先代BMW3シリーズ(F30)への一途な愛を表現し続ける男・・・




清水草一さんが・・・
いやー・・・あっぱれですよ。なんかよくわかんないですけど、「3シリーズ歴代最強は6代目(F30)だ!!」とまで堂々と宣言してくれそうな、ピュアな愛情を各種メディアで発信しまくっている清水草一さんが異彩を放っている。新型(G20)が登場したばかりのBMW3シリーズだけども、「新型なんて全然ダメだ!!」と言い切る・・・カーメディアの最前線に位置している雑誌の連載で堂々と宣言!!さらにウェブメディアでも「新型になる意味がなかったモデル」という企画でBMW3シリーズを選んでいる。



トヨタに最接近したBMW車
F30系には派生車種も含めて何度も乗った。いつかのベストカーでK沢氏が「クラウンには絶対超えられない3シリーズの壁がある」みたいなことを書いていたが、3シリーズで最もトヨタのサルーンに接近した乗り味を持ったのがF30じゃないかと思う。P10プリメーラの乗り味を真似して4世代目のE46は欧州スポーツサルーンを牽引する大ヒットモデルになったけども、5代目(E90)でシャシー変更をした後に、6代目(F30)ではBMWとは思えないような「フワフワ」した足回りを採用した。クラウンかマークXのような乗り味。E90のような「不用意な底付き感」は徹底排除され、Mスポであっても「ガツン」という骨盤粉砕レベルの入力から解放された。


出てきた時代が悪かった!?
E90は欧州では売り上げを落としアウディの後塵を拝したが、日本や東アジアではよく売れた。リーマン前夜の2007年が日本における3シリーズ販売のピークらしい。忘れもしないが、この頃にE90を買ったと思われる某BMWブロガーが、私のブログのコメント欄にやってきて、散々に人のことを「狂人」とか罵った後に自分のブログのリンクを貼り付けていた時は憤慨した。そのブログをちょっと読んでみたが恐ろしく退屈で「どっちが狂人だよ?はぁ?」って思ったもんだ。偏見も入っているけど2007年前後にE90を買った人はただのミーハーなくせに「高級車オーナー面」と「クルママニア面」をしたがるイタい人が多いのでは!?


BMWの暗黒時代を生きる
そんな連中がBMWの多数派になったことで、当たり前だけど日本におけるBMW人気は2007年から右肩下がりのまま10年を過ぎてしまった。E90オーナーが何の見識もなく後継のF30に対して批判的だった。2007年にE90がバカ売れしたので、5年残クレが経過する2012年に新登場したF30に乗り換える需要も見込んでいただろうが、震災の影響もあってF30の販売は伸び悩んだ。その後に登場したメルセデスCクラス(W205)に日本やアメリカで売り負けるという屈辱を味わった。栄光の3シリーズにとうとう傷をつけてしまった・・・。


さすがは3シリーズ・・・
それでもF30は非常に意欲的なモデルだったと思う。とにかく日本に「クリーンディーゼル」ブームを持ち込んだ功績は大きい。もしF30に320dが設定されていなければ、2012年に倒産のピンチにまで追い込まれていたマツダはあっさり「土俵を割って」しまっていたかもしれない。現在の日本の自動車産業には活気がみられるけど、その中心ではマツダが八面六臂の活躍を続けている。全てはF30のおかげなのかもしれない。



ある意味で世界のベンチマーク
単なるクリーンディーゼルの「伝道」車というわけではない。E90までは3シリーズの後席はまともに座る所ではなかった。初代から5代目までは実質2シーターだった3シリーズを始めて4シーターに転換した意義は大きい。キャビンスペースに制約ができるFRで後席空間を確保するのは難しいが、F30を追い抜いていったメルセデスCクラス(W205)は、シリーズとして初めて全長4.7mを超え、後席を十分に座れるものにしたが、これはF30が切り開いた新しいDセグFRのスタイルを引用している。さらに言えばF30の後から登場したレクサスIS、スカイラインも同じ意図でサイズアップをしている。



フォロワーはかなり多い
ライバルが4.7mを超える中で、F30は4.6m級を維持した。それでも「ドイツのホンダ」と言われるだけあって、スペース効率で後席を使えるものにした。派生モデルの4シリーズも2ドアに関わらず、リアがしっかり座れる。ルーフが下がっているけど、座面を下げることで解決している。最近登場したホンダ・インサイトもこの手法を真似ている。FFながらもHV用バッテリーの積載がありスペースはタイトだけども、見事に4.7m未満のクーペルックなボデーで後席を使える設計に仕立てている。かつてE46は多くのメーカーのベンチマークになったけども、F30も見事にフォロワーを生んでいる。さすが3シリーズの血統というべきか・・・。


これぞ自動車ライターの仕事だ!!
清水草一さんには、これからも「F30は名車だ!!」のスタンスでゴリ押し活動を期待したい。どーも最近のライターは年寄りばかりになって、レビューがいちいち淡白すぎて、熱が伝わってこない。荷室だとかミッションの変速とかどーでもいいツッコミどころをネチネチと書くことがレビューだと思っているのだろうか!? レビューしているクルマのどこに、マニア心をくすぐる要素があるか!?すら見抜けない連中はプロライター失格だ。メーカーの開発担当者の説明通りの長所をそのまま書いているだけの連中が多すぎる。そんなのはレビューではない。


渡辺敏史も頑張れ・・・
清水草一さんのように他のライターが気がつかないようなポイントを熱く語るスタイルこそが読者をよりクルマの深淵なる世界に導くと思うし考えるきっかけになるだろう。ベストカーの連載「エンスー解放戦線」でコンビを組む渡辺敏史さんと最新号でも全く噛み合わない論争を延々とやっていた。「渡辺敏史の方がマトモ!!」って声もあるだろうけど、「ポルシェのボクサー4ターボはいい!!」と大多数に支持されなさそうなことを頑固に主張する姿には男気を感じた。今回ばかりは渡辺さんがつまらなすぎる・・・。それにしてもこんな根性のある自動車ライターがまだ生き残っていたんですね。これからも長く活躍して欲しい。



 


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