「狼中年」斎藤慎輔さんが 「国産SUVで唯一!!」・・・また事実誤認か?

斎藤慎輔さん悪行三昧
マツダとアルファロメオに対して少々執拗に感じられるネガキャンをレビューでしばしば行うAJAJ正会員の斎藤慎輔さん。全てのMAZDAファンはこの自動車ライターと度重なる挑発的暴挙に憤慨させられっぱなしなんですけども(私だけ?)、またまたまた・・・ですね。「NDロードスターは小物入れが無いからダメ」「マツダのGコントロールは詐欺みたいなもんだ」「デミオのヘッドライトはアウディA8に比べればまだまだのレベル」「フロントにダブルウィッシュボーンを組み込んだアルファ156/159/147やアテンザGG/GHは曲がりそうで全然曲がらない!!」他にも・・・マツダのトルコンATにあれこれイチャモン付けていたっけ・・・(マツダのロックアップ式トルコンがダメだったら他のメーカーはどうなってしまうのか!?)


AJAJ正会員にあるまじき「愚レビュー」が再び
そんな斎藤さんがまたまたティーポで「?」なことをおっしゃっているので、備忘録として残しておきたいと思います。トヨタRAV4について「久々にトヨタ車で気に入った」と喜んでおられるご様子で、なによりでございます。特にHVのAWDモデルがいい感じなんだってさー。横置きのカムリ級シャシー「TNGA-Kプラットフォーム」は、今のところ日本への導入はカムリHV、レクサスESに続き3台目ですが、さすがプリウス級の「MCプラットフォーム」とは素性が違っていてあらゆる面でレベルが高いみたいです。今後はレクサスRXも次のFMCでこの「TNGA-K」になると思われる。安定感があるのはもちろんですが、ハイパワー型のTHSシステムが搭載されていて走りが洗練されている。トヨタの北米での人気を支える本気シャシーなのだから当たり前。


新型RAV4の価値とは・・・
トヨタを買うなら「KのHV」かなー・・・と思いますけど、トヨタがハイブリッドを拡販するに当たって、横置きの3段階のプラットフォームにそれぞれ別のユニットを組み合わせたTHSを用意していて、ヴィッツ級「Bプラット」、プリウス級「MCプラット」、カムリ級「Kプラット」で上手く使い分けている。その中で新しいトヨタを印象付けるために戦略的に上級のプラットフォームに切り替えているのが、RAV4(MC→K)と年内に発売予定の日本向けカローラ(B→MC)。今までのトヨタは意図的に格下のプラットフォームへの切り替えが目立った。本来はKを使うべき、エスティマ、アルファード、ハリアーはMCで作成され、MCが相当に思われるカローラやJPNタクシーはBが使われている。トヨタ車に乗った時の「軽薄」なフィールは、車格とプラットフォームが合っていないことによる限界の低さに起因していると思われる。加速も制動も車格からは考えられないほど「緩い」けどそれは「エコ」だと説明されてきた。


トヨタ車の評価
誤解を恐れず言ってしまうと、「B」も「MC」もそりゃドイツ車を好んで乗っている連中に言わせれば「こんなのクルマじゃない!!」という印象になるのは不回避。マツダ、日産、ホンダ派の人々からも「なんか違うよなー」と小バカにされちゃうだろう。もちろん機能全般における信頼性の高さとか、トヨタのアフターサービスの充実とか、メンテナンス費用の安さとかいいとことはたくさんあるけどさ。もしかしたら「TNGA-MC」は違う!!という人もいるかもしれない。確かにC-HRをわざわざ上級シャシーにしたところであまり得るものはないだろう。MCに最適化したボデーとサスの性能でフォルクスワーゲンのレベルは十分にキャッチアップしているという意見もあるだろうけどさ。より快適さを求めるとやはり「K」のRAV4に軍配があがるし、よりファントゥドライブを目指すなら専用設計シャシーのスポーツモデルだってある。フォルクスワーゲンには追いついたかもしれないが、ホンダの新型シャシーやMAZDAの第七世代はさらに先に行っている。


トヨタ=ドリフト!?
さて「K」を使ったRAV4にご満悦の斎藤さんですけども、レビューを読んでいると「?」な点が・・・。てっきりトヨタの英断をたたえているのかと思いきや、AWD&ハイブリッドのRAV4が繰り出す低速トルクが、ダートに近い不整路では前後左右の4輪のトルク配分が絶えず変化してデフ機能が弱いモデルだとノロノロ運転を余儀なくされるけど、RAV4に搭載された機敏なトルクベクタリング機能によってラリー気分でパワースライドできる!!・・・「国産唯一のSUV」とか書いておられた。


雪国のAWDは商品力に大きく貢献
わざわざ「国産車唯一」って書いてるってことは、RAV4以外の日本メーカー車にはそんな機能はなく、輸入ブランドにはそれに該当するモデルがあるという意味に解釈できる。そんな馬鹿な!! 横置きエンジンのSUVにおいて、トルクベクタリング機能自体は2013年のエクストレイルに導入され、その後に出てきたトヨタ&ホンダ以外の日本メーカーSUVでは当たり前のように配備が進んでいる。都市環境で使うにはオーバースペックでは!?との意見もあるけど、日本独特の降雪対策という意味もあってマツダ、スズキ、スバル、三菱が導入済みだ。さらにスバル、スズキ、三菱は走行モードがボタンやレバーで切り替え可能で、トルク配分の固定などディファレンシャルの機能のアナログ化にも対応している(素人には使いこなせない)。そもそもこの機能の価値を知らしめたのはランエボの世界的な人気沸騰だ。


三菱には究極のスペシャルEデフを搭載したモデルもある!!
今も三菱はランエボの技術が進化を続けていることを示すために、「アウトランダーPHEV・Sエディション(509万円)」をラインナップしている。斎藤さんくらいの一流ライターがこのスペシャルグレードをご存知なかったなんてことはあるまい・・・やはり持病の「オオカミ中年」症状が出てしまったようだ。電動モーター駆動の割合が大きいモデルほどAWDトルクベクタリングとの相性は良いことを三菱は2015年頃にすでに商品化で示していた。自動車好きであればこのコンセプトのオリジナルが三菱であることは誰でも知っている。最初に三菱がやっていたことを、トヨタが自らのHV拡販戦略に取り入れて、さらにコストを計算し直してより手軽な価格帯で商品化すること自体は特に問題はないと思う。


大トルク時代突入でデフは儲かる!?
三菱は圧倒的な反応速度にこだわっていてセンサーを大量につけている。488世代になってターボトルクを持て余す現行フェラーリにも、この機能は採用されている。それに対してトヨタは前述の日本メーカーの量販SUVのレベルを超えないセンサー式ディファレンシャル機能と、トヨタKプラットフォーム車が備える上級車向けのハイトルク版THSを組み合わせて、コスト的に有利に三菱のコピー車を作った格好だ。確かに斎藤さんがおっしゃるようにHVとセンサーデフの好相性がクルマの完成度をあげている。通常のトヨタ車では味わえないレベルというのもその通りだろう。


簡易デフとHVを組み合わせる魔法
ちなみに高性能HVとセンサーデフの好相性を早くから理解して開発を進めていたのは三菱だけではない。ホンダがNSXやレジェンドで採用しているSH-AWDも全く同じコンセプトで、旋回時の安定性をセンサー・トルクベクタリングで担保するアイディアだ。これをCR-VのクーペSUV版でも作り搭載したら面白いそうだけど、どうやらホンダには「スポーティなSUV」というビーエムやアルファのような発想がないようだ。三菱、ホンダのシステムは先端技術であり、それに比べればスバル、スズキ、マツダ、日産のAWDのデフ機能は簡易的なものだそうだ。世界でもトップレベルの豪雪国である日本のメーカーらしく普及型のAWDを開発している。この4社にトヨタ、ホンダ、三菱のような電動トルクをたくさん使えるHVユニットが早くから確立されていたら、「HV&AWD」を武器にした新型RAV4のようなモデルはとっくに登場していただろう。ホンダや三菱はあまりに熱心に研究した結果、普及車に積むという発想があまりなかったのだろう。


そもそも欧州ブランドのAWDなんてさ・・・
三菱の存在を見落としていたにせよ抹殺したにせよ、それだけが斎藤さんの過失ではない。あたかも輸入ブランドにこれだけのモータートルクを発揮して高精度なセンサーデフを持ち合わせるAWD車があるように誤認させる書き方をしていることがもっと問題だ。そもそも欧州ブランドは自社でAWDを開発する意識は低い。PSAは数年前までAWDモデルは全て日本の岡山県倉敷市の三菱工場で生産されていた。VWやボルボのような横置きFFシャシーにはハルデックス製AWDが、BMWやメルセデスの縦置きFRシャシーにはマグナ・シュタイアーなどのファクトリーが請負を行っているし、ポルシェ&アウディに使われるシステムは日立が開発している。


レビューはとても良かったけどさ・・・
RAV4の価値をうまく取り出してレビューにまとめたという意味では斎藤さんの仕事はとても良かったと思うが、いつもの「狼中年」が出てしまい余計な一言を付け加えたのはいただけない。「令和」の時代になっても斎藤さんのように、日本のAWDの実力がわかっていない人がプロとして自動車レビューを書いて良いのだろうか!?AJAJは正会員のレビュー能力をしっかりと見極め、問題があれば誠実に「訂正」及び誤った情報の流布が起きないように最大限対応し、適正な処分を行って欲しいと思う。


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