VWの1.5Lガソリンターボ には日本のエンジンでは勝ち目がない!?・・・もう騙されないぞ!!


コロコロと意見が変わる連載ですねー
欧州市場などではもう数年前にフォルクスワーゲンから1.2Lターボは廃止されているのに、「1,4Lと1.2Lで世界の500万台を補完する計画はすごい!!」とか平気で書いていた「ニューモデルマガジンX」の珍妙なオッサン集団(5人くらいいて誰一人現実がわかっていないという事実!!)が、今度はフォルクスワーゲンの1.5Lターボこそが「ライトサイジングのお手本」として持て囃している。


欧州ではずっと前に導入済みだけど・・・
例の「500万台」発言の段階(2017年くらい)ですでに欧州ではこの1.5L版のE211が主力ユニットの1つになっていたのだけど、2019年5月になって「その一番新しい姿が『EA211』形式で登場した1.5L仕様の『evo』だ」と書いてあるけどさ、2014年にユーロ6が適用され1.2Lはすでに適合せずで欧州では廃止している。日本、中国、パキスタン、インドなどのアジア圏(底辺市場)だけ現在も1.2Lの販売継続していて、最近になっても日本では1.2L版ゴルフの限定モデルが300万円くらいで売られている(ナメんな!!)。アメリカ向けは最初から1.4Lと1.8Lを使用。



とりあえず読者に誤認させることが目的!?
ユーロ6適合のガソリンユニットは1.0L、1.4L、1.5Lの3つなんだけど、それがとっくに欧州市場のVWでは常識になっている2017年頃にニューモデルマガジンXは先ほどの「1.2L&1.4Lで500万台」とか書いていた。そんな連中が今度は何を言い出すかと思えば・・・やっと「ポロR-line」というグレードで欧州車レベルの1.5Lターボが導入されましたが、そのモデルが高速道路100km/h巡行で30km/Lくらいの数値を出すらしい。そーですかそりゃ素晴らしい。まあどんなクルマでも平坦な高速道路を100km/hで滑走すれば燃費計は30km/Lとか40km/Lとかわけわかんない数字を出すので一概に否定はしませんけどね。「アクセル・オン時」とは一切書いてないので真意はわからず・・・。



燃費を議論する前にやることがあるだろ
とりあえずプリウスやアクアを超える燃費性能だ!!と読者が勝手に誤解するのを待つ作戦でしょうね。このオッサンたちはフォルクスワーゲンエンジンの世界的な現在地とか全然わかってないくせに、読者の心理を突いて誘導するのは上手いよなー・・・。そもそもポロで高速道路を走りたいとは思わないです。現行よりもガッチリした作りだった先代モデルがすでにホンダN-BOXに衝突安全テスト(JNCAP)のスコアで負けている。もしこの5人のオッサンがなんのバイアスもなくフラットな立場でクルマを品評するのであれば、「まずはJNCAPを受験して俺たちを安心させてくれ!!」と書くんじゃないですかね。



フォルクスワーゲンがお手本・・・という時点で眉唾
日本のカーメディアではフォルクスワーゲンやルノーの評価が高いですけども、欧州では公社的性格が強いこの2つのメーカーは、革新性という意味ではあまり高い評価はされていない。実際に半官半民だったり、マレーシアのプロトンのように政府系ファンドの投資による国営だったりのメーカーはどうやら宿命なのかもしれないが中長期的にはほぼ確実に危機的状況になる。日本でも財閥系の三菱や日産はバブル前後に大きな頓挫を迎えたし、トヨタとホンダもあまりの急成長「安定化」からくる保守的な傾向は否定できず、経営トップが絶えず警鐘を鳴らしながらコメントする姿が当たり前になった。大企業病。トヨタは2期連続で2兆円以上の営業利益を計上してもボーナスカットらしい。嫌なら辞めろ!!けど他社はもっと悲惨だから・・・。



自動車メーカーの末期症状
メルセデス、BMW、MAZDAは150〜200万円クラスだけども、FF&FRの2ブロック体制を構築し、きめ細かいモデル設定をしつつ、トヨタ、VW、ルノー日産を常に出し抜く創造性が求められる。まあ自然とユーザー目線では納得できるクルマが多くなるのかもしれない。規模に関わらず、どこの自動車メーカーも色々な問題を抱えていて、トヨタは虎の子のHV技術がガラパゴス化するのを恐れてロビー活動に2兆円の利益を連邦政府にロビー活動としてブチ込むだろうし、VWは排ガス規制のスケジュール前にエンジンを更新して世界中の生産工場に段階的に行き渡らせなきゃいけないし、ルノー日産は穏やかでない経営問題についての主導権を確認しなきゃいけない・・・あー大変だ。



大企業とカーメディアの利害
小さい会社よりもよっぽど舵取りが大変で、一歩間違えば世界経済を暗転させてしまう恐れもあるトヨタやVW。そんな巨大自動車メーカーにとって、自らの事業計画を着実に実行するための強い味方が日本のカーメディアなんだろうな。読者の立場からすると、テキトーなこと書いてんじゃねーよ!!と言いたいことがしばしばあるけど、そりゃ読者の都合なんて気にしている場合ではない。ドイツや日本が大不況になったり戦争に巻き込まれるかもしれない。VWもカーメディアも必死なんだな・・・。



あんまり読者をナメるなよ!!
MAZDAに人見光夫さんというダウンサイジングターボの欠点を著書で書きまくったエンジニアがいる。BMWのモジュラーユニットも、VWのダウンサイジングターボもすでにMAZDAでは80年代に基礎研究が済んでいて、ストップ&ゴーが多い日本市場ではデメリットが多過ぎるので採用が見送られたと懐述している。今回にニューモデルマガジンXの「ベテラン実験ドライバーさん」の発言にある
「純粋にエンジン効率を考えると、排気量を小さくすればシリンダー内の表面積が減るから冷却損失が減るし、高回転域を使わなければ機械損失が減る。その両方に効くのは過給だ。」
に、大いに納得しちゃう読者もいるかもしれないが、MAZDAファンで人見さんの本を読んでいる人には即座に反論が頭に浮かぶ。


これはひどい・・・
さらに「元部品メーカーのエンジニアさん」の発言には
「VWは燃料を直にシリンダー内に噴射する直噴システムを持っていた。ポート噴射よりも細かな燃料制御がやりやすい。」
とあるけど、これはもう失笑レベルだ。軽自動車用とルノートゥインゴ用のターボユニットでは直噴化のコストが盛り込めないのでポート噴射のままだけど、他のメーカーでは直噴ターボは常識だ。「VWは持っていた」は間違ってないけど、持ってないメーカーはどこだ!?って話。読者をナメ過ぎている。



VWとマツダが同じ扱いなはずないだろ・・・
さらに人見さんをはじめ、MAZDAの関係者が憤慨させそうなのが、VWの排気量アップは排気ガス浄化にも大きく貢献しているうえに、従来の1.4L版よりも燃費も向上している!!日本は排気量で課税するのはやめろ!!みたいなことを書いていること。MAZDAが随分前に「ライトサイジング」を掲げいち早く「ユーロ7」(2021年〜)に適合したユニットを発表した時には、「貧乏メーカーの奥の手」だとか(ディーゼルには)「尿素SCRをつけろ!!」とか難癖をつけて簡単には同意しようとしなかったのに、VWがギリギリのタイミングでユーロ6対策に作った余り物エンジンを大絶賛して星5つを進呈するとは・・・。実にニューモデルマガジンXらしいけどね。


なんか大事なことを忘れている気がするが・・・
それにしても「(このすごーいVWエンジンに対して)日本メーカーはどうする!?」とか言われてもさ、過去にVWの「チート」ディーゼルに騙されて「日本メーカーのエンジンはゴミだ!!」みたいなことを集団で書いたことは都合よく忘れてしまったのかな!?(不可抗力だって!?) まずはVWに対してさっさと排ガスが酷すぎる1.2Lターボ(NOxはトヨタ車の50倍)の日本への販売をヤメろ!!と書くのが筋だろーが!!


覆面ライターには不都合な真実がある
最近なんだか再びVW周りがキナ臭い。ベストカーにも「令和マン」とか言う覆面キャラが現れて、現役テストドライバーが1.4Lターボのゴルフハイラインと、1.2Lターボのカローラスポーツをジャッジします!!って企画が始まり、なぜ最上級グレードのゴルフと、ボトムグレードのカローラスポーツの比較なのかわからないまま、コスパ以外はゴルフ・ハイラインの圧勝!!みたいなジャッジをしていた。やっぱりベストカーには、こんなアホしか騙されないような企画が似合うといえばそれまでだが、再びフォルクスワーゲンとAJAJの関係は怪しいものになってきたのかな!?

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もっといいエンジンが出るから星4つって・・・おいおい。




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