴリー1」

<得点合計>

1位 GR86・53点

2位 ノート・49点

3位 アウトランダー・37点

4位 ヴェゼル・31点

5位 ランクル・25点


<得点を入れた人数>

1位 GR86・10人

2位 ノート・8人

3位 ヴェゼル・7人

4位 ゴルフ・6人

5位 アウトランダー・5人



俺の目に狂いは・・・


個人的に選んだ10名の審査員に大満足である。全体(60人)の審査とはかなり違う結果になったのが実に素晴らしい。この10人が高得点を与え、全体の1/6以上の得点を上げたモデルが、GR86、ランクル、アウトランダー、4シリーズ、Cクラスの5台となる。実際のところ10ベストカーでリアルにマイカーとして使ってみたいのはこの5台のどれかなので、手前勝手だけど「個人的な趣味」が存分に反映できてこれは予想以上に面白い結果だ。ぜひ公式サイト上に「私が選ぶ10人」という専用ページを用意してほしい(お前がプログラミングして作れって話だ・・・)。


BEVやCVT車ではダメ

この精鋭10人が全員得点を入れたGR86はもちろんだけど、8人得点のノート、7人得点のヴェゼルも個人的にはテリトリーのセグメントではないけど、やはり相当に良いクルマなんだろう。しかし高得点には恵まれておらず、全体(60人)と比べてもやや評価が低い。前述したこの10人の評価が全体よりも高い5モデルはPHEVのアウトランダーを除いて全てがトルコンAT搭載車となる。やはりこれが「リアルな評価」だ。BEVもCVT車も現状では、県境を越えて遠くまで繰り出すクルマとしては選択肢にすら入らない。半径数十キロを走るだけのクルマが必要なところに住んでいる訳でもないし・・・。



忖度は少なめで・・・

特に気になったのがVWゴルフの得点だ。60人の全体では合計で168点なのに対して、この10人では、6人が得点を入れているが、わずかに17点しか入っておらずざっと1/10程度。割合としては平均である1/6から最も大きく差がついた。個人的な思い込みの範疇を出ないのだけど、全体で168点を集め輸入車では圧倒的だったゴルフの得点を見る限りは、「VWへの忖度」が働いていると感じられる。審査員も人間であるし、人情で得点が左右されるのも込みでの日本COTYである。過日に受けたVWからの「御恩」にしっかりと報いる忠義に厚いカーメディアの人々を批判する気は毛頭ない。



カテゴリー2は・・・

しかしガチのジャッジを求めるならば、「人情ジャッジ」はできる限り削りたい。それが1/10まで抑え込めたのだから素晴らしいことだ。この「カテゴリー1」の10人に対して、真逆の価値観で選ばせていただいたのが「カテゴリー2」で、十分に絞りきれずに14人を選んでしまった。彼らのジャッジを集計してみたところ、予想以上に2つのカテゴリーの結果には大きな差が見られた。


「カテゴリー2」

<得点合計>

1位 ノート・72点

2位 アウトランダー・58点

3位 GR86・54点

4位 ゴルフ・50点

5位 MIRAI・42点


<得点を入れた人の数>

1位 ノート・14人(全員)

2位 ゴルフ・13人

3位 ヴェゼル・11人

4位 アウトランダー・10人

5位 GR86・9人



VWに未練なし1名

「カテゴリー1」の10人では、10台全てのクルマに得点が入ったけども、「カテゴリー2」の14人ではトヨタ・ランドクルーザーとBMW4シリーズは0点に終わった。その一方でVWゴルフには14人中13人の得点が与えられ、唯一得点を入れなかったのは国沢光宏さんだけ。先ほどの「忖度」の話はネガティブだったけど、アクアとシビックが不在の中でノートやゴルフに得点を入れる人が集中したことは好意的にも判断できる。この4台の競合こそが2021年のクルマ選びを楽しくしてくれたとは思う。


選ばれた4台・・・

人数が多いにもかかわらずカテゴリー1より多様性に乏しいカテゴリー2の傾向は、全体より得点率が高いモデルがミライ、アウトランダー、Cクラス、ゴルフの4台となっている。GR86、4シリーズ、コルベットなどのスポーツモデルがなかなか評価されないメンバーだと予想していたが、それが裏付けられている。見事なまでに同じ方向を向いてくれている。14人のメンバーに関しては当ブログの「10ベスト審査員」に記してある。



次回は大幅改革があるらしい

より日本COTYを意義あるものにして欲しいと思い、審査員の選び方に関してもあれこれ書かせてもらったが、島下泰久さんのツイッターによると来年度から審査員の選出方法が大きく変わることになるようだ。え?いよいよ水野さん、金井さん、八郷さん、モリゾーさんが登場するのだろうか!?bZ4X、アリア、CX-60、WRX、レクサスNXなど、発表されたモデルだけですでに「世界一決定戦」の予感がする。審査基準も複雑怪奇になりそうだが、今年と同じように10ベスト審査員で楽しみたいと思う。




2021年12月7日火曜日

「EV推進の罠」の読書感想文を書いたら、著者の一人にボコボコにされた・・・


ガチギレされた・・・

別に個人がブレインストーミング代わりに書いているブログに「ガチギレ」しなくてもいい気がするんだけどな。相手は50歳以上なんで反論もする気もあまりない。「相当に性格が歪んでいる」みたいなこと言ってくる世代だってことは、これまでのブログ活動で散々に経験しているので特に何とも思わない。特に(自分の考えとは)ズレてるなと感じたところは、安倍元総理の「お友達」みたいな人から仕事の斡旋が来たら、小泉進次郎世代の私にとっては「人生の転機かな?」ってラッキーだと思うところだ(池田さんはそう思わないらしい)。だから池田直渡さんや岡崎五朗さんがキャラ崩壊させてでも頑張る気持ちはわかる。



小沢コージさんが悪い

そもそも悪いのは小沢コージさんだ。動画の中で岡崎五朗さんに対してとても羨ましそうにしていた。そして岡崎五朗さんも、今回の仕事はまんざらではないといった表情だったので、これはおそらく面白いだろうと期待して購入させて頂いた。ちょっとハードルが上がり過ぎてしまったかもしれない。そして加藤康子さんの経歴を見て、今回の出版の背景がなんとなく見えてしまった(小沢さんの表情の意味も)。カーメディアで単行本が出版できる人なんてほとんどいないわけで、「パトロン」が付いたんだなと理解した。このお二人の単行本が読めることはクルマ好きにとっては良いことだと思うし、今後もこのコネクションを使って「カーメディアの新しい地平」を切り開いてほしいとすら思う。・・・が舌足らずゆえに全て「シニカル」に受け止められてしまった。仕方がない。世代が違い過ぎるのだから。



読者をナメるな!!と言って欲しい・・・

クルマのことあまりわかってないのに「EV推進派」を批判する本を書こうとする無茶な主宰にはぜひツッコミを入れて欲しかった。数年前にニューモデルマガジンXの覆面座談会で「1.2Lと1.4Lの2つのエンジンで600万台をカバーするVW」とか書いていたけど(半数以上はディーゼルだし、当時はすでに1.0&1.5が中国や欧州では主流だった)、それと同じレベルに酷い内容になりかねない。もっとプロ意識持ってください!!と一言あってもいいと思う。そして個人ブログでこのことについて触れるのはタブーなのだろうか!?一般メディアだろうがカーメディアだろうがおかしなことはたくさん書いてあるわけで、常に内容を吟味する眼を養うためにもこの手のブログを細々と書かせてもらっている。



氷河期世代の実体験

就職氷河期世代だったので、実家を出て独立するための資金を稼ぐために東京都にある某自動車工場で4ヶ月だけ期間工をやったことがある。直接雇用だったので他の派遣労働者よりは条件が良かったし、社会人人生のスタート地点としてはむしろ「最高の場所」だったかもしれない。この4ヶ月で目にしたものは色々と忘れられない。池田さんが指摘するように確かに「育ちが悪い」が、しかし二交代夜勤明けの早朝に帰宅した私の姿を見て涙を流してくれた母の顔は一生忘れられない。



搾取はあった

何の能力もない私をライン工として雇用してくれたトヨタ系列の会社には感謝しているし、4ヶ月で150万円ほどの貯金を作ることもでき、無事に実家を出て部屋を借りることができた。それ以降の仕事は辛いなんて感じたことはない(年に363日出社していた年もあったけど)。あの4ヶ月があったからこそ、人生の喜びをつくづく感じられるし、今では好きなタイミングでクルマを買い換えることもでき、好きな腕時計も躊躇なく買えるようになった。しかし当時の同僚は、給料をパチスロやキャバクラで使い果たす人も多かったし、私には無関係だったが、派遣会社の労務管理の人が、何だか刑務官に見えたものだ。「派遣労働者法」がまだなかったバブル世代に何がわかるのか!?



違和感

「時給16ドル以上」とは最低時給の話だ。トヨタの直接雇用なら可能な金額だろうが、派遣労働者全てにこれを保証するのは大変だ。USMCAの規定では北米の自動車工場が対象になっていてメキシコ工場にもこのルールが適用される。日本の自動車行政もタイの自動車工場を含んだ、日本市場向け生産工場の最低賃金についてルールを決めても良いのかもしれない。氷河期世代が働き出してから日本の労働環境に幾らかのインパクトを残したのはアマゾンくらいだ。「日本を応援したい」も「トヨタを応援したい」も結構だが、40歳定年でクルマを作っている若者のことまで頭に入っているのだろうか!?余計な御世話だと思うが、若い世代に伝わるメッセージってのはさ・・・ってことを若い世代の人々とブログを通じて共感しあえればいいと思って書いている。わかる人にだけわかればいいとも思っている。



いくつになっても政権批判

失礼だが50歳以上の人々の「政治批判」はいつ見ても痛々しい。本書でも岡崎、池田の両名が「政治の鈍さ」について散々に批判しているが、目の前に内閣参与だった人がいるわけだ。しかも自動車についてまともな知識もないのに「批判本」を作ろうとしている。これが全てではないか!?河野太郎や小泉進次郎が政権中枢に居て道を間違えたとしても、その中で社会は器用に進んでいくものだ。この30年でもどれだけの「失政」と思われる事案が重ねられてきたことか・・・それでも日本経済は揺るぎない前進を遂げてきた。



またまた違和感

 欧州、中国、アメリカの自動車行政は「ズル賢く」見えるかもしれないが、そもそもは日本の自動車行政の手法を参考にしたものが多い。90年代には日本のODAは世界トップだった。その成果もあってASEANの国々では日本メーカーのシェアが95%なんて国もある。その手法を真似てアメリカ、ドイツ、イギリスが今ではODA拠出額で日本を上回るようになっている。野口悠紀雄さんなど元官僚の「高度経済成長期」自慢の本には、当時の日本の自動車行政がいかにしたたかであるかが書かれている。現在の中国政府がやっていることとほとんど変わらない。内閣参与だかAJAJだか知らんが、そんなことすらわかってないから平気で「アンフェア」だと騒ぎ立てるのだろう。トランプ大統領も言っていた「日本こそがアンフェア」だと。



「明後日」過ぎて焦った・・・

「陰謀」とか言われちゃって、だいぶお馬鹿なキャラに設定されてしまった。加藤康子さんのような金持ちがどんな活動をしようが知ったこっちゃないし、そもそも政治にも興味がない。この本を読んで「自民党内の考え方の違いがわかった」と書いただけなのに何で「陰謀論」にされちゃうんだ。ちょっと被害妄想がエグいことになってないですか!? どちらの文章も読んでくれた人にはわかってもらえると思うが、池田さんの反論のほとんどが「仮定」からしてほぼ間違っている。こんな言葉は使いたくないが「捏造」だか「名誉毀損」だかの類いでしかない。あちらは顔出しでこちらは匿名でフェアではないから、別に批判などする気もないが・・・。このブログもカーメディアへの素朴な「読書感想文」を綴っているだけだ。



EVに関して特段の考えなし・・・

ちょっと考えればわかるけど「EV推進派」とか、かなりどーでも良い。決して加藤康子さんの主張が間違っているとも思っていない(この辺も完全に独り相撲されてます)。ふざけた姿勢でカーメディアに参戦してきたことにツッコミを入れて欲しかっただけだ。読者からしたら「何しにきたの!?」って感じだ。「貴人」も「オバさん」もタブーな言葉ではないし、私がブログで読者に語りかける上で便宜的に使ったまでだ。決してふざけた表現だとも思わない。今回は思わず反論を頂いて、いつもより多くの人にブログを読んで頂けて光栄ではあるけども、やっぱり50歳以上とはどーも噛み合わないなと改めて感じた次第。本は面白いので「お友達」アレルギーじゃなければオススメする。






2021年12月5日日曜日

岡崎五朗&池田直渡 「最凶右傾コンビ」爆誕!!

 

注意喚起!!

買って後悔する人が出てきそうなので先に書いておく。「日本」を愛する気持ちは好意的に伝わってきた史上最長を記録した「安倍政権」だけども、時の人となった籠池夫妻のような「お友達」な感覚で、わけのわからない「右傾」プータロー学者もどきが続々と「内閣参与」に任命されていた。身の程をわきまえずに首相に楯突き(増税反対)、2016年に解任された藤井聡が、政権を「逆恨み」してその後にメディアで痛々しい大暴走を繰り広げのは記憶に新しい。元「内閣参与」の肩書を使って活動する怪しげな文化人は他にも高橋洋一、谷口智彦などなど中身のほとんどない「暴露本」で小銭稼ぎをする人も多い。



怪し過ぎる経歴

カーメディアの中では人気が高い、岡崎五朗さん、池田直渡さんに声を掛け「EV推進の罠」を手がけた加藤康子さんも安倍政権時代に「内閣参与」を勤めている。父親は元国会議員で大臣も経験した農水族の加藤六月である。典型的な「お友達」の範疇を出ない肩書。主な仕事は「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産登録実現とのこと。もうこれだけでこの本への興味が失せた人は少なくないだろう。まあそういう類いの本だ。クルマ好き素人に過ぎない私が読んでも、ほぼ知らない内容は無かった。長く従事している職業柄のおかげで、日本の工業、輸出&輸入、エネルギー、発電方法それぞれの内訳は頭に入っているので、何も目新しいことはなかったが、総選挙前に行われた総裁選で、河野&小泉(&石破)陣営を孤立させた安倍陣営の意向がよくわかる内容にはなっている。



舞い上がっている

カーメディアの中では理論派で理性的な部類に入る岡崎&池田のご両名だが、なかなか出会うことのない「貴人」コネクションとの仕事のチャンスだったようで、対談形式で進む文中には両者の「必死」さが滲み出ている。この二人が河野太郎、小泉進次郎を名指しでボロクソに言い合っているのは、最初こそ新鮮に感じられるけど、そこそこの分量を誇る本書において、随所に登場させて、散々な「印象操作」を行っていることに少々違和感を覚える(「幻滅」しちゃうかも)。脱原発&EV推進派の政治家だけでなく、欧州&中国のEV事情を切り取って「断定的」に書き上げる一般メディアのあり方に対してもしつこいくらいに批判している。少なくとも「カーメディア村」に属している人々にそんなこと言う資格はあるのだろうか!?という疑問は頭をもたげる。カーメディアも「DCT&小排気量ターボ推進派だった」という愚かな過去を反省するのがまず先じゃないのか!?MAZDAに謝ったのか!?



主宰にツッコミを入れろ!!

岡崎&池田の両名も、今後の人生を楽に生きるためとはいえ、あまりに一方的な「ポピュリズム」的な批判を繰り出す自分の姿に内心は「迷い」もあったんじゃないかと思う。主宰の加藤康子さんは、中国市場やアメリカ市場でどんなブランドが売れているかも知らずに「EV推進批判」の本を作ろうとしている。絶対に言えないだろうがまずはこのオバさんにツッコミを入れるべきだ。加藤さんの主張は一貫して「我が国の自動車産業が失われたらこの国は滅びる」ってことだけ(読者をナメている!?)。確かに頭が空っぽな読者にはわかりやすいメッセージなのだろうけど、50歳以下の賢過ぎる若い世代にはほぼほぼ眉唾でしかない。「中国は外資50%規制を設けて合弁を強要している」「VWが工場を操業している新疆ウイグル地区での強制労働問題は深刻だ」「政府の補助金により異常に安いバッテリーが生産できる」などアンフェアな側面を盛んに訴えるが、現実の世界では中国、アメリカ、インド、韓国、ドイツ、イギリス、フランスなど、日本の除く全ての自動車生産が多い国々では「国外メーカー」の工場が建っているのが現実だ、アンフェアなのは中国だけではない・・・。



「プロの政治」

護送船団の日本メーカーは、確かに国内産業の花形ではあるけども、結果として労働者の賃金も先進国の自動車産業としては最低レベルであり、カルテルまがいの不利益行動を取っていると批判されても仕方のない状況だ。GDPで自動車関連が占める割合はわずか4%に過ぎないが、自動車メーカーはいずれも3兆円を超える超大手企業であり、製造業全体の賃金を決める存在と言っても過言ではない。日本の賃金は上がらないのは・・・。派遣労働者(40歳定年制)に作業の多くを依存する日本の自動車工場では、敷地内に派遣会社の労務管理員が常駐している。自動車産業と貧困ビジネスが手を取り合って「搾取」している、とても新疆ウイグルの強制労働を批判できる状況ではない。実家の近くにもアマゾンの倉庫ができた。支払われる賃金は周辺の相場を大きく上回る。7月に発効したUSMCAで「時給16ドル以上」が約束されているアメリカの自動車メーカーが日本で工場を展開することで、日本社会の労働環境も大きく前進するのではと思う。本書の趣旨もこれを実現したトランプ大統領のような「プロの政治」を期待しているのだろう。



日本生産の可能性

すでに韓国より人件費が安くなった日本ゆえに時給16ドルでも労働者を集めやすい。メアリー=パーラ率いるGMが韓国工場を引き払うそうだが、提携するホンダが閉鎖を予定している狭山や真岡の工場にサプライズ投下されれば、日本の産業の起爆剤になりそうだ。系列で買い叩かれるだけのサプライヤーにも生き残る道は開けるし、日本の産業用ロボット&工作機械は世界的にも評価が高い。タイ生産の三菱、日産、ホンダ車が国内ではあまりにも売れない状況を考えても、日本の若者もメキシコ製のドイツブランド車ではなく、日本製のシボレーを選ぶと思う。国内生産300万台維持を掲げるトヨタにとっては辛いところかもしれないが、日本の電力&エネルギーを総合的に見て経営判断できる賢明な社長であれば、日本全体のGDP成長についても前向きな結論を出してくれると思うが・・・。



日本が変わるためには

トヨタとともに日本生産維持を掲げるMAZDAやスバルにしてもバブル崩壊の荒波を乗り越えて、「世界トップの商品力」(本書で五朗さんの発言)を発揮するに至ったのは、もちろん関係者の努力の賜物なのだけど、どちらもフォード、GMの傘下で自動車作りの知見を広げることができた「幸運」がきっかけになっている・・・両陣営の本を本でいるとそのことがよく書かれている。実際に世界に通用するクルマ作りに関してはトヨタ、ホンダ、日産よりも一枚も二枚も上手だ。パナソニックとテスラの同盟が素晴らしい結果を残した。企業レベルでの「日米同盟」は、身動きが取れない日本企業にとってはブレークスルーのヒントだ。



良さを消しあっている

ちょっと内容から逸れてしまったが、本書を読んで強く感じたことは「真面目で人柄も良いリベラルなオッサンは、暴走するとかなり暴れる」ってことだろうか。岡崎、池田の熱心なファンが本書を読んだらかなり違和感があるだろう。優秀な頭脳が二つ合わさると・・・「機能不全」になる。間違いなく両名が別々に「EV懐疑論」を書き上げた方が、冷静で考察の行き届いた内容になることだろう。素人の「貴人」が間に入ってしまい、真面目な両者はただひたすらに「『お友達』さんが言いたいであろうEV懐疑論」を協力して代弁したに過ぎない。筋金入りのクルマ好きが読むにはちょっと内容がお粗末過ぎる。随所に散りばめられた「美しい日本」という右傾キーワードに歓喜するのはガチの高齢者と頭が老人レベルの若者だけだと思うが・・・。最後にこの本を紹介してくれた「kozziTV」こと小沢コージさんに感謝を!!



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